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『Pantera / The Great Southern Trendkill』

スレイヤーと同じように、最初のデスヴォイス(ハードコア的な「グオオオオ」みたいな例の絶叫です^^;)でちょっと引いてしまいましたが、そこを過ぎたらカッコいい!!最初に一回ドン引きさせる絶叫をかますのはスラッシュのお約束なのかな?詳しくないから分かりませんが、いかにも喉に悪そうなダミ声絶叫はあんまり趣味じゃない…でも、それ以外は音楽も演奏も何もかもが刺激的、これはいい!ギターのリフが命の音楽でしたが、そのギターの音がスラッシュメタルの中では太くてハードロック的で良かったです。どんなに速く弾かれても音が細いとダメなんですよね、僕。メタルよりハードロックが好きな理由のひとつはそこかもと思うぐらいです。
また、スラッシュという割にZZトップやスティーヴィー・レイ・ヴォーンあたりのハードブルースっぽいものも混じって感じましたが、このへんは地域色なのかも。アメリカではデトロイトとテキサスがハードでやさぐれた音楽の宝庫で大好きです(^^)。ついでに、アメフトのチームもこのへんのチームが好きだったりして。ライオンズとカウボーイズばんざい。
というわけで、個人的には、スラッシュメタルというよりも90年代のハードロックと呼びたくなるロックでした。それぐらいカッコよかったです。
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『エチオピアの音楽』

さて、このCDに入っていた音楽は、大きく分けて3種類。ひとつは大道芸人の音楽、ひとつは祭りのときの舞踊音楽の合唱、もうひとつは教会系の音楽でした。
まずは、大道芸人の弾き語り、これは3曲入ってました。マシンクォという1弦の擦弦楽器を弾きながら歌っているものは、プリミティブでなかなか怪しい感じ。他には、キラールという聴いた感じは月琴みたいな音のする楽器の弾き語りも入ってましたが、これもあまりテクニカルじゃなくてガシャガシャひっかきまわして怪しい感じ。

エチオピア正教会系の音楽は、色々入ってました。
まずは讃美歌、これは無伴奏でユニゾンなので、けっこう原始的に感じました。
次に、聖歌。これは僕が想像しちゃう西ヨーロッパの讃美歌でもロシアやウクライナの正教会の見事な合唱でもなく、まるで仏教の読経。25分ぐらいずっと読経してましたが(フェードインしていたので、本当はもっと長いんだと思います)、古代のジャングルの奥地で神聖な儀式が執り行われてるみたいな雰囲気、壮観で驚きました。

印象だけでいうと、大道芸人の音楽はプリミティブなアフリカ黒人音楽という感じ。後から作られただろう讃美歌は多分ヨーロッパのキリスト教音楽ともアフリカ音楽とも関係ない感じのシンプルなもの。そして教会音楽はキリスト教なんだろうけど、そこで使ってる音楽は仏教音楽のようで、荘厳で神秘的、何より人数がものすごい感じで、圧倒されました。いやあ、この教会音楽は他ではちょっと聴けない音楽、ものすごい体験をしてしまった。。音楽を聴いたというより、まったく知らない土地で、ものすごい人数で行っている宗教的な儀礼に参加してしまった感覚です。すごいわ…。
『Sudan: Music of the Blue Nile Province - The Gumuz Tribe』

グムズ族の音楽はすべての氏族で似ているそうですが、詞はちょっと違うんだそうで。でも言葉が分からないので、詞の内容は分かりませんでした(^^;)。音楽の雰囲気から言うと、人に聴かせるものではなく村の人が全員参加して歌う感じ。西アフリカのポリリズミックな打楽器合奏みたいに激しいものは少なく、また儀式的な厳かなものもなく、みんなでゆったり楽しく歌ってる感じで、基本的にヘテロフォニー気味の斉唱でした。
斉唱チームが2つに分かれる事があったり、ひとりで歌うリーダーが現れて、斉唱チームとのコール&レスポンスになったり、みたいな。たまに入ってくる合いの手が馬のいななきを模倣してるんですが、これが異様にうまくて、最初は本当に馬かと思いました。あまりに絶妙のタイミングで入ってくるので、ようやく「あ、これ、人が擬音してるのか」とようやく気付いたほど。

でもって、斉唱チームは基本的に女声なんですが、これが子供みたいな声。皆が可愛らしい声でミャーミャーと歌っているので、子猫たちがニャンニャン騒いでるようでかわいい(^^)。
こういう共同体の絆が強そうな社会っていいなあ。こういう社会では、音楽は、絆を強める効果もあるんでしょうね。音楽を聴いているというより、村の一因になって皆で楽しく歌っている気分。これもいい、実に楽しかったです(^^)。
『Sudan: Music of the Blue Nile Province - The Ingessana and Berta Tribes』

インゲッサナ族はイスラム化しなかった部族で、イスラム侵入以前のネイティブな文化をイ維持している部族だそう。インゲッサナには4つの主要グループがあって、このCDではうち2グループの音楽を収録。竹フルートやジャンガー(竪琴の一種)なんかを使っていました。
彼らの音楽は確かにプリミティブでした。でもこのプリミティブさが曲者で、聴き始めた時には退屈。でも聴き続けていると病みつきになってしまいました(^^)。合唱は中央アフリカや南アフリカのものすごいポリフォニーではなくて、皆で一斉に同じメロディを歌う斉唱のような感じ。弾き語りも、ビリンバウのように少ない数の弦を張った弦楽器で、いくつかの音をひとつのリズム型で反復しながら歌う感じ。ただ、このシンプルな伴奏に乗せて歌う歌が、歌というより語り、それもラップのようにものすごいマシンガントークですごい!ああ~これは何を語っているのか知りたい、きっと英雄物語だったり伝説の伝承だったりするんだろうな。。

トラック7から始まる音楽がすごい!!例えば、ひょうたんトランペットと合唱のコール&レスポンス。それぞれのパートはヘテロフォニー、そしてパート同氏は似た形を模倣するんですが、これがクロスフェードして出たり入ったりするコール&レスポンスのようなポリフォニーのような、何とも言えない音楽なのです。これはすげえ。集団で入れ子細工になる音楽をやらせたら、アフリカの民族音楽は世界の最先端だと思ってしまうなあ。
アフリカのプリミティブな音楽には毎度驚かされます。こんな集団音楽、自分ではとても思いつかないし、音の印象もまったく経験したことのないもので、本気で驚かされます。やっぱり、自分お知っているものにばかり触れていないで、知らないものにどんどん挑戦していった方が感動が大きいですね(^^)。。
『Gerry Mulligan / Night Lights』

西海岸のジェリー・マリガンは、東海岸のアドリブ至上主義なハードバップ文化と違って、アレンジとかそういう所で「うわあ、これは凄いな、かっこいいわ」と感心させられることが多かったんですが、このアルバムはいい意味でほとんどムードミュージック。それが恐ろしいほどの美しさで、ジャズなのにピアノかメゾピアノぐらいの感じの演奏ばかり、音も絶対に張らずにふくよかな音を保ち続けてます。ギターのジム・ホールなんて、ほとんど鈴の音じゃないかってぐらいの美しい音で、演奏以前に音色だけでやられてしまいました。
このアルバムをはじめて聴いた時、僕はもう30代に入っていたと思うんですが、はじめて聴いた時の感動は今もどこかに残っています。ウエストコースト・ジャズは客に寄せたムードミュージックに流れ過ぎて終わってしまった気がするんですが、それでもこれだけ美しいと、そっちに流れていった気持ちも分かるなあ。当たりアルバムを引き当てた時のウエストコースト・ジャズは、生きていてよかったと思うほど美しかったり、ため息が出るほどリラックスした音楽だったりしますが、これは間違いなくそういうウエストコースト・ジャズ的な大当たりの1枚。大推薦です!