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『ブルース・クリエイション / LIVE! 白熱のブルース・クリエイション』

いや~ギターがカッコいい、カッコよすぎる!!竹田和夫さんのギター炸裂しまくり、むっちゃくちゃいいです!ヴォーカルは一応いますが、歌パートなんてほとんどなし、ほぼスリーピースのインストロック。トゥッティで決めるところは決め、即興で突っ走るところは突っ走ります。即興といってもダラダラとしたジャムなんかではなく、熱くまっすぐ突きぬける!プレイもカッコいいですが、野太いギターやベースの音もメッチャかっこいい。「悪魔と11人の子供達」もやってますが、スタジオ録音の40倍はカッコいいです(^^)。
若い頃に聴いた時も良かったですが、いま聴いてもこんなに悶絶してしまうとは思いませんでした。もう、演奏が完全に自分の肉声と化しています。洋楽とか邦楽とかなんていうのは、スタイルに耳が行くと起きることであって、個人の演奏に耳を奪われると、個人の表現に思えるので、洋楽とか邦楽とか関係なくなるのかも。この時期のブルース・クリエイションは、スタイルとしてはブラックサバスとかクリームとか似たスタイルをあげようと思えばあげられるかもしれないけど、このライブ盤はそんな所にはまったく耳がいかず、ひたすら竹田さんを中心としたバンドの白熱のプレイに耳を奪われるばかり。これはURCが出した1枚ですが、このCDが出た時に、はっぴいえんどや友部正人や遠藤賢司に目もくれずにブルクリとDEWを押えた若い頃の自分を褒めてあげたい。黎明期の日本のロックの大名盤だと思います!!
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『ブルース・クリエイション / 悪魔と11人の子供達』

ギターがデビュー作とは段違い!ムッチャ弾きまくりな上にうまさもレベルアップ、カッコいい!音楽も変化していて、スリーコードでペンタトニック1発のブルースバンドだったブルクリが、リフを基調にしたロックやってる!おお~転調した…これはブラック・サバスっぽいな…これはグランドファンクっぽいぞ…というわけで、ブルースロックからブルース系ハードロックになってました。
ところがヴォーカルがダメでした。。英語詞なんですが、ものっすごいカタカナ英語なんです。「えぶりでい」とか「ですてぃに~」みたいな。まともに英語を発音できないなら日本語でやれとあれほどいったのに(^^;)。。
僕にとっては弾きまくりの竹田和夫さんのギターがすべての1枚。それ以外の部分は完全に洋楽の物まねで、日本音楽界がロックを学習していた時期では仕方ないのかな…と思いきや、以降の邦楽はさらに洋楽丸パクリになっていくんですよね。ここに戦後の日本文化を見る思いがするよお父さん。僕はこのアルバムを友人から借りて聴いたのですが、それ以降のクリエイションにあまり深入りしなかったのは、「洋楽の物真似なら洋楽聴いた方がいい」と思ったから…だったんでしょうね、きっと。
デンジマンのイントロは永遠に 作曲家の渡辺宙明さん、逝去

1970年代前半に生まれた僕は第2次ベビーブーム世代で、子どもの多さゆえに子供番組の多い事ったらありませんでした。今では信じられない事ですが、どの曜日でも間違いなく新作のアニメか特撮番組が放送されている状態でした。しかも夕方には再放送までやっているわけだから、遊びから帰ったらヒーロー漬け。こうして僕の音楽の原体験が、アニメや特撮の主題歌やサウンドトラックになったのでした。渡辺さんの初期作品だと、72~73年『人造人間キカイダー』のOPとEDが大好きです。ダムの上をサイドカーつきのバイクに乗ってぶっ飛ばすあのオープニングは、毎回見るたびに「ああ、これからキカイダーが始まる!」というワクワク感。あれって絶対、音楽のイントロのカッコよさが期待を何倍にもしていたと思います。

ロックを意識した特撮番組の初期体験は、75年『秘密戦隊ゴレンジャー』のOPとED。ギターがコード・カッティングで、ワウをかましていて、すごくカッコよく感じました。75年というと、ダウンタウン・ブギウギ・バンドが「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」をヒットさせた年で、他にもアリスやツイストも活躍してたんじゃないかなあ。ロックが日本でもアングラでなくなりつつあった頃でしたが、同時期のヒット曲が「シクラメンのかほり」や「石狩挽歌」だった事を考えると、それでもかなり先を行っていたのかも。
で、このワウを噛ませたギターは、ゴレンジャーの後番組『ジャッカー電撃隊』(77年)のOPでさらに進化。この番組、ドラマは面白くなかったですがOPがカッコよくて、食い入るように聴いていました。ボンゴのアドリブ演奏とワウを噛ませたカッティング・ギターのカッコよい事と言ったら。。
さらに80年『電子戦隊デンジマン』まで来ると、イントロがシンセサイザー。しかもあの16分の三連符って、シーケンサー使ったんじゃないかな…。80年でシーケンサーって、きっとPCじゃなくて専用のシーケンス・マシンですよね。80年って、シャネルズ「ランナウェイ」や五輪真弓「恋人よ」の時代だというのに、なんとロックで新しいんだ!でも、デンジマンまで来ると、僕はもう特撮ヒーロー番組じたいを観なくなっていて、このへんが渡辺さんの音楽にお世話になった最後かも。
一方、ロックでない音楽では、東映版『スパイダーマン』(78年)のEDが、めっちゃくちゃにいいバラードで、泣けました。この番組は雲人間が気をスルスルと登ったり壁をはいずりまうぇあったりする特撮も良かったですが、歌も良かったです。時代劇のEDっぽい雰囲気もあって、特撮のED曲の中でも特に素晴らしい曲だと思います。
思いつくままに書きだすだけでもこれだけ出てくるんだから、影響を受けていないわけがないですね。70年代って、アイドル歌謡よりもアニメや特撮番組のOP/ED曲の方が優れていたように思うのですが、それも優れた作家がいたからこそ。子供のころに、夢を与えてくれてありがとうございました。今日は昭和の特撮ヒーロー番組の主題歌をBGMに、1日献杯しようかな。。
『Keith Jarrett / Creation』

恐らくどの曲も即興演奏なんでしょうが、音楽が見事でした。側だけ言えば、即興と言ってもアヴァンギャルドではなく強く調性を感じるもので、ジャズを感じる演奏は少なく、むしろ4度進行…というか、もっと露骨に言えばバロック(ヘンデルとかの華やかな方じゃなくて、宗教音楽時代のバッハ的な重厚な方向)を感じました。でもそういうことじゃなくて、こういうシリアスな音楽に真摯に向かっている人間性に惹かれるというか。
特に良いと感じたのは1曲目と4曲目。入りのモチーフがよかったのが6、7曲。1曲目なんてコードプレスがほとんどなのに、これだけで感動してしまうって何なんだろう…バロック時代の宗教曲のような荘厳さを感じたとか、何か音楽の背景にあるものを感じさせられたのかも知れません。
あと、ピアノの音…会場の響きや録音も含めて、音が素晴らしくて感動しました。場所も録音エンジニアも違うのに、こんなに音に統一感が出るものなんですね。もしかしてベーゼンドルファーのインペリアル指定のコンサートだったのかな?あれ、でも紀尾井ホールってスタンウェイだったよな。オーチャードでは曲が始まった途端に咳してるお客さんが…ホールにコンサートを観に行くときは、ぜったいにのど飴を持っていくようにしましょう。これでけっこう耐えられますよ(^^;)。。
みんなすばらしい音でしたが、なかでもトロントのロイ・トムソン・ホールというところの音がヤバいほどの素晴らしさ。パリはちょっとあったかい感じ。これってミックスで機械リヴァーブを付加した音に聴こえるので、昔のクラシック録音みたいな純然たるホールの音ではないんでしょうが、だとしたらミキシングで音をここまで揃えても、ピアノの個体差って残るものなんですね。音数が少ない演奏だけに、ピアノのサウンドが音楽の優劣を決めているといってよいほど、ピアノのコンディションと録音が重要なアルバムかも。
この録音の時にキース・ジャレットは70歳。さすがに速く強い演奏は出来ず、ゆったり嚙みしるような演奏しか出来ませんでしたが、それが若い頃に指を動かすだけの演奏の何十倍も素晴らしい、本当に素晴らしい。。音楽って頭と心と技術だと痛感させられました、指じゃない。
このCDで最大に感動した音について。これ、レコーディング・エンジニアはマーティン・ピアソンという人で、ヤン・エリック・コングスハウクじゃなかったです。ECM っぽい透明感ある音でしたが、でもあの加工された変な音ではないです。キース・ジャレットのECM録音ではこのエンジニアさんの名前をよく見かけますが、キースさん指定のエンジニアなのかも知れません。
『Keith Jarrett, Charlie Haden / Last Dance』

やっぱり録音が素直で、よく言えば自宅録音独特の良さはあるかも知れません。「Every time we say goodbye」や「Everything happens to me」といったナンバーをリラックスしたムードで演奏してるので、こういうのはECM っぽい冷たいサウンドよりも宅録の方が雰囲気はいいかも。
でも、本当にスタンダードナンバーを素直に演奏しただけなので、なんというか…普通でした。これ、「昨日寄ったジャズバーで弾いてた若手の日本人ピアニストだよ」と言われても、僕は信じてしまうなあ。同じスタンダードをやるんでも、リヴァーサイド時代のビル・エヴァンスみたいにゾクッと来るリリシズムを感じるとか、ラン・ブレイクみたいに独特の和声やアプローチを作り出すとか、そういう何かがないと、今さらスタンダードをそのまま演奏したピアノ・アルバムを聴かされてもな、と感じてしまいました。
でもECMからしてみたら、それが狙いなのかも。キース・ジャレットとチャーリー・ヘイデンがリラックスして演奏したジャズ・スタンダード集、みたいな。そういうのを求めている人には、変な事もしないし破綻もないので、BGM としていいかも。