ドゥービー・ブラザーズ、75年発表の5th アルバムです!ドゥービー・ブラザーズは、サザンロック調のトム・ジョンストン期と、AOR調のマイケル・マクドナルド期で、同じバンドとは思えないほどに音楽性が違いますが、このアルバムがトム・ジョンストン中心期の最後のアルバムです。あれ?再結成した時はトム・ジョンストンが復活したんだったかな?晩節を汚してしまう再結成って多いので、ロックバンドの再結成を聴かない事にしている僕にはよく分からないや(^^;)。
基本的には、典型的なアメリカン・ロックで、明るく楽観主義。ブラスもピアノも入って、コーラスも厚くして、ゲストも大量。とにかく音を分厚くする物量作戦。でもアレンジはざっくり、細かいこたあいいんだよという感じ。
やたら色んなものが挟まってるけど、味つけは塩コショウとケチャップだけの馬鹿でかいハンバーガーみたい、アメリカです(^^)。でも、明るくて気持ちよくていいです!雰囲気だけ言えば、ロックなサウンドをしたカントリーみたい。ここがトム・ジョンストン期のドゥービー・ブラザーズの人気が日本でいまいちな理由なのかも知れませんね。こういう「ああ、田舎っていいなあ、広大なトウモロコシ畑に懐かしい家族や友達に…」みたいな感覚って、若い頃の僕には分かりにくかったのでした。
ところが、それだけでないのがこのアルバムの面白さでした。
トム・ジョンストン期のドゥービーズは、ロックをやめて本格的なアメリカン・ルーツ・ミュージックに徹した演奏すると、とつぜん大味さが消えて馬鹿テクになります。このアルバムだと、
2台ギターとベースだけのインスト曲「SLAT KEY SOQUEL RAG」はメッチャうまい。。もうひとつ、B面2曲目
「I Cheat the hangman」、これはもうプログレ、最後にアップテンポのコーダをつけて劇的な構成、ものすごいかっこいい! トム・ジョンストンは作曲もしてヴォーカルも取ってギターのカッティングはいまも神扱いされて…と、明らかにバンドの中心メンバーだったのに、このアルバム完成直後に麻薬でラリラリになって入院。再起後はバンドに復帰しても中心あつかいでなくなり、主役の座をマイケル・マクドナルドに奪われ、ほどなくして脱退。う~ん、アメリカでもロックなライフスタイルが通じたのは60年代までで、70年代なかばの時点でロックも健全な音楽になっていたという事なのかも知れません。そんなアメリカン・バンドが主流だった時代の最後のバンドが、前期のドゥービー・ブラザーズなのかも。そうそう、ジャケットがメッチャかっこいいので、買うならLPがオススメです。ドゥービーズに限らず、60~70年代のロックのレコードって、カッコいいジャケットのものが多かったなあ。
- 関連記事
-
スポンサーサイト
これがたまらないですね、、、
それと昔のアルバムジャケットは飾りたいかっこよさがあったけど、今では(今はジャケットすら無いか(笑))、単なるデザイン。仕方ないよな、小さいんだから