fc2ブログ

心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

Category: CD・レコード > 民族音楽・ワールド   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『山田流筝曲名曲集』 ビクター邦楽名曲選18

Yamadaryuu souyoku meikyokushuu Victor18 現存する筝曲の二大流派と言えば生田流と山田流。でも、僕の知り合いに生田流の方はいても、山田流はいないんですよね…。山田流は関東中心というから、そういう事なのかな。というわけで、これは山田流筝曲のCDです。全6曲、共通しているのは全曲に中能島欣一という方が箏で参加、編成は曲によってまちまちでした。

「六段調」「乱輪舌」 筝
「臼の声」「さらし」 歌、筝、筝、三弦
「都の春」歌&箏、箏、三弦、尺八
「岡康砧」 歌&箏、箏(本手)、箏(第1替手)*2、箏(第2替手)、三弦、尺八

 ん?あれ?もしかして生田流より山田流の方が洗練されてる?これは特に歌に感じた事で、筝曲ってヴォーカルがあまりに技芸がないと思っていましたが、生田流より山田流の方が歌が良いと思ってしまいました。詩句のある曲は1曲を除いて中能島慶子というかたが歌っていましたが、音程がふらついて音痴だけど(高齢なのかな?)、能楽っぽく音を引っ張るところに技芸を感じました。
 筝の演奏も山田流の方が圧倒的に音楽的な表現や音の表情がある気が…。まず出音が深い!音って出てから消えるまでの音の変化や、出た音のきれいさやその逆の情報量の多さとか、そういう所がものすごく大事じゃないですか。まずはそこが素晴らしかったです。
 そして演奏も表現や表情をかんじるものでした。平らな演奏じゃなくて歌う演奏って、すごく大事じゃないですか。「臼の声」でのアッチェルもカッコいいし、「都の春」「岡康砧」などの三曲のアンサンブルは迫力があって見事!!いやあ、これは僕が聴いて来たほかの筝曲のCDではなかなか聴く事のできない所でした。もっと単純なところで言うと、僕が聴いて来た生田流の演奏の多くは「お稽古ごと」っぽい平たい演奏が多かったんですが、この山田流はまさに器楽。インスト「乱輪舌」なんてまさにソロ・リサイタルそのもので見事な演奏でした!

 とかいって、この差は流派の差じゃなくて個人の差かもしれませんけど(^^;)。もしそうだとしたら、僕みたいな素人には生田流と山田流の差は曲の差ぐらいなのかも知れませんが(でも「六段」などの八橋検校の曲はどちらの流派も演奏してましたが)、それにしたってこのCDの演奏は見事。オムニバスみたいなタイトルや安っぽいジャケットにせず、ちゃんと中能島欣一さんという筝曲家の作品として発表すれば良かったのに。。


スポンサーサイト



Category: CD・レコード > 民族音楽・ワールド   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『宮城道雄編 生田流筝曲選集 第一編(上)』

Miyagimichio hen Ikutaryuu Soukyoku Senshuu Dai1SHuu jou 生田流筝曲の大名曲を宮城道雄さんがアレンジしたものの作品集で、たしか6集ぐらいまで出ていた気がします。それぞれ上下巻だったので全部で12枚ぐらいなのかな…きっと筝を弾く型だったら、かなりの人が持ってる教材なのかも。だってもし僕が箏を習っていたらこれは絶対に買って独学するだろうから(^^)。このCDとセットになる楽譜も売っていて、その楽譜を演奏する際の模範演奏衆といった所ではないかと。教本とセットになったCDやDVDって、僕も他の楽器で参考視しことがありますが、あれって演奏家さえ一流の人であれば実にいいですよね(^^)。
 収録曲は5曲、どれも有名なものばかりだそうです。

・六段(合奏)
・八千代獅子
・千鳥の曲
・難波獅子
・夕顔

 僕にとっての白眉は録音ではなくて、付属していた解説の素晴らしさでした。楽曲解説は10ページにわたる鬼のように丁寧さ、演奏指導は16ページにわたって書かれていました。たとえば演奏指導では、「二拍目のヒキイロは左手で構えた糸を柱の頭へ向かって押して余韻の音程を下げ、そのままの位置で力を抜く」みたいな。あ~これは余韻をコントロールできる弦楽器特有の表現、筝曲にはまったく無知な僕にはその深さを想像させてくれる素晴らしいものでした。あまりに無知だと、何が良いのか悪いのかも分からないんですよね。

 聞き専の僕にとって参考になった解説。このCDには「六段」という曲が入ってましたが、これは筝曲にまったく無知な僕も知っている曲でした。
 で、「六段」「九段」というタイトルのついた筝曲は「段物」と呼ばれ、いくつかの段で出来ている器楽なんだそうです。でもって、ひとつの段は2/4拍子52小節という定型があって、演奏が進むにしたがって緩くアッチェルして、技法としては弦を手前に弾く「シャン」がよく使われて、スクイとかはほぼ使われないんだそうです。
 収録曲の「八千代獅子」と「千鳥の曲」は{前弾―前唄―手事―後唄}という構成(「八千代獅子」は前弾なし)で、こういう曲は「手事物」というそうで、器楽部分を重要視する歌の形式なんだそうです。いやあ、実際に聴きながら解説を読むと勉強になります。。

 演奏。演奏は一曲を除いて宮城喜代子さんと宮城和江さんの二重奏。編成は箏が2台か、三弦と箏。完全な器楽は1曲で、残り4曲は歌入りでした。
 僕は模範演奏としてこのCDを手にしたわけではなかったので、まずは聴く楽しみとしてこの演奏を聴いたんですが、そうやって聞くとやっぱりつまらなく感じてしまいました(^^;)。すっごくうまいんだろうなとは思うんですけどね。。浄瑠璃や琵琶や尺八は面白く感じるのに古典的な筝曲となると人間国宝の富山清琴さんを聴いても誰を聴いても、ことごとく自分には合わないのでした。なんでここまでつまらなく感じてしまうんでしょうか…作曲面でも演奏面でも安定しすぎて刺激がなさ過ぎるのかも。

 ご招待いただいて、日本の中堅どころのクラシック・ギタリストのリサイタルに行ったことがあります。そこそこの広さの小ホールが程よく埋まり、「へえ、これぐらいの人にもこれだけファンがついているんだな」と思ったんですよ。ところが終わった後のロビーでのCD即売会を見ていると、お客さんがみんなそのギタリストさんに声をかけて会話してるんですね。その会話に聞き耳を立てると…あ~お客さんのほとんどが、そのギタリストさんの生徒さんや先生、同僚なんですね。実は筝曲というのもこれに似たところがあるのかも。聴くためのものではなく、自分で演奏する人たちの楽しみのための音楽なのかも…そんな事を思ったある日の夜でした(^^)。あ、箏を演奏なさる人には素晴らしい演奏の手引きがついている事もあり、素晴らしいCDじゃないかと!


Category: CD・レコード > 民族音楽・ワールド   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『富山清琴 / 箏(人間国宝シリーズ3)』

TomiyamaSeikin_SOu NingenKokuhouSeries3 生田流筝曲の家元にして人間国宝となった初代富山清琴(とみやませいきん)のCDです。1歳で失明、富永敬琴に師事して野川流三弦と継山流筝曲の伝授を受けたそうですが、このCDでは三弦は演奏しておらず、箏で勝負していました。
 全5曲で、3曲が歌入り、2曲がインスト。僕が地歌を含まない筝曲としてイメージする音楽はまさにこれ!という感じでした。きれいで、淡々としていて、そして退屈で…みたいな(^^;)。。

 でも…このCDはあまりに不親切でした。どう聴いたって合奏してる曲でも、共演者の名前は書いてないし、歌っているのに歌詞がついていない曲があったり。曲の解説も一切ありませんでした。筝曲や富山清琴に詳しい人ならそれでもいいのかも知れないけど、僕みたいなズブの素人にはあまりに不親切なCDと思ってしまいました。。

 素人耳には、楽器演奏はうまいけど平ら、歌は棒に思ってしまいました(^^;)。まあ、地歌系の人の歌ってこういうのが多いと感じるし、人間国宝に対して言っていいセリフではないですが、でもそう思ってしまったんですよね。せめてもう少し人なり曲の背景なりの情報があれば、いろいろと感じる余地も増えたのかも知れませんが…スマヌス。


Category: CD・レコード > 民族音楽・ワールド   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『筝・三曲 ~江戸の室内楽 (日本の伝統音楽6)』

So Sankyoku Edo no Situnaigaku キングレコード内のレーベル・Seven Seas からリリースされた「日本の伝統音楽」シリーズの第6集、筝・三曲編です!昔、地方のブックオフに行った時にこの詩リースがずらっと安く出ていて、純邦楽を勉強したかった僕はここぞとばかりに買い占めたのでした(^^)。演奏家は曲によってまちまち、全5曲収録でした。

・六段 (箏)
・乱れ (箏本手・箏替手・三弦)
・五段砧 (唄・箏*2)
・千鳥の曲 (唄・箏、唄・箏替手)
・萩の露 (三曲合奏)

 慣れもあるのかも知れませんが、最近筝曲のCDをいろいろ聴いていたからか、苦手なはずの筝曲がけっこう耳に馴染んできました(^^)。このCDはオムニバスなのでそんなに入れ込むような内容のものとは思ってなかったんですが、これがなかなか。。特に最後の三曲合奏「萩の露」(唄・三弦:矢木敬二、筝:沢井忠夫、尺八:山本邦山)は音楽に押し引きもクライマックスもあったもんで、耳が西洋音楽になってしまっている僕の体が喜んでました(^^)。いや~これは曲も演奏もいいなあ。。作曲は幾山検校、幕末から明治にかけて活躍した地歌・筝曲家だそうです。
 他の曲も、他の筝曲のCDで聴いたものより面白く感じたものが多く、箏の二重奏「乱れ」のアッチェル具合などはかなりカッコよかったです(^^)。筝曲のオムニバスにはまず入っている「六段」も、このCDの米川敏子さんという方の演奏がいちばん良かったです。

 このシリーズは解説が丁寧で、純邦楽初学者の僕には有難かったです。解説は東京芸大講師の野川美穂子さんという方で、本当に素晴らしかったです!解説で勉強になった事がいろいろありましたが、そもそも筝曲についての解説がウィキペディアよりも要約が圧倒的にうまくて分かりやすかったです。以下、勉強になった事をまとめると…

箏はもともと雅楽に用いられる楽器だった。それが室町時代末期に筑紫箏(つくしごと)という箏伴奏の歌曲が生まれ、九州久留米の賢順という僧侶が大成。この賢順の元に学んだのが八橋検校で、この八橋検校以降の箏の伝承を筝曲と呼んでいる。
箏の二大流派は生田流(主に関西)と山田流(主に関東)。ほかに継山流や八橋流などがある。

 ハイ上がりな録音で純邦楽らしくないとも思いましたが、SNは良いしエッジも立ってるしで、これはこれでいい録音だと思いました。オムニバスと侮ってはいけない演奏と、素晴らしく丁寧な解説。これは僕みたいな初学者には絶対のおすすめです!!

Category: CD・レコード > 民族音楽・ワールド   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『菊原初子 / 人間国宝 地歌筝曲 菊原初子』

KikuharaHatsuko_NingenKokuho_JiutaSoukyoku.jpg 地歌筝曲で人間国宝となった菊原初子さんのCDです。書籍『音楽の原理』によれば、地歌と筝曲って元々は別の物だったけど、非常に接近したために今ではひとつにくくられる事が多いんだそうです。でも地歌って元々は三味線ですよね?どこで箏と合流したんだろ…というのは、このCDで何となく自分なりに理解できました…あってるかどうかは知りません(^^;)。

 筝曲と言えば、無知な僕にとっては生田流と山田流ですが、菊原さんは「野川流三弦古生田流菊原家4代目」という肩書も持ってるので、生田流ということになるのかな…すみません、これも分からないです。。
 ジャケット写真からして、僕は菊原初子さんという方は箏奏者だとばかり思ってたんですが、箏と三弦の両方を弾き語りしていました。しかもむしろ三弦を弾き語りしている曲の方が多いし。あ~なるほど、なんで箏を使い筝曲と三弦を使う地歌が一緒なんだと思ってましたが、両方演奏するからなのかな…。

 音楽。全5曲すべてが歌い物で、編成は三曲合奏(箏、三味線、尺八の合奏)が3曲(うち1曲は三弦が2竿)、箏が1曲、三弦2竿が1曲でした。
 最初に聴いたときの印象は、音だけで言うとデュナーミクや表現が狭く、一方で作品も演奏も緻密。子供のころにバッハを聴いたときに似たような事を感じましたが、そういう意味で言うとファーストインプレッションは面白くない音楽かも。ところが何度も聴いて詩やアンサンブルや何となく理解できるようになってくると、えらく美しくも面白くも感じるものになってくるから不思議。だいたい、芸妓が出家して過去を振り返る歌とか、面白くないわけがないですよね。。

 「ゆき」は三曲合奏で、1781~1800年ぐらいに出来た曲だそうで…すげえ。いや~表現力に富む尺八とメカニカルな箏と三線のアンサンブルが良いです!詞も面白くて、出家した芸妓が過去を思い出す詩歌。書き出せば10行ほどの詞ですが、まったく無駄な無くて見事。若いころに成就できなかった恋の心理描写がまた素晴らしくて、それをふり返って浮かぶ言葉「捨てた浮世の山かづら」がもう…。

 「浮舟」は組曲(「箏組歌」というらしいです)で、6曲を連ねたもの。作曲は三橋検校弥之一(1690?~1760)で、「源氏物語」に出てくる女のひとり浮舟を主題にした歌でした。音楽部分は変化しているようには感じられず(とはいえ、終盤でゆるくクレッシェンド)、詞が変わっていました。中には「伊勢物語」から引用された一節もあるんだとか。

 「出口の柳」も江戸時代に書かれた曲で、宇治加賀掾作詞、杵屋長五郎作曲。室町から戦国時代に活躍した絵師・土佐光信の娘・遠山を歌ったもの。遊郭に身を沈められ、想い人の狩野元信と未来を誓い合うが、その夢がかなう前に死んでしまいます。思い捨てがたく亡霊となって戻ってきて、元信の妻に頼んで7日間だけ嫁入りをするが…いやあ、すごすぎるだろ。。音楽も序盤は本調子で、途中から二上りになるのがカッコいいっす。。

 「金五郎」は三弦を二竿つかった歌でした。元禄時代に実在した歌舞伎役者・金屋金五郎と遊女・小さんの物語。小さんに見受け話が持ち上がるが、金五郎と小さんの関係がバレて破談に。金五郎は小さんのもとに通い詰めるが病弱のために死んでしまい、小さんは自殺しようとするが止められて出家。あ~江戸時代の浄瑠璃によくあるパターンですね…こういうのって「三下り半太夫もの」っていうそうです。

 「八千代獅子」はもともとは尺八の曲で、のちに胡弓や三弦にも移された超有名曲だそうです。本当は初段が手事から始まるそうですが、このCDは初段を省略していきなり歌から始まってました。途中は三曲合奏の完全に器楽、ここは本文なのかなと思いました。

 菊原初子さんは父から引き継いだ琴友会を主宰した人で、祖父と父から野川流三味線組曲全曲を伝授され、これが国宝級なんでしょうね。だって、菊原さんが後進に伝授したり楽譜化しなかったら、そこで途絶えてしまってもおかしくなかった伝統ですから。ちなみに三味線組曲は筝曲・地歌のルーツになった安土桃山時代に生まれた音楽三味線音楽には語り物と歌い物がありますが、歌いもののルーツが三味線組曲なんだそうで(これも『音楽の原理』からの引用)、素晴らしいものを聴くことが出来ました。しかし物語が深すぎる…。浄瑠璃や琵琶や尺八は好きだけど筝曲・地歌系の音楽は正直言って苦手でしたが、これは実に良かったです!


04 2024 « »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

月別アーカイブ
検索フォーム
これまでの訪問者数
最近気になってるCDとか本とか映画とか
ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
アド
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Archive

RSS