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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『Dave Tarras / Yiddish American Klezmer Music 1925-1956』

Dave Tarras Yiddish American Klezmer Music 1925-1956 ユダヤ人がたくさん住んでるのって、ユダヤ人国家イスラエルは当たり前ですが、イスラエルよりニューヨークの方が多いらしいですね。キリスト教は金儲けに目がくらんだ人を疎むので、アメリカの金融業にたずさわるのがユダヤ人ばかりになって、それでアメリカの経済の要所を押えた人がユダヤ人だらけになった、なんて話を聞いた事があります。その話が本当か嘘かは知りませんが、それぐらいニューヨークにユダヤ人が多いのは確かみたい。そんなわけで、これはアメリカに渡ったユダヤ音楽クレズマーの初期の録音のひとつです。主役はクラリネット奏者のデイブ・タラス。ユダヤのベニー・グッドマンと呼ばれた人です。

 編成はブラスセクションにヴァイオリンやコントラバスという弦楽器、ピアノ、みたいな感じのコンボ。そして…おお~エキゾチックだ!1曲目なんて、テーマの主旋律がいきなりハーモニック・マイナー・パーフェクト5thビロウ、2曲目に至っては短3度と増4度が共存するって、もうこれは僕が知ってる西洋音楽には存在しない音楽です。でもそれがアラビアの芸術音楽っぽく感じるかというと、もっとくだけたエンターテイメントな感じで、これはジプシー音楽の影響があるんじゃないかと思ってしまいます。これがアメリカで生まれたとは思えない…デイヴ・タラスさんはウクライナ生まれでした、納得。

 ユダヤの音楽と言っても、これは完全にエンターテイメント音楽。そういえば、アメリカで食い詰めたユダヤ人がハリウッド映画産業を作りあげたと言いますし、ユダヤ音楽がエンターテイメントであってもぜんぜん不思議じゃないんですね。クレズマーに限らず、シャンソンを聴いてもタンゴを聴いても、アメリカの産業音楽が跳梁跋扈するようになる以前の大衆音楽の方が、西洋音楽はレベルが高かったと思ってしまう今日この頃です(^^)。


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『Klezmer Pioneers: European and American Recordings 1905-1952』

Klezmer Pioneers 1905-1952 ユダヤの音楽といえば、宗教音楽以外で僕が知っているものでは何はなくともクレズマーです。クレズマーは、管楽器とヴァイオリンとクラリネットあたりが入ってるアンサンブル音楽で(たまに歌もあります)、雰囲気は僕の印象でいうとヨーロッパの大衆音楽とトルコあたりのアラビア音楽が混じった感じです。いつからある音楽なのか知りませんが、このCDは1905年から52年までの録音を集めたもので、録音として残っているクレズマーの最初期のものを含んでるらしいです。いろんなバンドの録音が入ってましたが、何曲か録音されてるミュージシャンはArt Shryer、Abe Schwartz あたり…ですが、どれも僕の知らない人ばかり(^^;)。かろうじて知っていたのはDave Tarras だけでした。

 クレズマー、めっちゃくちゃ雰囲気ある音楽で、僕は新しいものより古いものの方がより好みでした。古いものの方がクラシック色も中東色も強くて、音楽に個性を感じるんですよね(^^)。特にいいのが、エキゾチックで多彩な所。たとえば、色んな調やモードが出てくるんです。調で言えば、たいがい曲中で調の交換が入って、たとえばハ長調の曲が曲中でホ短調にすり替わって、またハ長調に戻る、みたいな。旋法も、ミの旋法なんて当たり前に出てきます。要するに、50年代以降の英米ポップスやロックみたいにどれもこれも長調か短調の二択という画一的な響きじゃなくって、色んな雰囲気の曲があるんです。曲の中でのムードの転換も、古典タンゴがこれと似たスタイルですが、あれより高度。こういうところって、アラビアのマカームや東ヨーロッパあたりのジプシー音楽の影響があるんじゃないかなあ。
 でもそれがマカームみたいに芸術性の強いものじゃなくて、もっと大衆音楽っぽく作ってあって分かりやすいです。印象でいうと、チャップリンの映画とか、エディット・ピアフの音楽なんかで聴くことのできる古き良き民間クラシック・アンサンブルみたいな雰囲気。あれがエキゾチックになったみたいな…ね、聴きたくなってきたでしょ?いいんですよ(^^)。

 このCD、ライナーを読むと、Mikhl Guzikow やAvram Moyshe Kholodenko なんていう19世紀の有名なクレズマーの作曲家の曲をけっこうやっているみたいだし(ど、どっちも分からねえ゚ω゚*)、作りが豪華なので、クレズマーをはじめて聴くならこのCDは最高かも。ブックレットがすごくて、ものとして豪華なだけでなく、説明がすごく細かくて、僕みたいなクレズマー初心者には最高の1枚でした。これは大推薦!


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『ユダヤの宗教音楽』

Yudaya no ShuukyouOngaku 2005年の「東京の夏音楽祭」で録音された、ユダヤの宗教音楽です。CD2枚組で、ユダヤの3つの伝統歌唱が入ってました。ひとつはパレスチナのサマリア人による詠唱。ひとつは、Ocora のイスラエルのCDにも入っていた、イエメン系によるヘブライ語(!)とイエメン方言アラビア語による伝統歌。3つ目は、シリアのアレッポ系ユダヤ人の準礼拝音楽「シラート・ハバカショート(嘆願唱)」

 サマリア人は新約聖書にも出てくる独特の民族で、ユダヤからすると「状況によってキリスト教徒になったりユダヤ教徒になったりするコウモリ野郎」みたいなイメージがあるんだそうです。でも今はユダヤ人と和解してユダヤの一派として見られているそうです。サマリア人は今も古代ヘブライ語を話せる(!)んだそうで、このCDでは旧約聖書の「出エジプト記」あたりを使った詠唱を聴くことが出来ました。これが、僕が瀬戸内海の島に遊びに行った時に、仏教寺で聞いたお経にそっくり。真言宗のお寺だったと思うのですが、詠唱というのは似てくるもんなんでしょうか。それとも宗教上に何か関連があるのか…。

 イエメン系ユダヤの伝統歌は、一転して歌謡曲のよう。とはいっても、伴奏はダラブッカのみ、それに数人のコーラスがつくだけのシンプルなもの。しかし、問題はこれが「東京の夏音楽祭」でのホール録音というところで、歌謡コンサートみたいに客席の手拍子が始まってしまう(>_<)アチャア。。

 いちばん良かったのは、シリアのアレッポ系ユダヤ人の準礼拝音楽「シラート・ハバカショート(嘆願唱)」でした。なにがいいって、単純にこれがいちばん音楽的だったから(^^)。面白かったのは、これもユダヤ教の音楽という事で、テキストはたしかにユダヤみたいなんですが、音楽はアラビア音楽のマカームの影響受けまくりでした。僕は純粋なユダヤ独自の音楽を期待してたんですが、世界中に散って隠遁生活をしていく中で、色んな文化を吸収して今に至っているのかも。

 アジアの島国日本に住んでる僕にとって、ユダヤははるか遠くに感じる文化です。ユダヤの知人なんてひとりもいないし、感覚的には歴史の教科書にしか出てこないものという感じ。それでも、こうして音として体験できるとちょっとだけ触れる事が出来た実感がわきました。これを日本公演してたのか、見てみたかったけど、こういうのやるのって、ほとんど東京だけなんですよね、うらやましい。


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『イスラエルの音楽 Israël: Traditions Liturgiques Des Communautés Juives 1 / Les Jours Du Kippur』

Israel no ongaku イスラエル、今では唯一のユダヤ教国家ですが(といいつつも元々その地に住んでいたイスラム教徒もいっぱいいるらしいです)、イスラム教の聖地も、キリスト教の聖地もここにあります。思想的な意味では、西洋と西アジア世界は、3000年以上にわたってイスラエルを中心に動いてきたのではないでしょうか。これはフランスのOcoraから発売された、イスラエルの宗教音楽のCDです。1977年にラジオフランスが現地で録音したもので、日本ではキングレコードが「世界民族音楽大集成」の38巻としてリリースした事もあります。

 収録されているのは、すべてユダヤ教のスリホトの祈りでした。スリホトというのは、年の終わりの1週間~40日間(この長さは共同体によって違う)の明け方に繰り返される、その年の懺悔の祈りの事だそうです。夜中の3時ごろ、まだ日もささない闇の中で小さなグループが形作られて、スリホトが唱えられはじめるんだそうです。嘆きの壁の録音では、合唱の合間に、遠くからまた合唱がきこえるのがリアル。なるほどいくつものグループが唱えてるんですね。。

 収録されたスリホトは全部で4つ。最初の2つが嘆きの壁で録音されたイエメン系共同体のもので、残りのふたつはエルサレムで録音されたブハラ系共同体のもの。このふたつの共同体は…ちょいと世界史を思い出さないといけないんですが、イスラエル国家の成立自体が2次大戦後と最近の事。あの「分割して統治せよ」といって、世界各地で兄弟げんかをさせて支配しようとした悪魔のクソ国家イギリス政府の二枚舌外交が引き金となって、国を持たなかったユダヤ教徒が、イギリスが約束したユダヤ教の聖地に国家を作ったのがその始まり。そして、国が出来てすぐにイスラエル政府が行ったのが、そこら中に散らばっていたユダヤ教徒をイスラエルに集める事で、そのひとつがイエメン系、もうひとつがブハラ系というわけです。ところでイエメン系って、あのアラビア半島の最南端にあるイエメン共和国にいたユダヤ人という事でしょうか。本当に世界中に散らばってるんだな。ニューヨークの金融業を押さえているのはほとんでユダヤ人だなんて聞いたこともありますが、本当なんですかね。。

Israeru_nageki no kabe どれも無伴奏合唱(ブハラの1曲だけ羊の角笛の音が混じってました)。合唱といっていいのかどうか…節はついてるんですが、音楽というよりあくまで祈祷という感じ。実際に祈祷なんですからそりゃそうか(^^;)。
 イエメン系の方は、祈祷のリーダーみたいな人が祈祷文を唱えて、それを追いかけるように皆の衆がついていく感じ。ブハラ系より高度な祈祷に感じました。その理由って何なんだろうかというと…イエメンは離れていたので、モーゼ五書は読んでるもののタルムード(ユダヤ教の律法書)は知らず、かわりにゾハール(ユダヤ神秘主義カバラの中心文書)の研究に秀でていたそうで。つまり、独自の進化を遂げたユダヤ集団なんですね。
 一方のブハラ系は、もともとウズベキスタンのブハラに住んでいた人たちの事で、19世紀にパレスチナ一帯に広がっていたそうです。そのうちのユダヤ教徒たちがイスラエルに集結したという事かな?こっちは密教系ではないようで、みんなでシナゴーグ(キリスト教の教会、イスラム教のモスクのようなもの?)に集まってスリホトを唱えている、みたいな感じでした。しかし、子どもの声も混じってるのですが、子どもですら文言を全部覚えているのはすごい。。ああでも、僕も子供の頃は日曜学校で般若心経を覚えさせられて全文暗記していたから、出来ない事ではないのか。

 さて、政治に宗教という2大アンタッチャブルなネタに触れてしまった今回の日記ですが、これは僕たちが日常的に接している娯楽音楽ではなく、人類の智慧や歴史そのもの。好きとか嫌いではなく、これは聴いておかないといけないものではないかと。イスラエルの年末の明け方の嘆きの壁やシナゴーグを体感できる、ものすごいCDです。


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『伝説の竪琴 ミャンマーの音楽』

Densetu no Tategoto_Myanmaa no ongaku ようやく見つかりました、キング制作のビルマの竪琴のCDです!南アジアのCDコーナーに紛れ込んでました(^^;)。バングラデシュの隣なので、まあたしかに東南アジアの中では南アジアに近かったから間違えちゃったのかも。これは日本のキングレコード制作ではありますが現地録音で、しかも音がめっちゃくちゃいい!!録音は1981年から87年の3回にわたっていました。

 ビルマの音楽は静かな室内楽と、屋外で太鼓を打ち鳴らすにぎやかな合奏のふたつに分かれるそうですが、このCDはその両方が入っていました。竪琴の独奏もありましたが、多くは竪琴とシンプルな打楽器を伴奏にした歌音楽。他に、打楽器やチャルメラみたいな音のする楽器での派手な合奏、アメリカのブルーグラスみたいな馬鹿テクのアルペジオを聴かせるマンドリンみたいな形をしたマダリンという楽器の独奏など。竪琴に変わってゴング製の音階打楽器が伴奏になる事もあって、これがまた気持ちいい!

 どの種類の音楽でも、女性ヴォーカルの歌はインドやパキスタンの民間音楽のようなあのアタックを抑えた優雅な歌い方。歌の中に「ラ~メ~ヤンナ~」みたいな言葉が聴こえたので、ラーマヤーナが題材になっている歌もあるのかも。
Burma_pic.jpg レイドバック系の音楽は、竪琴もゴングもギターもダルシマー系の楽器も役割は似ていて、竪琴を例に言えば、竪琴は起承転結がなく、どこまでもぽろぽろと弦をつま弾いていて、打楽器も小さな鈴の音と拍子木ぐらいの控えめな音で、涼しげな風鈴の音がかすかにリズムを取っている、ぐらいの感じ。

 こんなゆったりとした音楽を奏でられて気持ちよくないはずがない、最高でした!レイドバックした音楽を味わうなら東南アジアが最強じゃないでしょうか(^^)。映画の影響か、ビルマの竪琴というとチベット仏教の赤い袈裟を着た僧侶が持っている姿を思い浮かべてしまうんですが、僕はもしかするとビルマの竪琴で演奏された仏教音楽を聴いたことがないかも。音楽はインド音楽系のあのゆったりした女性の歌唱法と、インドネシア方面のリラクゼーション音楽が混じった感じ。タイやベトナムみたいに、東南アジアは漢人音楽の影響が混じる地域も多くて、ビルマも屋外音楽はちょっとそういう毛がありましたが、室内楽となると中国色はほとんど感じられず、インドネシアと南アジアの音楽を竪琴伴奏の歌音楽にまとめたような響きでした。
 ビルマと言えば政情不安定で経済崩壊の地域という印象ですが、このCDの解説を読むと、人々は活気にあふれて大勢の人が行き交いし、客が来ればおもてなしして笑顔が絶えず、現代が忘れてしまった人間の心の豊かさがここにあると思うほどの土地だったそうです。その雰囲気は音楽にもあふれていました。なんと優しく穏やかな音楽だろう、この音楽を流しているだけですべての人を許せる気持ちになってしまいました(^^)。大推薦!!


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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