心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

Category: 本・映画・テレビ・ゲーム > 本(音楽関係)   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

書籍『西洋音楽の歴史 上』 柴田南雄

seiyouongakunorekisi_jou_sibataMinao.jpg ひとつ前の日記で書いた、バロック以前の西洋音楽最良のガイド本というのはこれです!著者の柴田南雄(しばたみなお)さんは、作曲家としても、音大で多くの後進を育てた音楽教育者としても有名な方で、単なる音楽好きが書いてるロックやジャズやクラシックのガイド本とはレベルが違います。それは音楽の形式の分析に思いっきり出てるのですが、そんなわけでグレゴリオ聖歌からルネサンス音楽までの西洋音楽の情報が欲しかったらまずはこれ!詳しいのに難解になりすぎず、ページ数も多くなく、要点がまとめてあってとても分かりやすいです(^^)。

 子どもの頃、親にせがんで「クラシック音楽事典」というとんでもなく分厚い本を買ってもらった事があるんですが、そんな事典本ですら17世紀バロック以前の事は書いてありませんでした。そして、僕が子どもの頃に、アーリー・ミュージックの大ブーム。ところが古楽の情報はとにかく少なくて、CDやLPの解説頼りという状態でした。そんなわけで、僕は古楽関連の本を見つけるたびに読んでいたのですが、これが初心者向けに要約しすぎてむしろわかりにくかったり(「アルス・ノヴァ」と書いてあるだけで説明がなかったり、代表的な作曲家の名前だけ出てたり^^;)、おすすめCDがバーっと出てるだけで書法や音楽史の説明がなおざりだったり。そんな中、この本はメッチャわかりやすかった!その時代の文化的背景、様々な作曲技法や音楽の特徴、そして代表的な作曲家の作曲の特徴、さらに推薦のレコードと、じつに丁寧に、それでいて分かりやすく書いてあります。ルネサンス以前の西洋音楽をアーリー・ミュージックというんですが、僕がこれまで読んできた何冊もの本の中で、アーリー・ミュージックについて一番わかりやすかったのがこの本でした。アーリー・ミュージックに興味ある方は、CDと合わせてこの本を1冊持ってるだけで、音楽がより深く味わえるようになるんじゃないかと (^^)。

 ところでこの本は「上」。僕は「中」と「下1」までは見た事あるんですが、「下2」というのを見たことがありません。未完の本って、読んでる方としてはもどかしいです(^^;)。そういえば幻魔大戦も20巻まで読んでいきなり打ち切りのように終わったし、グイン・サーガなんて90巻あたりまで読んでいい加減あきらめたら、完結する前に栗本さんが他界しちゃったしな。。



スポンサーサイト

Category: 本・映画・テレビ・ゲーム > 本(音楽関係)   Tags: ---

Response: Comment: 1  Trackback: 0  

楽譜『J.S.バッハ / 平均律クラヴィーア曲集』ヘンレ社 2007年校訂版

Bach_WellTempered score 久々にバッハの平均律クラーヴィアをまとめて聴いたのは、あらたに楽譜を買ったからでした。この楽譜、バッハの演奏で有名なアンドラーシュ・シフの運指が書かれている事と、けっこう新しい校訂だったから、欲しくなってしまったのです。古い音楽の楽譜って、運指の記載や、何を原典としたのかなど、出版社や版によっていろいろ違うんです。ましてバッハの頃だと今とはけっこう楽譜の書き方も違って、表現記号もなかったりするので、楽譜の選択で難易度やら色々と変わってきます。フーガみたいないくつもの旋律が同時進行する系のピアノが大の苦手な僕は、運指が書いてあるものが有り難いのです。自分でいい運指を発見できればいいんですけど、そういう才能がぜんぜんなくって(T_T)。。

 ヘンレ社の楽譜は、すごく読みやすくていい!いまだにパソコンじゃなくて手作業で作ってるらしいですね。楽譜って、写譜屋さんが作ったものはすごく読みやすいけど、それと似た感じでしょうか。
 そしてバッハの平均律クラヴィーア曲集って、仮に声部を正確に聴き取れたとしても、それが逆行カノンだったのか拡大カノンだったのかオルゲルプンクトだったのかを、構造的に分析して理解できる人は多くない気がします。たとえば、「きすふのまし」と聴いて、なにかすぐ理解できますか?これ「シマノフスキ」の逆行ですが、この音バージョンを一発で聴き取れって、なかなか難しいです。フーガの技法を知ってるから、下向きの旋律になったから反行なんじゃないか…みたいな推理は出来ますが。まあそんな具合で、僕なんて22歳まで音楽を教えてもらえるという幸運に恵まれたのに、この曲集の4声フーガになると聴いてるだけではアナリーゼは厳しい始末なのです。でも、楽譜を見ると、どの旋律がどれに照応しているとかいうのが、グラフィカルに分かりやすい!今までまるで和音伴奏のように聴こえてしまった部分も、各声部ごとに聴こえるようになったりする!仮に楽譜が読めなくても、なんとなく似たような形な所とかはグラフィカルに分かるはずです。平均律クラヴィーア曲集みたいな音楽って、その構造が重要と思うんですよね。だから、CDだけ聴いて印象だけ何となく捉えても、ぜんぜん音楽を聴いたことにならないんじゃないかと。というわけで、聴く専であったとしても、平均律クラヴィーアが好きという人が、スコアを持ってないというのは片手落ちな気がするのです。だから、楽譜が苦手でも、楽譜を見て聴いたほうがいいんじゃないかと。

 あ、そうそう、2冊あるのは、平均律クラヴィーア曲集というのは、もともと第1集と第2集があるからです。しかしよくこんな曲書けるな、しかも「アマチュアの人が楽しみとして弾ける音楽として」とか言ってこんなの書くバッハは、やっぱり音楽の基礎レベルが高すぎる人だったんじゃないかと(^^;)。


Category: 本・映画・テレビ・ゲーム > 本(音楽関係)   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

書籍『弟子から見たショパン そのピアノ教育法と演奏美学』 エーゲルディンゲル著

弟子から見たショパン 僕の場合、天才ピアニストというと、モーツアルト、ショパンリストが真っ先に思い浮かびます。モーツアルトは古すぎて神話になってしまっていますが、ショパンやリストは、おじいさんが生で聴いたという人が今も生きていたりして、しかもそれらの証言が共通してたりするので、このふたりはリアルに凄かったんだろうな、と思います。さて、この本は、ショパンにピアノを習った人たちの証言を集めて、ショパンの教育方法やピアノ演奏観、音楽観にせまった1冊です。ものすごく分厚いです。大きく2部に分かれていて、1部がピアノの技法や様式、練習について。2部がショパンの作品の解釈。こんな感じです。これはピアニストだけのために書かれた本でした(^^)。

 僕は大学生の時にこの本を読んだんですが、なんでこの本に手を出したかというと、ショパンの曲の解釈が先生と対立したから(^^;)。下手だった僕はとてもじゃないけど先生に刃向えるはずもなかったんですが、「俺にはどうしてもそうは思えない、ここはショパンだってもっとレガートで弾くだろ」と思ったんですよね。それで、ショパンの発言なんかも出ているというこの本にあたった、というわけです。だから僕は第2部から読み始めました。第2部は、ショパンの有名曲がズラッと並んでいて、直接のお弟子さんたちが、「ショパンはこう弾いていた」とか「ショパンはこう言っていた」とか、証言しているわけです。というわけで、コンクールとかコンサートでショパンの演奏する人は、第2部は絶対に読んでおくべき!また、ピアニストだけでなく、ピアノ教師の方々も読んでおくべきなのかも知れないです。ショパンの楽曲の解釈に関して、本人がどうしていたか分かるんですから、こんなに為になる本もないと思います。あ、ちなみにですね…例の部分は、どうも先生の方が正しかったみたいです(∵`)。

 そして、もうひとつ素晴らしい所は、第1部に書かれているショパンのピアノ教育と、それを通しての彼の音楽観。ピアノ演奏に伸び悩んでいた大学生の頃の僕は、練習方法から自分を疑いはじめちゃってたんです。やってないわけではないのにうまくならない、時間ばかりが過ぎる…焦ってました。そして、ピアノの天才ショパンのピアノの演奏法や練習メソッドが知りたくて、2部だけでなく1部も読みました。いや~、読んだのはもう30年近く前なのに、いまだに覚えてる事があるという事は、ものすごく大きなヒントを貰ったんでしょうね、この本から。今でも覚えてるのは、「1日7時間とか練習するのは駄目。ものすごい集中して3時間練習。」「練習を時間で切ってるような奴はダメ。集中した30分とかの方が100倍ぐらい価値が高い。」…まあ、言い方は違ったかもしれませんが、こんな事が書いてありました。僕的には、「でも1日3時間なんかじゃ足りるわけないよなあ」と思い、きっとショパンは「だらだらやるな、集中力がとにかく勝負だ!疲れたら集中力ないまま続けても無意味。休んで、集中力が復活させてから練習。」と言っているのだと思いました。だって、3時間なんて、先生には「そんなにピアノ弾きたくないならピアノやめたら?」といわれるレベルの時間ですよね、いくらショパンが言っていたとしても、文字通り受け取る事は出来ませんでした(^^)。
 あと、僕は考えなくても弾けるようになるぐらに体に入れるのが練習だと思ってたんですが、「考えまくり、頭を使いまくって演奏しなさい。」「つねにどうやればうまくなるか、演奏できるようになるか、これを考えなさい。」ああ…。これも自分の練習方法に思いっきり影響を受けた言葉でした。

 少しマニアックな所だと、ピアノ自体の練習法の分割も、自分の練習方法を覆されました。リストの技法の練習の種類は、大きく三種。
 1.半音階や全音階、トリルの練習。つまり主に音階練習
 2.全音半以上の跳躍進行
 3.二声部の重音。つまり3度、6度(5じゃなくて6!なるほどと思いました)、オクターブ。
  これが弾ければ、三声部も演奏でき、音符の間隔も分かる、分散和音も演奏できる。

 これ、他の楽器にもあてはまるメソッドだと思います。僕は、こういうのを把握してませんでした。特にこのメソッドは、即興演奏に役立ちました。

 演奏美学も、思いっきりリスペクトしてしまいました。「すべて粒の揃った音で演奏するのが目的ではなく、美しい音で、ニュアンスをつけて演奏する事。」もう、その通りとしか言いようがないです。
 あとは、「音楽理論を出来るだけ早く勉強する」、「練習する曲は、先に構成や形式を丹念に分析する。完全に解体してしまう。すこしも疑問を残さず、完全に理解してからでないと練習しても無駄。」当たり前の事ですが、自分がそのあたりを雑にしか出来ていなかったもんだから、いちいちグサッと来ました。こういう言葉をきき流しちゃう人と、ちゃんとやる人で、雲泥の差がつくのでしょうね。僕がショパンの弟子だったら三日で破門だっただろうな(^^;)。
 ショパンは、よほどの高弟でない限りは、ショパンの曲を練習させず、バッハやベートーヴェンを練習させたそうです。これは、今の音大教育にもそのまま繋がってますね。これを知って、好きな曲ばかりを演奏していた私は、はじめてバッハとベートーヴェンに真正面から向かったのでした…って、振り返るとこの本から思いっきり影響を受けてたんだなあ。。なんとか上達したかったんでしょうね。
 ショパンは、テンポに徹底的に厳密。ルバートの時も、左手はテンポジュストで右手だけルバート。大げさな表現も嫌いだった。
まあ、覚えてるだけで、こんなような事が書いてありました。もっといろいろ大事な事が書いてあった気がするけど、さすがに何十年も経ったから忘れちゃった(^^;)。伸び悩んでるピアニストって、天才ピアニストの本を読んで、なんとか練習法やら上達方法なんかのヒントを貰おうとすると思うんですが、僕もご多分に漏れずにそううひとりでした。そしてその中の一冊だったこの本は、すごく参考になりました。グールドの本からはソルフェージュ能力の重要さを学んだ気がしますが、こっちはもっと具体的でしたね。この本に限った事ではないですが、こういう偉大な先人たちの知恵を借りて、練習の仕方を工夫したり、色んな事に気づかされたりしました。やっぱりショパンは偉大です。

 リストは、ピアノでオーケストラを奏でるみたいな人ですが、ショパンって、もっと繊細というか、タッチとか音色とか、そういう所の表現をメカニカルに追求した人だと思います。ショパンの指導方法や証言がたくさん出ているこの本、ピアニストやピアノ教師なら必読。またショパンのファンにとっては、第2部のショパンの曲の解釈がメッチャ面白いです。



Category: 本・映画・テレビ・ゲーム > 本(音楽関係)   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

書籍『ナディア・ブーランジェとの対話』 ブルノー・モンサンジャン

ナディアブーランジェとの対話 伝説の音楽教師ブーランジェ、晩年のインタビュー集です。なんといっても20世紀の名だたる音楽家の才能を片っぱしから開花させた伝説の人ですから、音楽をやっていて伸び悩んでいる人は、この本からヒントを掴めるかもしれない!いちど読んでみる価値がある本です。
 クラシック音楽にある程度踏み込んだ人で、ナディア・ブーランジェを知らない人はいないと思っていたのですが、それって、僕が末席の末席ながらも音楽を学んだ側の人間だからなのかもしれません。というのも、CDを2万枚以上所有しているとても熱心なクラシックファンの知り合いの方が、ブーランジェを知らなかったから。たしかにブーランジェは作曲家としても演奏家としても人前に立っていないので、聴く専門の人には名前を耳にする機会がないのかもしれません。ブーランジェは、フランスの有名な音楽教師で、1887年生まれ、1979年に他界しています。コープランドやバーンスタインやカーターといった大有名なアメリカ人作曲家が彼女に師事しました。多くの大ピアニストも彼女に師事しました。クラシック以外でも、タンゴのアストル・ピアソラやブラジルの天才エグベルト・ジスモンチなどが彼女のもとで学んでいます。そういう意味で言うと、北米南米問わず、芸術音楽の分野でヨーロッパに大きく遅れていたアメリカ大陸全体の音楽水準を引き上げた人といえます。この本に手を伸ばすのは、作曲にしろ演奏にしろ、音楽を学んでいる人だと思いますが、25年ほど前の私もそうでした。伸び悩んで、わらにもすがる思いで「伝説の音楽教師は、どうやってあんなにたくさんの超一流音楽家を育てたんだろうか、レッスンに上達のヒントがあるんじゃなかろうか」と思ったのです。そして実際に、ヒントがたくさんありました。もう、自分がやってる事なんて音楽の勉強にすらなってないんだなあ、みたいな。打ちのめされましたね。

 この本は、大きく分けて彼女の音楽観や音楽教育観を述べた前半と、彼女と深く関わりのあった音楽家との思い出を書いた後半に分かれています。クラシック音楽ファンなら、後半もすごく面白いと思います。なんせ、ストラヴィンスキー、リパッティ、マルケヴィチ、プゾーニといった偉大な音楽家の裏話や実像が大量に書かれているので、読んでいるだけで面白いです。ストラヴィンスキーの自筆譜に残っている書き直し跡の話とか、なぜマルケヴィチが作曲を公表しなくなってしまったのかとか、もうここまで来ると音楽史の重要な証言で、読んでいて貴重でもあるし、学ぶところも多かったです。
 でも、恐らくこの本を手にする人の大半が興味を持つのは、前半のナディア・ブーランジェの音楽観や音楽教育観ではないかと思います。ここは、直接のレッスン内容が書いてるわけではないのですが、光が差した思いでした。今この本の感想を記憶だけで書いてるのですが、思い出せる事を書いてみます。
 まず、一番覚えているのが、ブーランジェがまだ音楽文化の遅れていたアメリカの音楽家を教育する時に感じた事が、アメリカ人は人一倍勉強家で、才能にも恵まれているのに、耳の発達が十分でないために専門的習得が遅れる、というものでした。外声しか聞こえずに内声を別々に聞く事が出来ない、音は鳴っているのに何も聴いてない、つまりソルフェージュが出来ていない、ということですね。実際、ブーランジェのソルフェージュのレッスンで、驚くほど多くの一流音楽家が育ったわけですし、これは「彼らは俺たちとは別次元だから」とか「クラシックの世界だから」とか、見過ごせないところだと思います。このブーランジェの思想は今の音楽教育に生きています。ソルフェージュが苦手だった僕は、ピアノの練習やら作曲やらの前に耳だ、と思い知らされました。
 次に、集中力。何かあった時に、それに気づける人は進歩の可能性があるけれど、気づかない人は全てをやり過ごしてしまうので進歩しない。集中力や注意力のない人は社会でいい人になるけれど、音楽には向いていないということでした。ブーランジェをはじめ、優れた音楽家は、かなり難しいクラシックの曲でもいちど聴くと覚えてしまうそうですが(しかも忘れないらしい)、ブーランジェに言わせるとそれは特殊な能力というよりも、集中力なのだそうです。ブーランジェの生徒だったイディル・ビレットという7歳の女の子が、楽譜も読めないのにピアノを弾いて聴かせると、和音を取り違える事もなく1音漏らさず聴き分けたというのも、そこに繋がるのだと感じました。僕は、自分の課題以外ではそんなに音楽に集中していませんでした。また、そんなに集中すると疲れるからといって、どこかでブレーキをかけていました。でも、そんな姿勢で音楽をやるなど甘すぎるということを、この本に教えられました。僕がトップクラスの生徒じゃなかったというのもあったんだと思いますが、音大での僕の先生は僕に優しい人が多かったんです…。人生で出会える素晴らしい音楽の数は限られていて、それを聞き逃すなどもったいなさ過ぎる、いちど聴いて全部覚えてしまうぐらいの集中力で常に聴いてないと駄目だったのです。しかもブーランジェは、朝の9時から夜の10時とか、それをずっとレッスンに費やしていたそうなので、集中力の鍛え方が半端でないと思いました。集中力が強いと、人からは神経症というか、ヒステリーに見えるそうです。でも、そう片付けるのは簡単で、そういう人だけが叡智を与えられるのだ、とブーランジェは言っていました。
 欲求とか情熱。凡人はやりもしないことを口にしたり、時間がないと弁解したりするけれど、それはバッハだってシューベルトだってそうだったはず。シューベルトが残した楽譜を調査すると、書くのに25年かかるそうです。でも、シューベルトは実際には15年でそれを書いています。天才とかなんとか以前に、実際に音楽に費やしている時間が違うんですよね。すぐ才能とかいう奴は、それ以前にやる事やってないんだよ、と言われた思いがしました。

 そして、誰だったか、ナディア・ブーランジェのレッスンを受けた高弟の証言が印象に残っています。あれだけ多様な音楽家を育てながら、彼女のレッスンはソルフェージュ、和声、対位法、オーケストレーションの型どおりの練習以外はどんなメソッドも使わなかったそうです。今の作曲技法すら信じていなかったとの事です。ブーランジェ自身、たしか「私は生徒に音楽で話す事が出来る言葉や技術を与えるだけで、私の音楽観を彼らに押し付けないように細心の注意を払っている。音楽は彼らのものだ」みたいなことを言っていたはずです(この本に書いてあったことかどうかは、ちょっと記憶が曖昧。ほかの本だったかも)。そして、彼女が音楽漬けであったことも記憶に残っています。僕は、音楽はなんとなく取り組むのがむずかしくて、聞くなら集中して聴く、練習するならきちんと4時間とか5時間とかきちんと時間をとって練習する、という風にやっていました。でも、ブーランジェは、朝から夜までレッスンをして、疲れて家に帰ってくるとラジオをつけてクラシックを聴くのが趣味だったそうです。それも、さっきの話みたいに、僕とは全く違うレベルで集中して聞いているのでしょうね。

 読んでから20年以上経ってしまったもので、かなり記憶が曖昧になっていますが、何度も読んだ思い出の本です。ほかにも、色んな彼女の考えが書いてあったと思います。音楽家を目指したい方、あるいは音楽で伸び悩んでいる方は、クラシックに限らず、大きな転換点となる1冊かもしれません。一読をおすすめしたいです!


Category: 本・映画・テレビ・ゲーム > 本(音楽関係)   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

書籍『移調楽器入門』

IchouGakkiNyuumon.jpg 前回に管弦楽法の本を紹介しましたが、僕はそれだけでは管弦楽を書けるようになれませんでした。正確にいうと、管弦楽の曲は作れたんですが、そのスコアがうまく書けなかった(;>_<;)。ブラスバンド部にいた人とかジャズの管楽器奏者とかだったら楽勝なのかも知れませんが、ピアノだった僕には移調楽器のスコアライティングに悪戦苦闘。なんていうんですかね、ピアノ科とか作曲科っていうと、他の楽器奏者からは「音楽をよく知ってる人」って思われてる感じがするんですが、落ちこぼれだった僕がそんなはずもなく、そう思われてる事がかなりのプレッシャー。でも苦手なものは仕方ない、仲間うちでは総譜にはぜんぶCメロで書いてあとはプレイヤー個々に直してもらってたんですが、ちゃんとしたコンクールに応募するようなスコアやパート譜がそんなんで通用するわけない。。そんな時に出たのが、この本でした!
 この本、「入門」なんて書いてありますがぜんぜん大丈夫、プロの使用に耐える素晴らしい本です!!移調する時の僕の苦労って幾つかあるんですが、鬼門のひとつはオクターブ。たとえばE♭管への移調って、ジャズなんかだとオクターブなんか関係なしにメロ譜を書いたって、プレイヤーさんが勝手に好きな音域に読み直して演奏してくれるじゃないですか。だから、E♭管を短三度下げて調号を#3つ分足す!みたいな単純作業で良かったんですが、これが管弦楽を書く時となると、たとえば同じE♭管への移調でも、ピッコロクラは実音より短3度高くて、アルトクラは長6度低くて、バリトンサックスはオクターブ+長6度低くて…みたいになって、音域を正確に書かないといけなくって混乱(;_;)。。で、この本は、移調をどうやればいいかのリクツも丁寧に書いてあるし、もっと単純に「この楽器はこの手順で移調しろ」と理屈抜きの機会作業の方法も書いてある!これは助かったなあ、僕にとっては救いのアンチョコでした。あ、あともうひとつよかったのは、木管や金管を含めた楽器の使用可能音域と実音と棋譜音の表が出ていた事。管弦楽法の教科書にも音域は載ってるんですが、一覧になってると本当に助かりました。
 今は便利な時代になって、フィナーレみたいな優秀な楽譜作成ソフトを使えば勝手に移調してくれるしパート譜も打ち出してくれますが、それでも移調楽器を含めたアンサンブルの曲を書く人は、「どういうリクツで、どういう風にやるのか」というアンチョコを持っておいた方がいいと思います。そして、そういう本というと、もうこれしかない。いろんな移調楽器を演奏する人や作曲家のマストアイテムだと思います(^^)。。



06 2018 « »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
2015年の年間ベストCDのトップに挙げた喜多直毅カルテットの新譜が出てました、気づかなかった。最近ラティーナを読んでなかったから、ラテン系の音楽の情報が途切れちゃってるんですよね。近所の本屋が潰れたのが大きいです。今はちょっと買えないけど、今年中には買いたいなあ。 intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
検索フォーム
アド
これまでの訪問者数
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Archive

RSS