映画『woodstock』

DVD_Woodstock.jpg そして、本家本元のウッドストック音楽祭のドキュメンタリー映画です!

 音楽大好きな僕は、映画よりもサントラを先に聴いてまして、映画を見たのはサントラよりもけっこう後でした。そんで、最初に見た時はけっこう戸惑ったんです。というのは、ステージにあがるミュージシャンの音楽を追ったドキュメンタリーだと思い込んでいたものだから、そうじゃない作りに「あ、あれ?」ってなったんですよね。でも、何回か見ているうちに、「ああそうか、そういうことか」と納得がいって、すごくいいドキュメンタリー映画だと思いました。

 この映画、音楽を追っているというよりも、ウッドストックに集まったお客さんを含めた「ウッドストックというフェスティバルが象徴したもの」を追っているんだと思います。映画の中で、客として来ているひとりの青年がけっこう丹念に追われてるんですが、この人はウッドストックに参加したミュージシャンやお客さんの中ではかなり思慮深い人という感じで、この人が今のアメリカをどう思っていて、こういう音楽をどう思っていて、自分がどう生きたらいいかも迷っていて…こういう所が追われます。また、ドキュメンタリーとして素晴らしいのは、それを軸にしないで、彼とはまったく違うようなヒッピーみたいな生き方をしてる人とか、バイカーの集団とか、メッセージを伝える黒人ミュージシャンのパフォーマンスとか、こういうものを多角的に捉えています。ベトナム戦争が混迷していく真っ最中に、アメリカの若者が何を感じてどう生きたらよいかを迷い、保守的な文化(音楽の中ではフォークやカントリー)もカウンターの文化(ロック)もグシャグシャで…みたいな感じです。 音楽だけを楽しみたいと思うと、違和感を覚えるかも知れないけど、これはすごくいいドキュメンタリー映画じゃないでしょうか。僕は大好きな映画です。


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映画『ブラック・レイン』

BlackRain.jpg リドリー・スコット監督の映画をもうひとつ。松田優作の遺作として話題を呼んだ映画「BLACK RAIN」!この映画、学生の頃に見て、めっちゃくちゃにはまりました!同じ監督の映画としては、僕的には、ブレードランナーの3倍、エイリアンの10倍は好き(^^)。

 映画の内容は、こんな感じ。少しあらすじを書きますので、白字にしておきます。読んでも問題ない程度に留めたつもりですが、読みたくない人は見ないでくださいね。

海外で起きた日本のやくざ同士の抗争現場にたまたま居合わせたふたりのアメリカ人刑事(ミッキー・ローク&アンディ・ガルシア)が、殺人犯佐藤(松田優作)を逮捕。その日本送還中、日本の空港で逃げられる。逃げた佐藤は、自分を捕まえた二人のアメリカ人刑事を狙い、ひとりを刀で首を切り落として殺害。残されたもうひとりの刑事は次第に事件の真相に近づいていき、佐藤と対立するやくざ組織の組長(若山富三郎)に接触。そこで組長から語られたのは、アメリカが日本に落とした原爆によって破壊されたのは町だけではなく、それが佐藤のような人間を生んだと語る。

 さてこの映画、背景にあるテーマは、さっきあらすじのところに書いた、敵親分役の若山富三郎さんが語ったセリフと思います。「佐藤が信じるのはアメリカ人と同じで、金だ」「お前らアメリカは自分たちの価値を押し付け、俺たちは自分を見失った。そして、佐藤のような人間がたくさん生まれた」異文化衝突や価値の押し付けによって破壊された欧米以外の国々の正義や価値観。それを比喩的にひと言であらわすと、原爆が降らせた黒い雨「ブラックレイン」なんでしょうね。このテーマ、日本とアメリカの関係に限らず、二十世紀の世界大戦から現在までの世界情勢の根底にあるものと思うので、実は重要なテーマだと思います。娯楽映画ではありますが、しかし背後にあるテーマはなかなかヘビー(^^;)。
Black Rain 1 でもテーマ以上に、ぼくがこの映画にグッと来たのは、松田優作さんの迫真の演技です!この映画、松田さんのための映画といっても過言じゃないぐらいに松田さんがスゴイ。松田さんが凄すぎて、主役のマイケル・ダグラスがかすみまくり(^^;)。ここまで役者がすべてを持っていってしまう映画って、なかなかないんじゃないかと。松田さんは、やくざ連中も震え上がる恐怖の人物を演じているんですが、サングラスを取る仕草や車から降りる仕草など、演技のどこをとっても、見ていて震え上がってしまいます。いやあ、これはすごい…。松田さん、この撮影中に病気だったそうですが、しかし撮影のために入院を拒絶して撮影を続け、そして他界してしまいました。でも、どれだけ演技を作りこんでいたかは、この映画を見るとよく分かります。演技の迫力が段違いですから。あと、松田さんまでは届かないですが、若山さんの演技もすごい。日本の俳優陣が、ハリウッド俳優を完全に食ってしまった映画なんて、ちょっと他には思いつきません。

そんなわけで、あくまで娯楽ハリウッド映画という枠内なので、芸術映画や作家映画と比較出来るような映画じゃないですが、その枠中では大好きな映画のひとつ。ハリウッド映画って、巷でいわれるほど馬鹿に出来ないというか、どこまで深く見るかという段階があるように見える作品がそれなりにありますよね。この映画だって、犯人逮捕の刑事ドラマとか、アクション映画という見方で留めても十分面白いですが、「どうせ娯楽映画だろ」なんて軽くいえないところがあって、深く見たい人には、それはそれでテーマ部分がちゃんと作りこまれてると思います。見たことのない方はぜひ!


映画『ブレードランナー』

BladeRunner flyer 1982年制作、リドリー・スコット監督の近未来SF作品…といいたいところなのですが、この映画の時代設定は2019年、もうすぐなんですね。空飛ぶタクシーや電飾ギラギラの飛行船広告などは間に合いそうもありませんが、人工頭脳や遺伝子操作によるクローン技術は2017年時点でもう追いついているぐらい(すごい!)、この映画の未来予想って、おおむね当たっていたのかも。

 大ヒットしたこの映画は、遺伝子工学によって人間が生み出しだした人造人間の話。この人造人間たちは宇宙で危険な仕事を任されています。つまり人間扱いされていません。彼らの寿命は4年で、それを知って脱走した彼ら数人が地球に舞い戻って人間の中に紛れ込むというもの。ブレードランナーというのは、紛れ込んだ人造人間を探し出して抹殺する雇われハンターみたいな存在です。この映画、大傑作とは思わないのに、一度見ると何回も何回も見ちゃうんです。なんでこんなにひきつけられるんでしょうか。自分なりに考えてみたんですが、その理由は…

 まず、ストーリーのひねりと、その見せ方がいい!一例を挙げると、人造人間の人数。地球に舞い戻った人造人間は6人なのですが、映画に登場する人数と合いません。また、主人公のブレードランナーは、雇い主の使い走りからお目こぼししてもらうんですが、そこには馬の折り紙が。最初見た時、この意味が全く分からなかったんですが、映画の中で、主人公が見た白昼夢の中に馬が一度登場しています。これらを解釈しようとすると、では人造人間のもうひとりは…みたいな。いや~、何でもかんでもセリフやナレーションで説明してしまわずに、映像や脈絡の流れで把握させるというのは、映画にしか出来ない表現方法なので、「おおっ!」と思っちゃいます。こんなふうにして視聴者の想像力をかきたてるところが、先を見たくなる要因かも。ゴダールやポランスキーの映画にも似た感覚があるので、もしかすると映画術としては王道のテクニックなのかも知れません。7割ぐらい分かったつもりでも、後の3割が分からないので、「あれ、どういうことなんだろう」と、また見ちゃう(^^)。

 次に、人造人間のリーダー役のルドガー・ハウアーさんの演技が素晴らしい!この映画の主役はブレードランナー役のハリソン・フォードさんなんですが、敵役のルドガーさんが素晴らしすぎて、完全に主役を食ってる(^^)。このせいで、主人公と人造人間の闘い&人造人間との道ならぬ恋の話だったはずが、死に行く運命にある人造人間の苦悩の話になっちゃってます(^^)。でも結果オーライというか、話としてはそっちの方が全然深いものになったんじゃないかと。敵の首領の最後の言葉、「オリオン座の近くで燃えつきる宇宙船、タンホイザー・ゲートのオーロラ、そうしたものを俺はこの目で見てきた。そうした記憶もやがて消える」は、映画史に残る名セリフのひとつと思います。それにしても、ブラックレインの松田優作さんといいい、リドリー・スコット監督さんの映画って、敵役が主役を食っちゃうものが多いですね。。

BladeRunner_photo.jpg  美術では、サイバーパンクな雰囲気漂う近未来の描写がいいです!超ハイテクで綺麗な超高層ビルもあれば、その下に広がるスラム街も妙に説得力あって、すばらしい!!この映画の美術監督は長秀逸だと思います!マンガの「AKIRA」とか、テレビゲームなんかに出てくるサイバーパンクな描写って、この映画に出てきた美術にそっくりですが、やっぱりこのルーツって、この映画じゃないかなあ。

 最後に、たぶんここが一番重要で、映画が現実と繋がっているのがすばらしいです。映画って、謎の超巨大生物と必死に戦うみたいな現実にはありえない設定だと、その必至に戦っている演技やら映画そのもの自体がこっけいに見えてきちゃう、僕の場合。でも、このブレードランナーに描かれた「人造人間の苦悩」は、人工頭脳やクローンの問題が思いっきり現実味を帯びてきた現在に見ると、80年代当時見た時とは見え方が全然違ってきて、「人造人間を作ると、彼らにも心があっても同等の人とは見做さない」とか「人造人間自体が人間より優秀になる」とか、今人間が直面している問題そのもので、とても映画の中だけにある観賞用の虚構には思えません。まさに今人類が突き当たっている問題なんですよね。いや~、これは考えさせられるなあ。

 というわけで、そこまで傑作とは思わないのに、すごく引き込まれちゃう映画。間違いなくSF映画の好作でひとつと思うので、見てない人は、一度は見てもいいんじゃないかと!あ、でも、けっこう頭使いますよ。僕は3回目でなんとなくようやくが分かった気になれた感じでした(^^)。そうそう、この映画って、最初に劇場公開されたもののほかに、ディレクターズカット版とか最終版とか色々あるので、全部まとめて見れるBlu-ray版はおススメです(^^)。


映画『風の谷のナウシカ』

Nausica.jpg 数日前に、テレビでアニメ映画「風の谷のナウシカ」の何十回目かの再放送をしてました。子供のころに見て大感動、激しく心揺すぶられた映画で、うちにもどこかにVHSがあるはず。それにしてもさすがにもう何回目の放送だよ、よっぽど視聴率が取れるんだろうな…な~んて思いながら何となく見ていたら…やっぱり感動してしまいました(ノω・、) ウゥ。。いつの間にか、映画自体にあるメッセージや内容を見ようともせずに、そういう変な所の勘繰りばかりするようになっていた自分が恥ずかしい。。アニメと思って馬鹿にしちゃいけない、これは映画の大傑作のひとつだと思います。

 「風の谷のナウシカ」は、日本のアニメーション映画を代表する監督/アニメーターの宮崎駿さんの監督作品。僕的には、「ルパン三世カリオストロの城」と並んで、宮崎さんの代表作だと思っています。核戦争(?)か何かで地球がボロボロになって、人を蝕む毒の森に囲まれて生きるようになった人類のハナシ。主人公は、その中で生きる森の中の小さな村のお姫様ナウシカ。数えきれないぐらいに見たのに何度見ても感動してしまうし、またその感動ポイントは幾つもあるのですが、あえてそのうちのひとつを挙げるとすれば、主人公ナウシカの行動に心揺すぶられます。自分たちで自然や地球を滅ぼしかけておきながら、まだ愚かな行動を繰り返す人々の中にあって、全身全霊で世界が良い方向に向かうよう行動します。正しく判断し、救う為なら自らの命も損得も後まわし。口でいうのは簡単ですが、自分の得の為には悪事なんてお構いなしの大人たちで溢れかえり、そのために超貧困層が生まれようが原子力事故が起きて取り返しのつかない事になろうがそれを修正しようとも正対しようともしない今の社会を見ると、いま人間に問われているのは、なにより先に正しい判断力や倫理観なんじゃないかと思えてしまいます。それをズバっと言われている感じで、全身全霊で正義を果たそうとする主人公に涙が出てしまいます。子供の教育がどうとかじゃなくって、まずは大人たちが見なきゃいけない映画なんじゃなかろうか。

 あとは、部分的にこの映画の好きな所。音楽は、メインテーマになっている協奏曲が秀逸。音楽に関しては、そのうちサントラでも取り上げて、まとめて書こうかな(^^)。アニメーションとして優れていると思った所は、風に乗って飛ぶグライダーが、すごく高い所から飛ぶシーン。これは、映画の内容と関係なく、動く絵画として、いつも「おおっ!!」と思ってしまいます(^^)。
 ただ、絵として宮崎監督の映画を見て毎回思うのは、色が下手だなあとは思います。物語のテーマとかアニメーションとかキャラクターの表情とか、色々な所が世界一のアニメ監督だと思うのですが、西洋画や色の勉強はしてないんだろうなと思ってしまいます。この映画でいうと、服や虫なんかの色遣いを見ると…ね(^^;)。そこが完璧だったら、さらにスゴいアニメ―ション映画になってたと思います。
 な~んて言ってますが、しかしこんなに素晴らしい映画を作ってくれて、本当にありがとうと言いたい気持ち。素晴らしい映画と改めて思いました!


映画『バグダッド・カフェ 完全版』

BagdadCafe_movie.jpg 映画は大好きなんですがライトユーザー、名画といわれるものでも「外しそう」と思ったものは観てなかったり(^^)。この「バグダッド・カフェ」(1987年制作)も超有名なのに観てませんでした(&p゚ω゚*)。ところが、ポスター作りの仕事で「バグダッド・カフェみたいなムードで」というオーダーが来まして、約30年遅れでトライ!(スイッチポチー)…「バグダッド・カフェ」といっても、イラクが舞台というわけじゃないんですね、知らなかった(^^;)。ラスベガスに近い砂漠の街道筋にある「バグダッド・カフェ」という名のカフェ&モーテル&ガソリンスタンドが舞台。ここに、ドイツから来た太った中年婦人が泊まりに来て、色んな人生が交錯し始める…みたいなストーリー。

 雰囲気は、作家もの映画というか、映画というより舞台の芝居を見ている気分。昔でいえばセゾンあたりが推しそうなライトなアート系かな?というわけで、映画にハマり始めの若い人が観たらオシャレに感じるかも。単純すぎず難しすぎずで、丁度いいぐらいかも知れませんね。
 僕的には…う~~ん、無理してアート風にしてみた…みたいな感じかな?「アートフィルム」という言葉があるじゃないですか。あれって、カレーもウンコもゴッチャにしちゃってる区分けに感じてます。タルコフスキーの「サクリファイス」あたりなら文句なしでアートフィルムといっていいと思うんですが、じゃあこういうのは?水平を狂わせたカット、ブーメランを空中に投げるシーンの繰り返し、物語の唐突な切り方…これらが、低予算映画に箔をつけるためだけに、そっち系の研究をしたことがない人が、それ風にカッコつけてみただけに見えちゃいました。例えば、画面の上にシャドウを入れる映像処理。これで空を淀んだように見せて、それを登場人物の感情表現にもしているんだと思うんですが…安っぽい。この映像処理って、80年代のアメリカのテレビドラマとかでたまに見かけますが、ちょっといただけないなあ。この処理でうまくいっていると思えた例を、あんまり見た事がないです。他にも、全編で貫かれた、赤を強くしたハイコントラストもちょっとイージー。音楽に例えれば、ゲートをかけたスネアの音とか、チャチなコンパクトエフェクターのディレイでループさせた音の上でのソロを取る、みたいなもんで、安易すぎてクソダセえな、みたいな(^^;)。アートっぽい事をゴチャゴチャやる割に、構図も色バランスも洗練されているとはお世辞にも言えないから、アートのふりをしているだけにしか見えなくなっちゃったんでしょうね。。80年代のポップな音楽やアート独特の、掘り下げの浅さが出てしまったもののひとつという気がします。ただ、音楽はけっこう好きで…その話はまた次回(^^)/!


プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中… 楽器屋で演奏してみたら、木製鍵盤で、タッチがけっこう本物のピアノに近かった!うちにあるアップライトがけっこうヤバいので、フルメンテして貰うか、こういうので間に合わせようか大いに悩み中。
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