映画『サンゲリア』 ルチオ・フルチ監督

sangeria.jpg ゾンゲリアについて書いた以上、サンゲリアを書かないわけにはいきません( ̄w ̄) 。日本タイトルだけみればサスペリアのパクリですが、元々のタイトルはどっちもぜんぜん違います。ちなみに、ホラー系という点は共通してるものの、内容はかなり違います。日本の映画輸入配給会社ってひどいな(^^;)・・・サスペリアがオカルト、ゾンゲリアがサスペンス、そしてこのサンゲリアはゴアとかスプラッターといえばいいのかな?いや~、ホラー映画って、オーメンとサスペリアだけは妙に好きなので、それにつられてけっこう見た時期があるんですよ(^^)。

 ニューヨーク近くの海にヨットが漂着して、その調査にヨットに入った警官が、載っていたゾンビみたいな男に襲われる。そのヨットの持ち主の娘は、行方不明になった父親の安否の確認のため、父親が出かけた先の島まで、新聞記者と一緒に行く。その島ではブードゥー教が・・・。

 この映画は、ゴア系のゾンビ映画。ゴア映画の名作としても、ゾンビ映画の名作としても有名らしいです。けっしてヒット作の2匹目のドジョウを狙っただけのインチキ映画ではないみたい。また、監督のルチオ・フルチさんというイタリア人監督は、「ゴアの帝王」と呼ばれるぐらいに、こっち系では有名人みたい。ゴアというのは、血や肉がとびちるような映画のことで、この映画だと、目に木のとげがグサ~~っと刺さっていくシーンが有名ですが、これを見せるのが映画の目的のように僕には思えます。だって、目に刺さって、眼球が破裂して、気持ち悪くめくれあがって・・・みたいに、こんなシーンばかりやたら丁寧に作られてるんですもん( ̄ii ̄)ハナジ。。僕は、精神的にジワジワと恐怖を感じるような映画はビビりつつも大好きなんですが、物として血や肉が飛び散る映画というのは、もう単純にキモチワルいとおもうだけで苦手。でも、なんでこういうゴアを見たいと思う人が一定数いるのかというところは、興味があるところ。なんとなく、そこには深いものがある気がするんですよね~。ホラー映画好きの友人が言うには、サンゲリアのゴア表現は、ゴアフィルムの中ではソフトな方らしいので、一回ぐらいはそういうものも見てみたいと思う人が見るには、名作といわれてる映画みたいなので悪くないかも。、あと、ゾンビ映画が好きという人には、避けては通れない古典なのかも知れません。でも、僕はもういいや(^^;)。。


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映画『ゾンゲリア DEAD & BURIED』

Zongeria.jpg 『ゾンゲリア』、1981年制作のアメリカ映画。子供のころから何度もタイトルを目にしてきたんだけど、実際に見たのはようやく最近。僕はサスペリアという映画がすごく好きで、それこそ何度も見たんですが、そのヒットにあやかって似たようなタイトルの映画が日本で公開されまくった時代がありました、『サンゲリア』とかね(^^;)。でも、これって日本の映画配給会社が勝手につけたタイトルで、元のタイトルは全然違うみたいで、この映画だって本当は「デッド&バリード」です。そんなわけで、2匹目のドジョウ狙いのB級映画っぽい気がして観てなかったんですが、観て見たらすごく良く出来た映画でした!

 映画のスタートから引き込まれました。B級どころか、音楽は素晴らしいしカメラワークもなにもかも秀逸。フランスの名画を見ているぐらいによく出来ていて、「え?実はホラーじゃない?」ってな感じ。浜辺ではじめて会った男性と女性(リサ・ブロント、写真のナースさん。この映画の時が一番美人だと思う^^)の会話はほほえましく、どういう展開になるんだろう…という所でいきなりの惨劇(゚ロ゚ノ)ノ。。以降、殺人事件を追うアメリカの小さな田舎町の警官を軸に話が展開していきます。物語の伏線、新たな謎、第2第3の殺人、不審な奥さんの行動…と話が展開、さいごまで飽きるひまもなく見てしまいました(^^)。最後の2重3重のどんでん返しも見事!!

Zongeria_pic1.jpg いや~、低予算のやっつけB級ホラー/スプラッター映画かと勘違いして敬遠していたんですが、超常現象はからむものの秀逸なサスペンス、作りもていねいな素晴らしい映画と思いました。これ、昔のビデオは、パッケージに使ってる写真も、ナースが患者の目に注射針を突き刺してる所とかショッキングなものばかり使っていて、しかもタイトルが「ゾンゲリア」、僕は「ああ、気色悪いシーンばかりが売りのアメリカB級スプラッターか」な~んて思っちゃったんですよね。でも、そういうシーンはあくまでもアクセントで、メインはサスペンス部分。この「え、どういう事?」というサスペンスの連続のドキドキ感が素晴らしい!僕が人生で観たこれ系のジャンルの映画の中ではナンバーワンの面白さでした!!


映画『woodstock』

DVD_Woodstock.jpg そして、本家本元のウッドストック音楽祭のドキュメンタリー映画です!

 音楽大好きな僕は、映画よりもサントラを先に聴いてまして、映画を見たのはサントラよりもけっこう後でした。そんで、最初に見た時はけっこう戸惑ったんです。というのは、ステージにあがるミュージシャンの音楽を追ったドキュメンタリーだと思い込んでいたものだから、そうじゃない作りに「あ、あれ?」ってなったんですよね。でも、何回か見ているうちに、「ああそうか、そういうことか」と納得がいって、すごくいいドキュメンタリー映画だと思いました。

 この映画、音楽を追っているというよりも、ウッドストックに集まったお客さんを含めた「ウッドストックというフェスティバルが象徴したもの」を追っているんだと思います。映画の中で、客として来ているひとりの青年がけっこう丹念に追われてるんですが、この人はウッドストックに参加したミュージシャンやお客さんの中ではかなり思慮深い人という感じで、この人が今のアメリカをどう思っていて、こういう音楽をどう思っていて、自分がどう生きたらいいかも迷っていて…こういう所が追われます。また、ドキュメンタリーとして素晴らしいのは、それを軸にしないで、彼とはまったく違うようなヒッピーみたいな生き方をしてる人とか、バイカーの集団とか、メッセージを伝える黒人ミュージシャンのパフォーマンスとか、こういうものを多角的に捉えています。ベトナム戦争が混迷していく真っ最中に、アメリカの若者が何を感じてどう生きたらよいかを迷い、保守的な文化(音楽の中ではフォークやカントリー)もカウンターの文化(ロック)もグシャグシャで…みたいな感じです。 音楽だけを楽しみたいと思うと、違和感を覚えるかも知れないけど、これはすごくいいドキュメンタリー映画じゃないでしょうか。僕は大好きな映画です。


映画『ブラック・レイン』

BlackRain.jpg リドリー・スコット監督の映画をもうひとつ。松田優作の遺作として話題を呼んだ映画「BLACK RAIN」!この映画、学生の頃に見て、めっちゃくちゃにはまりました!同じ監督の映画としては、僕的には、ブレードランナーの3倍、エイリアンの10倍は好き(^^)。

 映画の内容は、こんな感じ。少しあらすじを書きますので、白字にしておきます。読んでも問題ない程度に留めたつもりですが、読みたくない人は見ないでくださいね。

海外で起きた日本のやくざ同士の抗争現場にたまたま居合わせたふたりのアメリカ人刑事(ミッキー・ローク&アンディ・ガルシア)が、殺人犯佐藤(松田優作)を逮捕。その日本送還中、日本の空港で逃げられる。逃げた佐藤は、自分を捕まえた二人のアメリカ人刑事を狙い、ひとりを刀で首を切り落として殺害。残されたもうひとりの刑事は次第に事件の真相に近づいていき、佐藤と対立するやくざ組織の組長(若山富三郎)に接触。そこで組長から語られたのは、アメリカが日本に落とした原爆によって破壊されたのは町だけではなく、それが佐藤のような人間を生んだと語る。

 さてこの映画、背景にあるテーマは、さっきあらすじのところに書いた、敵親分役の若山富三郎さんが語ったセリフと思います。「佐藤が信じるのはアメリカ人と同じで、金だ」「お前らアメリカは自分たちの価値を押し付け、俺たちは自分を見失った。そして、佐藤のような人間がたくさん生まれた」異文化衝突や価値の押し付けによって破壊された欧米以外の国々の正義や価値観。それを比喩的にひと言であらわすと、原爆が降らせた黒い雨「ブラックレイン」なんでしょうね。このテーマ、日本とアメリカの関係に限らず、二十世紀の世界大戦から現在までの世界情勢の根底にあるものと思うので、実は重要なテーマだと思います。娯楽映画ではありますが、しかし背後にあるテーマはなかなかヘビー(^^;)。
Black Rain 1 でもテーマ以上に、ぼくがこの映画にグッと来たのは、松田優作さんの迫真の演技です!この映画、松田さんのための映画といっても過言じゃないぐらいに松田さんがスゴイ。松田さんが凄すぎて、主役のマイケル・ダグラスがかすみまくり(^^;)。ここまで役者がすべてを持っていってしまう映画って、なかなかないんじゃないかと。松田さんは、やくざ連中も震え上がる恐怖の人物を演じているんですが、サングラスを取る仕草や車から降りる仕草など、演技のどこをとっても、見ていて震え上がってしまいます。いやあ、これはすごい…。松田さん、この撮影中に病気だったそうですが、しかし撮影のために入院を拒絶して撮影を続け、そして他界してしまいました。でも、どれだけ演技を作りこんでいたかは、この映画を見るとよく分かります。演技の迫力が段違いですから。あと、松田さんまでは届かないですが、若山さんの演技もすごい。日本の俳優陣が、ハリウッド俳優を完全に食ってしまった映画なんて、ちょっと他には思いつきません。

そんなわけで、あくまで娯楽ハリウッド映画という枠内なので、芸術映画や作家映画と比較出来るような映画じゃないですが、その枠中では大好きな映画のひとつ。ハリウッド映画って、巷でいわれるほど馬鹿に出来ないというか、どこまで深く見るかという段階があるように見える作品がそれなりにありますよね。この映画だって、犯人逮捕の刑事ドラマとか、アクション映画という見方で留めても十分面白いですが、「どうせ娯楽映画だろ」なんて軽くいえないところがあって、深く見たい人には、それはそれでテーマ部分がちゃんと作りこまれてると思います。見たことのない方はぜひ!


映画『ブレードランナー』

BladeRunner flyer 1982年制作、リドリー・スコット監督の近未来SF作品…といいたいところなのですが、この映画の時代設定は2019年、もうすぐなんですね。空飛ぶタクシーや電飾ギラギラの飛行船広告などは間に合いそうもありませんが、人工頭脳や遺伝子操作によるクローン技術は2017年時点でもう追いついているぐらい(すごい!)、この映画の未来予想って、おおむね当たっていたのかも。

 大ヒットしたこの映画は、遺伝子工学によって人間が生み出しだした人造人間の話。この人造人間たちは宇宙で危険な仕事を任されています。つまり人間扱いされていません。彼らの寿命は4年で、それを知って脱走した彼ら数人が地球に舞い戻って人間の中に紛れ込むというもの。ブレードランナーというのは、紛れ込んだ人造人間を探し出して抹殺する雇われハンターみたいな存在です。この映画、大傑作とは思わないのに、一度見ると何回も何回も見ちゃうんです。なんでこんなにひきつけられるんでしょうか。自分なりに考えてみたんですが、その理由は…

 まず、ストーリーのひねりと、その見せ方がいい!一例を挙げると、人造人間の人数。地球に舞い戻った人造人間は6人なのですが、映画に登場する人数と合いません。また、主人公のブレードランナーは、雇い主の使い走りからお目こぼししてもらうんですが、そこには馬の折り紙が。最初見た時、この意味が全く分からなかったんですが、映画の中で、主人公が見た白昼夢の中に馬が一度登場しています。これらを解釈しようとすると、では人造人間のもうひとりは…みたいな。いや~、何でもかんでもセリフやナレーションで説明してしまわずに、映像や脈絡の流れで把握させるというのは、映画にしか出来ない表現方法なので、「おおっ!」と思っちゃいます。こんなふうにして視聴者の想像力をかきたてるところが、先を見たくなる要因かも。ゴダールやポランスキーの映画にも似た感覚があるので、もしかすると映画術としては王道のテクニックなのかも知れません。7割ぐらい分かったつもりでも、後の3割が分からないので、「あれ、どういうことなんだろう」と、また見ちゃう(^^)。

 次に、人造人間のリーダー役のルドガー・ハウアーさんの演技が素晴らしい!この映画の主役はブレードランナー役のハリソン・フォードさんなんですが、敵役のルドガーさんが素晴らしすぎて、完全に主役を食ってる(^^)。このせいで、主人公と人造人間の闘い&人造人間との道ならぬ恋の話だったはずが、死に行く運命にある人造人間の苦悩の話になっちゃってます(^^)。でも結果オーライというか、話としてはそっちの方が全然深いものになったんじゃないかと。敵の首領の最後の言葉、「オリオン座の近くで燃えつきる宇宙船、タンホイザー・ゲートのオーロラ、そうしたものを俺はこの目で見てきた。そうした記憶もやがて消える」は、映画史に残る名セリフのひとつと思います。それにしても、ブラックレインの松田優作さんといいい、リドリー・スコット監督さんの映画って、敵役が主役を食っちゃうものが多いですね。。

BladeRunner_photo.jpg  美術では、サイバーパンクな雰囲気漂う近未来の描写がいいです!超ハイテクで綺麗な超高層ビルもあれば、その下に広がるスラム街も妙に説得力あって、すばらしい!!この映画の美術監督は長秀逸だと思います!マンガの「AKIRA」とか、テレビゲームなんかに出てくるサイバーパンクな描写って、この映画に出てきた美術にそっくりですが、やっぱりこのルーツって、この映画じゃないかなあ。

 最後に、たぶんここが一番重要で、映画が現実と繋がっているのがすばらしいです。映画って、謎の超巨大生物と必死に戦うみたいな現実にはありえない設定だと、その必至に戦っている演技やら映画そのもの自体がこっけいに見えてきちゃう、僕の場合。でも、このブレードランナーに描かれた「人造人間の苦悩」は、人工頭脳やクローンの問題が思いっきり現実味を帯びてきた現在に見ると、80年代当時見た時とは見え方が全然違ってきて、「人造人間を作ると、彼らにも心があっても同等の人とは見做さない」とか「人造人間自体が人間より優秀になる」とか、今人間が直面している問題そのもので、とても映画の中だけにある観賞用の虚構には思えません。まさに今人類が突き当たっている問題なんですよね。いや~、これは考えさせられるなあ。

 というわけで、そこまで傑作とは思わないのに、すごく引き込まれちゃう映画。間違いなくSF映画の好作でひとつと思うので、見てない人は、一度は見てもいいんじゃないかと!あ、でも、けっこう頭使いますよ。僕は3回目でなんとなくようやくが分かった気になれた感じでした(^^)。そうそう、この映画って、最初に劇場公開されたもののほかに、ディレクターズカット版とか最終版とか色々あるので、全部まとめて見れるBlu-ray版はおススメです(^^)。


プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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