映画『ひゃくはち』

Hyakuhachi.jpg 日本の夏の風物詩、夏の高校野球も今日でベスト4が決定、いよいよ大詰めですね!僕は甲子園にけっこう近い所に住んでるもんで高校野球もプロ野球も親近感あります(^^)。そしてこの「ひゃくはち」は、高校野球の映画。なんでも、野球のボールの縫い目は108なんだそうで、人間の煩悩の数と同じ(^^)オオ~。この映画、メッチャ面白かったです!!

 この映画の何がいいかっていうと、甲子園にいくような野球校の野球部の様子がリアルに描かれている事、お涙ちょうだいの感動ものにせず、笑いあり涙あり苦しみあり喜びありで、かたよらずに高校生の感性が描かれてる所、このふたつがよかった!野球部の寮生活で、夜の練習の合間にタバコ吸ったり、監督や部長がプロのスカウトマンや新聞記者と癒着していたり、でも生徒も監督も野球に対して本気だったり。これがやたらとリアル(^^)。ボクは、この時期にやる「熱闘甲子園」という番組が大きらいで、高校野球をわざわざ感動的に演出するあの感性に嫌悪感を覚えます。実際のところは絶対にこの映画みたいな感じだって(^^)。。高校野球で喧嘩やたばこで出場停止になる学校がありますが、自分が学生の時を思い出すと、たばこをまったく吸った事のないやつの方が珍めずらしいっすよね(^^;)、最近の若い人は酒も飲まない車も乗らないという事で、昔よりはそういうのは減ったのかも知れませんが、少なくとも昭和はそうじゃなかった。そこをきれいごとで描かずに、かといってシリアスに書かず、「あ~疲れた、今日も練習ガンバッた、一服したらシャワーして明日の朝練ガンバろう」とリアルに描く所がいい(^^)。あと、年に数回ある休日に合コンして、女子大生とHしちゃうとか、でもそれも純粋に明るい感じでいい(*・∀・)。。いいとか悪いとかじゃなくて、本能ですから、ばれないようにしてみたいのが普通ですよね。一方で、ベンチ入りできるかどうかスレスレの球児のお父さんの気持ちとか、なんとかそこに滑り込もうとする選手の気持ち、もうベンチに入れないと悟って野球部を去る生徒の心情、こういう所も気きっちり描かれてます。というわけで、見ている間に飽きる事が全然なく、すごく面白く見ることができました(^^)。

 高校生の頃の悪ふざけとか頑張りとか友情とか異性関係とかって、まさにこういう感じだったなあと思い出しました。きれいごとで美化しない、かといってドロドロじゃなくって笑いあり涙ありの等身大の青春時代を描いた、大人の鑑賞に堪える素晴らしい青春映画、よかったです!!

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映画『タクシードライバー』 マーティン・スコセッシ監督

TaxiDriver.jpg 同じくマーティン・スコセッシ監督&ロバート・デニーロ出演の映画で、こちらは1976年作。この映画で、スコセッシ監督さんは名を挙げたんじゃないでしょうか?!

 主人公はタクシードライバー。目的もなく、無為に日々を過ごしています。でも、本人がそれでいいと思っているかというとそうでもなく、自分でもなにか空しく思ってるみたい。そんな彼が、夢想をはじめ、銃を手に入れ、自分を鍛えはじめて・・・。

 この映画は、後期アメリカ・ニューシネマに数えられているみたいっす。僕はニューシネマというものの定義がよく分かっていませんが、共通項を挙げるとすれば、主人公が空しさや苛立ちを抱えていて、これがテーマになっているところでしょうか。ニューシネマ全盛期はベトナム戦争の時代なので、そういうところも影響してるかも。この手の理由のわからない空しさとか苛立ちとかって、たくさんの人が若いころに経験してるんじゃないかと思うんですよね。いろいろあるとは思いますが、どうやって生きたらいいのかが分からないとか、よく分からないけどとにかく虚無感にさいなまれるとか。そんなときにとてつもないことを思いついたりすると(貨物船にもぐりこんで外国に行ってしまうとか、1億円強奪とかね^^;・・・夢物語だけど、でもやろうと思えば挑戦は出来るわけだし、実際にやったら善悪はともかく間違いなく人生がガラッと変わる事、みたいな…)、なんか急に希望が湧いてくるような空想。でもたいがいは空想だけで終わっちゃう、みたいな(やったらマズいですしね^^;)。それをそのまま描いたのが、この映画なんだと思います。この映画をいいと思った事はないんですが、でも気持ちは分かるな。人によっては「中二病」「痛いヒーロー像」ぐらいにしか思えないかも知れませんが、ランボーや中原中也の詩とか、ああいうものが分かる人には、なにか伝わる映画なんじゃないかと。カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞したみたいです。


映画『グッドフェローズ』 マーティン・スコセッシ監督

GoodFellas.jpg スコセッシ監督&ロバート・デニーロの組み合わせと言えば『タクシードライバー』ですが、この映画も両者の組み合わせ。お笑い芸人テルさんの物真似を見てがぜんデニーロに興味を持った妻の要望で借りてきました(^^)。あの物まねを見て笑うにはこの映画のデニーロが最適かと(^^)。あと、この映画で主演しているレイ・リオッタという俳優さん、どこかで見たことある、なんだっけ・・・あ、『ハンニバル』でレクター博士に脳みそ丸見えにされてた人だ!そういえば『アイデンティティー』の夢の中でも活躍してたな・・・いや~、こうやって点と点が結びついていくのって、気持ちいいですね。最近、俳優さんの名前を覚えるのが楽しくなってます(^^)。

 実話を元にしたアメリカのマフィア映画でした。普通の中学生がどうやってマフィアなんて普通じゃない組織に入って、どういう生き方をして、最後にどうなったのか、これが丁寧に描かれています。映画は、トランクに詰めた人に「なんだまだ生きてたのか」と止めを刺すところから始まるんですが、この時点で「男の美学系じゃなくって、パルプフィクションみたいなチープ系かな?」と、嫌な予感。その予感は半分あたり、半分はずれ。内容はチープでしたが、でも面白かった!

 主人公がマフィアの大物でなかったこと、またマフィアを必要以上に美化したり貶したりしなかったところが、リアルで良かったです。大物すぎると「自分とは違うな」となっちゃうんですが、これぐらいの人が主人公だと感情移入できるっす(^^)。そして、マフィアのおっかない所と楽しい所が両方描かれてて、ここもすごくリアル。小学校高学年とか中学校ぐらいの時って、仲間と群れたりするじゃないですか。それで、ちょっと悪い事もしちゃったり。あれって、おっかないだけじゃなくって、楽しいんですよね。この映画に描かれたマフィアはその延長みたいなもんだと理解できました。普通だと万引きぐらいでとまりそうなものが、マフィアに行くレベルになるとちょっと行き過ぎちゃった感じなんだな、みたいな。この映画の主人公は、人生の前半は仲間意識の強さもあって、悪い事やっても怖いものなし、大金は入ってくる、モテる、怖い人とも接触するので肝を冷やすときもあるけど基本はウハウハです。でも、歯車が狂いだすと・・・。
 「グッドフェローズ」というのはマフィア用語で「仲間」「いいやつ」みたいな意味、ここが大事なんでしょうね。この言葉の意味が、映画の前半と後半で違う意味になって、最後にはほとんど皮肉みたいになってしまいます。けっこうシリアスでハードボイルドにまとめた『タクシードライバー』とは違って、僕的にはこの軽妙さはカッコよく見えました。絶対に見るべき映画とは思いませんが、「あの映画、良かった?」と訊かれたら「かなり楽しめた!」と言える映画。そうそう、この映画、ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞しているみたい。深い内容より軽薄でもリアリティが評価された時代という事でしょうか。なるほど、1990年的かも知れません(^^;)。


映画『血の魔術師 THE WIZARD OF GORE』 ハーシェル・ゴードン・ルイス監督

ChinoMajyutusi.jpg 音楽のブログなのになぜかホラー映画特集になってますが、気にせず進もう。連休中に、妻とギャーギャー悲鳴をあげながらホラー映画をたくさん観てたもので、忘れる前に書いておきたいんです(^^;)。最初に観たのがゾンゲリアだったのが運の尽き、もし最初にみたのが「男と女」だったら恋愛映画特集にできたのに(゚∀゚*)…。。
 ひとつ前の日記で書いた『2000人の狂人』のハーシェル・ゴードン・ルイス監督が作った映画の中で、印象に残っているものをもうひとつ。『血の魔術師』です!1970年というわけで、けっこう古いですが、これがひき込まれます(^^)。。

 ギロチンで首を切り落としたり、人の内臓をえぐり取ったりするエグい手品を見世物にしている魔術師モンタグ。しかし、彼のマジックショーのあと、ショーで実験台になった人々が同じ死に方をする。その事に気づいたテレビ局の人と新聞記者は彼にテレビ番組への出演を呼びかけ…

 ストーリーは、子供のナゾナゾみたいにすごく単純。でもナゾナゾと同じで、答えを言われれば簡単だしくだらないとも思うんだけど、見ている間はその答えが分かりません。そんな感じで、単純ながら最後までひきつけられました。で、ですね、問題のゴアシーンです。首が飛ぶシーンとかは思いっきりオモチャでチープすぎて笑っちゃうんですが、脈打つ臓器がグチャグチャと飛びだすところだけは異常にリアル。なんで臓器だけこんなにリアルに作るんだと思って調べてみると、これ、作り物じゃなくって本当の動物の心臓らしいです。そりゃエグイって(=_=)。。ビビらせようと演出に一生懸命の映画と違って、サラッと常軌を逸してるかんじが強烈でした(。-ω-))。。本物の内臓ドバドバとか、映画を撮るために生き物を殺生したのなら、それはやっちゃいけない事だと思うんですが、逆にいうとやっちゃいけないから、今となってはもう作れない種類の映画で、過去に撮影されたものを見るしかありません。そういう意味でも、貴重な映画かも。

 ハーシェル・ゴードン・ルイス監督は、はじめて内臓ドバドバみたいな描写をした映画を作ったので「ゴアのゴッドファーザー」って呼ばれてるそうです。映画も音楽も、昔はいろんなのがあったんだなあ。それが、時代が進むにつれて、たくさんの人が買うようなものを優先するあまり、ひとつひとつの出来不出来のばらつきはなくなったけど、同じようなものばかりになっちゃった、みたいな。ゴア映画を楽しむというのも変なハナシですが(^^;)、この監督が作る映画は、普通の映画では見れないような独特な魅力があります。ハナシも特撮もチープなんだけど、今の映画にはない、見世物小屋のような人の興味をひく独特の何かがあります。


映画『2000人の狂人』 ハーシェル・ゴードン・ルイス監督

2000maniacs.jpg ゴアフィルムとスプラッター映画の違いってなんだろうと思ってたんですが、昔はスプラッター映画をゴアといったみたいで、どうやらおんなじみたい(^^)。さて、ひとつ前の『サンゲリア』の日記で、僕は「血や内臓がドバドバ出るような描写ばっかりのゴアフィルムは苦手」なんて書きましたが、面白い(というと語弊があるかな^^;)と思ったものもありました。それがこの映画「two thousand maniacs!」!1964年のアメリカ映画です。

 アメリカの田舎道を車で旅行していた3組のカップルが、ウソの道路標識に導かれて小さな田舎町にたどり着く。町ではちょうどお祭りをやっていて、町の人たちは浮かれ気味。しかし、陽気に騒ぐ人たちが指をハサミでちょんぎり、くぎだらけのタルの中に押し込めて坂から転がし…と、とんでももない残忍さで旅行者を殺していく。ひそかに抜け出した旅行者のひとりが石碑を見つけると、なんとこの村は・・・

 なんでゴア&ゾンビ映画の傑作と言われてる『サンゲリア』はダメだったのに、『2000人の狂人』は面白いと思ったのか。たぶん、現実の延長として映画をとらえる事が出来たるどうかの差だと思うんですよね。ブードゥー教の呪いで死者が復活して人が襲われたと言われても映画の中だけの話で、現実の延長にそれを置くことは僕にはちょいとむずかしいんですが、人にだまされていきなりひどい殺され方をするというのは、現実にありえます。その恐怖を最大限に感じさせるためにゴアな表現が使われてるんであって、恐怖そのものはリアルさがないと精神的な恐怖にはならなくって、一歩引いて眺める見世物になっちゃう。こうした現実との境界侵犯のしかけは、この映画には他にもあって、魅力的な町の女性や善良そうなおじいさんが、笑顔で惨殺に加わります。僕らは、現実の世界で異常な事件があると「あいつはおかしい」と、その人間を自分や社会とは相いれない異常者という事にして、自分や自分のまわりの社会は安全と考えたがる傾向があると思うんですが、でも自分が安全と思う要素タップリの人がこういう事をやると、もう異常者と安全な社会を区分けするものがなくなってしまう・・・。こういう現実の社会と映画の境界線をあいまいにする仕掛けの有無が、『サンゲリア』と『2000人の狂人』の差なんだと思います。そうそう、この映画の指がちょん切られるシーンはマジで痛そうだった(゚д゚ノ)ノ 。特撮の出来栄えがどうとか言う事でなく、その恐怖描写がね…貞子の3倍はビビりました。。ゴアフィルムをみるなら、この映画がぼくのイチオシです!
 あ、あと、音楽ブログ的には、アメリカの田舎町でブルーグラスが演奏されている描写がとてもよかった!!日本で演歌を支持する世代や地域や職業があるのと似たような感覚で、アメリカでもブルーグラスやカントリーを支持する層があるんでしょうね(^^)。ブルーグラスって、やっぱりバンジョーだけはバカテクです。。


プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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