映画『血の魔術師 THE WIZARD OF GORE』 ハーシェル・ゴードン・ルイス監督

ChinoMajyutusi.jpg 音楽のブログなのになぜかホラー映画特集になってますが、気にせず進もう。連休中に、妻とギャーギャー悲鳴をあげながらホラー映画をたくさん観てたもので、忘れる前に書いておきたいんです(^^;)。最初に観たのがゾンゲリアだったのが運の尽き、もし最初にみたのが「男と女」だったら恋愛映画特集にできたのに(゚∀゚*)…。。
 ひとつ前の日記で書いた『2000人の狂人』のハーシェル・ゴードン・ルイス監督が作った映画の中で、印象に残っているものをもうひとつ。『血の魔術師』です!1970年というわけで、けっこう古いですが、これがひき込まれます(^^)。。

 ギロチンで首を切り落としたり、人の内臓をえぐり取ったりするエグい手品を見世物にしている魔術師モンタグ。しかし、彼のマジックショーのあと、ショーで実験台になった人々が同じ死に方をする。その事に気づいたテレビ局の人と新聞記者は彼にテレビ番組への出演を呼びかけ…

 ストーリーは、子供のナゾナゾみたいにすごく単純。でもナゾナゾと同じで、答えを言われれば簡単だしくだらないとも思うんだけど、見ている間はその答えが分かりません。そんな感じで、単純ながら最後までひきつけられました。で、ですね、問題のゴアシーンです。首が飛ぶシーンとかは思いっきりオモチャでチープすぎて笑っちゃうんですが、脈打つ臓器がグチャグチャと飛びだすところだけは異常にリアル。なんで臓器だけこんなにリアルに作るんだと思って調べてみると、これ、作り物じゃなくって本当の動物の心臓らしいです。そりゃエグイって(=_=)。。ビビらせようと演出に一生懸命の映画と違って、サラッと常軌を逸してるかんじが強烈でした(。-ω-))。。本物の内臓ドバドバとか、映画を撮るために生き物を殺生したのなら、それはやっちゃいけない事だと思うんですが、逆にいうとやっちゃいけないから、今となってはもう作れない種類の映画で、過去に撮影されたものを見るしかありません。そういう意味でも、貴重な映画かも。

 ハーシェル・ゴードン・ルイス監督は、はじめて内臓ドバドバみたいな描写をした映画を作ったので「ゴアのゴッドファーザー」って呼ばれてるそうです。映画も音楽も、昔はいろんなのがあったんだなあ。それが、時代が進むにつれて、たくさんの人が買うようなものを優先するあまり、ひとつひとつの出来不出来のばらつきはなくなったけど、同じようなものばかりになっちゃった、みたいな。ゴア映画を楽しむというのも変なハナシですが(^^;)、この監督が作る映画は、普通の映画では見れないような独特な魅力があります。ハナシも特撮もチープなんだけど、今の映画にはない、見世物小屋のような人の興味をひく独特の何かがあります。


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映画『2000人の狂人』 ハーシェル・ゴードン・ルイス監督

2000maniacs.jpg ゴアフィルムとスプラッター映画の違いってなんだろうと思ってたんですが、昔はスプラッター映画をゴアといったみたいで、どうやらおんなじみたい(^^)。さて、ひとつ前の『サンゲリア』の日記で、僕は「血や内臓がドバドバ出るような描写ばっかりのゴアフィルムは苦手」なんて書きましたが、面白い(というと語弊があるかな^^;)と思ったものもありました。それがこの映画「two thousand maniacs!」!1964年のアメリカ映画です。

 アメリカの田舎道を車で旅行していた3組のカップルが、ウソの道路標識に導かれて小さな田舎町にたどり着く。町ではちょうどお祭りをやっていて、町の人たちは浮かれ気味。しかし、陽気に騒ぐ人たちが指をハサミでちょんぎり、くぎだらけのタルの中に押し込めて坂から転がし…と、とんでももない残忍さで旅行者を殺していく。ひそかに抜け出した旅行者のひとりが石碑を見つけると、なんとこの村は・・・

 なんでゴア&ゾンビ映画の傑作と言われてる『サンゲリア』はダメだったのに、『2000人の狂人』は面白いと思ったのか。たぶん、現実の延長として映画をとらえる事が出来たるどうかの差だと思うんですよね。ブードゥー教の呪いで死者が復活して人が襲われたと言われても映画の中だけの話で、現実の延長にそれを置くことは僕にはちょいとむずかしいんですが、人にだまされていきなりひどい殺され方をするというのは、現実にありえます。その恐怖を最大限に感じさせるためにゴアな表現が使われてるんであって、恐怖そのものはリアルさがないと精神的な恐怖にはならなくって、一歩引いて眺める見世物になっちゃう。こうした現実との境界侵犯のしかけは、この映画には他にもあって、魅力的な町の女性や善良そうなおじいさんが、笑顔で惨殺に加わります。僕らは、現実の世界で異常な事件があると「あいつはおかしい」と、その人間を自分や社会とは相いれない異常者という事にして、自分や自分のまわりの社会は安全と考えたがる傾向があると思うんですが、でも自分が安全と思う要素タップリの人がこういう事をやると、もう異常者と安全な社会を区分けするものがなくなってしまう・・・。こういう現実の社会と映画の境界線をあいまいにする仕掛けの有無が、『サンゲリア』と『2000人の狂人』の差なんだと思います。そうそう、この映画の指がちょん切られるシーンはマジで痛そうだった(゚д゚ノ)ノ 。特撮の出来栄えがどうとか言う事でなく、その恐怖描写がね…貞子の3倍はビビりました。。ゴアフィルムをみるなら、この映画がぼくのイチオシです!
 あ、あと、音楽ブログ的には、アメリカの田舎町でブルーグラスが演奏されている描写がとてもよかった!!日本で演歌を支持する世代や地域や職業があるのと似たような感覚で、アメリカでもブルーグラスやカントリーを支持する層があるんでしょうね(^^)。ブルーグラスって、やっぱりバンジョーだけはバカテクです。。


映画『サンゲリア』 ルチオ・フルチ監督

sangeria.jpg ゾンゲリアについて書いた以上、サンゲリアを書かないわけにはいきません( ̄w ̄) 。日本タイトルだけみればサスペリアのパクリですが、元々のタイトルはどっちもぜんぜん違います。ちなみに、ホラー系という点は共通してるものの、内容はかなり違います。日本の映画輸入配給会社ってひどいな(^^;)・・・サスペリアがオカルト、ゾンゲリアがサスペンス、そしてこのサンゲリアはゴアとかスプラッターといえばいいのかな?いや~、ホラー映画って、オーメンとサスペリアだけは妙に好きなので、それにつられてけっこう見た時期があるんですよ(^^)。

 ニューヨーク近くの海にヨットが漂着して、その調査にヨットに入った警官が、載っていたゾンビみたいな男に襲われる。そのヨットの持ち主の娘は、行方不明になった父親の安否の確認のため、父親が出かけた先の島まで、新聞記者と一緒に行く。その島ではブードゥー教が・・・。

 この映画は、ゴア系のゾンビ映画。ゴア映画の名作としても、ゾンビ映画の名作としても有名らしいです。けっしてヒット作の2匹目のドジョウを狙っただけのインチキ映画ではないみたい。また、監督のルチオ・フルチさんというイタリア人監督は、「ゴアの帝王」と呼ばれるぐらいに、こっち系では有名人みたい。ゴアというのは、血や肉がとびちるような映画のことで、この映画だと、目に木のとげがグサ~~っと刺さっていくシーンが有名ですが、これを見せるのが映画の目的のように僕には思えます。だって、目に刺さって、眼球が破裂して、気持ち悪くめくれあがって・・・みたいに、こんなシーンばかりやたら丁寧に作られてるんですもん( ̄ii ̄)ハナジ。。僕は、精神的にジワジワと恐怖を感じるような映画はビビりつつも大好きなんですが、物として血や肉が飛び散る映画というのは、もう単純にキモチワルいとおもうだけで苦手。でも、なんでこういうゴアを見たいと思う人が一定数いるのかというところは、興味があるところ。なんとなく、そこには深いものがある気がするんですよね~。ホラー映画好きの友人が言うには、サンゲリアのゴア表現は、ゴアフィルムの中ではソフトな方らしいので、一回ぐらいはそういうものも見てみたいと思う人が見るには、名作といわれてる映画みたいなので悪くないかも。、あと、ゾンビ映画が好きという人には、避けては通れない古典なのかも知れません。でも、僕はもういいや(^^;)。。


映画『ゾンゲリア DEAD & BURIED』

Zongeria.jpg 『ゾンゲリア』、1981年制作のアメリカ映画。子供のころから何度もタイトルを目にしてきたんだけど、実際に見たのはようやく最近。僕はサスペリアという映画がすごく好きで、それこそ何度も見たんですが、そのヒットにあやかって似たようなタイトルの映画が日本で公開されまくった時代がありました、『サンゲリア』とかね(^^;)。でも、これって日本の映画配給会社が勝手につけたタイトルで、元のタイトルは全然違うみたいで、この映画だって本当は「デッド&バリード」です。そんなわけで、2匹目のドジョウ狙いのB級映画っぽい気がして観てなかったんですが、観て見たらすごく良く出来た映画でした!

 映画のスタートから引き込まれました。B級どころか、音楽は素晴らしいしカメラワークもなにもかも秀逸。フランスの名画を見ているぐらいによく出来ていて、「え?実はホラーじゃない?」ってな感じ。浜辺ではじめて会った男性と女性(リサ・ブロント、写真のナースさん。この映画の時が一番美人だと思う^^)の会話はほほえましく、どういう展開になるんだろう…という所でいきなりの惨劇(゚ロ゚ノ)ノ。。以降、殺人事件を追うアメリカの小さな田舎町の警官を軸に話が展開していきます。物語の伏線、新たな謎、第2第3の殺人、不審な奥さんの行動…と話が展開、さいごまで飽きるひまもなく見てしまいました(^^)。最後の2重3重のどんでん返しも見事!!

Zongeria_pic1.jpg いや~、低予算のやっつけB級ホラー/スプラッター映画かと勘違いして敬遠していたんですが、超常現象はからむものの秀逸なサスペンス、作りもていねいな素晴らしい映画と思いました。これ、昔のビデオは、パッケージに使ってる写真も、ナースが患者の目に注射針を突き刺してる所とかショッキングなものばかり使っていて、しかもタイトルが「ゾンゲリア」、僕は「ああ、気色悪いシーンばかりが売りのアメリカB級スプラッターか」な~んて思っちゃったんですよね。でも、そういうシーンはあくまでもアクセントで、メインはサスペンス部分。この「え、どういう事?」というサスペンスの連続のドキドキ感が素晴らしい!僕が人生で観たこれ系のジャンルの映画の中ではナンバーワンの面白さでした!!


映画『woodstock』

DVD_Woodstock.jpg そして、本家本元のウッドストック音楽祭のドキュメンタリー映画です!

 音楽大好きな僕は、映画よりもサントラを先に聴いてまして、映画を見たのはサントラよりもけっこう後でした。そんで、最初に見た時はけっこう戸惑ったんです。というのは、ステージにあがるミュージシャンの音楽を追ったドキュメンタリーだと思い込んでいたものだから、そうじゃない作りに「あ、あれ?」ってなったんですよね。でも、何回か見ているうちに、「ああそうか、そういうことか」と納得がいって、すごくいいドキュメンタリー映画だと思いました。

 この映画、音楽を追っているというよりも、ウッドストックに集まったお客さんを含めた「ウッドストックというフェスティバルが象徴したもの」を追っているんだと思います。映画の中で、客として来ているひとりの青年がけっこう丹念に追われてるんですが、この人はウッドストックに参加したミュージシャンやお客さんの中ではかなり思慮深い人という感じで、この人が今のアメリカをどう思っていて、こういう音楽をどう思っていて、自分がどう生きたらいいかも迷っていて…こういう所が追われます。また、ドキュメンタリーとして素晴らしいのは、それを軸にしないで、彼とはまったく違うようなヒッピーみたいな生き方をしてる人とか、バイカーの集団とか、メッセージを伝える黒人ミュージシャンのパフォーマンスとか、こういうものを多角的に捉えています。ベトナム戦争が混迷していく真っ最中に、アメリカの若者が何を感じてどう生きたらよいかを迷い、保守的な文化(音楽の中ではフォークやカントリー)もカウンターの文化(ロック)もグシャグシャで…みたいな感じです。 音楽だけを楽しみたいと思うと、違和感を覚えるかも知れないけど、これはすごくいいドキュメンタリー映画じゃないでしょうか。僕は大好きな映画です。


プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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