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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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2022年に聴いたアルバム 独断と偏見のベスト34 +α(後編)

 2022年の感想をもうひとつ。まったく個人的な事ですが、歳をとって頑張りがきかなってるのを実感。1日に出来る事がマジで減ってしまいました。泣きたいです。
 若い頃だと、学校で6時間授業を受けて、そのあと部活をして、部活帰りに友達とジャレて、夜に家に帰って宿題をしてピアノ練習して…みたいな事をみんなやっていたわけじゃないですか、あんなの絶対無理でございます。自分の集中力が続くわずかな時間に何をやるか、これを限定していかないと何もできない事を痛感させられました。時は金なり、歳を取って欲しくなったのは元気と時間です。折れずに頑張るぞ。
 というわけで、2022年年間ベストの後半戦、行きます!!

漫画・ゲーム
 今年あったもうひとつの私的な出来事は、何を隠そう現在作られているゲームのクオリティが恐ろしく高い事を知った事でした。コロナ禍が続き、僕も奥さんも家から出る機会が減ってふたりでいる時間が増え、ゲーマーな奥さんがやっているゲームをずっと眺めていたんですよね。それで、今のゲームが子供にはとても難しくてできないほど大人向けに作られている事を知りました(単に奥さんがそういうのを好んでいるだけかも^^;)。見ているだけで楽しかったです。

コミック『いつでも夢を』 原秀則
漫画家の生活という、自分にはまったく縁もゆかりもない世界をのぞき見できた新鮮な楽しさと、こういう青春も送ってみたかったという疑似体験の素晴らしさ

Souten no siroki kami no kura蒼天の白き神の座』 PlayStation ゲーム
昔はゲーム最強はこれだと思っていた時期もあるほどにのめり込んだ雪山登山RTS

アドバンスド大戦略 -ドイツ電撃作戦-』SEGAメガドライブゲーム
これも大ハマりしたが終盤の鬼の難しさに挫折、でも面白いからまた最初から

キングスフィールドIV』 PlayStation2 ゲーム
剣と魔法のダンジョン探索なんて面白いに決まってるだろちう事でこれも徹夜連続

Project Zomboid』 PCゲーム
自分だけが生き残ったゾンビだらけの世界でのサバイバル。今のゲームってすごいと思わされた

第10位~4位
Pharoah Sanders Thembi第10位:『Pharoah Sanders / Thembi
破壊的フリージャズから涙が出そうになるほどのスピリチャル・ジャズまで。コルトレーン亡きあとのジャズが何を目指したのかはこのアルバムで知った

第9位:『小比類巻かほる / So Real
敢えて言おう、80年代最高のJポップであると

第8位:『John Coltrane / "Live" at the Village Vanguard 11-03 & 05-1961
いやいやいやいやこれが発掘音源とかありえないだろ。元々リリ-スされていた「Live at the Village Vanguard」は聴かなくていいからこれを聴いて欲しい

JSBach_OrganSakuhinshuu_Richter_Archive.jpg第7位:『J.S.バッハ / オルガン作品集 カール・リヒター(org)』 グラモフォン/アルヒーフ録音盤
16~17世紀のヨーロッパの作曲家って天才揃いじゃないかと思うよマジで

第6位:『フェルドマン:コプトの光 ティルソン・トーマス指揮、ニュー・ワールド・シンフォニー
人間には宗教が必要、こんなものを聴かされたらそれが分かってしまう

第5位:『藤圭子 / 艶・怨・演歌
FujiKeiko_En En Enka戦後最高の日本人シンガーは誰かと訊かれたら、僕なら即答でこの人を挙げる

第4位:『ベルク:歌劇《ルル》3幕版全曲 ブレーズ指揮、パリ・オペラ管弦楽団
凄すぎ。こういうのを体験してしまうといまだにドミナントでしか音楽を書けない作曲家が馬鹿に見えてくる

書籍
Doubutsunitotte Shakaitoha Nanika_Hidaka 今年はあまり本を読めませんでした。文字数は例年からそれほど落ちたわけじゃないと思うんですが、読んだ本にページ数の多いものが多く(『ワクチン いかに決断するか』とか『枕草子』とか)、冊数が減ってしまった感じ。それでも知りたい事はたくさんあるので、なんとか時間を見つけて読書は続けたいものです。

動物にとって社会とはなにか』日高敏隆
動物学や昆虫学の本は大好き。動物の事を知りたいわけじゃなくて、生命とは何か、人間とは何かを相対化して教えてくれるから

方丈記』鴨長明
もし独り身ならこういう生き方を選びたい

第3位~1位
Astor Piazzolla_Tango En Hi-Fi 今年聴いたレコードのベスト3です!ここまであげた31枚だって500枚ぐらいの中から選ばれた31枚なので(その500枚だって数あるレコードの中から僕が手元に残しておいた選りすぐり)、どれも大おススメなんです。でもこの3枚はさらに別格、音楽が好きという人がまだこれらを聴いていないようでしたら、死ぬまでにぜひ聴いて欲しい3枚です。2位の作品に関してはサウンド自体が素晴らしすぎる作品なので、ショボいオーディオやヘッドフォン聴きなんてせず、いいオーディオでいい音だして聴いて欲しいです。それではいきます、2022年私的ベスト3!

第3位: 『Astor Piazzolla Y Su Orquesta De Cuerdas / Tango En Hi-Fi
僕的にはピアソラには2回のピークがあったと思っていて、その最初の山がここ。世間的には1度目のキンテート押しが多いですが、音楽面で言えばあれはポピュラー化という妥協のあとの音楽で、妥協前のこれこそ至上。

Scoenberg_Moses und Aron_Boulez_RoyalConcertgebou第2位:『シェーンベルク:歌劇《モーゼとアロン》 ブーレーズ指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ネーデルランド・オペラ合唱団
僕が読んできた音楽の教科書で、シェーンベルクの代表的な作品としてこれを選んだものはなし。ところが僕はこの作品の冒頭を聴いただけで「ああ、これが音列技法以降のシェーンベルクの最高傑作間違いなしだわ」と思わされ、シェーンベルクが生み出した音列技法の狙いが突然氷解した気がしました。

第1位:『Jeanne Lee with Ran Blake / The Newest Sound Around
初めてこの音楽を聴いた時の衝撃と言ったらもう…。
Jeanne Lee Ran Blake_Newest Sound Aroundジャズを和声法の進化という観点から見れば、ビル・エヴァンスやジョン・コルトレーン以上の重要人物。僕はこのアルバムがラン・ブレイクとの初遭遇、あの感動は一生消えない

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 今年もお世話になりました!今年はけっこうビッグネームを取りあげる機会が多かったですが、それもこれもお仕事で依頼されるミュージシャンを中心に音楽を聴く事になった功罪でして…。それこそラン・ブレイクやドン・コサックの音楽がそうですが、音楽の重要な歴史を追っていくと知名度や人気とはまったく違う音楽地図が浮かび上がってくるんですよね。本当はそっちの方が今の僕の興味の対象なんですが、もうしばらく我慢が必要かもしれません。
 来年はいい年になると良いですね。それでは皆さん良いお年を!

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2022年に聴いたアルバム 独断と偏見のベスト34 +α(前編)

 2022年は、去年に続いてのコロナ禍に加え、ウクライナ戦争首相暗殺が起き、この3つの印象がとくに強かったです。新型コロナには僕自身が感染してしまって4日ほど寝たきりのヘルプミー状態でした。ブログはアップしましたけどね(^^;)。
 戦争は、犠牲者が出ても平然と続ける人たちに腹が立つにはもちろんですが、日本の景気にまで影響しての物価高…貧乏な僕はつらいっす。世界の皆さん、戦争反対の声をあげましょう!首相暗殺は、申し訳ないですけどああいう事件が起きたとしても不思議ではないほど、この国の政治腐敗は進んでいるという実感がありました。あの人がこの10年でやった事とその犠牲者の数を思い返せば、ね…。というわけで、ここ数年は、僕が生まれてから一番ひどい時代じゃないかという感触があります。つらいっす。

 この手の悲劇にはうんざり。今年読んだ『方丈記』みたいに、何度戦争の悲劇を繰り返しても、欲や我執に取りつかれて同じ過ちを繰り返し続ける頭のわるい人たちからは離れて生きていこうという気持ちになりました。そういう人たちではまず理解できないだろう音楽はいいですね。僕が今年あげるベスト10の音楽が、人間に対してどういう機能をしているのかなんて、ああいう人たちには想像すら出来ないでしょう。すまんな。

 音楽と言えば、実は数年前から音楽の原稿をご依頼いただくようになりまして、今年はその量がえらく増えてしまいました。音楽が大好きな私なので最高にありがたい事なのですが、その依頼内容がジャズとロックに偏っていまして(いちおう僕はクラシックを修めたんですけど^^;)、その下調べに追われ、大好きなクラシックや民族音楽を聴く暇がなくなってしまいました。今年から民音の記事が激減した理由はこれです。

 というわけで、今年聴いたレコードの中で良かったもを全て振り返ります!いっぱいあるので、前後編に分けさせていただきます。それではさっそくスタート!

Murakami_5dasekiRenzokuHR20220802.jpgスポーツ
 とか言って、まずはスポーツから(^^;)。、カーリング女子日本代表のスーパーショット、村神様の5打席連続ホームランを含む日本記録更新、そしてワールドカップ・サッカーの日本代表の奇跡のような勝利!これ、ぜんぶ今年なんですよね。暗いニュースだらけの2022年でしたが、その中で喜びを与えてくれたのはスポーツでした。

2022冬季五輪 女子カーリングすばらしかった!
格上を倒して勝ち上がっていくロコ・ソラーレに連日夢中でしたぜ

千葉ロッテマリーンズ佐々木朗希、13者連続奪三振を含む19奪三振、しかも完全試合!
ものすごかったけど大好きな江夏豊の記録が抜かれたのはちと寂し

KillerInoki_Blody.jpgヤクルト村上宗隆、5打席連続ホームラン!
この時には60本越えすると思うぐらいに凄かった。逃げずに勝負を挑んだ敵もまた見事

2022W杯 日本、ドイツに勝ったあああああ!!
油断して次の試合で格下相手に星を落とすところまで含めて最高!スペインを倒した試合も、クロアチアとのPK戦も凄かったけど、このW杯が数千の命を奪って強行された事を知り、こういう大会を楽しむ事に罪悪感を覚えて記事に出来ず

DVD『キラー猪木』
2022年の私的ニュース1位は猪木の逝去。子供のころの僕のヒーロー、たくさんのロマンを有難う

第34位~21位
というわけで仕切り直し、僕が2022年に聴いたアルバムのベスト34です。いきます!

IsikawaSayuri_20seikinoMeikyokutachi 8第34位:『石川さゆり / 二十世紀の名曲たち 第8集
若草恵のアレンジとチェコ・フィルの演奏にゾクゾク

第33位:『Savoy Brown / Live in Central Park
よもやいまだ現役とはやるなロックじじい

第32位:『Calypso - The Best Of Trinidad 1912-1952
歳を取ればとるほど中南米の音楽の明るさが生まれた喜びのように感じられる

第31位:『Judas Priest / British Steel
私的ヘビメタ最高峰の1枚、でもジャケットは痛そうで見てられない

jACKS_jACKS NO SEKAI第30位:『ジャックス / ジャックスの世界
若い頃に心震わせた音楽が霞んで見える切なさよ(でもランクイン)

第29位:『ブルース・クリエイション / LIVE! 白熱のブルース・クリエイション
黎明期の日本ロックはギタリストのエグさが素敵

第28位:『Duke Ellington & John Coltrane
アーリータイムを生きぬいたジャズマンの音楽性は傾聴に値する

第27位:『Ohio Players / Skin Tight
レアグルーヴの気持ち良さを知ったらドラッグなんて必要ないと田代さんに伝えたい

Hopkinson-Smith-A-portrait.jpg第26位:『Hopkinson Smith / Album
なんでこんなにたくさん弦がある楽器を弾けるんだすげえ

第25位:『Billie Holiday / The Complete Original American Decca Recordings
ビリー・ホリデイの良さは「奇妙な果実」ではない、この暖かさだよおっかさん

第24位:『杉山清貴&オメガトライブ / THE OMEGA TRIBE
Lonnie Liston Smith_Expansions林哲司の作曲センスすげえ。日本のAOR最高峰じゃなかろうか

第23位:『Lonnie Liston Smith & The Cosmic Echoes / Expansions
「ジャズもレアグルーヴも取りこんだブラコン」という自分の説明下手にがっかりだよ

第22位:『Neil Young / Tonight's the Night
ブロ友さんから「酷評された1枚」と聴いて、評論家の無能をまたしても知ってしまった

Jefferson Airplane Bless Its Pointed Little Head第21位:『Jefferson Airplane / Bless Its Pointed Little Head
ジェファーソン・エアプレイン最高傑作間違いなし!なぜそれが分からないのじゃ

映画・TVドラマ
なにせ今年は忙しいこと風の如しだったもんで、映画やテレビはほとんど見ることが出来ませんでした。そして驚くのは、ここにあげる映画&TVドラマのすべてが小学生の時に観たもの。つまり僕って、子供の頃しかTVドラマや映画を観ていなかったのかも。。

TVドラマ『熱中時代』ファースト・シリーズ
首相が殺され戦争も終わらない現代に必要なのは北野先生の優しさ温かさだ

UltraSeven_BluRay1.jpgTVドラマ『ウルトラセブン
人生で何周観ただろう、物心ついてから死ぬまで見る事決定だなこりゃ

映画『じゃりン子チエ 劇場版』 はるき悦巳原作、高畑勲監督
鉄板に鼻水が落ちて湯気が出るシーン、これですよ

映画『大魔神
シン・ウルトラマンよりこっちの方が映像がすげえと思うのは俺だけじゃないはず

第20位~11位
こうやって見ると、今年は本当にワールド・ミュージックや純邦楽を聴かなかったんですねぇ。大好きな音楽も聴けない生活、来年は何とか改善したいです。

FREE Tons of Sobs第20位:『FREE / Tons of Sobs
「All Right Now」をフリーと思っているうちは2流ですぜ。フリーはこれを聴ないと始まらない

第19位:『ベルク:歌劇《ヴォツェック》全曲 バレンボイム指揮、ベルリン・シュターツカペレ
だんだん「やっぱりベルクよりシェーンベルクの方が凄いんじゃね?」と思い始めた時にこれを聴いてやっぱりベルクだな、と

第18位:『Duke Ellington / The Ellington Suites
音楽面から見たエリントン全盛期は、エンターテイメントから解放された最晩年だと僕は思っちょりますが、それを証明する大名盤

HotTuna.jpg第17位:『Hot Tuna
ジェファーソン・エアプレイのメンバーが演奏した、ジェファーソンの数段上を行くレイドバック・ミュージック。しかも馬鹿テク

第16位:『The Don Cossacks Of Rostov / Cossack Folk Songs
コサックが持っていた音楽…こういうのを聴くだけで時間も場所もワープできちゃうから音楽はすごい。ついでに言うと、こういうものに触れてさえいれば、ロシアが悪いとかウクライナが悪いとかいうアホみたいに単純な二元論を無責任に発言する馬鹿が減るはず

第15位:『マーラー:交響曲第2番《復活》 ショルティ指揮シカゴ響
死の恐怖にどう克つか、それを追い続けたのが西洋の19世紀だったのでは

第14位:『Omara Portuondo / Buena vista social club presents Omara Portuondo
レイドバック・ミュージックを聴くならやっぱり中南米ですよ奥さん

Wien Modern 3第13位:『ヴィーン・モデルンⅢ』 アバド指揮、グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団
リアルタイムに現音を追っていた時代にしびれた1枚。今でも素晴らしいと思う

第12位:『Mercedes Sosa / Serenata para la tierra de uno
もうね、この人のアルバムはぜんぶランクインさせたいですよ(しないけど)

第11位:『John Mayall / The Blues Alone
John Mayall_Blues Aloneいぶし銀のカッコよさはジョン・メイオールと木戸修から学んだ

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 素晴らしいものを選外にする必要はないと思って、いつも今年聴いたアルバムの中で心にビンビン来たものはぜんぶランクインさせてるんですが、それだけに僕の中に深く刻まれた音楽は、聴かずともぜんぶ音が脳内再生できてしまいます。素晴らしい音楽です。20位でも30位でも、ここにあげたものはすべて超おススメ、これらの音楽を僕は一生聴き続けるんだろうなあ。というわけで、20位から1位までは、また明日!!

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2021年に聴いたアルバム 独断と偏見のベスト43 +α!(後編)

 2021年のベスト・レコード後半です!昔に比べて民音やクラシックが多く入っているのは、生活に民音やクラシックを聴くだけの時間が出来たから。民音とクラシックは楽式が一定じゃないので、ながら聴きできないんですよね(^^;)。逆に言うと、仕事が減って暇になってきたんだな、みたいな。コロナもあったけど収入がヤバいです、誰か音楽レビューの仕事でもいただけませんか(懇願)。
 というわけで、後半戦です!

第20位~11位
Barbara Chante Barbara第20位:『エチオピアの音楽
地鳴りするような大人数での儀式音楽には圧倒された

第18-19位:『Barbara / Chante Barbara』『Barbara
シャンソン最高峰といえばピアフでもダミアでもなくバルバラだ

NiimiTokuhide_KazewoKiku.jpg第17位:『新実徳英:風を聴く
西洋の最先端と日本音楽の美感をアウフヘーベンしていた頃の日本現音はすごかったな

第16位:『ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 メニューイン(vn)、フルトヴェングラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団
「今のミュージシャンの方が昔よりレベル高い」と言う人はぜひこれを聴いてほしい

Afghanistan The rubab of Herat第15位:『アフガニスタン:ヘーラートのルバーブの音楽 Afghanistan: The rubab of Herat
南アジアから西アジアにかけての音楽はレベルが段違いなので、音楽のレベルだけで語るとこの地域の音楽が全部上位独占になる

第14位:『Paul Bley / Footloose
20世紀前半のクラシック和声に届いた数少ないジャズのひとつ

Debussy_TsukinoHikari_MoniqueHaas.jpg第13位:『端唄 古典芸能ベストセレクション
鶯芸者の歌う小唄は艶っぽい、市丸なんて絶品だ

第12位:『ドビュッシー:月の光 ピアノ名曲集 モニク・アース(p)
僕にとっての西洋音楽の和声の根本は間違いなくここ

Yuri to Kohituji ChuseiEngland_Anonimas4第11位:『百合と小羊~中世イングランドの聖歌と多声楽曲~ アノニマス4
イギリス音楽はサッカーに似てる、ヨーロッパ強豪ではないけどたまにすごい

ゲーム
 実際には昔遊んだ記憶だけで書いたものがほとんど。それでも、映画や音楽は新作に手を出す気になれないけど、ゲームは遊んでみたい新作があるからすごいです。時間がないので実際には手を出せないんですけどね。。

EchoNight.jpgエコーナイト
よもやゲームに死生観を学ぶとは思わなかった、ゲーム中は完全にその世界に入りこんでた

ゲイングランド
僕にとってのアーケード・ゲーム最高傑作ってもしかしたらこれだったかも

WalkingDead4.jpegウォーキング・デッド The Walking Dead
シリーズ4作すべて傑作。ホラー映画はいずれゲームにとって代わられると思わされた

第10位~4位
第10位:『プーランク:歌曲集 デュポス(s)、カシュマイユ(br)、ロジェ(pf)
これほどの歌曲が20世紀初頭に作られていたという事実。これを聴いたら今のポップスなんて幼すぎて…たぶん現代が幼稚化してるんだな

Bartok_StringQ_3-4_AlbanBergQ.jpg第9位:『バルトーク:弦楽四重奏曲 第3番、第4番 アルバン・ベルク・カルテット
近代音楽屈指の完成度を誇る曲。こういう音楽があるのに「クラシックは聴かない」とか言っちゃう人を僕は音楽ファンとは認めない

第8位:『スペイン古楽集成Ⅵ エルチェの神秘劇 El Misterio de Elche
無伴奏独奏の古風でエキゾチックな雰囲気から西洋ポリフォニーになだれ込むその瞬間は鳥肌もの、構成力も見事。これが13世紀の音楽とは!

Mercedes Sosa Homenaje a Violeta Parra第7位:『Mercedes Sosa / Homenaje a Violeta Parra
アルゼンチン・フォルクローレもヌエバ・カンシオンも聴かない人はぜひ!はじめて聴いた時には「こういうのを歌と言うのか」と衝撃を受けた

第6位:『ギニアの音楽 Guinée: Les Peuls du Wassolon (La Danse des chasseur)
集団演奏の凄まじさ、土着音楽のパワー!日本にも西洋にもない形容しがたい音楽に打ちのめされた

Ives_NewIngrand_Ozawa_Boston.jpg第5位:『アイヴズ:《ニューイングランドの3つの場所》 《交響曲第4番》 《宵闇のセントラルパーク》 小澤征爾&T・トーマス指揮ボストン響
まったく違う音楽が交錯していく様をはじめて聴いた時の衝撃ったらなかった。アイヴズと武満徹は自分の狭い音楽観を吹っ飛ばしてくれた恩人

第4位:『Chick Corea / "Is"
フュージョン時代をチック・コリアと思っていたら彼に失礼、これかサークル時代が間違いなくキャリアハイ

書籍
 僕は意外と読書家で、自然科学から哲学や詩まで何でも読みます。そのへんは音楽や映画と同じですが、映画や音楽と違うのは、本は読み返そうとすると時間がかかるんです(^^;)。だからレビュー数は少なくなっちゃうんですが、実際には歳をとってからは音楽より本に触れている時間の方が長いかも。今まで読んだ本のレビューは、間違いなく死ぬまでに終わらせることが不可能、だって哲学や自然科学系の本を10冊ほど読み返すだけだって何年もかかっちゃいそうですから。

Malarume_Si to Sanbun天才の思考 高畑勲と宮崎駿』鈴木敏夫
プロフェッショナルとは何かを教えてもらった1冊

詩と散文』ステファヌ・マラルメ著、松室三郎訳
マラルメはアヴァンギャルドになり過ぎる前の象徴主義的な詩を書いていた頃が至高

1976年のアントニオ猪木』柳澤健
戦後日本が復興した時に、男が「このぐらいで負けてたまるか」と頑張れた力の源は力道山、長嶋茂雄、アントニオ猪木、矢沢永吉、松田優作だと割とマジで思ってる。現代は男が憧れる事の出来る英雄がいないのが悲劇だ

19786nen no AntonioInoki新版 ウイルスと人間』山内一也
政治家のみならず医者やニュース・コメンテーターの多くもコロナ対策を誤っていると僕は思ってますが、そう思う理由はウイルスとはどういうものかを把握できていないと感じるから。みんなまずは正しいウイルスの知識を持とう!

巴里の憂鬱』ボードレール著、三好達治訳
ボードレールは『悪の華』より『巴里の憂鬱』の方が現代人が持つアウトサイダー的な課題を言い当ててると思う

第3位~1位
Burundi_Musiques Traditionnelles さて、今年聴いたレコードのベスト3です!でもこれは「久々に聴いたらその新鮮さに驚いた」というのもランクに反映されたかも。たとえばメルセデス・ソーサのモダン・フォルクローレやバルトークの弦カルが音楽的に劣っているわけがないんですが、あまりに好きで聴き続けて来たもんだから自分の中に新鮮さがなくて、ついついランクがやや落ちた、みたいな。いずれにしてもこの3枚のアルバムに収められた音楽が素晴らしかったのは間違いなし!

AokiReibo_NingenKokuhou Shakuhachi kinkoryuu第3位:『ブルンジの伝統音楽 Burundi: Musiques Traditionnelles
さんざん音楽に嵌ってきたというのに、これに似た音楽を他に聴いたことがないという衝撃

第2位:『青木鈴慕 / 人間国宝 尺八(琴古流) 青木鈴慕
伝統より革新、右派より左派好きな僕が、尺八だけは都山流より琴古流なのはこの人がいたからかも。1音だけでもかすれ、響き、震え、消えるというドラマがある音の凄さ

SpainKogakuShuusei2.jpg第1位:『スペイン古楽集成Ⅱ 中世宮廷の単旋律歌曲(12・13世紀)/アンダルシアにおけるアラブ系音楽(13世紀)
レコンキスタまっただ中のスペイン音楽はキリスト教圏のものもアラビア圏のものも現代の音楽にはない美しさ!

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 今年もお世話になりました。日本は何とかコロナが沈静化している状態ですが、世界は医療崩壊してるところも膨大な死者を出している国もあるので、どうか皆さん気をつけてくださいね。年末年始はやりたい事があるんですが、家族サービスも考えるとどこまで出来るか…それでは皆さん、よいお年を!!

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2021年に聴いたアルバム 独断と偏見のベスト43 +α!(前編)

 2021年は去年に続くコロナ禍。大事な人を亡くされた方や、大変な思いをなさった方も多かったと思います。医療従事者の方にも頭の下がる思い。このブログが少しでもそういう方々の気晴らしになってくれたら…。

 利権ピックと衆議院議員選挙が行われた年でもありました。権力者の横紙破りがこれだけ続いて、それでも選挙でその人を選んだりそもそも選挙にすらいかない日本人を見ていると、ちょっとうんざり。みんなニュース見よう、本読もう。

2021NPB_central_MVP.gif そんな暗いニュースが多かった1年でとても楽しかったのはプロ野球。シーズン序盤は阪神にとんでもなく凄い新人が現れて、毎日が一大イベントのような楽しさ(^^)。後半はクライマックス・シリーズと日本シリーズが本当に面白くて、前に面白いと思った日本シリーズが2008年だから、本当に久々の熱狂(^^)。僕は土地柄もあってバファローズ寄りでおかしくないのに、親会社が金貸しなのでどうしても好きになれず、タイガース、マリーンズ、スワローズを応援。特にスワローズの戦いが戦略面で考え抜かれた素晴らしさで、さすがノムさんの申し子たちだと舌を巻きました。スワローズは昔から仲良く明るいムードなのもいいですね。MVP発表の時に、当然選出されると思った塩見選手が選ばれず、みんなずっこけていたのは爆笑。

 というわけで、今年聴いたレコードの中で良かったものを全部紹介!例によっていっぱいあるので、今回は43位から21位までと、音楽以外で良かったものを!

第43位~31位
43位:『Caravan / If I Could Do It All Over Again, I'd Do It All Over You』
イギリスのフォークロアにジャズやロックを混ぜて現代化したその構成力が素晴らしい

Booker Little42位:『Booker Little
トランペットの音抜けがヤバい!モダン・ジャズのいいところギッチリの大名盤

41位:『モップス / 雷舞
Jロックで一番すごかったのは黎明期だと改めて確信させられたレコードのひとつ

Faure_Kakyokushuu_Gerard Souzay40位:『フォーレ:歌曲集 ジェラール・スゼー(bari)/ダルトン・ボールドウィ(p)
音楽はこれが完成形とは思わないけどアイデアが素晴らしすぎる、天才か

39位:『シマノフスキ:《スタ-バト・マーテル》 《聖母マリアへの連祷》 交響曲第3番《夜の歌》 ラトル指揮、バーミンガム市交響楽団&合唱団
僕的には宗教曲でも国民楽派でもなくロマン派音楽の傑作のひとつ、演奏も素晴らしかった

Cheko to Surovakia no Minzokuongaku38位:『チェコとスロヴァキアの民俗音楽 Music from Czechoslovakia
ボヘミアの民謡的なエキゾチックさは民音でしか聴く事は叶うまい

37位:『シャブリエ:ピアノ作品全集 ピエール・バルビゼ(p)
クラシックというより、農業大国フランスの自然観を聴いたかのよう

36位:『プッチーニ:歌劇《蝶々夫人》全曲 パヴァロッティ(tenor)、フレーニ(sop)、カラヤン指揮ウィーンフィル
楽曲だけで言えばイタリオのオペラ最高傑作だと僕は思うんだ

YamashitaYosuke_DancingKojiki.jpg35位:『山下洋輔トリオ / DANCING古事記
日本がアメリカの属国となることを拒んだ学生運動全盛期の時代の息吹を聴いた気がした

34位:『Gerry Mulligan / Night Lights
アーリータイム音楽のレイドバック感を洗練させたような音楽。ウエストコースト・ジャズの心地よさときたらもう

OkamotoBunya_SinnaiShuhoushuu3.jpg33位:『岡本文弥 / 新内珠玉集三 《耳なし芳一》 《むじな》 《河童の道行》 《たぬき》
現代化された浄瑠璃は面白すぎ、昔の人が夢中になったのも当然だ

32位:『クープラン:3つのルソン・ド・テネーブル ジュディス・ネルソン(sop)、クリストファー・ホグウッド(org) 他
バロックはドイツだけじゃない。教会で夜通し行われる聖務日課で使われる曲、死ぬまでに一度は聴いて欲しい

NisiAfrica no ongaku2_Ghana31位:『西アフリカの音楽2 ガーナの歌と踊り Africa- Ancient Ceremonies Dance Music & Songs of Ghana
子どもの歌も打楽器合奏のド迫力も素晴らしい、音楽の根本を聴く思い

映画、TV etc.
 とにかく新作の映画やテレビを観なくなりました。観るのは昔見て感動した映画か見逃した名作のどちらか。新しいものは消費者側ではなく作り手として、みたいな心境もあったのかも知れません(^^)。というわけで、今年観た映画&TVは今さら僕が言うまでもない名作ばかりでした。ぜんぶで7作品、順位関係なしに紹介!

MoeyoDragon.jpg燃えよドラゴン
ブルース・リー最高傑作、元気がない時に映画を観るならこれか『ロッキー』だ

『サスペリア』
ストーリーを介さず感覚に直接訴えるという意味で、映画史に残る傑作と割とマジで思ってる

がんばれ!ベアーズ
小学生時代のあの間隔を思い出させてくれる『スタンド・バイ・ミー』と双璧の映画

仮面ライダー
僕にとっての仮面ライダーは1話から7話までがすべて。幼少時に受けた影響はすさまじく、いまだに飛ぶときに「トォ!」と言ってしまうほど

Casablanca_Movie.jpgカサブランカ
昔のいい男・いい女とは知性や品性を含めてのもの。イングリッド・バーグマンに惚れるための映画でもある

銀河鉄道999
この作品を観るなら絶対に劇場版1作目。映画史上最も美しいキスシーンはこの映画と信じて疑わない

スティング
この映画のポール・ニューマンから、男はどうやって歳をとればいいかを教わった

第30位~21位
Elvis Presley_King of Rockn Roll第30位:『Elvis Presley / The King of Rock'n Roll –The Complete 50's Masters-
プレスリーは20世紀の合衆国の色んなものを象徴しているように思えてならないぜ

第29位:『Boz Scaggs / Silk Degrees
心を動かされた現代の流行歌は、現代人の孤独を言い当てていた

第28位:『ポルトガルの歌 16~17世紀のポリフォニー秘曲集 ウエルガス・アンサンブル
大航海時代のポルトガル音楽を聴けるだけでもすごいが、それがまた高度で美しくて

Bob Dylan The Times They Are a-Changin第27位:『Bob Dylan / The Times They Are a-Changin'
あれだけ権力者に好き勝手やられながら選挙にすら行かない人が過半数だった今年の衆議院議員選挙を見るに、日本人はせめてボブ・ディランぐらいには自分の意見を持たないといずれまた戦争を起こすぞ

第26位:『ケージ:四季 レン・タン(prepaired piano) 他
「音楽とは何か」を根本から覆す視点。アメリカ実験音楽の代表格ジョン・ケージの作品中これが一番好き

第25位:『ハイドン:ピアノ三重奏曲 第12, 26, 28, 30番 シフ(p)、塩川悠子(vn)、ペルガメンシコフ(vcl)
僕的にはハイドンは交響曲作家にあらず。だってこんなに精巧な室内楽アンサンブルを聴かされたらそりゃね

TomTomFantasy_CoteDivoire.jpg第24位:『タムタム・ファンタジー コートジボワール仮面祭の一夜
ポリリズムとは何かと思ったら、このCDを聴くがよい

第23位:『Goblin / Suspiria –musiche dalla Colonna Sonora originale del film-』
音楽にとってハッタリや演出がまったく馬鹿に出来ないものと思い知らされた思い出の音楽

第22位:『Lockrop & Vallåtar | Ancient Swedish Pastoral Music
スウェーデンの伝統音楽の幻想的なことったらなかった、驚きだよ

Jyuujigun no ongaku_Munrow第21位:『十字軍の音楽 マンロウ指揮、ロンドン古楽コンソート
ヨーロッパ中世の音楽、ましてアルス・ノヴァ以前の十字軍の音が聴けるCDなんて放っておいて良いはずがない

 ベスト43って多い気もしますが、今年はざっと470作品ほどを紹介したので、それでも10作に1作しか入らない計算。しかもほとんどが自分が厳選して買ったレコードからのチョイスなので、その470作だってすでに競争を生き抜いてきたエリート勢。というわけで、40位台といったってすべて僕の中ではメッチャいい作品、どれも聴かずとも脳内再生できるほどの愛聴盤、名作揃いです。
 というわけで、20位から1位は、また明日!

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2020年 今年聴いたアルバム 独断と偏見のベスト43 +α!(後編)

 2020年度のベスト・アルバム、後半戦です!振り返ってみると、ブログを始めた当初より民族音楽やクラシックをたくさん聴くようになってます。理由はふたつあって、ひとつは、このブログがたくさん持っているレコードや本の整理のために書き始めた備忘録のため、最初はロックやポップスから始めたものが、面倒くさくなってきて、順不同で整理するようになったから(^^;)。もうひとつの理由は、コロナで仕事のテレワーク化がさらに進んで、ながら聴きの難しいシンフォニーやコンチェルトを聴く暇が出来るようになった…いい事か悪い事か分からないですね(^^;)。
 民族音楽を聴いて、昔とは聴き方が変わってきていると感じます。昔は自分が知らない文化にある音楽だから、楽器にしても音楽の構造にしても自分が知らないモノが多くて、いってみれば目新しい音の斬新さに興奮している感じ。ひと回りしてないから、地球全体の音楽区分という自分なりのマッピングが出来てなかった事もあるでしょう。それが、いろんな音楽を聴いたり演奏したり書いたり、音楽以外にもいろんな本を読んだり映画を観たりして、地域文化や美感の根底にあるものを聴きはじめている自分に気づいたりして。音楽だって、極端に言えば昔は効果音を聴いて喜んでいた程度のものだったものが、今では普通にアナリーゼして聴いていたり。けっきょくアマチュア向けな産業音楽に収監されてしまったタイプのプログレやジャズより何倍も面白いです。
 前置きが長くなってしまいました。後半戦いってみよう!

第20位~11位
RStrauss_4tunoSaigonoUta_JessyeNorman.jpg第20位:『R.シュトラウス:歌曲集《4つの最後の歌》 ほか ジェシー・ノーマン (soprano)、マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団』
R.シュトラウスには好きな曲がそれなりにあるんですが、特に好きなのは「変容」と「4つの最後の歌」。後者は、ピアノ版よりもオケ版が好きで、なかでもこのジェシ・ノーマン歌のものに心が震えました。。そうそう、この曲はヘッセの詩がまたいいんですよ。。

第19位:『Cristina y Hugo / Padre Inca』
アルゼンチンと言えばタンゴ、でも実はフォルクローレもなかなかすごい。クリスティーナとウーゴはアルゼンチン版演歌ぐらいにしか思ってなかったんですが、いざ聴いてみたら歌もギターも素晴らしすぎてのけぞった

KasaiKimiko_Just Friends第18位:『笠井紀美子 / Just Friends』
笠井紀美子はアルバムを出すごとに駄目になってしまいましたが、このデビュー作は魂の入ったすばらしい歌、感動した…。ルパン三世の劇伴作曲家になる前の大野雄二のジャズピアノも素晴らしい

第17位:『イスラエルの音楽 Israël: Traditions Liturgiques Des Communautés Juives 1 / Les Jours Du Kippur』
すべてがユダヤのスリホトの祈り。これほど自分が知らない世界の文化を感じるものも珍しい、聴いていて本当に祈りの壁の前に立っている気分になってしまった…音楽ってすごい

KomitasVardapet_Voic of第16位:『Komitas Vardapet / The Voice of Komitas Vardapet』
これはアルメニアの音楽というより、アルメニアの思想じゃないか…と思わされた、歴史的録音。なんと伝説のコミタス・ヴァルダペットの肉声が入っているんだからビックリ

第15位:『トルクメニスタン:バフシの音楽 Turkmenistan: La musique des bakhshy』
子どもの頃にピアノ教室に通った行きがかり上でピアノ演奏をするようになりましたが、そうでなかったらリュート属の楽器を選んでいたでしょう。ギターから始めたに違いありませんが、そうしたらトルコやイランのセタールやサズの演奏に出会った時点でそっちに走ったんだろうな…な~んて思うぐらいにこのCDでのトルクメンの弦楽器演奏はすごかった

Albania Lapardha no Polyphony第14位:『エンデル・エ・ブレグティト ENDERR E BREGDETIT-O / アルバニア~ラパルダのポリフォニー ALBANIE Polyphonies de Lapardha』
今年は民族音楽のCDをたくさん聴いたけど、特にバルカン半島からトルコを通過してコーカサス地方あたりまでの音楽をいっぱい聴いた気がします。このへんの音楽のレベルの高さはヤバいもんで、聴き始めたら止まらない(^^)。合唱で凄かったもののひとつがアルバニアのポリフォニー合唱。このCDも凄すぎて強烈でしたが、もうひとつ凄いものもあって…それは後ほど(^^)。

Henry Clay Work‎_Who Shall Rule This American Nation第13位:『Henry Clay Work‎: Who Shall Rule This American Nation? / Joan Morris (mezzo soprano), Clifford Jackson (baritone), William Bolcom (piano)』
「大きな古時計」や「Come Home, Father」の作曲者の作品集はあったかくてレイドバックしていて心が本当にホッコリしました。ピアノのウィリアム・ボルコムとメゾソプラノのジョアン・モリスは夫婦で、ガーシュウィン作品集がこれまた素晴らしいので、いずれ書きたいと思います…持ってるCDの全レビュー、死ぬまでに終わる気がしねえ

Bach HarpsichordConcertos_Egarr_Ancient第12位:『J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲全集 エガー(harpsichord)、エンシェント室内管弦楽団』
バッハが書いた協奏曲はアレンジものが多いですが、オリジナルではチェンバロ協奏曲がヤバいぐらいに素晴らしい…そう思わされたのがこのCD。チェンバロとオケの音の混ざり方の美したといったらもう…

第11位:『Georgie: Chants de travail』
グルジアやバルト三国は合唱音楽のレベルが主婦合唱団ですらすさまじくハイレベルでヤバすぎますが、これはすごかった。日本のビクターからリリースされていたグルジアの合唱のCDを聴いて「噂ほどでもないな」な~んて思っていた自分が馬鹿だった

本、漫画、ゲーム etc.
性格上、難しかったりシリアスだったりするものの方が好きなんですが、人間は息抜きも大事だようねそうだよね。というわけで、硬派な哲学書や詩集や純文学ではなく、もっと軽い「遊び」に近い状態で読んだ本やゲームで、今年触れたもので心に残っているものを。
『野村克也 野球論集成』野村克也
プロ野球のレジェンドであるノムさんが死んじゃったのも今年だったんですよね、ノムさん安らかに…。これを読んで野球の見え方が変わりました。素人が見ても「馬鹿じゃなかろかルンバ」と思わずにはいられない野球をしてソフバンに8連敗した巨人の監督コーチ陣は読んだ方がいいぜ
『バルサスの要塞』スティーブ・ジャクソン
自分の選択でストーリーが変わるゲームブック。話も面白いが挿絵がまた見事!
『バイオハザード2』
プレステで遊んだホラーアクションアドベンチャーゲーム。昔の彼女とビビりながらやったあの頃が懐かしい
『1・2の三四郎』『柔道部物語』小林まこと
小学生の頃に爆笑したギャグマンガのバイブルが三四郎、その完成形が柔道部物語。名作すぎていまだにたまに引っ張り出して読んで笑っておるのじゃ

第10位~4位
第10位:『フォーレ:ピアノ五重奏曲 第1番、第2番 ジャン・ユボー(p)、ヴィア・ノバ四重奏団』
音大で専攻していたのでフランス近現代の音楽は楽譜もCDもいっぱいありすぎ、これを整理したかった(^^;)。聴き直して驚いたのが、フランス音楽ってドビュッシー直前もまた素晴らしかったという事。フォーレではピアノ三重奏曲やピアノ五重奏曲といったアンサンブル物が絶品でした

Wagner_Tristan_Bohm_Bayreuther.png第9位:『ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》全曲 ベーム指揮、バイロイト祝祭劇場管弦楽団・合唱団』
ワーグナーと言えば楽劇ですが、ぜんぶ聴くのにとんでもなく時間がかかる指輪よりも、「トリスタンとイゾルデ」の方が僕は好き。古典派からロマン派へと繋がったクラシック音楽のクライマックスのような大名作、しかも録音が良くてびっくり。ショルティ&ウィーンフィルの演奏も凄かったけど、70歳を越えていたベーム渾身の指揮は鬼気迫る名演、音楽家として生きるならこういう感動を生み出してこそなんだな…すごかった!!

TakemituToru_TakahasiAki plays第8位:『武満徹:高橋アキ plays 武満徹』
武満徹のピアノ曲は、ギター曲に並んで名曲ぞろいですが、これはすごすぎる精度の演奏で背筋が凍った…武満曲らしくない解釈かも知れないけど戦慄するほどの衝撃を覚えたのは事実

第7位:『Lee Konitz with Strings / An Image』
今年はリー・コニッツさんも亡くなったんですよね(・_・、)。トリスターノ派の重鎮であるリー・コニッツのアルバムで断トツで素晴らしかったのがこれ。というか、このアルバムで僕が感動したのは、コニッツさんではなく、アレンジを担当したビル・ラッソ。半音階あたりに突入し始めたあたりの近代音楽の室内楽というレベルのアレンジや作曲をやってるんですよ、好きとか嫌い以前に、単純にレベルが高いです。ジャズというエンターテイメント音楽からこういうのが出てきた40~50年代って、アメリカ音楽にとって素晴らしい時代だったと思います。今のジャズなんてほとんどポップスですもんね。。これ、2020年に聴いたレコードのジャズ1位でもあります。

Densetu no Tategoto_Myanmaa no ongaku第6位:『伝説の竪琴 ミャンマーの音楽』
今年のベスト・レコードの中で癒し系音楽のトップ。アジアの田園地帯の音楽って、レイドバック系の音楽が多いけど、その心地よさ満載

第5位:『古代ギリシャの音楽 Musique De La Grece Antique / グレゴリオ・パニアグヮ指揮、アトリウム・ムジケー古楽合唱団』
ウソみたいな話ですが、古代ローマ時代の音楽です…2000年以上前の音楽を聴けるって、すごすぎる。それだけじゃなくて音楽自体もアルカイックな素晴らしい響きで悶絶もの

Debussy_Preludes_Zimerman.jpg第4位:『ドビュッシー:前奏曲集 第1巻・第2巻 クリスティアン・ツィマーマン(p)』
ドビュッシーのピアノ曲は自分なりのイメージが出来上がってたんですが、そんなドビュッシー観が根底からぶっ壊された凄すぎる演奏。はやいうちにクラシック・ピアノを諦めて本当に良かった、どんなに頑張ってもこんな奴には絶対勝てないって。。

本、音楽書籍
 結婚する時に「この収入じゃ結婚やめるか音楽やめるかの2択しかない」と音楽の道からリタイアした僕でしたが、有難い事に今でもたまに音楽の仕事をいただける事があったりして(^^)アリガトウゴザイマス。音楽で稼がなくてはいけなかった頃と違って、やりたくない仕事を断れるもんで、演奏の腕はそうとう落ちたけど、作編曲は今の方が良いんじゃないかとすら思ったり思わなかったり。でもって、せっかくだから自分の持っている知識や技術だけでパパッと作らず、今まで自分が使ってこなかった作曲技法やら何やらに挑みたいと思って、昔読んだ音楽書をほじくり返してみると…ああ、こんな素晴らしい教えに触れていたはずなのに、いつの間にか自分の中から消えているもんだなあと驚くばかりでした(^^;)。というわけで、音楽書籍をはじめ、今年読んだちょっと硬派めの本の中で心に残っているものを。

Hesse sishuu_TakahasiKenji『ヘッセ詩集』
新ロマン派にしてアウトサイダーなヘッセの詩集を読み返したのは、R.シュトラウス「4つの最後の歌」を聴き直して感動したから。思想を背景としているようなこの手の詩は大人になってから読んだ方がりかいできると痛感させられた絶対いい、しかもちょっと生きる指針にまでなった(マジです)

『旋律学』エルンスト・トッホ
昔学んだ本だけど、読み返すといつの間にやら忘れていた事多数。和声ではなく旋律をどう作曲するかに悩んでいる人は、ジャンル問わず必読

『作曲の手引』ヒンデミット
半音階にまで拡張した機能和声の拡張も忘れている事多数、さらに当時は理解も出来ていなかっただろうこともいっぱいあった(^^;)>。長調や短調の先の作曲を目指す人必読ですが、今となっては入手困難かも

第3位~1位
Central Asia master of the Dotar第3位:『Central Asia | The master of the Dotar』
ロックやジャズのギターもいいけど、西アジアの撥弦楽器の音楽を聴いたら、狭い音楽だけを聴いていた自分を悔い改めること必至。それぐらい超絶の馬鹿テク&表現で、ちびりそうでした。でもイランはもっと凄いんだよな、もう8年もブログをやってるのにイランのダストガーに触れてないぞ(^^;)。いつか書こうと思います。。

Shoenberg_Gurre no uta_Abbado_WienerPhil第2位:『シェーンベルク:グレの歌 アバド指揮、ウィーンフィル、ウィーン国立歌劇場合唱団』
シェーンベルクって無調音楽や12音音楽で有名ですが、実はロマン派音楽最高峰の作曲家でもあると思っています。そう言いたくなる根拠が『グレの歌』です。この曲はブレーズ&BBC響のものも推薦ですが、聴いている時に感動して体が震えて来てしまったアバド&ウィーンフィルのこれをまずは推薦したい

Mysterious Albania第1位:『Mysterious Albania』
今年の1位はこれ、タイトルがあながち嘘とは思えないほど神秘的なハーモニーとポリフォニー、アルバニアの合唱音楽です!もう1枚年間ベストにあげた方のアルバニアの合唱も凄かったので、このへんの合唱はどれも超ハイレベルなんでしょう。ブルガリアン・ヴォイスも凄いしなあ。はじめて聴いた時も「なんだこれは」と圧倒されましたが、久々に聴いた今年も「うわあああ…」と圧倒されてしまいました。

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 今年もお世話になりました。コロナの第3波が来て、日本のみならず世界も大変なことになってます。問題なくワクチン接種できるようになるまであともう少しみたいなので、あともうひと踏ん張り。大事な人にうつさないよう、みなさん年末年始は家でゆっくり過ごしましょう…音楽好きだと、それがたやすく出来るところがいいですね(^^)。。それでは皆さん、よいお年を!!
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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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