『熱中時代』第1シリーズをやっていた頃に僕は小学校低学年。年齢からしてこれがリアルタイムで観た初めての大人向けのテレビドラマだったのかも。なんだって最初に体験したものって印象が強く、またそれが好ましいものだと特に好きになりやすい気がしますが、たしかに僕は『熱中時代』が今でも大好きです。これを皮切りに、堺正章『西遊記』、西田敏行『池中玄太80キロ』、松田優作『探偵物語』、桃井かおり『ちょっとマイウェイ』…テレビドラマが大好きで見まくりました。ああなつかしい。
でもテレビドラマに夢中になったのは小学生までで、中学以降はほとんど見なくなってしまいました。それって70年代後半から80年代前半にやっていたテレビドラマがあまりに面白かったもので、以降のものが格下に感じてしまったからなのかも。それぐらい、『熱中時代』や『池中玄太80キロ』は、僕にとってスペシャルなものだったんですよね。
というわけで、17話から最終回までで面白かったエピソードの感想を行きます!
■#18「三年四組学級閉鎖」 あと数人休めば学級閉鎖という所で、ある生徒がガキ大将にずる休みを強要される。生徒のために親身になってきたつもりの北野先生は裏切られた気になり、先生をだました生徒は問い詰められて泣きわめく。北野は生徒たち全員の家を家庭訪問し、
学級閉鎖になった教室に行き、たったひとりで生徒の来るのを待ち…。 いやあ、この話は涙が出てしまいました。ご都合主義かもしれないけど、でも自分から心を開かなければ相手だって心を開かないですよね。
■#19「熱中先生と恋の破れガサ」 お巡りさんの片思い、校長先生の義理の弟の片思い、そして大学時代の同級生が北野先生に寄せる思いなど、大人の恋模様が描かれるエピソード。特に大学時代の同級生役の風吹ジュンの演技が素晴らしかったです。帰ろうとする男をひき留めようとする女…心動かされるものがありました。風吹さん、
松田優作主演映画
『蘇る金狼』でも、松本清張のTVドラマ
『断線』でも、素晴らしい演技をしてました。
■#20「若草物語・熱中篇」 親がおらず、姉が母親代わりになって妹たちを育てている家。妹たちは、優しくてカッコいい北野先生と姉を結婚させようと、あれやこれやの策を練り…。学校の先生に憧れるって、女子の場合はあるんでしょうね。僕も、小学4年の時の担任の先生は美人でしたが、でも恋までは行かなかったなあ、自分には関わりのない事でございます、みたいな(^^;)。
■#21「人情タコ焼き先生」 父子家庭の子どもの父親が怪我をして仕事が出来ず、内職を手伝ったばかりに宿題の出来ない女の子。事情を知った北野先生は、父親の屋台をひいて仕事を手伝い、子どもに宿題をさせる。そして、事情を知ったクラスの父親たちが、屋台を手伝おうと名乗りだし…
いやあ、子供のころは「クサいドラマだな」と思ったもんですが、大人になってから見ると涙が止まらないです。爺になると涙腺が緩むというのは本当ですわ。
■#23「熱中先生と笑わない少女」 親が保証人になったばかりに借金を背負う事となった家の女の子。この子が人を信用できず、人を許せない性格になっている事を心配した北野先生は…。
このメイン・ストーリーも良かったですが、サブ・ストーリーで校長先生が山奥の学校に赴任する事を決意するくだりがまた素晴らしかったです。「
今の自分は、若い頃の半分の情熱もない気がします。これじゃいけません。私が働けるのもあと5年です。この残された5年間に何をするか。」いやいや、他人ごとではない言葉です…。
■#24「3年4組フィーバーズ二連敗」 父親が医者の子どもは塾通いで、ろくにボールを投げる事も出来ない。3年生のクラス対抗ソフトボール大会で、全員にプレイするチャンスを与えようとするばかりに連敗した北野先生のクラスは、最終戦でこの生徒が出場する事になる。医者になるため親に私立への転校を決められた生徒だが、クラスに迷惑を掛けたくないと休日返上の練習に来るが…。
もうすぐ最終回。大人たちの恋の行方もだんだん見えてきて、この回で一組のカップルが誕生。でもおまわりさんの恋は雲行きが怪しいなあ(^^)。。
■#25「3年4組父母会総会」 新米教師として、父母会で来期の担任を拒否されるのではないかと気が気でない北野先生。しかし、これまでのひたむきさが実ったか、生徒たちからも父母からも、来年も自分たちの担任でいてくれるよう懇願される。喜ぶ北野だったが、実家で事故があり、家業を手伝ってくれるよう手紙が届く。
「熱中時代」初の前後編です。いやあ、これは切ない…。小学校の卒業式の時に泣く教師がいましたが、子供のころは馬鹿じゃないかと思ってました。芝居くさいとも。でもこのエピソードを見ると、泣く教師の気持ちが分かる気がしました。
そして、おまわりさんはあわれ魚津先生に失恋。しかし、魚津先生役の島村佳江さん、影がある美人だなあ。子供のころ、兄が「ヒロインの桃子先生(志穂美悦子)より魚津先生の方が美人じゃん」と言っていた気持ちがよく分かります。でも影があるからヒロイン向きじゃないんだろうな。。
■#26「さよなら熱中先生」 北野先生は、来年の担任になれずに田舎に帰らなければならなくなった事を、終業式の日に話す。通信簿を渡しながら、ひとりひとりの生徒にねぎらいの言葉をかける。
最終回は意外とあっさり。でも、見ていて気持ちが清々しくなるドラマだったので、あまり悲しく終わらないこれぐらいが良かったのかも知れません。
大人になってから『熱中時代』を観ると、
話も面白かったのですが、それ以上に自分が小学生時代にタイムスリップしたような気分になって、それが最高でした。ドラマ内容でそう思うのと、このドラマを見ていた頃の自分を思い出すのと、両方なんでしょう。はじめて小学校で友達が出来て、みんなでドッジボールやって遊んで、机をくっつけて給食を食べて…。女優の小池栄子さんが、「小学生までが人生のすべてだった」みたいな事を言ってましたが、僕もまったく同感。特に、小学1~3年生が僕の人生の黄金期でした。それを思い出させてくれた大フェイバリットなテレビドラマ、今でも大好きでビデオを手元に残してあります…VHSなもんで、デッキが壊れたらそこでお終いなんですけどね(^^)。