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コミック『コブラ』5~8巻 寺沢武一

Cobra_5.jpg コブラは「愛蔵版」とか「完全版」とか、いろんな形で何度も再版されてきた漫画なので、巻数で書くと分かりにくいですが、ここでは連載当時に発売された漫画本の巻数に統一しておきます。
 僕がコブラにのめり込むことになったのは、5巻をまるまる1冊使って書かれた「ラグ・ボール」編からでした。というわけで、この漫画を読んだことのない人にぜひお勧めしたいコブラは5巻から!以降、僕が面白いと思ったコブラの話をダイジェストでご紹介!

■ラグ・ボール編(5巻)
 ラグボールという野球とアメフトのあいのこのようなスポーツで、宇宙一の名門チームを持つとある星が、麻薬組織の温床なのではないかと疑いがかかります。しかしこの星、まるごとあるオーナーの所有物のために治外法権、銀河パトロールは捜査に踏み込むことが出来ません。そこで銀河パトロールは海賊コブラに潜入捜査を依頼します。ラグ・ボールの選手になって潜入に成功したコブラですが…
 子供の頃、あまりに面白いもんで何度も読んだ話なのですが、いま改めて読むと、この設定って『燃えよドラゴン』ですね(^^;)。まあでも、『燃えよドラゴン』のSF版がつまらないはずもなく、まるで映画を楽しんでいるようで、実に面白かったです!

■ロボットはいかが?(6巻)
 スクラップの取引でにぎわうある星で、コブラはとある小型ロボットに目をつけます。しかしそのロボットには手錠がついており、手錠の先には人の腕のようなものが。商人はこの手錠を焼き切ってコブラに小型ロボットを売りますが、その夜からこの星の機械という機械が人を襲い始めます。コブラの買ったロボットに繋がれていた腕は、敵の星に送られて、すべての機械を支配して人を殺戮する指令を出す戦争用人型兵器だったのです。これを次元の境につないで作動させなくしていたものを手錠を切ったものだから、兵器がよみがえってしまったわけです。被害は膨れ上がり、コブラですらどうすることも出来ません。そのうちに、自分の任務が何であったのかを思い出した小型ロボットは…
 これは短編ですが、実によく練られたストーリーのSF作品でした!SFの短編小説って人気ジャンルで歴史も深いので元ネタがあるのかも知れませんが、もしこのストーリーを寺沢さんが自分で考え出したのだとしたらすごい。。

Cobra_8-25.jpg■サラマンダー編 (7~8巻)
 コブラの恋人でもある銀河パトロール隊員のドミニクが、コブラに相談を持ち掛けます。しかし彼女に会いにホテルに行くと、恋人の皮膚が剥がれてホテルのガラスに張り付けられていました。恋人を殺されたコブラは復讐を誓い、事件の黒幕を探ります。黒幕は海賊ギルドの支配を狙うサラマンダー。強大な敵サラマンダーを倒すため、コブラはかつて仲間だったドク、バット、パンプキンという仲間を集めます。
 「サラマンダー編」という名前は僕が買ってにつけたものですが、実際にはいくつかの話に分けて考えられそうな話です。子供のころ、週刊漫画雑誌がたくさん置いてあるラーメン屋さんが近所にありまして、親が仕事で忙しいと、僕はそこにいってひとりでラーメンを食べていました。そこで初めてコブラと出会ったのですが、その時に読んだのがこの話。監獄となっている星から仲間を救うために仕掛けたトリック、地下プロレスの話、豪華長距離列車の話、宇宙の宗教の寺院を利用しようとする犯罪組織…子供だった僕にとっては大人向けの娯楽映画を観ているようで、漫画ってこんなに面白いのかと思わされました。見事なSFアドベンチャー作品と思います。

 5巻以降のコブラは、もうジュニア向けなんてものじゃなくて、大学生や新卒社会人が読んでも夢中になるほどの内容。いま読むと話の元ネタがいろいろと分かるのですが、SFって元ネタが何かを考えながら読むのも楽しみ方のひとつですよね(^^)。SFと言ってもハードSFでなく、スタートレックのような娯楽系のスペース・ファンタジーで、ワクワクして楽しいです。「スターウォーズ」以上のクオリティのスペース・アドベンチャー作品と思います!


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コミック『コブラ』1~4巻 寺沢武一

Cobra_3.jpg 宇宙とか未来とか、実際には行きにくい場所が舞台になっている物語にとって、漫画は得難いメディアと思います。実写映像だとセットを作るだけでも制作費がかさんで制作できるチームが限られるし、小説だと知らない世界の描写なので想像力を働かせにくいです。その点、制作費もそれほどかからず、だれも実際に見た事がないものを視覚表現できる漫画はSFにピッタリの媒体だと思うんですよね。そんなスペース・アドベンチャーというジャンルで、僕が一番好きな漫画が「コブラ」です!手塚治虫さんの「火の鳥」は最高に面白かったし感動させられたけど、スペース・アドベンチャーというより哲学/宗教に感じましたしね。作者の寺沢武一さんは、そんな手塚治虫さんのアシスタントから独立した人。僕はこの人のマンガが大好きですが、寺沢さんのマンガはどれを読んでも全部コブラの焼き直し。つまり、寺沢武一の漫画とは、コブラの事なのです!

 宇宙で海賊を働く一匹狼コブラが主人公。銀河パトロールからも犯罪組織の宇宙ギルドからも睨まれた彼は、自分の記憶を消し、顔も整形して一般人に生まれ変わって生活をしていました。しかしふとしたことをきっかけに記憶を取り戻し、元の海賊として宇宙を冒険してかけまわります。

 面白い漫画なので、アニメ映画化もテレビアニメ化もされましたが、僕はアニメは認めていません。というのは、僕が子供だった80年代にされたアニメ化はコミック序盤で、そのあたりはまだコブラがまだ面白くなる前だったと思うからです。とはいっても、凡百のSFコミックに比べればレベル違いによく出来ているし、単行本の1~3巻で、3人の女の背中に入った入れ墨の秘密をめぐるひとつの話という、当時の少年向け漫画では特例と言えるほど壮大な話。でもやっぱりまだジュニア向けといった感じでした。
 というわけで、1~4巻はコブラ序章といったところ。スペース・アドベンチャーとして本当に面白いコブラは、次の5巻から始まります!(つづく)


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コミック『1000年女王』 松本零士

1000nenJoou_4.jpg 松本零士の代表作といったら銀河鉄道999宇宙戦艦ヤマトでしょうが、SF作品としての質は「1000年女王」のほうが高いと感じます。というわけで、999に胸を熱くした経験がある人は、このコミックは絶対に読むべし!アニメは…テレビシリーズも映画も見てないので分かりません(^^;)。銀河鉄道999があれだけ当たったのに次回作がヒットしないんだから、興業の世界って難しいですね。。

 町工場が事故で大破、その家のひとり息子だった雨森少年は、とある美女に助けられる。ラーメン屋に育てられたこの美女の正体は、太古から1000年おきに地球に派遣される1000年女王のひとり。遊星ラーメタルは1000年おきに地球に接近し、カンブリア紀の大爆発や氷河期など、地球に大きな影響を与え続ける。そして、次の接近が迫った地球は…

 銀河鉄道999の爆発的ヒットもあって、同じ松本零地士作品の1000年女王は、TVアニメ化も映画化もされました。でも、僕は飛びつかなかったんですよね。理由は、999人気の便乗作品にも思えたし、なにより1000年女王のヒロインが999の悪役だったもんで、感情移入しにくいと思っていたのです。ところが大人になってから読んでビックリ、999のような一話完結ではなく、コミック全巻でひとつの話だったのです。しかも、999のようにあとからつじつまを合わせたような穴だらけの物語でなく、構想が見事…まあ、細かく言えば色々あるんでしょうが、そんな事はまったく気にならないほどによく出来た話で、大傑作と言って過言ではないSFスペクタクル作品だったのです!

 壮大なスケールの話ですが、色々な所にユーモアを挟んであり、重すぎる話にしていません。シリアスにしても面白かったんでしょうが、それを避けたのは作者の本格SF小説へのリスペクトもあったのかも。「これを本格作品として発表するのは、本物のSF作品に申し訳ない」という作者の照れに思えました。こうして重い話にしなかった所が、僕的にはナイスでした。壮大なんだけど、あくまで楽しめる作品…みたいな。文庫だと全3巻で、面白すぎて一気に読んでしまいました!

 その昔、SF小説が一世を風靡し、次にSF映画が大流行。これらの影響を受けて日本でSFアニメや漫画が数多く生まれましたが、初期の日本のSF漫画って、漫画ではなくSF小説や映画を元にしているからか、壮大で完成度の高いものが多いと感じます。これも間違いなくそのひとつ。松本零士の最高傑作と思います!


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コミック『ミステリー・イヴ』 松本零士


Mystery Eve 「銀河鉄道999」で一世を風靡した松本零士さんの漫画です。舞台は70年代の日本(?)、安アパートに住んでいる飄々とした男が主人公。そんな彼の元に美人の宇宙人が舞い込んできて、彼女は別の宇宙人たちと争っている、みたいな意味不明の設定でした(^^)。

 僕が子供のころ、近所に「どさんこ」というラーメン屋さんがありまして、カウンターの下の荷物置きのところに週刊漫画雑誌がいっぱい置いてありました。で、ラーメンが来るまでの間に適当な漫画を取って読み始め、食べ終わったら読むのをやめてさよなら、みたいな。床屋もそんな感じでしたね。つまり僕の中で、漫画というのは「最初から最後まできちんと読むもの」ではなく、「暇つぶしに読み捨てるもの」と思ってるところがあります。
 この漫画はまさに「読み捨てるための週刊漫画」という感じで、要するにメーテルみたいなルックスの金髪美女が貧乏青年の家に転がり込んできて、ちょっとエッチな寸劇を展開してればいいんだと思いました。それだけで十分、特に深いものは何もない、みたいな。普段色々と大変な仕事やら何やらをしてると、漫画まで手が混んでいると気の休まる暇がないので、こういう読み捨てるだけの漫画っていうのもいいものだ、と思ったりして (^^)。

 松本零士さんは、「宇宙戦艦ヤマト」と「銀河鉄道999」がなかったら、この漫画の主人公みたいに、狭いアパートでうらぶれて暮らしている人になっていたかも知れません。実際そうしていた期間も長くあったのでしょうしね。でもそういう貧乏を気に病むでもなく飄々と楽しんでいる感じがこの漫画にはありました。それが70年代の日本の大学生や新社会人の文化っぽくて、懐かしくもありほほえましくもあり、よかったです(^^)。


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コミック『闇夜の鴉の物語』 松本零士

Yamiyo no karasu no monogatari 宇宙戦艦ヤマト銀河鉄道999で有名な松本零士さんの短編集です。僕は、コミックでも小説でも、けっこう短編ものが好きです。漫画週刊誌に長期連載の作品だと、人気が出ると不必要に引き延ばしたり、逆に人気がないといい所で突然打ち切りになったりするので、作家が思ったベストの状態の作品にならない事が多い気がするんです。でも短編ならそういう事はないので、作家の実力のままの作品が読めている気になれるんですよね。。

 999やヤマトで松本零士さんの作品を知った身からすると、霊が登場する話だったり、日常のちょっとした事件を描いた話だったりとバラエティに富んでいて、少年向けSF一辺倒ではなくて驚きました。僕はブコウスキーやアーヴィングなどなど、海外の短編小説を集中的に読んだ時期があるのですが、そういう文学的な香りのする作品すらありました。アダルト描写も相当なもので、「4つの瞳」という作品なんて、どう見てもメーテルなキャラが、どう見ても鉄郎なキャラにフ〇ラチオしてますし(^^)。文学性とアダルトさの同居した所は、手塚治虫さんの短編に通じるところもあるかも。

 僕が読んだのは文庫版コミックなのですが、その本には各作品の初出年が書いてなくて、それぞれいつ書かれたのか分かりませんが、もしかすると若いうちはある程度アダルトものも書いて食いつないでいたのかもしれません。60~70年代の日本の映画監督も、売れるまではアングラでポルノ映画を撮っていたという人が少なくないですしね。僕も、仕事でSMクラブでキーボードを演奏した事がありますが、サブカルチャーの道で生きる若手にとって、ポルノ産業って生き残るために通らなくてはいけない道なのかも。性産業ってギャラがいいので、喰えない若い時期には生活費を稼ぐのに手っ取り早いんですよね。作家主義作品とエロ漫画が混在した短編集で、当時の日本の作家の青春を覗き見たような気にもなりました。そうしてセクシーな女性を描く腕が磨かれて、それが銀河鉄道999のヒットにもつながったのかも。メーテルを魅力的に描く事が出来なければ、999のヒットはなかったでしょうし。

 「1000年女王」のように何度も読み返したくなる大作とは違って、あくまでさっと読んで終わりの作品群だと感じましたが、これはなかなか。読者にすり寄り過ぎず、作家自身の考えがストレートに伝わってくる短編群と感じました!


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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