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心に残った音楽♪

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コミック『手天童子』 永井豪

Shutendouji4.jpg 永井豪さんは日本人漫画家のベスト10に入る人だと思うんですが、話に収拾がつかなくなることもしばしば。代表作で連載時にうまく着地できたのは『デビルマン』ぐらいなもので、『マジンガーZ』『キューティーハニー』『凄ノ王』といった有名作はどれも収拾がついておらず、未完作品だらけなのです(^^;)。そんな永井作品の中で、実にうまく話がまとまってると思った作品がこれ、『手天童子』です!いや~とても永井豪さんの作品とは思えないほど見事な伏線回収でした…こんないい方は失礼か(^^;)>。

 とある夫婦が、突如現れた鬼に咥えられた子供を救いますが、鬼は「15年したら迎えに来る」という言葉を残して去ります。この子供・手天童子郎が成長するとともに怪事件が頻発するようになり、次第に鬼たちと手天童子との争いの様相を呈していきます。そんな鬼の本拠地にたどり着いた童子ですが、本尊の頭上には手天童子の育ての母の姿に酷似した像があり…

 血みどろの殺し合いになる展開や雰囲気は、デビルマンやバイオレンス・ジャックと同じ。童子を失って精神病院に入った母はその壁に鬼の絵を描き続け、童子を守る鬼は「子郎も彼を守る2体の鬼も、それどころか鬼の世界も、ある日突然誕生した」と語り、話がいきなりSFになり、鬼の本拠地である星の形が壁のような形で…物語の冒頭から張り巡らされたいくつもの伏線が一気に回収されていく終盤は見事!それはそうなのですが…

 先に筋を固めたからか、『デビルマン』や『バイオレンス・ジャック』ほどの勢いがないと感じました。クラシック音楽で、スコアをなぞっているだけな演奏ってあるじゃないですか。スコアにはたしかにそう書かれてるんだろうけど、スコア通りに演奏するだけじゃなくて演奏をもっと躍動させてくれ、みたいな。でも勢いだけでオチがつかないフリージャズを聴くと、「もう少し作曲してからやればいいのに」と思ったりもするわけで、今までの永井作品がフリージャズ的で、『デビルマン』みたいにうまくいけばいいけど失敗の方が多いので、はじめてクラシックのようにしっかりデザインしてから作ってみたのがこれなのかも知れません。でもまだ慣れていないから、スコア通りに演奏するので手いっぱいで、変に小さくまとまってしまった、みたいな。音楽でもなんでも、いい作品を作るって難しいですね。

 僕的には、永井さんの作品は『デビルマン』がずば抜けていて、2位が『バイオレンス・ジャック』、3位が『手天童子』。というわけで、『デビルマン』と『バイオレンス・ジャック』を読んで、まだ永井作品を読み足りないという方がいましたら、おすすめしたい作品です。


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コミック『バイオレンス・ジャック 完全版』 永井豪

ViolenceJack18.jpg 永井豪さんの代表作は間違いなくデビルマンでしょうが、次の推薦をあげるとしたらなんでしょうか。マジンガーZ?キューティーハニー?色々あると思いますが、大人になってからでもある程度の鑑賞に堪えるストーリーという意味でも、作者自身の思い入れの強さでも、バイオレンスジャックこそデビルマンに次ぐ名作じゃないかと!

 バイオレンスジャックは、無政府状態となった暴力だらけの黙示録的な世界を描いた、ものすごくパンクな作品です。関東地方に大地震が起き、亀裂で大地がわれて日本列島から孤立します。火災で食料は尽き、また無政府状態になった事で死刑囚や終身刑などの極悪人もこの地に逃げ込み、わずかに残った食料を求めて暴力に優るものだけが生き残る地獄のような世界。この土地に、2メートルを超す体躯で、巨大なナイフを使いこなすバイオレンスジャックという正体不明の男があらわれます。

 文明が滅んだ後の地獄のような世界を描いた作品って、小説にも映画にもゲームにもけっこうあります。映画で言えば『マッドマックス2』とかね。でも、バイオレンスジャックほど凄惨に描かれた終末世界を、僕は見たことがありません。1日生き残るだけでも難しい状況、これが強烈な緊張感を生んでいて、サバイバルものとしてめっちゃ面白い!このギリギリの緊張感を生み出しているもののひとつが、スラムキングという悪役の存在なんですが、こいつ、人の手足を切ってペットとして飼うほどに残忍なんです。マッドマックスのトーカッターやヒューマンガスでさえぬるく感じてしまうほど。悪役を強大にすればするほど、物語は面白くなるという典型ですね。でも、強くし過ぎて地球滅亡まで行ってしまうのが永井豪さんの悪い癖ですが(^^;)。

ViolenceJack_Hitoinu.jpg 他にも印象に残っている話は多いです。そのひとつが、この地に逃げ込んだふたりの犯罪者の話。途中で片割れが死んでしまうんですが、その後も、死んでない状態で話が続くんですよね。どういうことなんだろう、回想シーンなのかな、な~んて思って読み進めていると、なんと…いやあ、この漫画ってエグいだけじゃなくてストーリーも面白かったなあ。
 もうひとつは、無敵の人型殺人兵器アイアン・カイザーの話。しかしこの殺人兵器が実は女で、地震で生き別れた子供が…これは泣きました。

 漫画だなんてバカにしたら痛い目をみるほどグロくてバイオレンス。人の体がちぎれる描写なんて当たり前のように出てくるので、「漫画を読んでわざわざ気分悪くなりたくないよ」という人にはオススメできません。怖すぎてグロすぎてマジで気分悪くなります。でも、サバイバルの極限の緊張感をスリルとして楽しめる人には超おススメ。全18巻ですが、面白くて一気に読んでしまうと思います(^^)。全部なんて読んでられないという方は、序盤の東京が滅亡してサバイバルする関東スラム街編と、さっき書いたアイアンカイザー編がオススメです。あ、あと、物語は最後にデビルマンとつながるので、デビルマンを先に読んでおいた方が、なお面白く感じるんじゃないかと!


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コミック『デビルマン』 永井豪

DEVILMAN3.jpg いまさら僕が力説するまでもない日本漫画の代表作のひとつです!サブカルチャーとしての70年代日本漫画の頂点に立つ作品ってこれじゃないでしょうか。幼いころ、僕はデビルマンをTVアニメの「あれは~誰だっ!」だと思ってたんですが、小学校高学年になってはじめて漫画を読んで、あまりの違いに驚愕。原作漫画こそがデビルマンだ!!…って、テレビアニメも別物として好きなのですけどね(^^;)。

■あらすじ
 氷河期に氷づけにされた悪魔たちが徐々に現代に蘇ります。この事にいち早く気づいた考古学者の息子・飛鳥了は、悪魔と合体する事で悪魔の能力を得、悪魔に対抗することに。しかし悪魔に精神を乗っ取られないためには、善良かつ強靭な精神を持つ人間でなければならず、了はその条件を満たす男として、親友の不動明を誘います。悪魔人間になる事に成功した明ですが、悪魔の侵略によって数々に悲劇が起こり、また人間は悪魔に押され、絶望的な歴史を歩む事に。そしてついに姿を現した悪魔神サタンは…

■恐怖が凄い!怖すぎてトイレに行けない、一人でふろに入れない!
 子供の頃に読んだデビルマンの素晴らしさは、なにより恐怖でした。10歳までの自分の体験で、最大の恐怖を感じたものは心霊写真集とこれだったんじゃないかなあ。狐に憑かれた両親に食い殺される、亀の化け物に食われ、甲羅に食われた人の顔が浮かびだす、恋人の首が落とされ串刺しに…デビルマンを読んだ日は、ひとりで風呂に入る事すら出来なくなってました(^^;)。
 でも、恐怖なんてなければないほど良さそうですよね。なんで恐怖がいいのか…うまく説明できないんですが、リアリティなんじゃないかと。映画や小説だと、ストーリーがあって、そのストーリーを頭で理解して、その後に感動するなりなんなりが来る、みたいな。これって、頭で記号を追っていますよね。でも恐怖って、頭で考えてからどうじゃなくて、いきなり感覚にズドンと来るじゃないですか。直接五感に訴える生々しさ、そこが恐怖の凄さじゃないかと。しかも感覚からもろに伝わってくるもののなかで、いちばん衝撃が大きいのって、喜びとかなんとかじゃなくて恐怖だと思うんですよ。だからすごかったんじゃないかと。

DEVILMAN_03_140.jpg■時代背景
 恐怖以外にも、意識はしてなかったけど魅力を感じている所があった気がします。例えば、悪魔に襲われ、人間が疑心暗鬼になって殺しあってしまい、人類がほとんど滅んでしまった世界。あるいは、人間以前に地球にいた人間「のような」存在。こういう設定や世界観にも魅せられていたんじゃないかと思います。歳を重ねるにしたがって、今度は恐怖以外のこういう所にも興味を持ち始めました。

 まず、終末論的な世界の描写。これって、当時の時代背景が影響しているんでしょうね。デビルマンが書かれたのは1972~3年。冷戦時代で、核戦争の危機や環境汚染問題などがあった時代です。社会全体に「どうにかしないと」という気分もあっただろうし、一方で「一回ぜんぶぶっ壊して、最初からきれいにやり直したい」という思いもどこかにあったかも。「空から悪の大王が降ってくる」というノストラダムスの予言日時が近づいていて、その予言が新約聖書の黙示文書に近い部分があったもんだから、ある種の神秘性も持っていた気もします。これらをうまく表現したのがデビルマンだったのだと思います。
 人類以前に地球にいた存在が戻ってきて、人間を襲う…デビルマンを読んでいた頃は知りませんでしたが、以降の僕は、これと似た設定の物語に色々と出会う事になりました。栗本薫さんの『魔界水滸伝』や『グイン・サーガ』を読んで、「あ、これってデビルマンだな」と思いましたしね。これらがラヴクラフトの生み出したクトゥルー神話に影響を受けた作品群である事を知ったのは、ずいぶん後のことでした。

■子供の頃に理解できなかったことの解題1:塩の柱、地球を覆う光
 デビルマンは途中で作者が勢いで一気に書いてしまったのか、説明されていない事もいろいろあり(僕は説明せずに勢いで書いたことは正解だったと思っています)、子供の頃にはよく理解できない事がいくつかありました。悪魔が支配したはずのソ連が白く光って塩になる。悪魔と悪魔人間の最終決戦の前に、光が地球から離れる。これらの意味が分からなかったんですよね。でも久々に読んだら、自分なりに理解できた気がするものがありました。理解するにはこの作品だけを読むのでは不可能、少しばかり教養が必要なんですね(^^;)。それをちょっと解題してみようかと。
 まず、ソ連占領を成功させたかに見えた悪魔も、悪魔を倒そうと思った人間も、光に包まれて滅亡し、塩の柱になったというくだり。これ、旧約聖書の「創世記」に出てくるソドムとゴモラの話です。ソドムという町は欲や傲慢にまみれて退廃し、神に天罰を下されて滅びます。で、その中のひとりの女性(ロトの妻)が、神に「振り返るな」といわれたのに振り返ってしまい塩の柱にされた、というものです。これは中学の社会の授業で旧約聖書の話を聞くまで、まったくわかりませんでした。教室で「デビルマンだ!」という声が上がったのは言うまでもありません(^^;)。先生は何のことかさっぱりわからないという顔をしてましたが。

DEVILMAN_05_174.jpg■子供の頃に理解できなかったことの解題2:地球から離れる光
 そして、最後の悪魔と悪魔人間の最終決戦。善と悪に分かれた最終決戦が黙示文書である事は理解できますが、その前に地球から光が離れるシーンの意味がまったく分かりませんでした。終盤になるとイメージだけのコマが増えるので、何となくそういうものかと思ってたんですよね。
 これって、要するに光に包まれたソ連が、悪魔も人間も滅ぼされたという伏線から繋がっているんでしょう。ここで言う神は旧約聖書的な「神」であって、モーゼやキリストなどの預言者は含まれないと考えると理解しやすいかも。つまり、サタン(飛鳥涼)は堕天使であって神じゃない。こうした神概念は「姿もなく、言葉ももちろん話さない」ので、光として表現。しかしこの神は意志も意図も持っていて、傲慢さが現れると、人も悪魔も区別せず、ソドムやゴモラのように滅ぼす恐怖の大王となります。そして最終決戦となると、神が審判するのではなく、自分たちで決着させるために地球から離れた。で、これらのコンテキストに、旧約聖書と新約の黙示文書がある、みたいな。
 デビルマンのこういう描写に一貫性がなくあちらこちらからの引用になっているのは、デビルマンという物語がプロットを入念に練って書かれたものではなく、連載が始まってから勢いがついて感覚的に書かれたからなんでしょうね。で、勢いで書いたものだからつじつまが合わない所があって、それをどうにかするために、永井豪さんは延々と関連作品を書き続ける事になった…多分これが正解でしょう(^^)。

■大人になってから読んでも面白かった!
 頭でいろいろ考えた素晴らしいストーリーを持つ小説や漫画はたくさんあると思います。でも、感覚に直接来る漫画、これは僕の場合、デビルマン以上のものは思いつかないです。そしてそれをやるためには、平然とタブーを破っていくぐらいじゃないと出来ないんでしょう。話もすごいですが、絵の迫力もすごいです。世界中に熱狂的なファンを生み出しただけのことはある、日本漫画の金字塔のひとつではないでしょうか!
 そうそう、デビルマンは再販されるたびに新しい描き下ろしページが追加されていくんですが、追加ページはすべて蛇足。読むなら全5巻のオリジナル版がオススメです。ジャズやロックみたいなもんで、細かい事はいいんです、この作品は勢いだ!


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コミック『凄ノ王』 永井豪

SusanoOu.jpg デビルマンに熱狂した僕が永井豪を見限った作品です(゚∀゚*)エヘヘ。面白くなかったわけじゃないんです。むしろ、永井さんの漫画の中で、上位に来る作品と思ったほど。まあ、よく行くラーメン屋で読んだだけだからいいんですけどね。

 じゃ、何が悪かったのか。簡単に言うと、デビルマンやバイオレンス・ジャックとまったく同じなのです(゚ω゚*)。話がどんどん大きくなってインフレ化して、最後は殺し合いのグチャグチャになって終わり、みたいな。
 デビルマンやバイオレンス・ジャックだけでなく、キューティー・ハニーもそんなだったな。。永井豪さんの漫画って「これは話に落ちがついてないんじゃないの?」みたいに終わるものが多くて、この漫画もそう。マジンガーZなんて未完で終わっていた気が…子供の頃の話なので、ちょっと記憶があいまいですが。

 というわけで、最初の方は話に引き込まれるものの、途中で「また話を大きくするだけして、回収できずにグチャグチャにして終わりか」となりました。話がハイパーインフレと化して収集つかなくなるのは幻魔大戦だけでいいよ、俺の時間を返せ。

 …ん?「超完全完結版」なんていうものが出てるぞ?という事は、あとで書き足して落ちがついたのか?うわ、気になる…でも今さら少年漫画を読み返す気にはなれないなあ(^^;)。


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コミック『まんが道』 『第二部 まんが道』 藤子不二雄A

MangaMichi.jpg 子供のころから何度も読もうと思いながら読まずにきてしまった漫画『まんが道』、ついに読みました!そういう本や映画や音楽の多い事ったらないですが、人生でそのすべてを見れるはずもなし、取捨選択が難しいです。結論から言うと、この漫画は大人になってから読んだとしても、読む時間を割くだけの価値があったと感じました(^^)。藤子不二雄Aさんが亡くなったいま読まなければ、おそらく一生読まなかったでしょうから、最後のチャンスだったのでしょうね。

 話は自伝まんが調でしたが、藤子A先生いわく、かなりの部分がフィクションなのだそうです。でもまあ想像するに、デートした女の子とか、自殺した友人とか、そういうこまごまとしたエピソードがフィクションなのであって、手塚治虫との出会いや漫画家を目指して上京してくる経緯など、物語の軸となっている部分はノンフィクションとは思います。だってそういう所はフィクションにすると問題ありそうですし、フィクションにする理由もないですし、実際にAさんは漫画家になったわけですしね。

 特に面白く感じたところが3つありました。1950年代の日本の文化が見事に描かれていた事、当時の漫画家や出版社の生活や風習を知る事が出来た事、成功した職業作家の努力やメンタリティに触れる事が出来た事です。特に最後の部分は、大人になってからでも読んで良かったと思えて感動。

 まず、1950年代の文化が描かれているところに、ノスタルジーを感じました。電車ではなく汽車(!)で上京。上京した若者は知り合いの家に下宿するのが普通。アパートは共同トイレに共同キッチン…共同トイレは知っていましたが、共同キッチンなんてものがある事は初めて知りました。他の部屋の人が使っていない時間を見計らって使うんですね。そうなるとアパートの住人は共同生活をしているも同然、社会性の高さが重要になるな…なるほど日本的だ(^^)。
 そして電話を持ってないのもデフォルトなので、急ぎの通知がみな電報で来ていました。「シゴトアリ ライシャクダサイ」なん要件まで電報で郵便局員が持ってくるなんて、本当にカルチャーショックでした。昔の郵便局員って大変だったんだな。。あと、テレビがないので、映画が今とは少し違う位置づけで、テレビもビデオもネット配信もニュースもひっくるめた大事なメディアだったんだな、みたいな。あ、でも、そのへんは映画『ニュー・シネマ・パラダイス』で観たイタリアもそうだったな(^^)。

MangaMichi_pic1.jpg 1950年代の日本の漫画家や出版業界の風習を読めたのも、面白かったです。ギャラが取り決められていなくて、仕事が終わっていざギャラが振り込まれると「あ、この前の仕事5000円も入ってるよ」なんて喜ぶ描写がありましたが、これを見て、僕は「出版業界って元々こういう文化だったのか」と腑に落ちたものがありました。
 ずいぶん前ですが、古い日本のレコードメーカーからCDのライナーノートを頼まれたんです。で、現代人の僕は、先に期日、文字数、ギャラを尋ねたんですよね。でも教えてくれず、引き受けてもいないのに「大きいレコード会社からの依頼なんて、ありがたがって書く奴がほとんどだから受けるのが当たり前」みたいな上から目線で応対され、なし崩しに書く羽目に。これはギャラなんて出ないんだろうと思いつつ、付き合いもあって一応ライナーを完成させました。で、いざ提出すると「○○円の請求書を作って、送ってください」と言われたんですよね。なんて仕事の仕方をするんだろうと思ったものですが、こうい仕事のスタイルって実は日本の出版業界のスタンダードなのかも知れないと、この漫画を読んで思わされました。
 日本の出版業界の文化風習が分かった記述は他にも色々あって、出版社ではロビーに並んでいるソファでミーティングなんていうのも、昔に音楽之友社に行った時にそんな感じでした。あ、これは昔の東芝EMIもそうだったな…。

 極めつけは、藤子不二雄さんおふたりや、その目標となった手塚治虫さんの姿に感動。この漫画、プロになってからは締め切りとの戦いばかりが書いてありましたが(^^;)、その仕事に取り組む姿勢が素晴らしかったです。題材を考え、テーマが決まったらストーリーを考え、キャラクターを作り、参考資料にたくさん当たったり実物を見に行ったりしてスケッチを大量に残して、締め切りまでに1日何ページあげればいいかを考え…仕事の進め方が本当にプロ、ここは職業として物づくりをする人は実に勉強になると思いました。そして、作品を作り上げるには2徹3徹は当たり前、すごいなあ。…って、考えてみたら、そんなの自分だってそうしていたか(^^)。

 こういう漫画を近くにおいておけば、頑張りがきかなくなった時にちょっと読み返して、「藤子不二雄だって完成させるために何日も徹夜したりして頑張ったんだ」と励みになるんじゃないかと思いました。売れっ子漫画家のEさんは、今でも仕事場の手の届くところにこの漫画を置いているそうですが、その理由ってそういう事なんでしょう。藤子不二雄さんや手塚治虫さんもそうですが、去年読んだ本で知った高畑勲さんや宮崎駿さんの作家魂と膨大な仕事量にも感動させられました。ジブリの鈴木敏夫プロデューサーさんが、若い時に宮崎駿さんや高畑さんの驚くべき仕事量やその情熱を見て、「いま、日本の作家というのはこういう所に生きているのか」と感激したそうですが、それって漫画家さんも同じだったのでしょう。人生をそこにかけて燃やし尽くすこういう情熱って本当に素晴らしいです。頑張りたいクリエイターさんの素晴らしい精力剤になる本じゃないかと!


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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