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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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書籍『能への誘い 序破急と間のサイエンス』 金春國雄

NouhenoIzanai KonparuKunio 昔は予備知識なしでいきなり能楽堂に行ったらチンプンカンプンだったもんで(でも狂言は面白かった!あんなに面白いものとは思いませんでした)、今度は『能鑑賞二百一番』という本を読んで予習してから能楽を見てきました!いや~面白かったし凄かった!だって、ある能なんて(その日は能2つと狂言1つがセットだった…本当は5つセットが普通みたい)、主人公が亡霊なんですよ!そしてあの面をつけて…もうね、エンターテイメントなんてもんじゃなくて、芸術というか哲学というか、そういう凄さでした。メチャクチャ興味が出たので、もう少し能の深い所を知りたくて、こんな本を買って読んでみました。この本、ものすごく深いです。

 この本は、能の基本知識と、その背景にある思想や文化についての解釈を書いてありました。このバランスがすごく良いので、能をある程度知ってる人じゃないと読めない芸術論にはなってなくて、僕みたいな初心者でも読めて良かったです(^^)。
 でも、初心者でも読めるからと言って浅い内容ではなく、メチャクチャ深かった!!能は、演目も、舞台装置も、音楽も、色んなものが5つに分けてるそうなんですが、なぜそうなのかとか、その背景にある思想とか、ものっすごく詳しく描かれてるんです。

 もう、この本一冊あれば、芸術論的な能の本はいらないんじゃないかと思えるぐらいの内容の濃さでした。きっと、著者の金春國雄さんというのが、単に能のファンというだけの人ではなくて、能をやる側の人なんでしょうね。詳しい事は知らないんですが、能って5流あって、そのうちのひとつが金春流というので、本家の人なんじゃないかと思うんですよね。その人が、生涯かけて蓄えてきた能に関する知識や見解などを余すところなく書いたという感じで、本当にすばらしい本でした。能って深いです。


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書籍『能鑑賞二百一番』 金子直樹(文)、吉越研(写真)

Noukanshou201ban.jpg 能楽は、観阿弥・世阿弥のころの猿楽も含めるとすると、室町時代から残ってる日本の伝統芸能です。それ以降の日本の伝統芸能のすべてに影響を与えたと言っていいほどで、しかも芸術性で言ったらブッチギリで筆頭。やってる事がすごいです。でも能って普段はなかなかお目にかかれないので、僕には分からない事が多すぎ。東京に行った時に何度か能の舞台も見たけど、狂言は現代語に近くて面白かったけど、生で見た能はセリフですらよく聴きとれず、パンフレットと舞台を交互に見ている状態でした。というわけで、こんな本で勉強してみました!

 この本は、最初と最後に能についての基礎知識が簡単にまとめてあって、残りは能の演目のあらすじがドバっと書いてあります。
そしてこの本のいい所は、写真が満載な所!カラー写真も多くて、メッチャクチャいいです。能って、あの般若とかの能面も魅力のひとつじゃないですか。それが文章だけだとぜんぜん分からないので、写真入りは実用的!「ああ、この能はこんな真っ赤な髪をした鬼神が登場するのか!」とかね(^^)。僕はこの本と「能鑑賞二百六十一番」という本のどちらを買うか迷ったんですが、写真入りというのが大きく、こちらにしました。261の方は文章だけなんですよ…。

 能楽は古い言葉を使っているので、僕だけじゃなくて聴き取れない人が多いみたいです。というわけで、見に行くならあらすじを把握してからいくのがいいんじゃないかと。というわけで、能を観たいなら、こういう本を一冊持っておくと便利かも(^^)。これは超おすすめです!


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書籍『グレープフルーツ・ジュース』 オノ・ヨーコ 南風椎訳

gurapefruits Juice_Yoko Ono フルクサスの思想にいちばん近い活動をしていたアーティストって、ジョン・ケージとオノ・ヨーコさんだったんじゃないかと思っています。そんなオノ・ヨーコで有名なのって、ジョン・レノンの奥さんだった事と、「グレープフルーツ」という詩集のふたつじゃないかと。これは、詩集「グレープフルーツ」の言葉をととのえて、写真家による写真を織り交ぜた改訂版みたいな本です。

 昔、ビートルズの特番を見ている時に、オノ・ヨーコさんの「グレープフルーツ」の一節が紹介されました。素晴らしくて、感激してしまいました。その詩を知るまでの僕にとってのオノ・ヨーコは、「ジョン・レノンをたぶらかした女」「ビートルズ解散の原因」「公開ベッドインとか、ちょっとずれた事ばかりやるアート気取りの女」みたいな感じ。それが、いくつか紹介された詩を聴いただけで、「ああ、これはビートルズなんかよりやってる事が全然上だわ」と思ってしまったのでした。でも、そのまま詩は読んでなかったのです。
 そして最近、古本屋でこんなものを見つけ、ようやくオノ・ヨーコさんの詩を読みました。いやあ、やっぱり素晴らしかった…。いくつかを紹介すると…

想像しなさい
千の太陽がいっぺんに空にあるところを。

ある期限で名前を変えなさい。

道を開けなさい。
風のために。

この本を燃やしなさい。
読みおえたら。


 半分はものすごく信頼したと同時に、もう半分は悪い方に出た時のアーティストのごまかしもあるんじゃないの、とも感じました。信頼し、感動できたところは、上に書いたような詩を読んだ素直な感想。オノ・ヨーコさんの事を僕はよく知りませんが、つまり仏教的な考えをしているのではないかと思いました。それを、たとえばおばあちゃんが子どもに分かりやすいよう言葉を変えて話しているようなものではないかと。例えば、「風のために道を開ける」は、人は自然の一部であって、いずれ自然に帰すという考えが背景にあるもので、「読みおえたらこの本を燃やせ」は諸法無我、「ある期限で名前を変えろ」は無常の換言ではないかと。人って、年相応のレベルの知見まで届いていないといけないと思うんですが、この本の知見は、立派な大人の領域でしょう、みたいな。自分をどういうものとして認識して、生きる上でどうあるか、という事ですよね。

 一方で、美術系のアーティストっぽいごまかしをしてるのではないか、という疑いも拭い去れませんでした。あくまで一例ですが、美術系の人が音楽をやると、美術的な文脈で音楽を理解しようとすると思いませんか?音楽の理解の仕方は、音楽という理解の仕方以外には、正しく受け止める事が出来ないと思います。音楽っていうのは、ある種言語的なところがあって、たとえばアーティキュレーションとか要素のつながりとか、ある一定以上の音楽では文化的に断絶された地域の音楽でも似た言語機能を持ってるんですよね。でも、美術家とかダンサーって、こういうところをまるで読み取らずに、印象だけで「癒された」とか「ちょっと○○だ」といってしまう時があります。これに近いものをこの本にも感じました。こういう疑いって、ランボーやマラルメツェランにはまったく感じないので、言葉の使い方が相応しくないなり、そもそもやっぱり分かってないなりといった事があるんじゃないかと思ってしまうのです。

 とはいえ、引用したような詩では、本当に「ああ…」と気づかされるような感覚がありました。素晴らしい詩だと思いました。そんな中、僕にとって一番グサッと来た詩は…「掃除をしなさい。」…うわあ、どさくさに紛れて普通に怒られた気分になってしまいました(^^;)。


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『FLUXUS Anthology』

Fluxus Anthology  フルクサスとは、1960年代に起きたダダイスティックな芸術運動です。音楽に限らず、詩、美術、ダンスなどにまたがった運動というところもダダに似ていて、あまり大きな流れを作れないまま終息したところも似てます。これはフルクサスの音楽として超有名なオムニバスCDです。というか、フルクサスを冠したCDって、僕はこれしか知りません。

 フルクサスをダダっぽいと言いましたが、それはこのCDにもあらわれてます。1曲目なんか、ガサゴソという物音がきこえるだけ。2曲目は、プリペアドしたピアノがデタラメに演奏されるだけ。あと、喋ってるだけのやつ、レコードの針が飛ぶ音…ね、ダダっぽいでしょ(^^)。さらにダダっぽいのは、こういう所にただのロックンロールみたいなのが入ってたり。僕はクラシックの勉強をしていた事があるのですが、クラシックって見事に体系化された世界で理論ガチガチ、現代音楽なんてその極みみたいだったのに、ジョン・ケージの登場あたりから偶然性を導入し始めました。そのジョン・ケージもフルクサスに参加していて、このCDにも入っています。混線したラジオの音が入ってる有名な「ラジオの音楽」です。このCDに入ってる他の有名どころは、オノヨーコ、ラ・モンテ・ヤング、エリック・アンダーソン、ナム・ジュン・パイクあたり。オノヨーコのパフォーマンスは、トイレの音だし(^^;)。

 これがつまらないかというと、想像力をかき立てられてメッチャクチャ面白かったです!若い頃は最高に面白く感じたのはもちろん(そういう時代でもありました)、いま聴いてもやっぱり刺激的でした。ただ、こういうのって、「面白い」で終わったら、しょせんはその程度のものだと思うんですよね。デタラメやっといてアーティスト面したがる人を増殖させてしまった面も実際にあった気がします。というわけで、フルクサスは、それ自体が面白いのではなく、考えが硬直して画一的になった時に反動として常にあらわれる現象みたいなものと思ってます。だからフルクサスは、ベートーベンじゃないと音楽じゃないとか、ポップスとロックしか理解できないとか、そういう脳が硬直しかけちゃった人にとって素晴らしい薬。でもデタラメでいいとかオモシロけりゃいいと安易に考えてしまう人には毒なんじゃないか、な~んて思ったりして(^^)。


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バレエの基礎知識を3分で学ぶ!

Ballet.pngバレエの本を何冊か読みました。ちょっと混乱してきたので、バレエについてちょっと整理してみよう、そうしよう。

■基礎知識
  • バレエでは速くおどるものはすべてアレグロ、ゆっくりはすべてアダージョ
  • 日本では舞いと踊りは区別されていて、舞いは回る事で、基本すり足。踊りは跳ぶ。
  • ソロ(1人の踊り)/パ・ド・ドゥ(2人の踊り)/デュエット(同性の2人の踊り)/パ・ド・トロワ(3人)/パ・ド・カトル(4人)

■ロマンティック・バレエ
18世紀後半に興ったバレエで、これが今も上演されてるバレエの最古。代表的な作品は「ラ・シルフィード」、「ジゼル」。

■クラシック・バレエ
ロマンティック・バレエの流れを組むが、音楽の古典派のように構造主義的なところがあって、ストーリーとは関係のないダンスシーンが入ってたりする。代表的な作品は「眠れる森の美女」「白鳥の湖」「くるみ割り人形」で、この3つは「3大バレエ」と呼ばれる。コリオグラファーとして活動したマリウス・プティパは有名で、現在おどられているクラシック・バレエの振付はほとんどプティパによるもの。

■モダン・バレエ
ディアギレフの作ったバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)が有名で、20世紀前半のバレエと言ったらバレエ・リュスといってもいいほど。ディアギレフがバレエ・リュスに起用した主要コリオグラファーは、年代順にフォーキン(「火の鳥」「シェエラザード」の振付で有名)、ニジンスキー(「春の祭典」)、マシーン(「バラード」「プルチネルラ」)、ニジンスカ(「結婚」)、バランシン(「放蕩息子」「アポロ」)。とくに、ニジンスキーとバランシンは重要。

■現代
現代は色々なので、代表的なものを箇条書きで!
  • バランシン:抽象的バレエが多い。アメリカに渡って作ったニューヨーク・シティ・バレエ「シンフォニー・イン・C」「アポロ」など。
  • フレデリック・アシュトン:物語バレエ。「シンデレラ」
  • アントニー・チューダー:心理的バレエ。「火の柱」
  • モーリス・ベジャール:20世紀バレエ団。「ボレロ」「春の祭典」。大学のころ、この人のバレエのビデオを授業で観て、熱狂しました!
  • ピナ・バウシュ:ベジャール以降で「春の祭典」に振付。暴力的と非難された
  • アルヴィン・エイリー:アメリカの舞踏家、コリオグラファー。
  • マース・カニングハム:ジョン・ケージとの絡みが深く、偶然性の導入。60年代のニューヨークはケージとカニングハムで回っていたというほど。
  • ウィリアム・フォーサイス:コンテンポラリー・ダンスの巨匠。バランシンの系譜で、先鋭的・知性的。フランクフルトバレエ団の芸術監督から、今ではフォーサイスカンパニーの主催でありコリオグラファー。
  • 土方巽:暗黒舞踏。「静かな家」など。この人の舞踏は好きだなあ。。

な~んてね。でもけっこういいまとめだったでしょ?!…雑すぎるか(^^;)>。


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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