fc2ブログ

心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

Category: CD・レコード > ブルース・ソウル   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『The Drifters / The Drifters Golden Hits』

Drifters Golden Hits 1968年発表、ドリフターズのヒット曲を収めたアルバムです。このベスト盤を聴くと、ドリフターズのリードヴォーカルがコロコロと交代していくのがよく分かりました。そして代わるたびに少しずつチャート音楽に、そして白人音楽に近づいていくという (^^)。色んなところにそれを感じるんですが、とくにそう感じたのは管弦のアレンジ。弦アレンジって、白人がマジョリティのアメリカでは白人の仕事で、黒人だとある時代まではクインシー・ジョーンズぐらいしかやらせてもらえなかったといいますしね。これだけメンバーが変わるという事は、ドリフターズって、ネーミングライセンスを持っている人がメンバー以外にいたグループなのかも知れません。

 でも、よりポップになったり、白人音楽に近づいたから悪いかというと、それはそれでまた良い音楽だと思うのがこのグループの面白いところでした。ほら、僕は、ライトニン・ホプキンスがエレキギター持ったり、ハービー・ハンコックがファンクやったりすると「売りに走ったな」「軟弱になったな」と感じてしまうタイプなんですが、ドリフターズはそうは感じなかったんですよね。AからBに変わったけどAもBもいい、みたいな。

 それって何なんだろうかと思ったら、もしかしたらゴスペルのポップス化みたいなことをやっていた初期だって、根っこにあったのはユートピア思想や楽園音楽志向のような傾向のもので、音楽自体の形を変えてもイデア自体は動いていないと感じるのかも知れません。その象徴がこのアルバムにも入っていた「This Magic Moment」。この曲って、公民権が確立していなかったアフリカンアメリカンにとってつらい時代に作られた曲なのに、生活の中にあるわずかな幸福な所だけを見て讃美しているように感じるんですよね。それだけ、「音楽を聴いている間だけでも幸せでいて欲しい」と思っているように聴こえました。だってこの後の黒人音楽は、ジミヘンもスライも楽観主義では収まらず、綺麗ごとじゃないところに突き進んでいきましたから。


スポンサーサイト



Category: CD・レコード > ブルース・ソウル   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『The Drifters / Save The Last Dance For Me』

Drifters_Save the last dance for me 1962年発表、「スタンド・バイ・ミー」のヒットで知られるベン・E・キングがリードヴォーカルとして在籍していた時期のドリフターズのアルバムです。「ラストダンスは私に」「I Count the Tears」といった有名曲がこのアルバムに収録されている事もあり、深入りする前の僕がイメージしていたドリフターズはまさにこの時期でした。

 このへんに来ると、チャート・ミュージックとなった黒人コーラスグループのフォーマットが完成しているように感じました。たしかに3コースぐらいのコーラスがいるんですが、ゴスペル色は薄れて(でも女性コーラスの入った曲やアップライトピアノの使い方にちょっとだけ名残を感じました)、以降現在まで続く黒人ポピュラーのコーラズのベースが完成している、みたいな。モータウン系のコーラスグループも、ドリフターズやプラターズの作ったものをベースにしたようにも聴こえますしね。

 プラターズとの差は、ストリングスをあまり使わないので(まったく使わないわけではないです)、ドリフターズの方が作り物感が薄いというか、泥臭く感じる事。プラターズってすごくいいけど、白人の作編曲に聴こえちゃうときがあって、僕はそこにポップス/オールディーズ色を感じます。でも泥臭さの残るドリフターズは、オールディーズ以上に黒人音楽という面を強く感じました

 このアルバムを聴くまでは、ドリフターズって「曲をあてがわれて歌うだけの、白人が作った黒人音楽マーケット向けの音楽」と思っていました。ところがいざクライド・マクファター期とベン・E・キング期の音楽を聴いてみるに、黒人音楽である事を強く意識して作っていたのかも知れなません。シングル曲でないものほどそうなので、アルバムを聴かなかったらこうは感じなかったんじゃないかなあ。アメリカのルーツ・ミュージックが産業化する瞬間の音楽、すごくよかったです。


Category: CD・レコード > ブルース・ソウル   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『Clyde McPhatter & The Drifters』

Clyde McPhatter and The Drifters ポップスのヒットチャートに出てくるオールディーズの黒人コーラスグループといえば、プラターズのほかにドリフターズが思い浮かびます。
 ドリフターズといえば、「スタンド・バイ・ミー」を歌ったベン・E・キングがリードヴォーカルで、「ディス・マジック・モーメント」とか「ラストダンスは私に」をヒットさせたグループと認識していたもんで、プラターズと似たりよったりのポップなコーラスグループと思ってたんですよ。ところがこのグループ、そんな一筋縄でいくグループではありませんでした。僕にブラック・ミュージックを色々と教えてくれた同僚Kが、「ドリフターズと言ったら普通はクライド・マクファター期でしょう」とかいうんですよ!そもそもクライド・マクファターって誰だよ…僕は「え?何それおいしいの?」ぐらいのチンプンカンプン状態だったわけですが、するとKが貸してくれたのがこのアルバムでした。

 オリジナルのリリースは1956年ですが、クライド・マクファターがドリフターズに在籍したのは1955年までだったので、それまでに発表されたシングルなどを集めたアルバムなのかも。ドリフターズはもともとはクライド・マクファターのリード・ヴォーカルを支えるグループとして結成されたそうで、だからこのレコードは「クライド・マクファター&ザ・ドリフターズ」という名称なんですね。なるほど、同僚Kの言葉「ドリフターズと言えばマクファター期」の意味が分かった気がしました。新日と言えば猪木、巨人と言えば長嶋、みたいなもんですね。

 ちょっと驚いたのは音楽。まず、録音がセルジオ・メンデスやルイ・アームストロングみたいに、まるでSP盤みたいなレトロな音。僕が貸してもらったレコードのカッティングがそうだっただけかも知れませんが、このレトロな音もあって、フィフティーズのチャートを賑わすことになる黒人コーラスグループの音楽というより、そのルーツを聴いた思いがしました。「あ、なるほど、フィフティーズの黒人コーラス・グループの音楽って、ゴスペルやスピリチャルのチャートミュージック化したのがスタートだったんだな」みたいな。実際にどうだったのかは知りませんが、コーラスがファルセットでヴィブラートを入れるとか、随所にゴスペルっぽさが残ってるんですよ。

 クライド・マクファター期のドリフターズと言えば、このアルバムにも入っている「Money Honey」や「Honey Love」あたりが比較的知られた曲ですが、そういう曲を単発で聴くだけだと「ああ、古き良きポップなフィフティーズだな」ぐらいにしか感じませんでした。ところがアルバムを通して聴いていると、ゴスペルという生活に密着した音楽と、ラジオなんかでも聴いて楽しめる音楽に発展させようとした過程を目の当たりにしているようで、すごく良かったです。ベン・E・キング期のヒット曲がドリフターズだと思っていた僕には、ルーツ・ミュージックの良さも感じられた素晴らしい体験でした。う~ん、これはいい。。


Category: CD・レコード > ブルース・ソウル   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『The Platters / Sincerely』

The Platters Sincerely というわけで、オリジナルの「オンリー・ユー」や「煙が目にしみる」を聴くためだけに追加買いしたプラターズのCDが、マーキュリー原盤のこのベスト盤でした。

 おおー、「オンリー・ユー」も「煙が目にしみる」も「夕陽に赤い帆」も、あの有名なバージョンでした!レコード会社をまたいで長く活動しているグループのベスト盤って、自社原盤でない曲は再録する事があるので、オリジナルを聴きたいときは注意が必要なんですよね。オリジナル発表時期と同じレコード会社がリリースしたベスト盤ならだいたい大丈夫ですが。僕は同じ失敗をチャック・ベリーペレス・プラード、果ては中森明菜でもしていたというのに、同じ手に何度も引っかかってるなあ。というわけで、ギターのストロークで始まるあの「オンリー・ユー」を聴きたい方は、このCDを買えば間違いないです!

 ところが…あら、オリジナルがこんなに音質が悪いとは思いませんでした。音質だけでなくアレンジもちょっと素人っぽくて、弦アレンジも再録したものの方がカウンターをきちんと取れていて完成度が高いな、な~んて思ったり。ついでに、このベスト盤には「グレート・プリテンダー」も「ハーバー・ライト」も「マイ・プレイヤー」も入ってないです。う~む。。
 というわけで、「オンリー・ユー」以下、知っているあのアレンジで聴きたいので、このCDを手放す事はないんですが、録音やアレンジのいい他のベスト盤も手放せない状態。エルヴィス・プレスリーやエディ・コクランあたりもそうですが、シングルでの発表が主流だったフィフティーズの音源のコレクションって、なかなか一筋縄でいかないもんですね(^^;)>。


Category: CD・レコード > ブルース・ソウル   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『The Platters / The Greatest Hits 20』

The Platters The Greatest Hits 20 名曲「オンリーユー」は子どもの頃から知っていたのですが、歌っているのがプラターズというコーラス・グループだと知ったのは、中学生の頃にテレビで観た物まねが最初…ビジーフォー、最高に面白かったなあ(^^)。以降、「煙が目にしみる」「マイ・プレイヤー」「ハーバーライツ」という名曲を知るたびに「これもプラターズなのか」と驚かされ、とうとう買ったのがこのベスト盤でした。

 おお~やっぱりいいなあ。すごくいい。あれ?でもなんか違うぞ?「オンリー・ユー」のイントロにギターがいないし、弦アレンジもこんなだったっけ?…これ、どうやら何曲かは再録されたもので、有名な原盤とは違うアレンジでした(^^;)。明らかに違うと感じたのは、「オンリー・ユー」「煙が目にしみる」「夕陽に赤い帆」…50年代にヒットした曲は違う録音なのかも知れません。でも、知っているバージョンよりアレンジが良いものもあって(「オンリー・ユー」の弦アレンジなんて、こっちのほうが絶対いい)捨てがたかったんですけど、でもオリジナルを聴きたかったなあ。

 他にこのベスト盤で面白かったのは、60年代に入ってからのプラターズの曲がいっぱい入っていた事でした。僕は50年代のヒット曲しか知らなかったもんで、「オンリー・ユー」や「煙が目にしみる」みたいに弦中心のオケでムーディーなコーラス・グループというイメージだったんですよね。ところが60年代に入ると弦はなくなり、R&Bとソウルの間ぐらいの音楽。プラターズがこんな音楽をやるなんてビックリでしたが、、これはこれでけっこうカッコよかったです。

 というわけで、面白い所もいっぱいあったベスト盤でしたが、やっぱりオリジナルの「オンリー・ユー」や「夕陽に赤い帆」を聴きたいぞ…というわけで、僕はプラターズの別のベスト盤にも手を指すことになりまして…その話はまた次回!


06 2023 « »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

月別アーカイブ
検索フォーム
これまでの訪問者数
最近気になってるCDとか本とか映画とか
ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
アド
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Archive

RSS