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心に残った音楽♪

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『Parliament / Mothership Connection』

Parliament_Mothership Connection ファンカデリックと並ぶPファンクのバンドがパーラメント。これは75年発表の4枚目のアルバムです。どっちもジョージ・クリントンが作ったバンドですが、ファンカデリックの方がロック色強めで重くて攻撃的、一方のパーラメントは軽くてポップでエンターテイメントなファンクという印象です。あくまで僕の印象ですけどね(^^)。これは、「パーラメントを聴くならこれ!」という触れ込みで聴いてみた1枚でした。

 足をおっぴろげて宇宙船に乗ってるチープなジャケット、これがすべてを物語っておりました(^^;)。軽くて、ふざけていて、安っぽいファンク。それを楽しめるかどうかが、パーラメントを楽しめるかどうかなのかも。最初聴いた時は馬鹿にされている気がして最高にムカつきましたが、それは僕がキング・クリムゾンやフリージャズや現代音楽を好んじゃうような人だったからで、いま聴くとけっこう気持ちよかった(^^)。シンセ、ホーンセクション、ビヨンビヨンしてるベース、これがディスコっぽいファンクを作り出してて、けっこう気持ちいいです。基本的にずっとループだし、スライやJBみたいに熱く激しいファンクじゃなくて、ゆるいグルーヴなので、嵌まれば最高だし、ハマらなかったら退屈かもしれません。

 僕のブラック・ミュージック体験って、最初がブルースで次がジャズ。そのあとソウルをちょっと聴いて、あとロック関連でスライやスティーヴィー・ワンダーを…という順でした。だから全体が見えてなくって、勝手に「黒人は歌がうまい、リズム感が良い」とか、ディープな音楽をやるとか、そういう「通好みの素晴らしい音楽をやる人たち」という先入観を持ってました。でも、70年代や80年代のブラック・ミュージックを聴くと、白人以上に安い産業音楽をやっていたりして、むしろ白人より割り切ったエンターテイメントとすら言えるんじゃ、なんて思ったのでした。パーラメントやアース・ウインド&ファイアやディスコあたりで、そう思ったんですよね。
 というわけで、パーラメントはこのアルバムしか聴いてないんですが、住み分けされたブラック系のラジオ番組あたりでエンターテイメントをやっていたバンドなんじゃないかと想像しておりまして、あくまで聴いて楽しいエンターテイメントだと思ってます(゚∀゚*)。


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『Funkadelic』

Funkadelic_Funkadelic.jpg シン・リジィやJ.ガイルズ・バンドドゥービー・ブラザーズを聴いて学んだことがあります。60~70年代の英米ロックって、売れなかったデビューアルバムがいちばん面白い事が高確率であるのです。ファンカデリックも、名盤と言われている4枚目『Maggot Brain』や10枚目『One Nation Under the Groove』を聴く限り、どちらも明らかなセールス指向、聴く側に合わせている感があり過ぎなのです(^^;)。このパターンは、デビュー作で自分たちのすべてをぶつけたけど、それが売れなかったもんだから心が折れ、さらにレコード会社の人から説得され、「音楽で生きていくためには…」と、セールスを優先してしまったに違いありません…たぶん。ファンカデリックもこのパターンでした。発表は1970年、意外と早くデビューしてたんですね。

 ほ~らみろほらみろ、やっぱりファーストがダントツでカッコいい!!色んな事を言われてるアルバムみたいですが、僕が人にパーラメントやファンカデリックを薦めるなら、絶対にこのファンカデリックのファーストアルバムです!ひとことで言うとえらいサイケなファンクで、同じファンクでもディスコ寄りのものとぜんぜん違います。ファンクよりサイケ成分の方が強いぐらい。延々と続くゆるめのファンクグルーブに、じわじわくるギタープレイ。音楽もけっこう暗くてシリアスで、サイケデリック感を足した初期スライというか、明るくないミーターズというか、そんな感じ。インスト曲が多くって、ブラックなドラッグ・ミュージックな雰囲気。こんなのクラブとかで聴いてたら、いつまでも延々とやっていてほしいと思ってしまいそう(^^)。

 これはカッコいい、ファンクと言っても古くさいサウンドですが、それがいい。ファンカデリック最高傑作は絶対これでしょう!ファーストが売れなかったバンドが方向を変えるのって、要するに音楽よりセールスを優先するって事ですよね。そのへんの価値観がアメリカっぽいなあ。


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『Funkadelic / One Nation Under a Groove』

Funkadelic One Nation Under a Groove Pファンクの雄ファンカデリック、1978年発表の10枚目のアルバムです。やっぱりこれもレコード・コレクターズのディスコグラフィーや紹介文を読んで品定めした1枚で、「ファンカデリック最高傑作」みたいな文言を読んで買ったのでした。『Maggot Brain』と違うのは、ベースにファンク時代のジェームス・ブラウンのバンドにいたブッツィ・コリンズが入っている事。ここが一番大きいと思います。

 このへんになるとロック色はかなり控えめになって、ファズ噛ませまくりのジミヘンなアドリブのギターソロが絡む時がある以外は、かなり普通にファンクでした。そのファンクというのも、ジェームス・ブラウンの『Love Power Peace』や、スライのウッドストックでのパフォーマンスみたいなハードなアレじゃなくって、ブラック系ラジオ局のチャートに出てくるようなピコピコいうポップなファンクって感じです。
 ただ、ブラック・ミュージックとしての主張みたいなものがあるみたいで、漫画みたいなLPのジャケットの内側には、色んな事が読み切れないほどビッシリ書いてあります。「THE FUNK WAR」なんていうフィクションや、漫画なんかも書いてあったりしてね。完全に娯楽音楽に聴こえるパーラメントに比べると、合衆国に住むアフリカン・アメリカンの主張みたいなものもファンカデリックにはあるのかな、なんて気もしなくもないのですが、なんかどこまで本気か信じられない(^^)。少なくとも、ボブ・マーレイみたいなマジなメッセージではないと個人的には思ってます。

 これも『Maggot Brain』同様に、悪くないんだけどハマりきれませんでした。同時代の合衆国のブラック・ミュージックだと、ダニー・ハサウェイでもカーティス・メイフィールドでもアレサ・フランクリンでもも、ニュー・ソウルがすごくクオリティが高いのに、ファンクはあくまでチャート・ミュージックかダンス・ミュージックという感じがしちゃうんですよね。ファンカデリックは、その中ではちょっと屈折してる感じかな?


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『Funkadelic / Maggot Brain』

Funkadelic_Maggot Brain ファンクにも色々ありますが、ジョージ・クリントン(大統領じゃないです^^;)率いるPファンクという大きなムーブメントがありました。このレコードは、パーラメントと並ぶPファンクの主要グループだったファンカデリックのサード・アルバム、1971年発表です。Pファンクの名前すら知らなかった頃(30年ぐらい前?)にレコード・コレクターズで特集が組まれて、そこではじめてディスコグラフィーを見ました。パーラメントに比べるとロック色やサイケ色が強いらしく、その中でもこれがジミヘン張りのギターが聴けるなんて書いてあったので、取り急ぎここから手をつけたのでした。はやいなあ、あれから30年ぐらいたったのか。。

 なるほど、ピコピコしてふざけているように聴こえたパーラメントに比べると、けっこうロックでハードです。たしかにギター弾きまくり、ジミヘンっぽくもあります…けど、僕が思ってるジミヘンとはかなり違うかな(^^;)。このギターはエディ・ヘーゼルというポスト・ジミヘンとしてけっこう有名な人。でも結局はペンタトニック1発なので、弾きまくってると言ったってものすごく簡単そう。むしろ、最後の曲「Wars of Armageddon」でのワウとカッティングが炸裂したファンクなギタープレイの方が個人的には燃えました。まあでも持ち上げるほどではないかな…。

 ゴスペルっぽいコーラスが聴けたりして、ファンクとサイケデリック・ロックの間ぐらいのブラック・ミュージックという感じで、けっこう暗くてドロドロ。知らずに黒人居住区に足を踏み入れてしまったようなヤバさを感じました。黒いんですよね。でも、ハマるという所までは行きませんでした。熱いし暗いし、好きなタイプの音楽の筈なんですが、いかんせん単純すぎ。プレイもクリームやエクスペリエンスやスライに比べるとぜんぜんヌルい感じ。とはいいつつ、Pファンク系では、このアルバムはまあまあお気に入りの方かな(^^)?結局、エンターテイメントが強すぎる音楽なんですよね…。


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『Bukka White / Parchman Farm』

Bukka White Parchman Farm デルタ・ブルースで印象に残っている人をもうひとり。これもミシシッピ・デルタのブルースマンで人気のひとり、ブッカ・ホワイトです!ブッカ・ホワイトは1904年生まれ、セミプロで演奏活動をしていた鉄道員の父親の影響で音楽を始め、チャーリー・パットンに憧れたブルースマンです。
 このアルバムは、1937年と40年にシカゴで行われた3つのセッションを集めた、ブッカ・ホワイトのコンピレーション盤です。実はこの37年と40年のセッションの間に、ブッカ・ホワイトは銃で男を撃ち、殺人罪で終身刑を宣告されています。このアルバムのタイトルとなっている「パーチマン・ファーム」とは、ブッカ・ホワイトが収監されたミシシッピ州刑務所の事です。
 このレコード、日本では75年にCBSソニーが日本盤LPを出し、以降CDでも何度かリイシューしてきたので、ブッカ・ホワイトといえばこのアルバムを聴いた人も多いのではないでしょうか。私もその口でしたね(^^)。

■戦前ブルースの侮れない存在…洗濯板!
 このアルバムはブッカ・ホワイトのひとり弾き語り…かと思いきや、よくこんなにカッティングしながらボトルネックを使えるものだなと思ったら、ウォッシュボード・サムが洗濯板を演奏しているものがありました。「え、これってどこにウォッシュボードが入ってるの?」と思うものもありましたが、スピーディーにガシガシと進んでいく「Special Streamline」という曲では、洗濯板の演奏が隠し味として絶妙。洗濯板…って思う方もいらっしゃるかもしれませんが、戦前ブルースで洗濯板を使うのは常套手段で、しかも七味や胡椒のように目立ちはしないけど入っているといないでは雲泥の差、みたいな。隠し味ではあるけど、ウォッシュボードが入っていると音楽がグルーヴするんですね。。
 そうそう、このアルバムで洗濯板を演奏したウォッシュボード・サムは、洗濯板の演奏では大有名人です。ちなみにブッカ・ホワイトがウォッシュボード・サムと知り合ったのは1935年の事。ピーティー・ウィートストローと一緒に、はじめてシカゴを訪れたときで、他にはビッグ・ビル・ブルーンジーともこの時に知り合ったそうです。ブルースってミシシッピ・デルタからシカゴへと主戦場を移していきましたが、そのルートは30年代にはすでに出来上がっていたんですね。

■野太い!男くさい!豪放磊落なヴォーカルこそブッカ・ホワイト
 そして、ブッカ・ホワイトの歌を聴いて最初に印象に残ったのが、低音が響きまくる野太いヴォーカルでした!同じデルタ・ブルースでも、ロバート・ジョンソンサン・ハウスはギターの方に耳がつられた私でしたが、ブッカ・ホワイトはなによりまずヴォーカルでした。ブルースのこういう低音を響かせて声を張るヴォーカルって、B.B.キングもそうだし、マディ・ウォーターズオーティス・ラッシュもそうだし、ゴスペルやスピリチャルからの流れもあるのかも知れません。あ、そうそう、ブッカ・ホワイトは1930年にゴスペルの曲も録音していたので、これは間違いないところかも。
 このアルバムで言うと、「Aberdeen, Mississippi」でのヴォーカルは絶品でした。ちなみに「Aberdeen」は、19世紀末に鉄道の分岐点となったサウスダコタ州にある都市のことではなく、ミシシッピ州モンローにある町の事です。2020年での人口が5000人弱という町ですが、モンローの郡庁所在地。ブッカ・ホワイトは二番目の奥さんと、この場所で農場を営んでいたそうです。

■ギターはデルタにしてはシンプル…かと思いきや
 そして伴奏となるギターですが、このアルバムに収録されている曲の多くは、ジャカジャカといったコード・ストローク。デルタ・ブルースというから、それこそロバート・ジョンソンやサン・ハウスのようなひとり多重層的な演奏をイメージしてしまいましたが、コード・ストロークだけで歌うタイプのフォーク・ミュージックに近い音楽でした。「high Fever Blues」なんて、その良い例。野太い歌にシンプルな伴奏なので、「豪放磊落」が、ブッカ・ホワイトの一番強いイメージになるかも。

 ところが、さすがはチャーリー・パットンに憧れたミシシッピ・デルタのブルースマン。それだけで終わるはずがありませんでした。数は少なかったですが、ストロークとボトルネックを見事に同時演奏した曲も入っていたのでした。それが「Fixin' To Die」、「Bukka's Jitterbug Swing」、そして「Special Streamline」の3曲。演奏が潰れて録音されてしまっているチャーリー・パットンやロバジョンよりも録音が良い事もあるのでしょうが、ボトルネックのこのカッコよさはブルース以外では聴けない特別なもの。貨物列車が荷物を運んでやってきたアメリカ南部の小さな駅舎の横で、階段に腰掛けながらこういう音楽を聴かされたらたまらないでしょうね。もう、そういう光景が浮かんできそうな音楽でした。この3曲を聴けるだけでも、お釣りがくると思ってしまいました。
 ちなみに、「Fixin' To Die」は、フォークの超大物ボブ・ディランデビュー・アルバムでカバーしました。50年代に入るとロックンロールなどの流行でかき消されてしまったブッカ・ホワイトが、ボブ・ディランが「Fixin' To Die」をカバーした事で、60年代にリバイバルする事になりました。
 しかし、これだけ素晴らしい演奏が出来るのに、なぜなかなかやってくれないんでしょう。その私なりの推論はまたあとで。

Bukka White_pic1■リゾネーター・ギターの独特の響きがここに!
 ブッカ・ホワイトといえばリゾネーター・ギター。ギターのサウンド・ホールのところに鉄板を張って音量を稼げるようにしてあるアレです。ちなみに、ブルースでは鉄板をつけますが、ブルーグラスでは木の板をつけるらしいですね。ちなみに、よく言うドブロ・ギターというのは、ギター・メーカーの名前。ドブロ・ギター社の作ったリゾネーター・ギター、みたいな感じです。リゾネーター・ギターはドブロ社の専売特許ではなく、他にはナショナル・ギター社なども作っています。ブッカ・ホワイトのギターって、ヘッド部分に「ナショナル」という刻印が見えるので、もしかするとナショナル社のリゾネーター・ギターを使っていたのかも知れません。
 
 そのレゾネーター・ギターの破壊力。レゾネーター・ギターって、元々は弱音楽器であるギターの音量を稼ぐ目的で製造されたそうですが、実際にはあまり音量があがらなかったそうですね。そのかわりに、鉄板に跳ね返った音がギランギラン。よく言えばえらい派手で、悪く言えば下品な音がします。このアルバムには、正直のところレゾネーター・ギターなのかどうかよく分からないものも多く入っていましたが、1曲だけものすごくギラギラした音の演奏が入っていました。それが、アルバムのトップを飾る「Pinebluff, Arkansas」。この曲はレゾネーター・ギターだけでなくボトルネックも使っているんですが、ボトルネックで演奏した部分のサウンドが特にギラッギラでカッコよかったです!!

■典型的なブルース曲かと思いきや…
 曲について。1930年あたりに録音されたチャーリー・パットンやサン・ハウスのデルタ・ブルースと比べると、スリーコードでワンコーラス12小節というブルースの定型がかなりはっきりしてきていました。せいぜい10年ぐらいしか離れていないんですが、ラジオや録音が発明されて以降の音楽の進化って速いですよね。
 ところが、聴いていると定型のはずが「おっ?」と思わされることがしばしば。ブルースの12小節って、歌で言うと4小節で一節というものが多いですが、こうすると節と節のあいだにスペースがあって、バンド・ブルースになると、この隙間でギターやハーモニカがフレーズをバンバン叩き込んできて、歌といい掛け合いになります。でもこのレコードでのブッカ・ホワイトは独奏なので、コード・ストロークだけでは間が開いてしまいます。ではどうするか…なんと拍数自体縮めてしまうのでした。
 一番多いのは、2つ目の節の最後となる8小節目を、4拍から2拍に変えてしまう事。曲で言うと「Where Can I Change My Clothes」や「Sleepy Man Blues」でこれをやっていましたが、今まで4拍で来ていたものが2拍になるので、えらくトリッキーになり、シンプルな構成で出来ているブルースにとって、いいアクセントになっていました。
 どうしてブッカ・ホワイトはこういう事をやったんでしょう。推論のひとつは、せっかちだから。先ほど述べた、「テクニカルなストローク伴奏とボトルネックのコンビネーションを演奏できるのにしない」ことや、豪快なヴォーカルに繋がる感性の気がするんですよね。レベルの高い演奏をできるのにしないのが「面倒だから」、繊細ではなく豪放なヴォーカルとなった理由は「細かい事を気にしないから」だとしたら、ブッカ・ホワイトというブルースマンの音楽が、何となくわかる気がしませんか?

■この録音とブッカ・ホワイトの人生の関係
 このレコードに収められた曲以前のブッカ・ホワイトの録音は、1930年5月、ビクターが行ったメンフィスでの録音があります。
その次がこのレコードに収められた14曲で、その内訳は、37年2月9日録音が2曲、40年7月3日録音が6曲、40年8月3日録音が6曲、いずれもシカゴでの録音です。37年に録音されたのは、先ほど「いかにもレゾネーター・ギター」と言った「パイングラフ・アーカンソー」と「シェイク・エム・オン・ダウン」。という事は、少なくとも37年の録音ではレゾネーター・ギターが使われていたのかも知れません。
 シカゴでの録音が終わり、ミシシッピにある故郷アバディーンに戻ったホワイトは、10月に銃撃事件を起こし、11月に殺人罪で終身刑を言い渡されました。結局、37年録音がEPとしてリリースされたのは、ホワイトが刑務所に入っている最中で、皮肉にも「シェイク・エム・オン・ダウン」は大ヒット。ブルースのスタンダード・ナンバーになりました。
 アメリカでの終身刑というのがどういうものかよく分かりませんが、ホワイトは2年間服役したのちに釈放。そして録音されたのが、このレコードに入っている40年録音の12曲というわけです。なんでも、ありものの曲を録音しようと思ったら、プロデューサーから「他の人がもう録音してるから売れねえ。新曲を書け」といわれ、急いで何曲か書いたんだそうです。
 この新曲の中には、ブッカ・ホワイトが服役した刑務所での実体験を語ったものがあって、そのひとつが「パーチマン・ファーム・ブルース」というわけです。この曲、ワンコーラスが裁判の模様、セカンドコーラスが妻への思い、次が終身刑を喰らった自分からこの歌を聴いている人へのメッセージ、次に日が昇ってから沈むまで労働を強いられる刑務所生活について、という順で進んでいきます。フィクションではなく実体験の追想という所が、実にブルースです…。

■このレコードのバリエーション
 レコード『Parchman Farm』の初出は、CBSが69年にイギリスとドイツでリリースした『Bukka White』というコンピレーションです。内容は1937年から40年までの録音を集めたものでした。それが今回紹介した『Parchman Farm』というタイトルとドアップジャケットになったのは、翌70年にアメリカでコロンビアが出した時からです。さらに、85年には『Aberdeen Mississippi Blues 1937-1940』なんてタイトルのレコードもイギリスで出されました。ジャケとタイトル違いとなったこの3つのレコードですが、収録曲は曲順まで含め、どれも同じ。
 チャーリー・パットンに憧れた人の全盛期がいつだったのかを考えても、パットンの活躍時代に少し遅れた37年から40年の録音であるこのレコードは、ブッカ・ホワイトを聴きはじめるファースト・チョイスにふさわしいと思うんですよね。このコンピを気に入ったなら、その次が、歴史的な意味合いも含め、30年5月に行われたビクターでの録音。その次がボブ・ディランがブッカ・ホワイトの曲を取り上げたことをきっかけに起きた、1962年以降のリバイバル録音のどれか、という順が良いのではないでしょうか。

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 豪放磊落な中にもチラチラと本物の匂いがするブッカ・ホワイトの音楽の背景には、終身刑を宣告されるという、人生を丸ごと左右するような出来事がありました。そりゃ迫力も出ますよね…。というわけで、ブッカ・ホワイトを聴くなら、僕的なお薦め第1位はこれ。全曲がそういう曲というわけではないのですが、レゾネーター・ギターの魅力が伝わる曲と、ボトルネックの妙技を聴くことが出来る曲は必聴。ブルースが好きな方はぜひ!


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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