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心に残った音楽♪

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『Tito Puente / Top Percussion』

TitoPuente_YopPercussion.jpg 1958年年リリース、ティト・プエンテのリーダー作です。これもサルサ楽団のバンドリーダーとしてではなく、パーカッショニストとしてのティト・プエンテに焦点が当たったアルバムでした。同様のアルバムではやや芸術音楽調だった『Tambó』に対し、こちらは民族音楽調。いやあ、こういうのをリリース出来てしまうところに、RCA やティト・プエンテのの懐の深さを感じます。

 アルバムは、サイドAがティト・プエンテ以外の人が書いた曲、サイドBがティト・プエンテの書いた曲でした。とはいえどちらもほぼ同様の傾向で、これがサルサ・バンドのリーダーが創り出したアルバムとは信じられないほどの民族音楽調。作曲者のクレジットを見てもなお、僕は「これってアフリカの音楽そのままでしょ?その打楽器隊のアンサンブルを作ったのが作曲者というだけでしょ?」という疑問をぬぐい切れなかったほどでした。すげえ。
 ヴードゥーの音楽やアフリカ音楽でほぼこのままの形式を聴いたことがありますし、このブログのワールド・ミュージックの欄にアフリカ音楽がいっぱい紹介してありますので、ぜひアフリカのコール&レスポンスの音楽を聴いてみてください。そっくりどころか、ほとんどそのままなのです。打楽器セクションこそないものの、アメリカの黒人教会の集会でもこんな感じなのがあったな…。ティト・プエンテってヒスパニック系だと思うんですが、アフリカ系の音楽に惹かれるんですかね…。

 音楽の構成は、全11曲中7曲がヴォーカルとコーラス入り。ヴォーカルはコールするひとりとレスポンスする大勢に分かれ、節こそついているものの歌からは遠く、うしろでパーカッション隊が強烈なポリリズムをたたき出して、ループを創り出していました。パーカッション隊の中にはモンゴ・サンタマリアの名前もありました。クレジットを見るとベースも入っているのですが、私はベースをぜんぜん聴きとれていませんでした。ラテン音楽だと思って安いスピーカーに切り替えて聴いていたんですが、低音をろくに再生できない安いスピーカーで聴いてちゃダメですね(^^;)。

 ただし、ティト・プエンテ作曲のものにはヴォーカルの入っていない純粋なインストもあって、この中には上記のパーカッション合奏をラテン音楽調のリズムにアレンジしたものも入っていました(M9「Ti Mon Bo」)。これを聴いて、何となく合点がいった気が…
 楽器って、その道を究めていくとジャンル関係なしにその楽器で園児らっる音楽の技術すべてを追うようになっていったりするじゃないですか。たとえばギターの道を追っていったら、最初はフォークやロックやジャズから始まっていたとしても、フラメンコのラスゲアードも、ボッサのクラーベも、クラシックギターのひとり多重奏も、みんな演奏できるように道を究めていきますよね。ティンバレスというひとりポリリズムを創り出すティト・プエンテが、ポリリズムを追求する過程で西アフリカのタムタム合奏に触れないままでいるなんて、あり得ないと思うんですよね。

 ワールド・ミュージック大好きな人なら、この音楽はすんなり入ってくると思うんですが、戦後の英米ポップロックやその亜流(日本のチャート音楽もですね^^;)で音楽観が完成している人、反対にサルサに強い固定観念を持っている人なんかが聴くと、ちょっと抵抗がある音楽かもしれません。でも、そういうものをいちど捨ててしまえば、これは間違いなく素晴らしい音楽だと思いました。
 現代の視点でこの音楽とリスナーの間に生まれる意味を想定するとしたら、ソロでも合奏でもポリリズムに魔術的な才能を発揮したティト・プエンテの音楽の背景にあったものを知ることが出来る、ラテン・ビッグバンドがいないのでサルサ・バンドの強烈な打楽器陣がどういう演奏をしているのかをはっきり聴きとることが出来る(あ、そういう意味ではラテン音楽をやっている打楽器奏者の人には最高にありがたいアルバムかも)、プレーヤーというものが表で演奏する音楽と裏で追及しているものは実は大きく違っていたりするという事を知ることが出来る(ましてエンターテイメント音楽に従事しているプロ・プレーヤーの場合はなおさら)、な~んて所は、仮にこの音楽に馴染めない人にとっても起きなプラスとなるアルバムかも。いや~それにしてもすさまじい演奏でした、すごい…。


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『Tito Puente‎ / Tambó』

Tito Puente‎ Tambo 1960年発表、ティト・プエンテが発表したアルバムです。クレジットに注目で、これってティト・プエンテ楽団ではなくて個人名義なんですよね。ここがこのアルバム最大の特徴を見事に反映していて、ダンス音楽縛りもラテン・ビッグバンドのアンサンブル縛りもなく、ティンバレス演奏の凄まじさ大フィーチャーの曲が目白押し。これがすごいんですよ!
 音楽は、ラテン・ビッグバンドを使ったパーカッション協奏曲のようでした。協奏曲は言いすぎかな…ビッグバンドがアンサンブルパートを演奏したら、あとはパーカッション隊の演奏を聴かせまくる、みたいな。もう、この打楽器セクションの演奏といったら、言葉ではとうてい伝えきれない凄まじさでした。打楽器だけじゃなくて音楽全体もすごく良かったんですけどね。。

 そんなこのアルバム、僕的には3つほど際立った特徴を感じました。ひとつはパーカッションの演奏の凄さ、ひとつは純音楽としての素晴らしさ、もうひとつはヒスパニックとしてのアイデンティティです。
 まずは打楽器奏者としてのティト・プエンテの演奏技術にフォーカスされている点について。1曲目「Dance Of The Headhunters」の打楽器チームの演奏の凄さなんてちょっと言葉が出ないレベルだし、管アンサンブルのヘッドが終わったらひたすらすさまじいティンバレス演奏が続く4曲目「The Ceremony Of Tambo」なんて、ほとんどティンバレス協奏曲です。そもそも、ティンバレスという楽器をあそこまで凄い楽器だと知らしめたのって、ティト・プエンテですよね、多分。その極めつけという演奏をこれでもかと聴くことが出来て、僕はもう思い残すことはありません(^^)。

 ふたつ目は、ダンス音楽から離れ、純音楽としてのカッコよさを追求した曲の多さ。3&6曲目「Rumba Timbales」「Cuero Pelao」なんてもうほとんど実験音楽ですし、2曲目「Call Of The Jungle Birds」や10曲目「Witch Doctor's Nightmare」は、まるで60年代のニュージャズ的な先鋭的なイメージで、その妖しくもアグレッシヴな曲想に私は思いっきりやられてしまいました。このクラシックなジャケットに騙されちゃいけません、音楽はめっちゃ先鋭なんですよ!!

 3つ目は、その純音楽の方向性。ヒスパニックという自分のアイデンティティを追っているのか、中米独自の音楽というものを生み出そうとしているように聴こえました。M2「Call Of The Jungle Birds」、M7「Jungle Horiday」、M12「Voodoo Dance At Midnight」なんて、音楽自体が素晴らしいんですが、タイトルだけを見ても中南米やアマゾンを意識しているようにしか思えないです。「Voodoo Dance At Midnight」なんて、これがブードゥー教の祭祀音楽だと言われたら信じてしまいそうなぐらいの怪しさと狂乱ぶりのある音楽でしたが、僕が実際に聴いたブードゥーの音楽って、ぜんぜん違うんですよね。。ジャングル・ビートって言葉があるじゃないですか。あと、昔ブログで「エキゾティカ」なんていうジャンルの音楽を紹介したことがあったじゃないですか。あんな感じで、実際にそういう音楽があったにせよなかったにせよ、そういう「ヒスパニック的」「中米的」なものを生み出そうと意欲を強く感じました。日本って、簡単に「日本とは」という所を手放すじゃないですか。でもラテン・アメリカ系の人は、ここを常に意識するというか。

 合衆国在住または合衆国に出稼ぎに来るヒスパニック系のミュージシャンが演奏するラテン音楽って、まずはご陽気なエンターテイメント性が目立つじゃないですか。ティト・プエンテもそうしたショー・バンドからキャリアをスタートさせた人でしたが、そんな人がこれだけ硬派なアルバムを出せるのも凄ければ、実際にこれだけの音楽を生み出せたのも凄いと思いました。サルサってキューバをはじめとしたラテン音楽とジャズのあいのこだと思っているのですが、それだけにジャズへの目配りはあって、ジャズが芸術音楽音楽への深度を深めていった60年代というのが、このアルバムにも影響したのかも知れません。


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『Astor Piazzolla / Concerto Para Quinteto 五重奏のためのコンチェルト』

Astor Piazzolla Concerto Para Quinteto 1970年録音(71年リリース)、作編曲家/バンドネオン奏者のアストル・ピアソラのスタジオ・アルバムです。A面がキンテート、B面がバンドネオン独奏、B面ラスト「Recuerdos de Bohemia」(ボヘミアンの思い出)がバンドネオン四重奏でした。僕が買ったのは日本盤で、これにはバンドネオン多重録音とバンドネオン二重奏のボーナストラック3曲が入っていました。

 面白かったのは3曲入っていたキンテート演奏の曲。「五重奏のためのコンチェルト Concierto para Quinteto」は、バンドネオンとオケが掛け合いになるコンチェルトではなく、バロック・コンチェルトのようにプレーヤーそれぞれに見せ場があるコンチェルトでした。僕はピアソラ五重奏団ではエレキ・ギターだけは要らないと思ってますが(音がオケに混じらない^^;)、ここでトリを務めたカチョ・ティラオのギターの速弾きは素晴らしかったです。これ、楽譜通りに弾くの大変だったんじゃないかなあ。

 そして、ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」シリーズから、「ブエノスアイレスの冬 Invierno Porteño」と「ブエノスアイレスの春 Primavera Porteña」の2曲が入っていました。これは作編曲が素晴らしくて感激。どちらも劇的構成をしていて、時としてちょっとタンゴらしくないんですよね。ただ、ピアソラの音楽って、どこかで「大衆音楽のタンゴに近づけなきゃ、タンゴらしくしなきゃ」と迎合しているように感じる時があるので、むしろタンゴの枠をはみ出していくこういう曲の方が、僕は好きです。

 作編曲だけでなく演奏も素晴らしくて、間違いなく良い音楽だと思いました。ただ、いかんせん古いピアソラのレコードは録音が悪くて、そこで凄く損をしてると感じてしまいました。僕、レコードを楽しむためだけに聴いているわけじゃなくて、どこかで音楽の勉強をしているつもりで聴いているフシがあるんです。自分の作曲や演奏に反映させようと思ってい聴いている、みたいな。そういう意味で言うと、このアルバムで良かった3曲はスコアやある程度整った模範演奏が欲しいのであって、そうなるとこのアルバムはお役御免かも。だって、「五重奏のためのコンチェルト」は、このブログのアルバム紹介第1号『Tango: Zero Hour』に演奏も録音も素晴らしいものが収録されていましたし、四季シリーズは『レジーナ劇場のアストル・ピアソラ1970』にほぼ同じメンバーで4曲すべてを演奏していましたし。


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『Astor Piazzolla Y Su Quinteto / Piazzolla En El Regina レジーナ劇場のアストル・ピアソラ1970』

Astor Piazzolla Piazzolla En El Regina 1970年、アストル・ピアソラ五重奏団のライブ録音です!このライヴ・アルバムって、「ブエノスアイレスの四季」シリーズ4曲すべてがはじめて全曲録音されたものなんですよね。ところがそれ以上に演奏が素晴らしくて絶句。ピアソラの音楽ではキンテート作品が人気が高いそうですが、その白眉がこの演奏ではないでしょうか!メンバーは、ピアソラ(bdn)、アグリ(vln)、オズバルト・マンシ(p)、キチョ・ディアス(cb)、カチョ・ティラオ(eg)。

 このライブも、音がボワンボワンで決して録音がよいとは言えないと思います。音がだんごになって、だれが何を弾いているのかよく聴こえなくなる所も多いですし。でも、演奏が素晴らしかったです。これを聴いて、ピアソラってスタジオ録音と相性が悪かっただけではないかと思いました。それがアルゼンチンのレコーディング・スタジオの問題なのか、バンドの問題なのかは分かりませんが、バンド全体の躍動感も、ここのプレーヤーの表現力も、演奏が小さくなってしまう事の多かったこれまでのスタジオ録音とは、まるで違いました。
 タンゴ楽団って、たいがい打楽器が入っていないじゃないですか。あれって、バンド全体でアタックをつけ、デュナーミクを変化させ、テンポを劇的に変化させて…とやりたいからだと思うんですよね。それがスタジオ録音ではみんな失われていたのが、このライブといったらもう…いやあ、これがあってこそのモダン・タンゴですよね。スタジオ録音だと「結局長調か短調ばかり」「タンゴ的な型にとらわれすぎ」「しょせんはポピュラー音楽」な~んて思ってしまう事もあったのが、こういう演奏をされた途端に、これぞ音楽、これを聴かずに何を聴くのか…と思うほどに手のひらを返してしまう僕がいたのでした(^^)。これは素晴らしい。。

 もし他の人に、アストル・ピアソラ五重奏団のアルバムを薦めるとしたら、69年リリースのスタジオ・アルバム『Adiós Nonino』と、70年リリースのこのライブ・アルバムを推薦したいです。ピアソラの音楽をタンゴといってよいのかどうか、僕は今でも分かりませんが、タンゴやアルゼンチン音楽を聴かない方にも、ぜひ一度体験して欲しい名盤と思います!


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『Astor Piazzolla Y Su Orquesta / Pulsacion』

Astor Piazzolla Y Su Orquesta Pulsacion 1970年リリース(録音は1968~69年)、オルケスタ編成のピアソラのアルバムです。オルケスタといってもグランド・オーケストラがついているわけではなく、バンドネオン、ヴァイオリン×2,ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート or サックス、ピアノ、エレキギターといった編成でした。面白いのは木管楽器が入った曲があるところで、これで南米のポピュラー音楽というか、ジャズやブラジル音楽のような匂いが足されたように感じました。

 63年『Tango Contemporaneo』や65年『ニューヨークのアストル・ピアソラ』でも感じた事ですが、このへんのピアソラは悪い意味でのプログレッシヴ・ロックみたいな部分を感じます。色々と工夫してるけど、それが芸術音楽方面に行くのではなくて、あくまでポピュラー音楽の範囲で小細工が足し算されていく、みたいな。

 でも、このスコアって、演奏や録音次第ではそう聴こえずに済んだ可能性もあるのかな、な~んて考えたりもして。なぜこれが芸術音楽ではなくプログレに聴こえるかというと、ひとつには20世紀後半に入ってなお、まだ長調か短調でしか曲を書かないからというのはありますが、それ以上に、デュナーミクやタッチの部分での演奏表現が薄く、チマチマと書き込んだ音符の縦線をただ揃えて演奏しているように聴こえたから。でも、もしかするとそれって録音でそう聴こえてしまっているだけで、本当はもっと表現力のある演奏をしていたのかもしれない…なーんて思わなくもなかったんですよね。なにせいつものようにオンマイクべったりで録音した後に、ただ楽器を横一列に並べただけみたいなミックスになっているから、デュナーミクもアンサンブルも死んでしまった音になっていて、そんな風に聴こえてしまうのかな、と思ってみたり。それぞれの楽器がカノン状に同じフレーズを変奏して追いかけていく「Fuga Y Misterio」なんて、録音や演奏次第ではもっと音楽的に豊かに鳴らせた気もするんですよね…。

 こんな事を考えるのは、現代の演奏と比べてしまうから。今のタンゴ楽団もこのへんのピアソラの曲をよく取り上げますが、すごく音楽的に響かせる事が多いんですよね。もしかすると、僕が今のタンゴをライブハウスやコンサートホールで聴いているからそう感じるのかも知れないけど、それにしたって同じ曲なのに、オリジナルの偉大なピアソラの方が、「あれ?思っていたよりショボい?」なんて思ってしまう事に、自分でもちょっとびっくりなんです。
 というわけで、これは僕にとっては悪い意味でのプログレ的なモダン・タンゴ。いい所が山のようにあるスコアの気がしますが、サウンドしない音楽(レコード?)だぞ、みたいな。


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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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