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心に残った音楽♪

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『サザンオールスターズ / バラッド ‘77~’82』

SouthernAllStars_Ballad.jpg サザンオールスターズが発表した初期のベスト盤で、バラードを集めた2枚組です。これを最後にレーベルがInvitation からタイシタレーベル(大したレーベルって^^;…もちろんサザンのレーベルです)に移るので、Invitation 時代の総決算という意味があったのではないかと。まあ、移籍といったってどちらもビクター内レーベルなので、部署転換ぐらいなニュアンスなんでしょうけど。

 なんで初期の総決算となるベスト盤をバラッド限定にしたのでしょうか。僕の勝手な想像ですが、サザンのリーダーである桑田佳祐さんがユーモアたっぷりな人だし、またそのユーモアを前面に出した曲もヒットしていたので、下手したら夏のイベントバンドかコミックバンドぐらいに思われてもおかしくなかったバンドだと思うんですよね。それを「サザンっていい音楽だよね」という方向に引き寄せるには、いわゆるいい音楽を押す必要があったんじゃないかと。僕が学生の頃、友人たちはみんなこのアルバムを聴いていて、誰も彼も「サザンの曲っていいよね」と思うようになってたんですよ!でもよくよく考えてみれば、「勝手にシンドバッド」でデビューした頃は「桑田佳祐って面白いよね」でした。というわけで、もし音楽面でのアドバンテージを伝えたいのであれば、たしかに「バラッド」効果はあったんじゃないかと。

 久々にこのアルバムを聴いて感じたのは、70年代後半から80年代初頭ぐらいにあった日本の若者文化の匂いがどこかに感じられる曲がけっこうある事でした。恋愛観ひとつとってもそうで、僕はそういうサザンが好き。大学生たちが部屋に集まってインスタントラーメン食べながら麻雀するとか、深夜のラジオ放送を聴きながら勉強するとか、デートした帰りに別れがたくてマクドナルドに立ち寄ってずっと一緒にいるとか、部活で汗流して帰りにみんなでいつまでも話してるとか、そういう日常の中にしみ出した当時の日本に染みついていた若者文化、みたいな。「ラチエン通りのシスター」については以前に書いたとおりですが、「恋の女のストーリー」「別れ話は最後に」「恋はお熱く」あたりにも、そういうことを感じました。僕が好きなサザンって、きたない部屋にたむろして未来を夢見てる若者が作った音楽であって、バブル期の洒落たサウンドや、スタジオでこねくり回したニューウェーブ的なものじゃないんですよね。

 初期のサザンに関しては、ある音楽ディレクターさんが話していた言葉が耳に残っています。「新人バンドをどうやって売り出すか」みたいな話の流れで、その方が「なんだかんだ言っても、サザンオールスターズみたいなバンドですら、初期にバーニングが関わってなかったらあそこまでメディアに露出できたかどうかは怪しい」みたいに話されていたんです。僕は単なるプレーヤーだったもんで、そういう芸能界チックな話に疎かったんですが、なるほどそういう話ってゴシップ週刊誌ネタじゃなくて、今自分が働いている世界で実際に起きてることなんだなあ、なんて思った若い頃の僕でした。アミューズやサザンがここまで長生き出来た理由って、早い段階でそっち系と手を切ったところもあったのかも知れません。悪習を引きずったまま力でどうにかしようとしていると、ジャニー…いやいや、この話はこのへんで。。


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『サザンオールスターズ / タイニイ・バブルス』

SouthernAllStars_Tiny Bubbles 1980年発表、サザンオールスターズのサード・アルバムです。このアルバム、裏ジャケットに猫の顔が5つ写っていて、それぞれの下に「Keisuke Kuwata」とか「Yuko Hara」とか書いてあるんですよ(^^)。こういうユーモアが最高に面白いのと同時に、このユーモアがコミックバンドすれすれのところにバンドを追いやった要因のひとつでもあったんじゃないかと…いやいや、そのユーモアを含めサザンですね!

 ただ、なんでこういう事をやったのか、なんとなくわかる気もしました。桑田さん自身がそういうユーモアにあふれる人だったというのは勿論あるんだろうけど、やらないわけにはいかなかった事情もあったんだろうな、みたいな。やっぱり演奏のうまいバンドじゃないんですよね。それは音楽も…このアルバム、「涙のアベニュー」という素晴らしいバラードが入ってますが、アレンジにしても何にしてもフィフティーズそのままでもあります。こうした「○○風」という傾向は他の曲にも言えて、常に何かの真似に聴こえました。

 ロックやポップスが好きで、サークルに入って、好きな音楽をカバーして、自分でも曲を書いてみて…みたいなバンドがいたとしたら、好きだったバンドや曲のコピーは自然だと思うんです。でもそれってアマチュアのうちはいいけど、自分の名前を出して金をとるプロの側に回ったら、「○○風」はだんだん通らなくなっていくじゃないですか。それが顕著になってきたのがこのアルバムなのかも。ボブ・ディランビートルズも、最初は他の人の曲をたくさんやっていましたが、サード・アルバムでは全曲オリジナルになっていましたよね。それはカバーでないという事でなく、自分なりバンドなりのアイデンティティが確立された瞬間である、という意味です。そう考えると、ロックやポップスのグループのサード・アルバムって、アイデンティティの確立が迫られる頃合いなのかも知れません。

SouthernAllStars_Tiny Bubbles_Ura 口でいうのは簡単ですが、でも物真似から脱する何かがないとしたら、何か他のところに自分を求めに行かざるを得ないんじゃないかと。このアルバムには「恋するマンスリー・デイ」なんていうレゲエのビートを真似た曲も入ってましたが、レゲエ的な何かがこのバンドの内側から出てくるはずもなくて、形だけ似せて取り繕ってるだけに聴こえました。そういうのって真面目にやればやるほどボロが出るというか。
 
 セカンド・アルバムまではバンドの一体感みたいなものを感じたんですが、このアルバムになると悪い意味で慣れてきたというか、変な意味でお仕事になってきたというか、リーダーに言われた事をやっておしまい、みたいな演奏に感じました。それがうまければまだいいんですけど、うまくないからもう…。サザンには「音楽が好きで好きでたまらない」といういい意味でのアマチュアイズムを失って欲しくなかったと思ってしまったのがこのアルバムで、サザンってバンドとしてはセカンドまでだったのではないかと感じます。
 このアルバムで僕がいいと思ったのは「涙のアベニュー」と「C調言葉にご用心」の2曲でしたが、この2曲だけだったらベスト盤『バラッド』にも入っているし、このアルバムはもうお役御免かな…。


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『サザンオールスターズ / 10ナンバーズ・からっと』

SouthernAllStars_10Numbers carat 1979年発表、サザンオールスターズのセカンド・アルバムです。「いとしのエリー」が入っているアルバムで、「勝手にシンドバッド」で話題をさらったサザンオールスターズの人気を決定づけたのは、「いとしのエリー」とこのアルバムだったんじゃないでしょうか

 のちに出たオムニバスやテレビやラジオから聴こえてくる曲を聴く限りで言うと、僕はバンドとしてのサザンは初期が好きです。サザンって演奏がちょっとアレですが、初期はその弱点を補って余りある熱気、勢い、一体感を感じるんですよね。デビュー曲「勝手にシンドバッド」なんてその最たる例ですが、このアルバムのラテン調の曲「気分次第で責めないで」や「思い過ごしも恋のうち」、黒っぽいリズム隊がカッコイイ「奥歯を食いしばれ」にも同じことを感じます。演奏が熱いんですよ!

 僕がサザンオールスターズの曲の中でも特に好きな曲「ラチエン通りのシスター」が入っているのも、このアルバム。ミドルバラードのこの曲、音楽的にはサビのメインメロはコーラスに任せてフロントのヴォーカルがフェイクを入れるという構成。この男女ヴォーカルが入れ替わるのはサザンの得意パターンでもあるんですが、それ以上に歌い始めの「呼べばすぐに会える、でも見つめるだけでもう…」のメロディと詞が抜群。どう聴いても心の底から出た嘘のない言葉、こんなの胸に響いちゃうって…。なんでもこの曲、桑田さんが昔つきあっていて、将来は結婚したいとすら思っていた彼女のことを思い浮かべて書いた曲だそうです。実際に、そういう思いが伝わってくるいい詩だと思います(^^)。
 バラードという意味で言うと、「いとしのエリー」は極めつけ。79年ごろで言えば、矢沢永吉「チャイナタウン」とこの曲は、なんていい曲なんだろうと思って、ドーナツ盤で何度も聴いていたものでした。どちらも兄が買ってきたんですけどね(^^)。小3ぐらいだったかな、耳コピして学校のピアノを勝手に使って弾いてたなあ。。

 カレッジバンドみたいな言い方をしましたが、多くのロックバンドって元々そういうものだったと思うんですよね。ビートルズビーチボーイズだって似たようなものだったろうし、技術ではプロにかなわないアマチュア・バンドの良さって、好きで好きでたまらない人たちが音楽をやっているというハートの部分だと思います。それが演奏のまずさを補って余りある表現とか一体感になって出てくるというか。それが初期サザンの良さなのだと、僕は思っています。絶対にこの人たちはロックやポップスが大好きだったのだろうし、またそれを楽しんでいましたよね(^^)。


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『サザンオールスターズ / 熱い胸さわぎ』

SouthernAllStars_AtsuiMunasawagi.jpg 1978年発表、日本の夏バンドの代表格・サザンオールスターズのデビュー・アルバムです!デビューシングルとなった「勝手にシンドバッド」のほか、ボッサ調のAメロが印象的な「別れ話は最後に」などを収録

 聴いた瞬間に、この曲が流行った頃がフラッシュバックして涙が出そうになったのが、デビュー曲「勝手にシンドバッド」。当時僕はまだ小学校低学年で、この曲の「いま何時?」というのが面白くて、友人間で流行ったんです。もうね、そろそろ遊びから帰らなくちゃいけない時間になると、間違いなくこの歌の調子で誰かが「いま何時?」と訊くんですよ(^^)。もちろん、「そ~ね大体ね~」と返すのがお約束で、マジメに答える奴がいると「サザンしらね~の?」みたいな。あの頃は何もかも楽しかったな。。

 でもって、「勝手にシンドバッド」の頃のサザンオールスターズって、70年代から80年代に入っていくあたりで起きた、ちょっと浮かれたような悪ふざけな若者文化の匂いがしていたんですよね。ろくに大学も行かずに麻雀ばかりやっている大学生、ユーモアたっぷりの刑事ドラマ『探偵物語』、客をすらいじり倒すビートたけしの毒舌漫才、「まらさきむんこ」のスネークマンショー…大人から切り離された独特の心地よい居場所で生きて、友達とバカ騒ぎしてゲラゲラ笑うような楽しさ、その中の大事なワンピースがサザンでした。こうした悪ふざけの楽しさって、「女呼んで抱いて揉んでいい気持ち」の「女呼んでブギ」が典型的。「揉んで」って。。

 こうしたユーモアが面白いだけに、サザンって下手したらコミックバンドに終わってもおかしくなかったと思うんですが、そうならなかっただけの豊かな音楽が、このアルバムには入っていました。バラード以外の曲は、深く追求したというより、ポピュラー音楽が大好きで聴きまくって演奏しまくっていたんじゃないかと思ったり。音楽が好きでたまらない学生バンドをやっていた人は、みんな似た経験をしていると思うんですよね。自分の個性とかなんとかじゃなく、とにかく好きな音楽をやって楽しむ、みたいな。この頃のサザンも、コードやメロディを一から自分で作ったというより、フィフティーズならフィフティーズ、ラテンならラテンみたいに、先に真似する元ネタを想定して曲を書いていたと思うんですよね。そのへんにカレッジバンドの楽しさを感じましたし、自分たちが楽しんでいるのが演奏にも曲にもあらわれている、みたいな。

 良くも悪くも、バンドとしてのサザンオールスターズって、アルバムで言うと最初の2枚だったと思っています。以降もいい曲はいっぱい生まれましたが、バンドというよりもスタジオワークになってしまったり、桑田佳祐プロジェクトになってしまったり、大仕掛けの舞台演出を施したエンターテイメント・ショーになったり。そうこうしているうちに、バンドの命運を決定づけるようになった「いとしのエリー」が飛び出して…その話はまた次回(^^)。


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『松田聖子 / 20th Party』

MatsudaSeiko 20th Party 2000年発表、松田聖子さんのデビュー20周年記念アルバムです!なんでこのアルバムを持ってるかというと、シングルカットされた「Unseasonable Shore」という曲がめっちゃくちゃすばらしかったから。しかしあの聖子ちゃんにほうれい線が…時は残酷です。あと、歳をとってからの松田聖子さんはおでこを出すことが多くなりましたが、あれは隠した方がいいと思います。

 作家は、作曲が原田真二さんと小倉良さん。編曲が鳥山雄司さん。作詞は作詞家のほか、松田聖子さん、矢野顕子さん、そして吉法師…この時期に聖子さんと結婚してた歯医者さんかな?聖子さん、旦那さんに印税をあげたかったのかも知れませんね。そしてこの吉法師という人の作詞がいいです。僕はこのアルバムで「Unseasonable Shore」しか聴かないんですが、その詞はこんな感じ。

 いつかきっと君を連れて水平線の向こうまで
 夕日がほら、波に溶ける ふたりのステージみたいだね
 幸せも想い出も、波間に沈んでいくの


 なんという切ない歌詞でしょうか、たまらないです…。というわけで、「Unseasonable Shore」1曲のために、いまだ手放せずにいるアルバムでした(^^)。。


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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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