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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『世良公則 / Do(動)』

SeraMasanori_Do.jpg 僕が目にしてきた世良公則さんは、70年代のツイストでのバンド活動、84年の映画『Wの悲劇』での俳優活動のふたつで、以降は目にする事がありませんでした。それが90年代なかばになってヴォーカリストとして再浮上!そこでリリースされたのが、1995年発表のこのアルバムでした。
 このアルバムには「鼓動」という新曲と、ペドロ&カプリシャスがヒットさせた「別れの朝」のカバーが入っていて、どちらもCMで使われたんですよね。僕は後者を聴いて「世良さんだ、懐かしい!相変わらずすごいなあ」と思って惹きつけられたのでした。

 このアルバム、全曲ではないものの、ほとんどが「Sera Band」というロック・バンドの演奏。世良さんはヴォーカルだけでなくギターも弾いていました。そのバンドの演奏も録音もメッチャいいんですよ!いやあ、もし自分がレコーディング・エンジニアだったら、ロック・バンドの音作りのリファレンスにしたくなるアルバムです。
 そして、世良さんのヴォーカルがツイスト時代以上に凄かったです。あの迫力に耳が行きがちですが、実はピッチもリズムもいいんですよね。けっこう歌いまわすんですが、大事な音はきちんとアプローチしてるので、曲が崩れないんですよね。「別れの朝」なんて、世良さんを聴いた後だと、ペドロ&カプリシャスが音痴に聴こえましたし(^^;)。でも、ペドロ&カプリシャスのヴォーカルは前野陽子さんで、60年代後半の日本人のポピュラー・ヴォーカリストでは屈指の名シンガーです。それぐらい世良さんが素晴らしいという事なんでしょう。

 それなのに、僕はこのアルバムを楽しめませんでした。演奏も録音も良くて、超強力なヴォーカルがいて、それでも楽しめないんということは…曲か詞がつまらないんでしょう(^^;)。詞は「憂鬱な顔はよせよ」「ためらう前に走り出せ」的な世良節、作曲は世良さん本人。パフォーマンスはいいのに作品がつまらない…天は二物を与えずって事かな(^^;)。


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『ツイスト / BEST HIT SINGLES』

Twist_BEST HIT SINGLES 世良公則さん擁するツイストの『BEST & LAST』というレコードを買った若い頃の僕でしたが、そこには好きだったシングル『性(さが)』が入ってなかったのです。買う時に気づけよって話ですが、それってアントニオ猪木のいない新日本プロレスや、メル・ギブソンの出演しないマッドマックスを許せるかって話ですよね。僕は許せなかったので、『BEST & LAST』は売り、11曲という決して多くない収録曲数のこっちを買い直したわけです。少数精鋭、僕にとっては「あんたのバラード」「性」「宿無し」「銃爪」「燃えろいい女」さえ入っていれば必要充分なのでした(^^)。

 ツイストはやっぱりいい!ヴォーカルの押しの強さも素晴らしいし、なにより詞が胸にグサッと刺さります世良さんの詞って、働いてはいるけど貧乏で、ボロボロのアパートに住んで銭湯行ったり、夢もなかなか実現できず夢のままで、彼女とも同棲したり別れたり…みたいな60~70年代の日本の若い労働者階級の生活感がにじみ出ていて、それが自分とオーバーラップして泣けるのです。そういえば世良さんが出演していた映画『Wの悲劇』もそういう世界観だったな…。ロックと言っても、舞台はまだ貧しさと暗さの抜けきらない70年代日本って感じ。それが飾ってばかりの言葉じゃなくて、生々しい本音のように感じるから、胸に刺さるのです。

あんたと暮らした2年の日々を、今さら返せとは言わないわ (あんたのバラード)

おいらは宿無し、お前にはあたたかな温もりもやれやしない (宿無し)


 また、こういう生々しい言葉を伝える世良さんのヴォーカルがすごい!当時のスタジオ録音の限界か、世良さんの迫力を拾いきれてませんが、それでもカッコいい!ロックって、全身から何か発さないといけない、若い頃の世良さんや矢沢永吉さんの熱唱からはそれをビシビシ感じます。メロディをなぞるんじゃなく、感情そのもののような歌、素晴らしいヴォーカル!今こういう風に「歌に自分を全部託す」みたいな事をやるとダサいと思われるのかも知れませんが、歌ってこうありたいもんですよね。子供のころはがに股で力んで歌うsらさんの物まねをみんなでして笑ったりしてましたが、あれって好きの裏返しだったんだな…やっぱりツイストは最高でした!


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『ツイスト / BEST & LAST』

Twist_BEST and LAST 「あんたに(ジャジャン!)あげ~ええ~た~」が、幼いころの僕の心に染みついて以来ずっと耳から離れないバンド、世良公則&ツイストのアルバムです。1981年発表の2枚組で、ツイストのラストアルバム&ベスト盤なので「BEST & LAST」というタイトルになった…んだと思います、多分。ラストと言いつつ、この後ツイストは再結成しましたけどね( ̄ー ̄)。

 ツイストはロックバンドにしてはザ・ベストテンをはじめとした歌番組に出まくっていて、芸能界に片足を突っ込んだ活動をしていたように見えました。そういう意味でいうと、頭脳警察外道ブルース・クリエイションみたいな硬派な「日本のロック」というより、沢田研二とか西城秀樹のような「ロック風歌謡曲」に近く感じます。でもちゃんと自分たちで詞も曲も書いてるし、なにせ世良さんのヴォーカルがすごかったもんで、売り方こそ芸能チックだったけど、実際にはしっかりしたロック・バンドだったんじゃないかと。なにせ子供のころ大好きだったもんで、肩を持ちたくなるのです(^^)。

 このレコード、ぜんぜん知らない曲も入ってるわりに、僕が大好きなシングル「性(さが)」が入ってません。そこが残念なところで、それだけの理由で僕はこのレコードを手放して、別のベスト盤を買い直したんですよね(^^;)。買う時に気づけよって話ですが、解散間際になってベスト盤と新曲を抱き合わせにしたようなレコードを出すって、70年代にはあった事なんですよね。キャンディーズなんて、それで5枚組のベストと新作がチャンポンになったアルバムを出してましたし、もうそれって抱き合わせ商法に近いんじゃ…。
 というわけで、「性」も入った純粋なベスト盤の話はまた次回!


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『アリス / ザ・ベスト 遠くで汽笛を聞きながら』

Alice_The Best 70年代、ツイストや矢沢永吉さんと並んで好きだったロックっぽい歌謡曲が、谷村新司さんと堀内孝雄さんのいたアリスです。フォークギターをジャカジャカかき鳴らすツインヴォーカルのフォークロックで、エレキギターやベースのバックバンドがついている編成でした。

 僕がアリスに痺れたきっかけは、少年野球チームの合宿の宴会の席で、中学生になった先輩ふたりがフォークギターを持ってきて「チャンピオン」を演った事。これがカッコよくて、人生で初めて「ギター弾き語りってかっこいい!」と思った瞬間でした。
 どこに痺れたかというと、男くさかった事。お兄さんへの憧れというんでしょうか、もしその時の歌が「神田川」や「関白宣言」だったら僕はたぶん痺れなかったと思います。眉間にしわを寄せて、威嚇するような太い声で、「リングに向かう長い廊下で~」…まだ幼児性の抜けなかった僕はこれに痺れたのです。

 でもって、このアリスのベスト盤です。たぶんシングル曲は全部入っていて、全16曲。ガキの頃の僕が痺れた男くささが思いっきり前に出た曲は「冬の稲妻」「チャンピオン」「今はもうだれも」、この3曲です。曲もそうですが、谷村さんも堀内さんも恫喝するような声で歌うんですよ、くぅ~カッコいい。子どもの頃、男くさい喋り方の恰好よさに痺れた初体験はたぶん「あしたのジョー」でのあおい輝彦さんですが、その次ぐらいがアリスだったかも。
 そして、詞に痺れたのが「遠くで汽笛を聞きながら」。この曲をはじめて聴いたのは、松田優作主演のテレビドラマ『探偵物語』の第19話「影を捨てた男」のラスト。ドラマの内容と合っていた事もあるんでしょうが、涙が出ました。

悩み続けた日々が まるで嘘のように忘れられる日が来るまで 心を閉じたまま

俺を見捨てた人を恨んで生きるより、幼い心に秘めた空しい涙の捨て場所を探して


 こんなの泣くでしょ…。ここ数年、ちょっとポピュラー系の仕事をして、最近の男性ヴォーカルのJポップを何曲か聴いたんですけど、「君に伝えたい事がある、大好きだ」とか、「僕らが出会った日は2人にとっての記念日」とか、詞がとんでもなく子供っぽいんですよ。センスが中学生か高校生ぐらいに思えちゃう、庶民はすっかり白痴化して、まんまと飼いならされちゃってる感じ。大学生がアニメ見てるなんて普通になっちゃいましたしね。とはいえ、アリスも自立した青年っぽい曲ばっかりじゃなくて、このCDの半分以上は演歌と紙一重、良かったのは最初の方だけでしたけど(^^;)。

 70年代の男性像って、今より強さを押し出していて、もっと強い男性像でした。ヒーローと言えばアントニオ猪木、江夏豊、松田優作矢吹丈、ミュージシャンでも矢沢永吉に世良正則。男は強くてなんぼでした。アリスの谷村新司も、いつも笑わず眉間にしわを寄せていて、後のにやにやしたスケベ親父からは想像がつかないカッコよさでした。堀内孝雄さんだって、今みたいな処世術にたけたユーモアたっぷりみたいな人じゃなくて、男らしかった。そしてそういう「男らしさ」みたいな美感を僕は今でもどこかに持っています。アメリカの風下に立ち続ける事が決定した安保闘争の時代、男は強くないととても生きていけない時代だったのかも。


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『小椋佳 / 自分史 BEST35』

OguraKei_Jibunshi best35 リアルタイムを知らないもんで、小椋佳さんは服部克久さんや星勝さんのような昭和歌謡の職業作曲家と思ってました。中村雅俊「俺たちの旅」や堀内孝雄「愛しき日々」といった提供曲から推測するに、服部克久さんのようなちゃんとした音楽教育を受けた人ではなく、ギターでコードを押さえてメロコード譜を作って、あとはアレンジャーに丸投げのフォークな人なのかな、みたいな。
 これは3枚組のベスト盤。テレビCMで、エレクトリック・アップライト・ベースをバックに歌う曲が流れていて、「一度ちゃんと聴いてみたい人だなあ」と思って手を出したCDでした。このCDには80ページという豪華なブックレットがついていたのですが、そこではじめて小椋さんは71年にフォークシンガーとしてデビューしていた事を知ったのでした…小椋さん、知らなくてすみませんでしたm(_ _)m。。

 アレンジは取ってつけたよう、ミックスはリヴァーブまみれな上にアンサンブル無視で楽器を横一線に並べるだけ。さらに演奏はスタジオで初見でパッと終わらせた程度のもの…というわけで、アンサンブル面や演奏はちょっとね(^^;)。まあでもJポップスの作家のセルフカバー・アルバムって、予算節約なのか大概こうなので、ここは仕方ないのかも。。

 というわけで、期待は曲。小椋さん、作風はちょっとジジくさいけど、若い頃に、布施明「シクラメンのかほり」と研ナオコ「泣かせて」に猛烈に感動させられた事があったんです。「シクラメンのかほり」のサビで同じメロディを4回繰り返したり、1コーラスはサビを飛ばすといったアイデアは、言葉をイメージしながら作曲しないとなかなか思い浮かばないものじゃないかと思うんですよね。そういう意味で言うと、作詞も作曲も自分でやってるが故の「歌」を作れる数少ない作家だったのかも知れません。実際、「海辺の恋」あたりは、新作として、洋楽の物まねではない現在の日本の歌を作った作品と感じました。
 詞も、さすがに素晴らしく感じるものがありました。それどころか、この人のいちばんの才能をあげるとすれば作詞かも。「君を歌おうとして」の詞「留守と知っていながら3回も掛け10回悔やむ」みたいに、韻や修辞法に感心する点が多かったです。

 ただ、聴いていて嫌だと思った事も。頭でっかちというか、評論家のように口で言うばかりで実践されていないというか、そういうひ弱さを感じてしまいました。みんなでサッカーの話をしていたら、あれこれと御託を並べるからさぞ上手いやつなのかと思いきや、いざみんなで遊んでみたらボールすらまともに蹴れない奴だった、みたいな(^^;)。気のきいた詞だから感心はするんだけど、実感のこもった言葉に感じられないから心に刺さる所まで来なかったです。「初めての空を飛ぶ鳥の心を映して」みたいな詞って、リアルではなくてイメージじゃないですか。そういう頭で考えるばかりの麗句がちょっと多すぎるな、みたいな。
 もっと言うと、その美辞麗句のうしろにある「小さな幸せをかみしめる人生讃歌」みたいな歌声喫茶的な感覚に、僕は同意しかねるのかも。梶原一騎東映やくざ映画の洗礼を受けた70年代生まれの僕としては、そんなすぐに聞きわけ良くなっちゃうんじゃなくて、もっと抗って欲しい、毒もリアリティも欲しい、みたいな。小椋佳より矢沢永吉の方がリスペクト出来るよな、みたいな感覚って分かりますかね。。

 この「頭だけで考えてる」感は、音にも感じました。小椋佳さんって薩摩琵琶を弾くんですが、相当にアレなんですよ(^^;)。そこまで下手なら練習するなり人前で弾くのをやめればいいのに、それはしません。それは歌唱にも言えて…下手なだけならまだしも、声量が驚くほど無いです。という事は、楽器も歌唱も驚くほど練習しないんだろうな、みたいな。きっと考えるだけでやらないんじゃないかと。こういう頭でっかちでひ弱な感じを、おそらく世間も見逃さなかったのかも。プレーヤーとして生き残る事が出来ず、作家というポジションになっていったのって、そういう所かも知れません。

 ところで、僕がテレビCMで良いと思った曲は、「今は、このまま」。曲調や詞から小椋佳さんの曲だと思い込んでいたんですが、実はビリー・バンバンさんの歌でした。じゃあなんで僕はこのCDを買ったんだ…。


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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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