『George Russell Sextet / at Beethoven Hall』

George Russell Sextet at Beethoven Hall ジャズが好きなら聴いてないなんて許されないほどの大傑作です!超すばらし~、ぜったい聴くべきです!!
 ジャズ好きだけど音楽の事はあまり知らない人が始めたインディーズレーベルとか、予算も出すけど口も出すという大資本の入ったレコード会社なんかだと、本当にクリエイティブなジャズはなかなか聴く事ができません。「あんまり難しい事しないで」とか「もっと普通のジャズも入れて」みたいな要求が飛んできて、無難な事をさせられちゃってるみたいに聴こえて仕方ないときが多いんですよね。。その点、音楽に理解があったり「あ、これは音楽を知ってるな」みたいなディレクターを抱えてる場合の小規模レーベルは、めっちゃセンスのいいカタログを作る時があります。MPSというレーベルは、小さいながらもそんな印象を受けるところで、買おうかどうしようか迷った時にレーベルがMPSだと「あ、大丈夫だ」な~んて思っちゃたりします。ジョージ・ラッセルのこの1枚も例外じゃなくって、RIVERSIDEみたいに「もうちょっと分かりやすくして」みたいにステレオタイプに近づけさせられる(?)事もなく、とってもクリエイティブなジョージ・ラッセルの実力全開の音楽を聴く事ができます!!いや~、『Jazz in the Space Age』とこの『at Beethoven Hall』の2つは、ジョージ・ラッセル最高傑作じゃないかなあ(^^)。。
 有名曲のアレンジ物が多いんですが、アンサンブルの絡みの妙もとんでもなく良く出来ています。しかし本当にスゴイのはその先で、とっても自由な「リディアン・クロマチック・コンセプト」という方法を使ってかなり自由度の高いソロと独特な和音を鳴らしてるので、響きがぜんぜん違う!いや~、これはシステムがスゴイというよりも、アウトゴーイングを選びやすくしているシステムのうちで、それを選んで演奏出来ちゃってるラッセルさんのピアノがスゴイんでしょうね。これは一聴の価値ありです!!聴いているだけでゾクゾク来ちゃいました(^^)。このレコード、ジャズの果たした大仕事のひとつじゃないでしょうか、ジャズファンなら絶対に聴くべき!もともとはLPで2枚に分売されていたものをCD1枚にまとめているし、音もCDはメッチャクチャ良くなってるので、手に入るならCDがおススメです!!あ、そうそう、上に載せたジャケットのものはドイツでのCD再発もので、今ではプレミア。僕は幸運にもこれを持ってるんですが(狙ったわけではなくある時期はこれしか手に入らなかった^^;)、モノトーンの方がオリジナルのジャケットです。



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『George Russell / THE STRATUS SEEKERS』

George Russell THE STRATUS SEEKERS コンテンポラリー・ジャズのコンポーザー/アレンジャーのジョージ・ラッセルのセプテット作品です。1962年録音みたいなので、ひとつ前の日記で書いた『Ezz-thetics』の次に発表された作品かな?メンツも似ていて、前作に参加のジョージ・ラッセル(pf, arr)、ドン・エリス(tpt)、デイブ・ベイカー(tb)、スティーブ・スワロウ(bass)、ジョー・ハント(dr)に加えて、ジョン・ピアース(asax)とポール・プラマー(tsax)が加わってます。前作より大編成という事ですね(^^)。
 これもジョージ・ラッセルのアルバムの中では、ストレート寄りのアルバムでした。レーベルがリバーサイドだからでしょうか、個性あるミュージシャンもある程度オーセンティックなジャズに寄せさせられたのかも( ̄∀ ̄牛)。リバーサイドみたいなレーベルよりも、音楽の質にはこだわるけど内容には寛容なDECCAとかの大手か、逆に自主レーベルの方が斬新な作品は多いですよね。でもあなどっちゃいけないのは、普通のジャズをやってもこのグループは強烈に素晴らしい!ヘッドにしてもアドリブソロにしても、超高速なところもみんなビッタリ!アレンジを演奏するので手いっぱいという感じはまったくなくって、演奏に勢いがあります!いや~みんなメッチャクチャ上手いなあ、売れてるかどうかとミュージシャンとして一流度合は関係ないですね(^^)。。
 あと、少しだけ発揮されるラッセルさん独特の作曲/アレンジとしては、アルバムタイトルにもなってる2曲目「THE STRATUS SEEKERS」が、テンポチェンジも含めて山あり谷ありでカッコいい!僕はこのアルバムをCDで持ってるんですが、それにはこの曲の別テイクも入ってて、これがまた素晴らしい。他には「KIGE’S TUNE」はアレンジが見事、「STEREOPHRENIC」はふたつのピアノトリオとホーンセクションが違うテンポで進行するアイデアが悶絶ものでした(^^)。
 というわけで、ちょっとだけひねったメインストリームジャズを聴こうと思ったら、このアルバムは文句なしでした。すごい疾走感のソロに素晴らしくビッタリ決まるアンサンブルと、いう事ないです。すげえなあ。ただ、DECCAから出た『Jazz in the Space Age』みたいな超コンテンポラリーな作品を期待すると期待を外されるかも。それにしても、レイシーとかドルフィーとかもそうですが、Prestige とかRiverside に録音すると、あんなに個性ある人たちが途端に普通に演奏しちゃったりしますよね。こういうところは、レーベルを見た時点である程度予想できるぐらいになってないと、ジャズのリスナーの道は歩めないのかも(^^;)。


『George Russell Sextet / Ezz-thetics』

George Russell Sextet Ezz-thetics 超大推薦のモダン・ビッグバンドのアルバムとして、ジョージ・ラッセルのアルバムを紹介させていただいた事がありますが、これはラッセルさんのセクステット作品、1961年作品です。ジョージ・ラッセルといえばかなりコンテンポラリーなアレンジという印象が強いんじゃないかと思うんですが、このアルバムはストレートでイケイケのジャズとラッセル風モダンアレンジの両方を聴くことの出来る好盤じゃないかと(^^)。

1曲目「EZZ-THETIC」は、攻めまくりストレートジャズの代表のような曲と演奏。高速テンポで疾走しまくり、3管のアレンジもトゥッティ中心で、あくまでプレイヤーそれぞれの飛ばしまくるソロが中心。エリック・ドルフィーの参加が光りますが、実際には他のメンバーのソロも最高。ジョージ・ラッセル(pf, arr)のほか、ドン・エリス(tpt)、デイブ・ベイカー(tb)、スティーブ・スワロウ(bass)、ジョー・ハント(dr)、全員ソロがキレッキレです(^^)。
 そして、アレンジャーとしての腕の見せ所はマイルス・デイビスの2曲目「ナーディス」以降で光ります。おお~これはテーマのブラスアンサンブルが見事ですね~、こういうアレンジを聴きたいからジョージ・ラッセルのアルバムを買うわけですし、マイルスやらブレッカーには絶対出来ない芸当でしょう。。3曲目はヘッドがモンクの曲みたいにグニャグニャしていてカッコいいですが、あとはただのソロ回しでした(^^;)、あ~でもこれはジョージ・ラッセルのピアノソロが面白いな、これもモンクっぽくて面白い、分析してみたらいろいろ発見がありそうです。そして4曲目のオリジナル「THE LYDIOT」でついにラッセル節全開!!これはほとんど『Jazz in the Space Age』に入ってた「Chromatic Universe」のコンボ版といった感じ。僕はこれが一番好きだ。。5曲目は和声やアンサンブルというよりも、楽曲の様式がかなり面白いです。最後の「’ROUND MIDNIGHT」は、イントロにちょっと工夫がしてありますがちょっとクサいかな、ヘッドに入って以降は普通でした。
 セクステットとかセプテットあたりの編成のジャズって、ビッグバンド的なアンサンブルの妙も楽しめるし、トリオやカルテットみたいなプレイヤーのソロも楽しめるし、なかなかおいしい編成と思います。そうなるとアレンジャーのアレンジが大きな鍵になってきますが、僕はストレート系ではチャールズ・ミンガス、コンテンポラリー系ではジョージ・ラッセルかギル・エバンスのコンボアレンジが好き。思いっきり月並みな趣味ですけど、いいと思うんだからしょうがないですよね(^^)。ストレートジャズに少しだけコンテンポラリーが混ぜてあるようなアルバム、もっとゴリゴリのコンテンポラリーなジョージ・ラッセルが聴きたいときには物足りないけど、ジャズ的な攻めの演奏が炸裂しまくるラッセルの音楽を聴きたいならこれが一番!カッコいいです!!



『George Russell / THE JAZZ WORKSHOP』

George Russell THE JAZZ WORKSHOP コンテンポラリー系ジャズの名作曲家アレンジャーのジョージ・ラッセルさんの1956年作品。これより古い作品を知らないので、これがデビュー盤かな?「ワークショップ」なので、ジョージ・ラッセルがいろいろ考えたジャズのアレンジやアドリブのためのアプローチ方法なんかをみんなでやってみようというコンセプトたったんじゃないかと。というわけで、ラッセルさんは作曲とアレンジのみ、演奏はしていません。かわりにピアノを演奏しているのがビル・エバンスなんですが、さすがクラシックとジャズの両方を学んでいた名プレイヤー、ラッセルさん本人が演奏するより整ってる(^^)。いや、ラッセルさん本人の演奏も、とんでもなくガッツがあるし響きのアイデアなんて超独特だったりするのですごい好きなんですけど、うまさで言ったらさすがにビル・エバンスは素晴らしいなあ。。他にはアート・ファーマー(tp)とバリー・ガルブレイス(gtr)がレギュラー。ベースとドラムは曲によってけっこう入れ替わります。

 ジョージ・ラッセルさんの作曲やアレンジって、新しさと古さが同居してると感じます。50年代後半~60年代のアメリカ映画を見てると、たまにジャズがBGMに使われている時があるじゃないですか。その頃のアメリカ映画って、今ほどお客さんにこびていないものもけっこうあって、「ムーディーなジャズ」じゃなくって、けっこう挑戦的なスコアだったりすることもあったりして。あの感じがジョージ・ラッセルさんの音楽にはただよってます。有名な「リディアン・クロマチック・コンセプト」みたいな研究家肌な面もあったのかもしれませんが、それが響きの面でゴリゴリにコンテンポラリーな作品を生み出すかというと、意外とそういう事の方が少なくって、ストレートジャズにちょっとだけコンテンポラリーなスパイスが効いてる、みたいに聴こえるものが多いです。このアルバムもそうで、ラッセルさんのレコードの中ではいちばん普通のジャズに近い感触でした。


『Nina Simone / Little Girl Blue -Jazz As Played In An Exclusive Side Street Club-』

NinaSimone_LittleGirlBlue.jpg ひとつぐらい、ジャズ色が強かった時代のニーナ・シモンさんのアルバムを取りあげておこう、そうしよう(^^)。1958年発表のデビュー盤です。レーベルがベツレヘムという事もあり、この前まで紹介していたフィリップス盤と比べるとかなりジャズです。シモンさんがピアノ&ヴォーカル、それにウッドベースとジャズドラムがバックにつきます。ジャズの弾き語りヴォーカリストとして聴くなら、このレコードがいちばんいいかも。「Love Me Or Leave Me」なんて、ビブラートのかけ方が思いっきりジャズ、しかもメッチャうまいです。日本に綾戸智恵さんというピアノ弾き語りのジャズヴォーカリストさんがいますが、絶対このアルバムを聴いてると思う。

 ただ、ジャズという縛りがあるからか、けっこうジャズの枠にガッツリはまってる感じで、曲も表現もジャズのTPOからはみださないです。これをどう思うかは聴く人次第かも。スタンダードとメインストリーム以外はジャズじゃない、みたいな吉祥寺かどこかのジャズ喫茶のマスターみたいな人にとっては、最高の一枚かも。でも、以降のボーダーレスにディープな世界を突き進んだニーナさんのアルバムを知っていると、無難にまとめたようにも聴こえたりして(^^;)。

 ベツレヘムという真っ黒なジャズレーベルからも作品を出し、フィリップスやRCAにも籍を置いたというのが、そのままこの人の音楽のすそ野の広さをあらわしていると思います。「Little Girl Blue」といえば僕はジャニス・ジョプリンの感情こもりまくりのあれが大好きですが、このアルバムのニーナさんの抑えた表現もしびれます。 あと、「Good Bait」の黒っぽいピアノ演奏は、マル・ウォルドロンとかビリー・ホリデイあたりの黒いジャズブルースに繋がる独特の深さがあって、思わず引き込まれました。あ、そうそう、この人のピアノ、クラシックも学んでる気がします。ジャズや黒人教会系の音楽だけやってたら、こんな対位法的なアレンジなんか出来ない。どうしても高速プレイとか派手な所に目がいってしまいがちですが、こういう渋い所で職人技が出来るというのが、実はいいミュージシャンなんだと僕は思ってます(^^)。というわけで、ジャズ方面のニーナ・シモンを聴くなら、これが一番ジャズっぽいアルバムだと思います。

プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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