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心に残った音楽♪

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『マーラー:交響曲第3番 ショルティ指揮、シカゴ響』

Mahler_Symphony3_Solti Chicago 東京の桜〇水という所に、クラシックの呼び屋さんの家があります。その方はもうなくなってしまったんが(´;︵;`)、その方が自宅地下で営業していたミュージック・サロンは今も残っています。ホール脇にとんでもなく広いCD庫があったんですよ!僕が見た中で日本人でいちばん多くCDを持っていたのはあの人だなあ…。それを見て僕はうらやましく思うと同時に、「クラシックの同曲の指揮者違いやオケ違いを追いかけるのはやっぱりダメだ、きりがないわ」と改めて感じました。そんな量、生きているうちにひと通り聴き返すことなんて絶対に出来ないですから…。
 ところが何の因果か、今回はマーラーの交響曲第3番の聴き比べをする事に。仕事の都合でマーラーの交響曲第3番を聴きこまないといけなくなったんですが、僕が持っているシノーポリ&フィルハーモニア管弦楽団の録音は、悪くないけどどこかに物足りなさを感じていたんですよね。というわけで、知り合いのマーレリアンに「誰の演奏&録音が良いの?」と訊いたところ、「俺ならショルティ&シカゴ響かバーンスタイン&ニューヨークフィルを推薦するね」との事。というわけで、その方の家でそれぞれ6楽章だけを聴かせていただきました。

 まずはショルティ&シカゴ響、1982年のシカゴのオーケストラ・ホールでの録音です。演奏は…僕はかなりショルティびいきな人間で、マーラーではショルティ&シカゴ響の2番8番は聴いた瞬間に「あ、これだ!!」と思ったほどでした。だけど3番はちょっと劇的な感じが薄いかな。。ショルティってスコアの読み込みが深くて作曲家を尊重する人らしいですが、もっと芸的でもいいかも。あと、録音なのか演奏なのか分かりませんが、よく聴こえる楽器と潜る楽器があるというか、演奏がちょっとデコボコ。
 録音は、ちょっとハイファイさに欠け、SN荷がやや悪く、音もあまり突っ込んでませんでしたが、実際のダイナミックレンジはこれぐらいにした方が広くとれるのかも知れませんね。また録音自体は立体的で僕個人はきらいじゃないぜ、みたいな。

 とか言って、それは今回4つのレコードを聴き比べたからそう思っただけで、このCDだけ聴いたら絶対に気にならないと思いますけどね(^^)。大きくみれば間違いなくいい演奏だと思いました‥6楽章と1楽章の一部しか聴きませんでしたけど(^^;)スマヌス。。


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『ショスタコーヴィチ:《交響曲第15番》 歌曲集《ユダヤの民族詩から》 ハイティンク指揮、ロンドン響/アムステルダム・コンセルトヘボウ』

shostakovich symphony 15 haitink ショスタコーヴィチの最後の交響曲である15番と、歌曲集「ユダヤの民族詩から」を収録したCDです。指揮はいつものごとくハイティンク。僕がショスタオーヴィチのシンフォニーを聴きまくっていた頃、西側の指揮者でショスタコの録音をしていたのってハイティンクぐらいしかいなかったんですよね。

 「交響曲第15番」op.141(1971)。ショスタコ版「大地の歌」のような変化球気味の交響曲だった後に来た15番は、4楽章のシンフォニーでした。ところが従来の4楽章ソナタとはひと味違った作り方をしていて、僕にはアレグレットの1・3楽章がペア、短調のアダージョから始まる2・4楽章がペアといった構成に聴こえました。2楽章や4楽章に「おお!」と思う所もあったんですが、全体としては茫洋としたシンフォニーに聴こえました…スマヌス。
 1楽章は「ウィアリアム・テル序曲」のモチーフが出てきたりと、まるでおもちゃのマーチのよう…これって何か標題があったんでしょうか。本当にお遊びのような第1楽章でした。で、3楽章もこれに似ていました。
 2楽章へ短調(アダージョ~ラルゴ)はうって変わって重厚。恐らく3部形式ですが、第1部は戦争を悼んでいるよう…以前のシンフォニーに引っ張られ過ぎですかね(^^;)。
 4楽章も2楽章に似た雰囲気でスタートしましたが、途中からクライマックスに達するまでが見事!でも大きなヤマが終わった後にまた音楽が始まっちゃうのはどういう意図があるんだろう…難しいです。第4楽章は他の曲からの引用がチラホラきこえたので、(僕に分かったのはシンフォニー7番「レニングラード」のモチーフと、ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」)、何か意味があるんでしょうね。こういうのって、クラシックや西洋文化に詳しくないと謎解きすらできないのが悔しいっす。。

 歌曲集「ユダヤの民族詩から From Jewish Folk Poetry」op.79。おお~これは独特な音楽で面白かったです!!これってユダヤ音楽に元ネタがあるんですかね、それともユダヤの詩編にショスタコが曲を充てたんでしょうか。いずれにしてもロマと中東とスラヴの音楽が混ざったようなエキゾチックなムードの曲が並んでいて最高でした!特に第2曲「Fussy Mummy and Auntie」、3「Lullaby」、4「Before a long separation」は最高。それからソプラノ、コントラルト、テノールの3声の絡み(常に全員入っているとは限らない)も面白かったです。

 家にあるCDやLPを聴くだけでも、僕はもう1周聴いている暇はないと思っています。まして自分で作曲も続けるとなると…。そういう観点から、このCDをもう一度聴く際の備忘録として、「交響曲15番は第4楽章、ユダヤの民族詩からは全部聴き直していいけど、特に2,3,4 が最高」とだけ書き残しておこう(^^)。


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『ショスタコーヴィチ:《交響曲第14番》 《マリーナ・ツヴェタエワの詩による6つの歌曲》 ハイティンク指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ』

Shostakovich_Symphony14_Haitink.jpg 詩を大フィーチャーしたショスタコーヴィチの管弦楽曲作品をふたつ収めたCDです。ひとつは「マリーナ・ツヴェタエワの詩による6つの歌曲」の室内管弦楽伴奏版、もうひとつは何とも独創的なショスタコーヴィチのシンフォニー14番です!

 「交響曲第14番」op.135(1969)。このシンフォニーは色んな意味で独創性が際立っていました。全楽章に詩がついていて、11楽章で出来ていて、後半に進みにしたがって無調や音列技法が目立ってきて…これを交響曲と呼んでいいのかという気すらしてしまう音楽でした。詩と管弦楽のコラボという意味では、マーラー『大地の歌』あたりへの意識もあったのかも知れません。そうそう、使われた詩はアポリネール6篇、ロルカ2篇、リルケ2篇、キュッヘルベケル1篇でした。
  僕はこのCDを輸入盤で買ったんですが、有り難い事に4か国語のバイリンガルで訳詩が載っていました…日本語はなかったけど、英語があったのでギリセーフ(^^)。で、その英訳を一部抜粋すると、1曲目ロルカのDe profundis が「The hundred lovers sleep forever under the dry earth」みたいな感じで、全曲が死にまつわる詩でした。ショスタコーヴィチはこの曲を発表した翌70年から療養生活に入るので、自分の命に関して思う所があったのかも知れません。死生観がシンフォニーの創作動機になっているとしたら、そのへんもマーラーに似ているかも。
 音楽は、さっき「後半に行くほど無調」みたいに書きましたが、聴感としてはどれも調的重力を感じるもので、それは音列を使っている(ごめんなさい外れてるかも^^;)第5楽章ですらそうでした。和声法や楽式面で言うと、僕には保守に聴こえたほど。詩があるからか基本的に激しいクライマックスはなく並列になっている感じで、全体の劇性を感じたのは最終楽章のラストぐらい。それでも全体の統一が取れずに歌曲集のように聴こえたかというとそんな事はなく、第1楽章と第10楽章で同じ主題を使うなど、工夫があってさすがでした。

 「マリーナ・ツヴェタエワの詩による6つの歌曲」op.143a(1973)。この曲はピアノ伴奏版もあるそうですが、このCDにはいっていたのは室内管弦楽伴奏版。歌ものという事もあるのか、全体の印象は交響曲14番に近く、全体の統制という意味ではこちらの方が統一感を感じました。全体的に重く暗い音楽で…死ぬ2年前になると、人ってこんな風に自分の命を考えるものなのかも、なんて思ってしまいました。

 このCD、録音がいつかよく分からないんですが(P印でいえば1981+83)、DDD みたいですごくシャープでエッジの効いた音でした。タイトなので、オーケストラよりもっと小さい編成で演奏しているよう。ハイティンク&コンセルトヘボウの演奏だけでなく、たぶんそれが原因だと思うんですが、ショスタコが意識しただろうアンサンブルが鮮明に聴こえるようで、見事な演奏だったと思います。ただ、もっとホールのアコースティックを活かした録音があるなら、それも聴いてみたいと思った…かな(^^)。。


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『ショスタコーヴィチ:交響曲第11番《1905年》 ハイティンク指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団』

Shostakovich_Sym11_Haitink.jpg 1957年に作曲されたショスタコーヴィチの標題つき交響曲、11番「1905年」です!僕は標題音楽って純音楽に比べると、音楽としては原理からしてちょっと格下になっちゃうと思っていた時期があったんですが(今でもそう思ってる節があります)、これは標題音楽だからこその素晴らしい音楽だと思いました。いや、音楽というよりも音楽劇といった感じなのかな?違ういい方をすると、標題音楽的なものが多いショスタコのシンフォニーって他にもあって、他のものは音楽だけでもきいていられるんですが、「1905年」は物語なくしてこの音楽はあり得ないだろうな、と感じました。題材となった「血の日曜日事件」どうこうではなくて、元になった物語なくして音楽をこういう様式にしないだろう、みたいな。

 まずは、音の印象に敏感なアホな僕としては(^^;)、フワーッとした平和と不穏さの同居したような第1楽章がとにかく素晴らしかったです。僕はこのシンフォニー、この録音でしか聴いた事がないんですが、和弦がオルガンみたいな音を出してずっと漂っていて、この音がメッチャ素晴らしかったです!これ、他のオケでもこういう音になるのかな…。で、この印象付けられた1楽章のムードは最後に聴いてくることに。

 全体は全4楽章、楽章をまたいだ展開を含めて言えば、序破序破序急、みたいな。ただ、僕は4楽章シンフォニーだと最初から知っていたもので、聴いている最中は「あ、序破序破で終わりか。面白い構成だけどなんだか1~2楽章をリピートしたみたいに聴こえちゃうな」な~んて思ってました。標題音楽なので音楽そのもののドラマではなく、物語に沿った進行をさせてこうなったのかな、みたいな。
 ところが最後にあの印象的な1楽章に戻って、「あ、なるほどな」と思ったらそれも束の間、とんでもないラストがドッカーン!しかもブツっと終わる感じで、騒乱や不安を残したまま…なるほど「1905年」ですもんね…。いやあ、最後に2回ひっくり返すのは映画音楽作曲家でもあるショスタコーヴィチの演出能力といった所でしょうか、この構成が良かったです。

 僕は気に入った録音に出会ったらそれ以上の聴き比べはしない主義なので、この曲の別録音を聴いたことがありません。その前提で言うと、コントラストの効いた素晴らしいディレクションと演奏でした!1983年録音なので、今だともう少しエッジの効いた録音もありそうですが、我ただ足るを知る、ですね(^^)。素晴らしい音楽と演奏でした!!


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『マデルナ Maderna / 電子音楽作品集 Musica Electronica』

Maderna_Musica Electronica マデルナのもうひとつの顔、電子音楽の作曲家としての作品集です!マデルナって、実はベリオと一緒にイタリア国営放送に電子音響スタジオを作った人なんですよね。このCDに収められた音源の電子テープ制作は、マデルナ自身とMarino Zuccheri という人によるものでした。だとしたら、マデルナの電子音楽を聴くならこれがファーストチョイス確定じゃないですか!ぜんぜんそんなところ見てませんでしたが、これはいい買い物しました(^^)。

 現代音楽系の電子音楽については本当に不勉強で、語る言葉を僕は持っていません。ただひとつ言えるのは…第一感でカッコいい!!現代音楽系の電子音楽って、最初の頃は器楽の電子版みたいなこともしていましたけど、それこそシュトックハウゼンやマデルナが活躍する頃になると、セリー的になったりアレアトリー的になったりと、器楽ではとても実現できない作曲技法の宝庫になったじゃないですか。
 このCDに入っていた「Syntaxis」あたりは手動なんじゃないかとも思えましたし、フルートや声の生演奏と電子音とのデュオ(「Musica su due Dimensioni」「Dimensioni 2」)もあって、コラージュまで含む多様な方法で作成された音楽と感じましたが、鍵盤打楽器と電子音、そしてそれが変調していく「Serenata 3」は音の壁を作る電子音の処理がリゲティ的で、異常なほどカッコよかったです。。

 一方で、ずっと聴いていると、退屈に感じられる面もありました。構造面がかなりシンプルに感じてしまったんですよね。全7曲の作曲年が1956~62年の間なので、まだ電子音自体の奏法探求や、時代的にアレアトリーやセリーという側面が強いこともあったのか、電子音の構造化という所までは行けていなかったのかも知れません。それって今では進んだのかな…グルッペンとか統計という方法ではなくて。

 昔の電子音響スタジオの特徴なのか、使う音はアナログかつ音数がけっこう少なくて、これが硬派なイメージに繋がっている気がします。面白いですよね、「語る言葉を持ってない」なんていう自覚があるほどなのに、似たような電子音を使ってもマデルナやリゲティあたりの電子音楽には素晴らしい知性とカッコよさを感じるのに、90年代あたりのノイズ・ミュージックは「頭悪そうだな」とか思っちゃうんですから。。ある時期から出来たノートPCにパッチシンセを組み込んだ音楽なんて、子どもの遊びに感じちゃいますもんね…。なんで今でもアナログのモジュラーシンセを使う人がいるのか、なんとなく分かる気がしました。


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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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