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『バルトーク:《管弦楽のための協奏曲》 《中国の不思議な役人》 小澤征爾指揮、ボストン響、タングルウッド祝祭合唱団』

Bartok_Kangengaku no tameno kyousoukyoku_Chuugoku no_OzawaSeiji 同じくアメリカのオーケストラを使ったバルトーク、今度は小澤征爾さん指揮のものです。僕はこのCDを「中国の不思議な役人」目当てで買いました。この曲、元々はパントマイムのための音楽なんですが、演奏会用に短縮されたバージョンがありまして、CDとなると短縮版が収録される事が多いのです。でも、このCDの「中国の不思議な役人」はフルバージョンなのです(^^)。まあ、フルバージョンの方がいいかどうかはまた別ですけどね。

 そしてこのCD、「管弦楽のための協奏曲」がブレーズ/シカゴ響の録音とダブってました。こっちは94年録音で新しいんですがライブ録音だし、レーベルもフィリップスでグラモフォンより格下だし、音楽人としてもブーレーズの方がかなり上なので、「管弦楽のための協奏曲」はまったく期待してなかったんですが…うおお~オケがすげえ躍動してます、音もこっちの方が全然いい!そして…前回あんまりいい事を書かなかったこの曲ですが、これだけいい音と演奏で聴かされると、とんでもなく素晴らしい曲に聴こえてしまいました(^_^)イイカゲンダナ。
ちなみに、バルトークがアメリカ亡命後に作曲したこの曲、初演はこのボストン交響楽団だったんだそうです。「この曲で他のオケに負けるわけにはいかねえ」みたいな危害があったのかも(^^)。また、僕は無意識のうちに小澤さんを軽く見てたフシがあるんですが、考えてみると小澤さん指揮のものでつまらないと思ったものは今まで一度もないです。それどころか「これはすごい」と思わされることは何度もありました。小澤さん、やっぱり超がつくほどすごい指揮者なのかも知れません…な~んて、そんなのは世界中の人がとっくにそう思ってるか(^^)。

 そして、注目の「中国の不思議な役人」。この曲の演奏は、以前にショルティ指揮シカゴ響のCDを紹介した事がありましたが、そこにも入ってます。あちらも素晴らしいんですが、ちょっと録音が古い感じでオケの分離が悪い感じなんですが、こっちは文句なし!!
ところでこの音楽、けっこう不穏。それはパントマイムの内容にあります。まずしい3人の悪党が、金品を奪おうと少女に客引きを強要し、東洋系の役人を誘惑して部屋に招き入れます。そしてやってきた役人から金品を巻き上げ、さらに殺してしまうというもの。なんちゅうシナリオだ、そりゃ音楽も不気味なものになるわな( ̄ii ̄)。

 あんまり注目されてない1枚ですが、録音も演奏も文句なしの超一流、しかも「中国の不思議な役人」はフルバージョンですので、ロマン派に近い時期のバルトークが好きな人は見逃せない1枚じゃないかと!


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『バルトーク:4つの小品、管弦楽のための協奏曲 ブーレーズ指揮、シカゴ交響楽団』

Bartok_KangengakuNoTamenoKyousoukyoku_$tunoshouhin_Boulez.jpg 西洋の近現代のクラシック/芸術音楽がメチャクチャ好きです。特に近代は、独創性も強いし感覚的にもモーレツに感動するし、本当にいい音楽がひしめいてます。シェーンベルクストラヴィンスキードビュッシーバルトークが同時代の同じシーンにいるって、すごくないですか?
 これだけべた褒めしておきながら、僕はバルトークのすべてが好きなわけじゃなかったりして(^^;)。バルトークって、元々はベートーヴェンブラームスR.シュトラウスといったドイツ/オーストリア音楽に影響されまくったところから始まって、途中でハンガリーの民謡を採集・研究しつつシェーンベルクとかの当時の前衛音楽も吸収した人です。僕はこの先鋭化した時のバルトークの音楽が好きで、6曲ある弦楽四重奏曲はどれも見事、特に3番以降は天才的です。「弦チェレ」も、フィボナッチ数列(!)を用いて、楽器ごとに配分された12音と複雑なカノンが一点を目指して上昇していく第1楽章は神技。弦カル3番が1927年、弦チェレが1936年ですから、27年以降の10年ちょっとぐらいの作品が強烈、という事になります。
 でも、バルトークがそのまま最先端を突っ走ったかというとそうではなく、第2次世界大戦で東ヨーロッパの雲行きが怪しくなってからはアメリカに亡命。ここから先鋭的な作風が影をひそめて、すこし前のクラシック音楽の作風に戻ってます。

 さて、このCDに収められてる「管弦楽のための協奏曲 Concerto for Orchestra」は、「弦チェレ」と並んで上演機会の多い作品。書かれたのはアメリカ亡命後、死ぬ2年前となる1943年。というわけで、作風は従来のクラシックに近いところに戻ってます。さすがに近現代屈指の作曲家の晩年の作品だけあって見事なオーケストレーションです…が、アメリカで評価されなかったもんだからちょっと日和ったような気がしなくもない(゚ω゚*)。バルトークほどの人でも、評価されなくなっちゃうと「アメリカの人に受け入れられるものを」とか思っちゃうんでしょうか。弦楽四重奏や弦チェレを知っていると、これはちょっと物足りない…。もしこれがバルトークの作品じゃなかったら絶賛ものだと思うんですが、バルトークの作品だけに、神がかった数列や最先端の技法を突き進んで欲しかった。って、こんなに見事なオーケストレーションを聴かせて貰っておきながら、贅沢ですね。

 というわけで、僕がこのCDで驚いたのは、ついでについてきた「4つの小品 作品12 Four Orchestral Pieces (Sz51)」の方で、これが凄かった!作風こそロマン派の和声組織を用いつつようやく独特な音楽を創りはじめた、いかにもR.シュトラウスとかスクリャービンが出始めた時代の音楽ですが、独創性がすごい…。作曲は1912年、オーケストレーションを作ったのは21年、ドイツ/オーストリア音楽に影響されまくった初期バルトーク作品の総括のような音楽でした。僕は先鋭化する前のバルトークというと、唯一のオペラ「青髭公の城」とかバレエ音楽「かかし王子」「中国の不思議な役人」とかの有名作しか知らないんですが、それらの曲の着想がみんな入ってる気がします。特に第2曲「スケルツォ」は、この曲だけちょっと崩れたソナタ形式っぽくて(他はABA3部形式に近いかな?)、雰囲気も独特のヤバみがあって、素晴らしい

 僕は貧乏音大生だったもんで、他のオケとの聴き比べなんて出来てないので、他のオケや指揮者の録音との比較は出来ないんですが、ブーレーズの指揮シカゴ響の演奏は、聴いていて不満なんてひとつも感じない素晴らしい演奏でした!先鋭化以前と以降のバルトークの作品ふたつを聴けるCDでしたが、デビュー時期のバルトークをこんなに素晴らしいと思ったのは初めて、素晴らしい体験でした。あんまり有名じゃないですが、「4つの小品」は聴いて損はない見事な作品だと思いました!


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『ラフマニノフ:《ピアノ協奏曲第3番》 《ピアノ・ソナタ第2番》 ホロヴィッツ(p)、オーマンディ指揮ニューヨーク・フィル』

Rachmaninoff_Concert3_Sonata2_Horowitz.jpg 1978~80年に録音された、ピアノの超巨匠ウラディミール・ホロヴィッツによるラフマニノフ作品のライブ録音です。レーベルとしてはRCAからソニーに移籍したホロヴィッツがRCAに復帰した時代の録音でした。

 「ピアノ協奏曲第3番」。ホロヴィッツの18番ですが、これは1978年1月8日、カーネギーホールでのコンサート録音のもの。ホロヴィッツがピアノ協奏曲を演奏したのは、1953年以来25年ぶりという事でした。録音は奇麗だけど線が細くて、初期のデジタル録音なのか、それともマスタリングでそうなったのか。
 でもって、1楽章は曲はぜんぜん耳に入って来なくて、ホロヴィッツの圧倒的な演奏しか聴こえませんでした。いやいや嘘だろ、ホロヴィッツって1903年生まれだから、このとき75歳ですよね。乱れる所も叩きつけるように弾くところもあるけど、それがすべて演奏表現に聴こえる…これはジャズですわ。ラフマニノフのピアノ協奏曲と言えば、アシュケナージ演奏のものなどを聴いてきましたが、格が違いました。すげえ。また、爆発的な演奏のあとで1楽章のテーマに戻った時の美しさ鳥肌もので、声が出そうになりました。
 そして2楽種のアダージョ…いやあ、これはヤバい、美しいチャイコフスキーやラフマニノフの書くアダージョってヤバいです。

 「ピアノ・ソナタ第2番」。1980年の録音から良いテイクを集めたようですが、これも曲というより演奏が壮絶。ラフマニノフ自身が素晴らしい演奏家だったので、こういう演奏の壮絶さみたいなものを前に押し出した曲を書いたのかも知れませんが、それにしてもこれは77歳…化け物です。。

 正直に言うと、RCA復帰後のホロヴィッツは高齢という事もあって、食わず嫌いで舐めていました。でも、その前のソニー時代も全盛を過ぎたと言われながら、シューマンとか凄まじかったし、このCDは評判も良かったので聞いてみたいと思っていたのですが、僕的には評判どころではない感動。手厳しいコメントを寄せているファンの方もいましたが、そういう人ってたくさん比べ聞きしてるんでしょうね。僕はそういう事をしていないのでこれがホロヴィッツのラフマニノフのピアノ協奏曲2番のベスト演奏家なのかどうかは分かりませんが、これだけを聴いた分にはのけぞる凄さでした。個人的には、ラフマニノフのピアノ音楽の聴こえ方がホロヴィッツで変わった感じ。チャイコフスキーの後釜の美しい曲を書く人という認識が、ロシアのリストぐらいの超絶ピアニストに思えるようになったのでした。


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『ムソグルスキー《展覧会の絵》 《水の辺で》、チャイコフスキー《ピアノ協奏曲第1番》 ホロヴィッツ (p)』

Musoglski_TenrankainoE_Tchaikovski_Concerto1Horowitz.jpg 20世紀前半のピアノのヴィルトゥオーゾと言ったらやはりこの人、ウラディミール・ホロヴィッツです!死ぬ直前まで現役として録音を残していた人なので活動期間は長いですが、全盛は1928年のアメリカ・デビューから、鬱病で長期に渡ってコンサートをしなくなるまでの52年あたりまでらしいです。この時期はレコード会社でいうとRCA 時代で(62-73年はソニー、それ以降はRCA に復帰)、このCD はRCA 時代の41~51年の録音から集められていました。

 ムソグルスキー「展覧会の絵」は、ホロヴィッツ自身のアレンジによるピアノ独奏版。1951年、カーネギー・ホールでのコンサート録音でした。こういう管弦楽曲の器楽独奏アレンジって、ピアノやギターでたまに聴くことが出来ますが、演奏以前に編曲すること自体がすごいと思います。1曲だけ「ん?」というものがありましたが、きっと運指とかいろんな都合で、難しかったんでしょうね。ただ、僕は「展覧会の絵」という曲自体があまり好きじゃないもんで、アレンジ能力と演奏はすごいと思ったけど…みたいな。

 ムソグルスキー「水の辺で」。これは47年のNY録音。この曲、僕は知りませんでしたが、なんでも「太陽は隠れ」という歌曲集の中の1曲だとか。これがやや印象派的な所も感じる良い曲で、思わぬ収穫。この録音はピアノ独奏でしたが、歌入りの全曲ものも、いつか聴いてみたいと思いました。

 チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」は、1941年(太平洋戦争中じゃないか!)カーネギー・ホールでのライブ録音で、トスカニーニ指揮・NBC交響楽団との共演。録音が悪いというのがファースト・インプレッションでしたが、聴いて3分も立つとそこは気にならなくなり、演奏に圧倒されました。いやあこれはいい、ホロヴィッツは勿論ですが、オケも素晴らしかったです。しかしこの曲って、チャイコフスキールービンシュタインに演奏を拒否されてえらく傷ついたそうですが、ホロヴィッツのとんでもない名演を得られて、本当に良かったですね(^^)。

 クラシックのソリストが有名になるのって、神がかった名演を披露した伝説的な公演で一気にブレイクするのがひとつの型。グールドならバッハのゴールドベルク変奏曲を演奏した50年代のリサイタルがそうでしょうが、ホロヴィッツは、28年のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の演奏とか、それ以降のラフマニノフのピアノ協奏曲第3番あたりが、それにあたるんじゃないかと。同じ曲を徹底してアナリーゼして表現を考え抜いて練習して…という風にやるのか、ホロヴィッツって全集録音はせず、レパートリーを厳選する人です。それだけに同じ曲のコンサート録音がいっぱい残っているのですが、41年カーネギーホールでのチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番は名演でないかと思いました…って、他と訊き比べたわけじゃないんですが。でも惜しむらくは録音の悪さ。ちなみにチャイコフのシンフォニー1番を、後年にホロヴィッツとトスカニーニはライブで再演していて録音も残っているのだとか…いやいや、こういうのを追い始めたら人生はあっという間に終わってしまうので、聴かない事にしよう…でもこれだけの圧倒的演奏だと、いい録音があるなら聴いてみたいなあ。


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『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番~第3番 ポリーニ(p)』

Beethoven_PianoSonata1-3_Pollini.jpg ポリーニベートーヴェンのピアノ曲の録音では、こんなのも持ってます。ピアノソナタの1~3番、2006年の録音です!
 このCD、最初は音にビックリしました。教会かどこかで、遠くからマイクで録音したみたいに、残響がすごくて音がワンワン、しかも低音がぜんぜんありません。そして、左のスピーカーから、定期的に「スーッ」という音がきこえます。なんだこの音、ペダルかアクションの音かな、ピアニストの息を吸う音かな…よく分かりませんが、これがやけに気になってしまった(^^;)。さらに、ピアノがちょっと右に寄ってる…このあんまりな録音が、僕にはつらかったです。だってこんなの、プロの録音とは到底思えないし、仮に録音に失敗したにしても、やろうと思えばポストプロで修正可能な範囲の事じゃないですか。。お役所仕事というか、作品制作に対する情熱や厳しさが足りないというか。

 でも、ポリーニの演奏はすごかった!いや~、こんなに歌いまくるベートーヴェンのピアノソナタがあるのか。ベートーヴェンの協奏曲が最近はけっこう速めに演奏するようになったように、ピアノソナタも新しい解釈で弾かれるようになってきたのかも。昔はもう少し重厚で構造美を見せる感じだったと思うんですが、これはリサイタリストの華麗な演奏という感じ。こういうのって、新進気鋭の若手がやりそうですが、これを老境のポリーニが演奏するというのが素晴らしかったです。ハラショー!

 ベートーヴェンのピアノソナタ、僕は長らくバックハウスのステレオ録音の全集を愛聴してました。といっても、楽しみのためじゃなくてピアノや作曲の勉強のためだったんですけどね(^^;)。でも、こういう軽く、そして楽しげに歌うような演奏が主流になっていくなら、音楽の楽しみとして聴く事が出来るようになるかも。
 ただ、この録音は…。。グラモフォンって、昔は会場の響きと楽器の直接音が絶妙なバランスの録音をたくさん生み出してたけど、最近はこういうプロの仕事とは思えないものが増えました。昔みたいに音楽を追及してる感じが薄れて、売る事ばかり気にしてるみたいでいやです。録音レーベルのみならず、ベルリン・フィルも変なプログラムで雑な演奏をするようになってきましたし、ドイツのクラシック音楽文化も、けっこうヤバくなってきたのかも。


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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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