ジャズではジョン・コルトレーンのアルバムを買いあさったことがありますが、ロックではジミ・ヘンドリックスのアルバムを買いあさっていた頃があります。そのぐらいにハマったミュージシャンなので、好きなアルバムが結構あるんですが、いまだに聴くアルバムの筆頭はこれです。
ジミヘンというのは、ロックのギターの世界では神格化された人です。ほとんど神扱い。またそれが、ファンク系からも、ハードロック系からも、ブルース系からもそういう扱いを受けるという所が凄いと思います。要するに、音楽がある意味で統合的というか、背景にあるものが広いというか。それ故に、アルバムによって色の違いがあったりします。で、このアルバムは、やや静か目の曲が多いせいか、またバンドのメンバーが変わって、バックを務めるベースやドラムが大人しいせいか、ジミヘンのなかでは地味扱いされてるみたいなんですが…ギターの表現力がちょっとハンパでないのです。たとえば、さりげないイントロのリフですが、そのたった1拍の音でも、ひっかけるようなピックアップから入って、だんだんビブラートがかかって…ってな感じで、ものすごい表現力です。0.5秒にも満たない1音で、これです。ここまでの表現力は、ロックでは皆無。クラシックのヴァイオリンを聴くようになるまでは、出会う事がありませんでした。
で、レコードではA面だった2曲「Who Knows」「Machine Gun」、この2曲ばかりを聴いていました。どちらも静かなんです。しかし、聴けば聴くほど、ギターの表現力に鳥肌が立ってきます。「勢い」とか「ハード」とか、そんな子供っぽい、分かり易いところのものではありません。表現力としか言いようがないというか。信じられない事ですが、わずかなフィードバックまで完全に制御されている感じ。最初に聴いた時から何十年もたった今でも、たまに引っ張り出して聞くんですが、プレイヤーとはこうあって欲しいというほどの境地です。
ジミヘンと言って、真っ先にこのアルバムを薦める人も少ないと思うんですが、ほとんどキ○ガイといっていいほどジミヘンばかりを聴いていた私が、いまだに聴き続けているのはこのアルバムであることも事実です。これをきいていきなりジミヘン好きになることもないかも知れませんが、それでも人に薦めずにはいられないアルバムなのです!
あ、そうそう、同じバンド・オブ・ジプシーズのアルバムに
『live at fillmore East』 というものがあります。なんとどちらもフィルモアでのライブ録音なので、完全版なのかな?と思ったのですが、違うライブのものでした。で、演奏のコンディションは従来のアルバムの方が圧倒的に上。『live at fillmore East』のほうは、集中力に欠けるというか、演奏が雑です。でも、すごいんですけどね…。あと、
『Band of Gypsys 2』 というアルバムもあります。こちらは有名曲が結構入っているんですが…すごいプレミアついちゃったみたいです。昔は800円ぐらいでいくらでも売ってたのになあ。
スポンサーサイト