
前の記事で「音楽的にハイレベルな即興系アヴァンギャルドというのは、イギリスのAMMと日本のEXIAS-Jしかない」と書きました。で、これがそのEXIAS-Jというグループ。しかし、なんと読んでいいのか分からん(^^;)。つまり、"EXPERIMENTAL IMPROVISERS' ASSOSIATION IN JAPAN"の略なんだそうで。なるほど、アヴァンギャルドというよりはインプロヴィゼーションという所にグループの趣旨があるようですね。
で、このグループですが、真相は分かりませんが、一聴した感じでは、ギターがリーダーなんじゃないかという気がします。そういう意味でいうと、全員対等のAMMのグループ・インプロヴィゼーションとはちょっと印象が違うかも。でもって、こちらの方が超絶プレイが多いというか、単純にうまいです。アヴァンギャルド的な表現は徹底的にアヴァンギャルドなんですが、フリージャズっぽいところとか、現代音楽っぽいところとか、シーンによっては器楽的なアプローチも多いです。これは、ギターが超高速で弾きまくる所とか、ピアノがまたものすごくうまく音楽を作るところなんかが目立つので、そう感じるのかも。ミュージシャンのレベルは、演奏だけでなく、作曲的な面からも相当に高いと思います。いやあ、こんなグループを自分で作ってみたかった。。こんな事できたら、カッコいいだろうなあ。
このCD、もう音が録音機器のピークを振り切っちゃってて、ビキビキと割れまくってるんですよ。横浜エアジンの録音みたいなので、いくらなんでもPAしてると思うんですよね。それでも、ギターが一気に持っていくところなんか、ピアノどころかドラムまで完全にマスクされるし、更にライブ・エレクトロニクスが被さるところなんかはそのギターまで掻き消されるほどの勢いです。いやあ、ロックですらこれほどの音圧を体験するのは難しいんじゃないかと。でも、だからといって音の暴力一辺倒になるかというとそんな事は全くなくって、音楽そのものはむしろ理知的ですらあります。驚くべきは1曲目。どう聴いたってインプロヴィゼーションなんですが、サウンドは強烈、しかし構造はセシル・テイラー並みに見事、そしてすべての楽器の音が溶け合うぐらいの物凄いクライマックスまで音楽が上り詰めて行って…一気に全員が音を切って、最初のパートに戻るのです!!うわ、これはマジックだ。。一体どうやって演奏したのか、返す返すも、このグループは生で見てみたかったです。
これこそ本物のアヴァンギャルドでしょう。最も凶暴な部類に属するインテリジェンスと思います。
スポンサーサイト