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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『FOGHAT』

FOGHAT.jpg フォガットのデビュー作です。この頃は、全然ポップというんではなくって、ブルース・ロックをベースに感じるような音楽です。が…いやあ、これがまたけっこう良いんですよ。ブギーとかブルースロックとかいった言葉から想像できないような独創的な曲が何曲か入っていまして、これがいずれも絶品。"Leavin' Again"なんて、跳ねるようなリフがひたすら繰り返され、それがまたフワフワ漂うような曲調になっていて、なんというか…素晴らしいとしかいいようがない。この曲、30分ぐらい連続で演奏されたとしても、飽きないだろうなあ。あと、アルバム最後の"Gotta Get To Know You"なんかも、エレピのリフからフェードインしてくるようなすごい浮遊感のある気持ちのよい曲で、こういう音楽って、クラプトンにもツェッペリンにも作れないんじゃないかと思います。
 しかし、やっぱりアルバムの幹になっているのは、ブルース・ロック。なんといっても、メンバーの大半が3大ブルースロック・バンドと言われたサヴォイ・ブラウンのメンバーなんですから、この手の音楽はお手のものなんでしょう。ローリング・ストーンズをはじめ、多くのブルースロック・バンドが何度もカバーしてきた"I Just Want To Make Love To You"なんか、他のバンドとの実力差を見せつけるような完成度です。

 しかし、フォガットがブルース・ロック的な音楽をそのままやったのは、デビュー作の本作だけ。以降は、思いっきりオリジナル色の強いロックでポップな音楽を作っていきます。このデビュー作の音楽性と、以降のフォガットの音楽性の食い違いが、ファンを混乱させたのかもしれませんね。どちらも素晴らしいんですが、デビュー作が良いという人は以降を認めないだろうし、名盤の「ENEGIZED」あたりを好きな人は、こちらを認めないでしょうし。でも、どっちもひっくるめて楽しむのが、リスナーとしては一番お得なのではないかと。どちらも、いい音楽なんですよ!


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『FOGHAT / GIRLS TO CHAT & BOYS TO BOUNCE』

foghat_GirlsToChat.jpg 同じくフォガットの、80年代のアルバムです。ひとつ前の記事で紹介したレコードより、更にポップになってます!で、これはメンバーがかなり入れ替わっちゃってるから、とか、色々と理由はあるんでしょうが、本当の理由はもっとシンプルな所にあるからなんじゃないかなあ、と思います。要は、レコード会社がディレクションを主導し始めたという事なんでしょうね。まあ、そんなわけで、メンバーががらりと入れ替わった80年代のフォガットというのはすこぶる不人気なんですが…いやあ、なかなかどうして、これがまた爽快なのです。

 個人的には、レコードではA面に入っていた1曲目"WIDE BOY"と4曲目"LIVE NOW, PAY LATER"が大好き。1曲目なんて、楽器をはじめたての若い子でも、すぐに演奏できるんじゃないかなあ…というぐらいに単純な曲なんですが、その爽快感といったらありません。軽いです、軽い(いい意味です)!!なんかスカッとした気分になりたい時、こんなにいい音楽もない!で、もう一曲の"LIVE NOW, PAY LATER" なんて、詞の内容からしてアホ全開です。「今楽しんで、支払いはあと、あと!!」ってことですよね。で、この曲のいいのは、これでもかというぐらいに続けられるベースのリフです。曲が終わったかと思ったら、このリフを何かの呪文のように延々と続けられて、しかもそれがベースだからズシズシ来る。そのうえをひたすらギターがソロをとって、最後にはシンコペーションしていたドラムがいきなりシンクロして…という感じで、リフ音楽としてのロックの気持ち良さをこれでもかというほどに堪能できます。う~ん、マジで気持ちいい。

 とはいえ、80年代のフォガットがつまらないのは確かな事で、なぜかこのアルバムだけがやたらと良く出来てるんですよね。フォガットはメンバーもうまいし、基本的にバンドという時点で、ロックフィールドで活動してきた人たちなものだから、どうしてもハードロックの基準から測られちゃって、それで「軽い」「ポップだ」なんて言われちゃいがちなバンドだと思います。しかし、フォガットはハードロックバンドではなく、ポップロックなバンドだと思えば、これ以上のバンドはないんじゃないかというぐらいに良いバンドだと思うのです。このアルバムも大好きで、いまだにたまに出してきてはよく聴きます。。


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『FOGHAT / LIVE』

foghat_live.jpg マジで爽快!部屋の掃除を始めようとか、ちょっとダラダラして気分が晴れない時とかに、これほど効く1枚もありません!!このレコードを買ったのは中学生の頃なんですが、あれから20年以上経過しているというのに、いまだに月1回ぐらいのペースでターンテーブルに乗せて聴いているという、僕にとってのスマッシュヒットです!

 バンド名は「フォガット」と読むみたいです。FORGETじゃなくって、FOG HATを繋げた造語。「霧の帽子」か、センスいいな!で、音楽はこのまんまのセンスで、深い意味とか、そういうのは要らない感じで、ただひたすらビートがノリノリで、ギターのリフが気持ちいいです。なんというのかな、ハードロックというほど重い感じもなくって、アップテンポなポップスをロックバンドが仕上げた感じ。
 じゃ、商業ポップ的な大量生産的な雑な感じかというと、全然そんなことなくって、全員がスタジオ・ミュージシャンという超強力バンドなのです。メンバーの一部はサヴォイ・ブラウンの元メンバーだったりして、思いっきりプロフェッショナルなテクニシャン揃い。で、ひたすら爽快な音楽をやる。このライブ・アルバムは1977年発売なんですが、匂いとしては80年代っぽい感じです。いい意味で、軽いんです。それは音楽だけじゃなくって詞にも現れていて、例えば大名曲"HOME IN MY HAND"なんて、「家を手に入れたぜ!」という意味ですよね。いやあ、グチャグチャのドラッグ文化を引きずった70年代ロックなんかとは、ノリが違うんですよね。どちらが良いという訳ではありませんが、音楽そのものと正対してディープに聞くというんじゃなくって、「ちょっと爽快になりたいな…」な~んて時にBGMで聴くには、こういう音楽の方が絶対にいい!!爽快になりたい時に、ジミヘンドアーズは重すぎますからね(^^;)。
 アタマの2曲"FOOL FOR THE CITY"と"HOME IN MY HAND"は必聴!あと、ローリング・ストーンズのデビューアルバムでも聴く事の出来る"I Just Want to Make Love to You"なんて、ツインギターの掛け合いから相当カッコいいアレンジで聴くことが出来ます!同じく、ヤードバーズの演奏していた"TRAIN KET A ROLLIN'" なんて、とんでもないアップテンポで押しまくります!ラスト曲の"SLOW RIDE"なんて、確かにゆっくりのノリで始まるんですが、これが最後はどんどん加速して行って、スライドギターのソロがとんでもない事になってます(^^)。いやあ、マジで爽快!!アマゾンで見たら、これ、1円で売ってるのか!いや、これは絶対に聴くべきですよ!!


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『ブルガリアの音楽 バルカン・大地の歌』

Bulgaria_Balcan.jpg これもブルガリアの民族音楽のCD。このCDは、更にブルガリアン・ヴォイスから離れ、器楽局が中心、歌が入っているものも基本的に器楽との合奏です。

 特徴的なのは、すごくアラビア音楽の色彩が強いという点。例えば、CDの最初の4曲は「カヴァル」という笛の独奏、5曲目から9曲目はヴァイオリンのソロに、時折歌が乗っかるという感じなんですが、そのどれもアラビア音楽的な旋法です。例えば、5曲目の民謡「今夜、恋人に会いに行くよ」では、1度、短2度、長3度、4度、5度、短6度…という戦法が使われています。なんというのかな、これを他の表現で言い表すと…ほら、アラビアの方で、笛を吹いて蛇がツボから出てくるのって、あるじゃないですか。あの音楽です。なるほど、よく考えたらブルガリアはトルコの隣なので、民族音楽大国トルコの影響を受けていたとしても何の不思議もないですね。しかし、このエキゾチックな感じ、いいなあ。
 他にも、すごくバラエティに富んでいて、このCDは面白い!!例えば、人形使いの大道芸の伴奏音楽なんかまで入っているんですが、これが共鳴弦のついた弓奏楽器。トルコに似た楽器で「ケマンチュ」なんていう楽器がありますが、それの親戚なんじゃないかと。あと、インドの歌にそっくりな歌(歌どころか、歌い回しまでそっくり!)なんかまであるんですが、これはもしかしたらジプシー系の音楽楽団が持ち込んだものなのかも。あと、ヴァイオリン属の楽器を、最初から最後までダブル・ストップで弾きまくる曲なんかもあるんですが、こんなのは間違いなく大道芸というか、プロの音楽家でしょう。
 あと、アルバム後半は、合唱のオンパレードなんですが、いかにも一般の人たちの歌唱で、「ああ、これがブルガリアン・ヴォイスの元ネタなんだな」と思わされます。麦刈り唄なんていうワークソングが結構入っているので、みんなで農作をしながら歌っていた音楽なんでしょうね。

 民族音楽というのは、その音楽単体だけじゃなくって、その音楽の成立している背景まで見えてくると、こんな楽しいものはありません。いま、グローバリゼーションの時代になって、世界にある音楽文化が均一化の方向に向かっている中で、その前に存在していた地域音楽というのは、本当に珠玉の音楽財産だと思います。しかしこのCD、僕は「トルコの音楽だよ」と騙されて聴かされたとしても、きっと気づかないだろうなあ(^^;)。




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『BULGARIA / Folk & Village Music』

bulgaria_SinpinoUtagoe.jpg 同じく、ブルガリアの音楽です。しかし、これが例の有名なブルガリア国立合唱団による歌唱なのかどうか不明。タイトルから憶測すると違うのかもしれませんが、合唱の凄さはあのブルガリア国立合唱団の脅威の合唱とまったく遜色なし。更に、ブルガリア国立合唱団のものとは違い、かなり土着的な音楽まで収録されているというのが、このCDの良い所です。

 しかし、ブルガリアのこの声の音楽というのは、一体どういう背景と歴史がある物なのでしょうか。プロ音楽家でない人たちが、プロでも到底かなわない歌唱をしてしまうというのが凄すぎる。ブルガリアというのはスラブ系のブルガリア語を離す筈なので、たぶんこの音楽もブルガリア語なのだと思うので、歌詞の内容までは僕には分かりません。しかし、タイトルだけを拾うだけでも、「若い羊飼い」とか「この哀しい森で」「昨日山を越えて」みたいなものばかりなので、とうてい教会音楽とは思えない。このCDの5曲目「秘密の約束」なんて、ふたりの歌唱者のコール&レスポンスで、ヨーデルに近いというか、歌というより、山のあっちとこっちで会話しているかのようにすら聞こえます。もしかすると、そういうあたりにバックボーンとルーツがあるのかも。

 しかし、こういう音楽をCDで聴くというのは、どうしても限界がありますよね。仮に山のあちらとこちらで声を通すような所の音楽であったら、スタジオでマイクで収録なんていう事自体が無理。オペラのソロイストなんて、スタジオで録音しようとしても無理ですからね。きっと、それ以上の無理があるでしょう。また、合唱音楽のこの凄さは、空気感を消すように設計された録音スタジオで収録するのがやっぱりおかしな話。恐らくこの合唱自体が反対を志向していて、響きのある場所を望んでいるんじゃないかと。
 声の音楽の物凄さというのは、CDはCDでしかないという事を痛感させられます。それにしても…凄い!!



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『ブルガリアン・ヴォイス / カテドラル・コンサート』 LE MYSTERE DES VOIX BULGARES

Bulgarie_cathedral.jpg 驚異のヴォーカル、驚異の合唱!!一世を風靡した、いわゆるブルガリアン・ヴォイスと呼ばれる音楽です。これはマジで凄い、初めて聞いた時には鳥肌が立ち、背筋がゾクゾクして、あまりの感動に身を震わせた記憶があります。
 「ブルガリアン・ヴォイスといえばこれ」といわれているCDが他にあるのですが、このCDはその数段上を行くものと思います。僕の中の評価では比べ物にならないぐらいにこちらが良い!!その一番の要素は、このCDが教会でのコンサート録音という点。教会音楽の無伴奏合唱を聴いた事のある人だったら伝わると思うんですが、あの教会の響き自体がひとつの楽器というか、特に和声系の音楽では声のひとつひとつがとんでもない溶け合い方をして、鳥肌モノのサウンドになるのです。で、このCDは、カテドラル教会でのコンサート録音、という訳です。

 さて、今回は珍しく、少しマジメにレビューしてみようかと(^^)。ブルガリアというのはバルカン半島の東部に位置する国ですが、この位置がブルガリアン・ヴォイスを紐解くカギなのではないかと思います。要するに、東欧という要素、東方正教会圏という要素、西洋の作曲音楽圏という要素、この3つが重なっているという場所にあるのです。
 まず、東欧という要素。ヨーロッパの民族音楽というと、ザックリ言って西と東に分けることが出来るんですが、東の特徴は舞踊音楽が多いという事です。舞踊が多いという事は、踊りのステップに合わせる遊び音楽なので、奇数拍になったり、リズミカルであったり、テンポが変化していったりするものが多く、要するにテクニカル。技術力が高くないと出来ない音楽なんですね。
 次に、東方正教会圏という要素。東方正教会圏の教会音楽というのは、基本的に無伴奏合唱。無伴奏ハーモニーの物凄さは、グルジア正教会の音楽とか、バルト海沿岸の音楽とか、ロシア正教会の地下音楽なんかが有名ですが、このブルガリアン・ヴォイスにも全く同じハーモニーを感じることが出来ます。ものすごい音の重なり方、美しさ。
 最後に、西洋の作曲音楽圏という要素です。つまり、ブルガリアン・ヴォイスというのは、普通の民族音楽ではなく、もともとブルガリアにあった民族音楽と、作曲家による作曲を融合させて作った音楽なのです。ブルガリアの民族復興運動というか、国のご当地ソング作りというか、そういう視点から生まれてきた音楽なんですね。で、その成果がありまくりで、シンプルなものであったハズの合唱音楽が、とんでもない芸術音楽のレベルにまで引き上げられています。

 基本的に、無伴奏での合唱音楽です。しかし、ソロイストのソロパートのある曲や、無伴奏ソロ、あるいは民族音楽のシンプルな伴奏のつく曲などがあり、バラエティ豊か。合唱は魚の大群のように、ハーモニーもリズムも一糸乱れる事無く一斉に動きます。これほどの合唱音楽を聞き逃すのは如何にも勿体ない。音楽好きでブルガリアン・ヴォイスを聴かないなんて、考えられない事だと思うので、ぜひご一聴あれ!!




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『the brilliant green』

brilliantGreen.jpg
 1998年発売の、日本のポピュラーのアルバムです。ブリリアント・グリーンというグループの、たしかデビューアルバムじゃなかったかな?
 これは先のYEN TOWN BAND/CHARAさんとは真逆の感じがします。ヴォーカルには何の魅力もないけど、バンドに魅力がある点とか。サウンドはすごくブリティッシュ・ロックという感じなんだけど、人種としてのロックを感じないという点とか。オタクで洋楽大好きな帰宅部の男の子が、マジメにロックを勉強して作った、みたいな感じ。そういう所が既にロック的でないと思うんですが、しかしコード進行とか、そういうえらくシンプルな所で光るものがあるというか、聴いていてカッコいいと感じる進行があります。ヒットした「There will be love there 愛のある場所」のサビなんて、特にそう感じます。T.REXの"20th cetury~"みたいなもので、このサビだけずっと聴いていたくなる感じです。
 しかし、この手の若い子のロックバンドって、どうしても限界を感じてしまいますね。例えば、さっき「コード進行」なんて書きましたが、ギターで、ある特定のコードを押さえてジャカジャカ弾くような初心者パターンだと、アレンジも糞もなくって、どの曲もぜんぶ同じ色彩になっちゃうんですよね。こういうところは、まだプレイヤーとかアレンジャーというレベルにまで達していないというか、裏返して言えばミュージシャンとして評価しようと思うと、どうしたって低いものになってしまう。じゃ、そういう所じゃなくって、音楽に独創性があるかといえば…やっぱり、一生懸命モノマネをしただけである事は事実なわけですよね。それでも、当時このアルバムを悪くないな、と思ったのは、そのコード進行とメロディの絡みという所に、「ああ、ここ、気持ちいいな」と思う所があったからなのだと思います。しかし、こうやって聴くと、90年代の日本のポピュラー業界って、いい線行ってると思うグループでさえ、洋楽のベタコピーだったんですね。






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『YEN TOWN BAND / MONTAGE』

YenTownBand_Montage.jpg 同じく1996年の日本のポピュラーです。このアルバムからは"swallowtail butterfly ~あいのうた~"がヒットしましたが、この曲だけでなくってアルバム全体がいい感じ。
 "swallowtail butterfly"は曲もいいと感じるんですが、このアルバム全体で僕がいいなあと思うのは、ヴォーカルのCharaさんと、如何にも90年代テイストのデッドなミキシング。
 まず、ミキシングについていうと、生演奏じゃなくって、オーディオとかテレビ/ラジオで聴かれる事が大前提になっている音楽って、ミキサーとか、ミックスの方向自体がもの凄く大事な要素になってくると感じます。もし、普通にミックスしてリバーブなんか普通にかけたら、なんていうこともないアルバムになってたんじゃないかなあ。CHARAさんのヴォーカルなんて、コンプレッサーかけまくりでノーリヴァーブという、こういうレコーディングの方向性ありきなんじゃないかと思えちゃいます。で、たぶん15年ぶりぐらいにこのアルバムを聴いたんですが、気持ち良すぎて10回ぐらいリピートして聴いてしまいました(笑)。
 あと、CHARAさんに関して言うと…このアルバム、英語曲が多いです。そんな事もあって、なんというか、洋楽丸コピーの最たる例に思えてしまうんですが、数少ない日本語詞がいい!!「してよ してよ」なんて、まさにタイトル道理の歌詞内容なんですが(^^)、なんというか、僕は持っていないけど、女の子だったらこういう心情になるのも分かるな、という感じがします。あのヴォーカリゼーションと合わせて、この世界観がCHARAさんの魅力でしょうね。

 僕は、仕事の関係でCHARAさんとご一緒させてもらった事があります。このアルバム発売より後のことで、「タイムマシンが~」とかいう内容の歌の時でした。で、僕は写真も何にもないアルバム『MONTAGE』でしかCHARAさんを知らなかったもので、あのロリータヴォイスなイメージの、少し足りない人かと思ってました(失礼!)。。しかし、あってみると、思いっきりタトゥー入ってるし、自己意識も凄く強い感じの人で、ああ、不良娘なんだな…とイメージが変わりました。不良ぶっている子ならいくらでもいるけど、本当に墨掘っちゃって家を飛び出して音楽やってその日暮らしをしている…みたいな子って、そんなにいないじゃないですか。それがいい事かどうかは兎も角、少なくとも人種としては本当のロック・ミュージシャンだと感じました。ロックでなくてもいいんだけど、こういう世間とは違う確固たる価値観を持ってそれを貫いているというのが、ロック・ミュージシャンの魅力と感じます。歌がうまいとか演奏がうまいとかでも、学生だったりサラリーマンやってたりする人には、その手の「ロック的な凄さ」というのは感じませんからね。ただ、そういうアウトサイダーとして生きるというのは、見ている分にはいいけど、やる本人には辛い生き方かもしれません。



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『ICE / We're In The Mood』

ICE_WereInTheMood.jpg 1996年発売の、日本のポピュラーのアルバムです。でも、ポピュラーという言葉で想像できる音楽には括りにくいというか、当時大流行だったクラブ系のサウンドに、ロック、ブラック、あたりの音楽が混じっている感じで、…う~ん、音楽を知らない子供向けの商業音楽じゃなくって、20代前後のあたりのイケてる系の人が、同世代の人相手に作った音楽、という感じです。ブルースのジャンルにアーバン・ブルース(都市ブルース)なんてジャンルがありますが、アーバンなんですよね。車乗ったりクラブ行ったりして、夜は彼や彼女とセックスしているような、そういう20代前後の人が持っているような世界観の中に成立する音楽って感じ。

 ICEというのは、宮内和之というミュージシャンと、国岡真由美というヴォーカリストのユニットみたいです。実質的には、宮内さんの音楽を実現するグループなんじゃないかと。作曲、演奏(ギターとかベースとかプログラミングとか…)、ディレクション…こういったものはぜんぶ宮内さんがやってます。で、曲もカッコいいし、サウンドの方向性も、ぜんぶ宮内さんの手の中。で、黒いカッティング系のワウ・ギターに、エレピ…これがけっこうICEの音楽のトレードマークのひとつになってるんじゃないかと。ファンクのチョッパー・ベースとか、ワウ・ギターって、それだけでひとつの芸になってしまうというか、ずっと聴いていたくなっちゃいますよね。。で、ヴォーカルの国岡さんは…まあ、こういうお姉ちゃんって、当時のクラブにいくらでもいたよな、って感じ。。歌はうまくないんですが、それなりに遊んでそうな感じで、でも音楽やりたくって努力はしてるんだけど飽くまでそれなりで、夜形の店で働きながらボンヤリ生きてるような。昔の彼女がそんなだっ(以下略)。しかし、ここが重要な所なんじゃないかと。音楽だけだったら、やっぱりこのユニットも他の日本のポピュラーと同じで、向こうの音楽で自分が好きなヤツをあれこれ混ぜてやってるだけという事になっちゃうんでしょうが、こういう音楽をリアルな日本の都市文化の枠の中で成立させているという所が、すごくグッと来たんじゃないかと。いっても若者文化なわけで若いといえば若いんだけど、こういう美的感覚って実は大好きで(笑)、「おおっ!」って思っちゃいます。例えば、ジャケット写真のサングラスとかって、「ダセえな」と思う人が多いと思うんですよね。でもそれって、当時もそうだった気がします。でもね、これを格好良く着こなす人っていると思うんですよ。なんというのかな、測る土俵を変えるんですよね。「カッコ悪い」という人は、それを自分の持っている世界観で測るからそう感じるんじゃないかと。例えば大学生だったら、自分が通っている大学でこのサングラスをつけたら…と考えるからカッコ悪く感じる、ってかんじかな?でも、夜のクラブで、はっきり言っちゃえばいい男掴まえて今日だけセックスしたいみたいなムードのところで、あの暗がりだと、無難なカッコしてるやつの方がダメというか、セックスアピールのないやつなんか無価値なわけです。で、そういう若いやつの都市文化みたいなものが、音楽と上手くリンクしているように感じるんです。1曲目"GET DOWN, GET DOWN,GET DOWN"なんて、カーティス・メイフィールドとかあの辺の黒いサウンドの上に、例の20代不良系の世界観がモロニ被さる感じ。ほかにも"I'M IN THE MOOD"(これもエロいタイトルだな)とか、"BABY MAYBE"とか、すごくいいです。

 このアルバムが出た頃、僕はもうポピュラーはとっくに卒業した20代中ごろになっていたんですが、何とか音大も卒業出来て、ポピュラー音楽業界での演奏の仕事もちょっとだけ貰えていた頃。生活はデタラメだし、彼女とセックスばっかりしてるし(^^;)、遊びといっても夜中のクラブとかで不健全なものばかりだし、でも実は将来が不安で不安で…みたいな頃でした。で、当時のポピュラー音楽産業界というのは、子供向けの産業音楽(いまでいうAKBみたいな感じかな?)が真ん中にドカンとあって、そういうのは実は音楽はよく分かっていないレコードメーカーの大卒ディレクターとか広告代理店の人とかプロダクションのエラそうな事をいう癖に何も知らないような人とか、ミュージシャンでも職業おっさんミュージシャンとかが作ってました。しかし、若いディレクターとかミュージシャンみたいな、リアルタイムでその手の音楽を作っている作り手のコアにいる人たちは、全員が全員そっちとは違う方を向いていて、そのキーワードはクラブだったんじゃないかと思います。ロックでもブラックでもポピュラーでも、クリエイターが繋がっているのはクラブというキーワードを通して。当時の気の利いた音楽を聴くと、みんな同じ方向を向いているように聞こえるし、またそれはどれもこれもけっこう格好いい。でも、どれもこれもインディーズに潜っているというか…。で、ICEというユニットは、言ってみればそういう当時のリアルな20代の不良系の(というか、そこにしか若いミュージシャンは活路を見出す糸口が無かった)音楽が向いていた方向を音にあらわした典型だったんじゃないかと。都市型で、カッコいいんです。20代というのは苦い思い出が随分あって、僕はあんまり当時のことを思い出したくないんですが、僕はこのアルバムを聴くと、なんか当時の自分が持っていた理想とか苦しさとか美観とか、そういうものを思い出してしまいます。例えば、車乗りまわして、女にもてて、彼女とはセックスばっかりして、一発稼いで六本木にマンションでも買って、代官山あたりでデートして、斜に構えながらバカな大人を笑い飛ばして…リスキーでうわっついた夢なんだけど、見ている間は楽しい夢、みたいな。
 あの頃、レコードメーカーが広告代理店やプロダクションの宣伝力の方ばかりに尻尾を振らず、クリエイターの方を向いていたら、今のポピュラー音楽シーンの惨状は起こらなかったんじゃないかという気がします。


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『Captain Beefheart and his magic band / SAFE AS MILK』

CaptainBeefheart_SafeAsMilk.jpg キャプテン・ビーフハートのデビュー盤です。ブルースとかリズム・アンド・ブルースみたいな音楽を、ファズの効きまくったギターで、そしてドスの効いた濁声ヴォーカルでやった感じ。きっと、サイケデリックとかハードロックが出て来た直後の1970年のアメリカで、箱バンからメジャーデビューまで漕ぎ着けたバンドマンが何をやるのか、という所に戦いがあったんじゃないかと思うのですが、出て来た答えは至ってシンプル。言葉でいえば、えらくストレートなR&B風ロック、という感じ。う~ん、やっぱりデビュー前後のキャプテン・ビーフハートはバンドごと格好いいなあ。

 いやあ、好きなCDではあるんですが、僕の不幸は前の記事で書いたデビュー前のセッションを聴いていた事。あれはカバー曲が多くて、きっとハウスで演奏しなれていた曲をそのままやったんだと思うんですよね。だから、すごく演奏が生き生きとしていて、また迫力がある。ところがこのデビューアルバムは、初めてのレコーディング、また全てオリジナル曲という事もあってか、演奏が凄く丁寧で、ちょっと大人しい。まだレコーディングに慣れていなかったのかもしれません。
 また、個人的には、変な音のベース、アンプを通して歪んだブルースハープ、そしてだみ声ヴォーカル、これがビーフハート音楽で必要不可欠な要素。だから、ハープを吹いていない曲とか、だみ声にしていない曲は物足りなかったりします(^^;)。で、デビュー作という事もあるのか、いろんな方向性を探っているような感じもあるんですよね。だから、ブルースハープもナシで、声も綺麗に出して、50’sっぽい曲を歌っている曲なんかも入っていたりして、これが本当につまらない。もし、デビュー前のセッションのあの勢いで、ビーフハートのマジック・バンドらしいオリジナル曲だけで押しまくってくれたら…まあこういう感想を思えるというのも、このCDが好き出る事の裏返しなんでしょうね。


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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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