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『ザ・ベストテン 1980-81』

BestTen1980-81.jpg 用があって図書館に行ってきました。ついでにつらつらとCDの棚を眺めていると…おおお、こんなCDがあるではありませんか!!ザ・ベストテンか、懐かしいなあ。当時の歌謡曲ランキング番組の、1980~81年のヒット曲のオムニバスですね。何はともあれ、収録曲を。

1. ザ・ベストテンのテーマ
2. ミラーゲートのテーマ
3. 異邦人 (久保田早紀)
4. 大都会 (クリスタルキング)
5. 贈る言葉 (海援隊)
6. ランナウエイ (シャネルズ)
7. 昴 (谷村新司)
8. ダンシング・オールナイト (もんた&ブラザーズ)
9. 哀愁でいと (田原俊彦)
10. 青い珊瑚礁 (松田聖子)
11. パープルタウン (八神純子)
12. さよならの向う側 (山口百恵)
13. ルビーの指環 (寺尾聰)
14. 長い夜 (松山千春)
15. お嫁サンバ (郷ひろみ)
16. スマイル・フォー・ミー (河合奈保子)
17. ハイスクールララバイ (イモ欽トリオ)
18. ギンギラギンにさりげなく (近藤真彦)
19. ハロー・グッバイ (柏原よしえ)
20. セーラー服と機関銃 (薬師丸ひろ子)

 いやいや、オープニングテーマと「今週のスポットライト」が懐かしすぎる。。オープニングテーマでの久米さんと黒柳さんの「ザ・ベストテ~ン!!」の掛け声って、収録されたものだったとは。いつもあの後に、毎週の抱負のフリートークが挟まっていたので、毎週生で言ってるのかと思ってました(^^;)。あと、「今週のスポットライト~」も、あの名前が回転して変わっていく仕掛けパネルの「パタパタパタ…」っていう音、あれもBGMにあらかじめ収録してあったのか。。いやあ、トリックを知ってしまったようで、ちょっと感心してしまいました。。

 そして、音楽以前に、何といっても懐かしさが全てに優先して、涙が出てきてしまう(T_T)。もう、楽しかった幼少期の思い出が次から次に浮かんでくる。。

 以下、収録曲で、勝手に僕が聴いて思った事をつらつらと。
 まず、冒頭に入っている久保田早紀さんの「異邦人」。詞の世界がえらく大人で、ビックリしてしまいました。失恋した女性の歌なんですが、その女性の年齢って、20代~40代のいずれに想定してもハマります。ハマるんですが…すごく思慮深くて、ガキのいう所の好きとか嫌いなんていう所にはもういない感じ。今のAKBやら何やらにはとても歌う事なんてできないだろうな、と。いや、AKBが悪いとかそういう事じゃなくって、1980年なんてポップカルチャーど真ん中という時代だと思うんですが、その時代の歌謡曲ですら大人の文化だったんだろうな…と思ってしまいました。
 そういう意味は、谷村新司さんの「」も同じ。ガキにはこの歌を歌う事なんて出来ない。谷村さんって、今ではただのスケベおやじにしか思えませんが、僕が子供の頃は、悪そうだし、ギターをかき鳴らしてうたってるしで、メチャクチャかっこいい人だと思ってました。僕はまだ小さかったですが、小学生の友達のおにいちゃんが、二人でフォークギターを持って「チャンピオン」を歌ったときは、マジでかっこいいと思いました。自分みたいな子供とは全く別次元の世界、お兄ちゃん世界の文化という感じで、あれはカルチャーショックだった。
 シャネルズ「ランナウェイ」。曲想は完全に50’s。当時の日本の歌謡曲って、50’sのリバイバル的な側面がすごく強かった気がします(チェッカーズのデビュー曲とかね)。間接的に表現されたセックスの曲に聴こえますが、これも高校~大学生ぐらいが持っている世界観の、今とのギャップを感じてしまいます。今みたいに冷めていないというか、もっと中高生が独立心旺盛だった気がするんですよね。で、そういう背景が歌の中にも少し出ているというか。
 もんた&ブラザーズ「ダンシング・オールナイト」。いやあ、今と全然違って、歌謡曲界にタレントが揃ってるわ。英米のロック文化も似たようなところがあって、もともとは職業音楽家が作っていたチャート音楽が、それを聴いて育った若者が独創性たっぷり表現したところで、いきなり商売から外れたフォルクローレ化した歌音楽(=ロック)になってしまう…という。英米の場合、それが63~70年ぐらいだったのが、日本は75年~85年ぐらいだったのかも。もんたさんのヴォーカル、素晴らしすぎる。。
 意外や意外、びっくりしたのがとしちゃんの「哀愁でいと」の歌詞の素晴らしさ。としちゃんって、まだ小学生だった僕たちの間ですら「マジで音痴だわw」とかいって笑いものになってました。「スチュワーデス物語」に匹敵するぐらいの嘲笑の対象だったわけですが、今聞くと…意外にも詞が素晴らしい。「その日だけの恋なら 優しさなんてない方がマシ」…いやあ、女に遊ばれ、でも自分は本気だったときの複雑な心情を歌った歌だったとは。これは、としちゃんに歌わせるのに無理があったんじゃないかと。
 逆の意味でびっくりしたのが八神順子の「パープルタウン」。子供の頃、楽器弾きながら歌を歌ってて、しかも曲も自分で書いているという所が「すげえっ!アイドルとは全然違う!これが本物のミュージシャンというやつか…」なんて思ってました。曲もサビしか聞いたことがないんだけど、すごくカッコいいと思ってたんです。が、今聞くと…平歌とサビがつながってねえ(T_T)。転調にしても何にしても、もう少し勉強してからデビューしろよ。なんだよこのデタラメ、シロウトじゃねえか。。また、詞にも「NEW YORK~すぐ戻るわ~」みたいな感じが出てくるんですが、このニューヨークをカッコいいものとして扱っているところ、そこにいる私もカッコいい、みたいな感じが逆にカッコ悪すぎる。。これは、80年代の軽薄さが逆に出てしまったかんじ。八神順子さんってもう1曲ヒットがありましたよね。そっちは大丈夫なのかな…ちょっと、怖いもの見たさが出てきてしまいました。
 山口百恵「さよならの向こう側」。キャンディーズ以降、解散や引退をひとつのイベントにして、ラストシングルを美しいバラードで飾るというフォーマットが完成した気がします。で、これはその山口百恵バージョン。これも詩の世界が大人すぎて、そういうあざとさとは無縁のところに歌が存在している感じで素晴らしい。詞が素晴らしいとしか言いようがない。
 寺尾聰「ルビーの指輪」、これも大人の歌、素晴らしい。「気にしないで行っていいよ」と優しい口調で言いながらも、つぎの「はやく消えてくれ」という鋭い口調が、実際の心情を見事に表現しています。まじで、恋愛歌にしても失恋歌にしても、今よりも80年代の方が大人だわ。。
 松山千春「長い夜」。おおお~、歌がうまい!!80年って、タレントぞろいだなあ。。しかし、それ以上の感想がないという事は…いやいや、口にするまい、それだけで十分じゃないか。
 イモ欽トリオ「ハイスクールララバイ」。おお、テクノだ(^^;)。アレンジは誰なんだ、これ…やっぱり細野晴臣さんか。しかし、それ以外の面では、テレビ局やタレントに充てられた商品という感じ。この「音楽のシロウトがビジネスを基準に偉そうなことを言って大きな顔をする」という構図が、以降の日本の商業ヒットチャートをダメにしたことを考えると、その悪しき先駆けだったのかも。
 近藤真彦「ギンギラギンにさりげなく」。マッチって、人として相当に好きです。としちゃんの1000倍は好き。しかし…なんだこの薄っぺらい歌詞は。。「哀愁でいと」との歌詞対決ではコールド負けレベル。そして、この歌詞にあらわれている世界観って…2014年現在の日本のお子様歌謡曲文化と完全に地続きだと発見してしまいました。
 薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」。クズ映画を量産して日本映画界をどん底に突き落とし、自分はいち早く撤退するという、何をしに来たんだ馬鹿野郎感が強かった角川映画の主題歌だったと思います。タイトルはアホすぎて逆にカッコよく感じないこともありませんが、歌のまずさはとしちゃんと双璧かも知れん。詞も、映画に合わせて書いたんだろうな、という無理やり感が切なすぎる。しかし…この曲、実はいい曲なんじゃないかい?アレンジ次第では更にいい曲にできる気がする。アンバランスなぐらい、作曲家ひとりだけがプロだわ、と思ったら…来生たかおさんか、それはプロだわ。

 総じていうと、歌謡曲という文化の所有者に大人がいた時代だったんじゃないかと思います。僕は小学生で、これらのヒット曲は聞いてはいましたが、それって聴いているだけで、歌われている言葉が何を示しているのかとか、その背景で何が暗示されてるかとか、そんなのは聴き取れていたハズがない。「ああ、これなら20代でも聴けるわ」というものどころか、「30代でも40代でも聴けるわ」というものまである、詞の世界が素晴らしかったです。一方で、完全に子供相手のビジネスと化していくことになるJポップとやらの先駆みたいなものもチラホラ。。それが80-81年ごろの、日本の商歌謡の実情だったのかも。しかし、このCDは楽しかった!実は、「ベストテン78-79」というのも借りてきたので、明日にでも聴くぞ~!!



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『EGO WRAPPIN' / BRIGHT TIME』

EgoWrappin_Bright アーティスト名は「えごらっぴん」と発音すると思うんですが(仲間内ではそう呼んでたけど、合ってるのかな?)、日本のポピュラーです。時代としてはリアルタイムで、2014年現在も活動を続けていると思います。このCDはドラマの主題歌になった曲が含まれているそうで、それを聴いて気に入った友人がCDを即買い、そんでもって人にも聴いてほしいと思うがあまり、僕も無理やり聴かされたという次第。で…すごく良かった!!

 EGO WRAPPN' というユニットさんって、名前は聞いたことあったし、また当時のミュージシャン仲間うちでの評判も良いものばかりだったんですが、残念ながら僕は興味を持たずに通り過ぎてしまいました。もしかしたら1~2度ぐらいは聴いたことがあるのかもしれませんが、興味を持たず仕舞い。しかし、これはよかった!!何というのかなあ、昭和歌謡とジャズの合いの子、みたいな感じでしょうか。ジャズといっても、いわゆるモダンジャズでもバップでもなくって、昭和の日本の歌謡ビッグバンド、みたいな感じなんですよね。で、こうなるとカッコ悪くなりそうなものなんですが、これを10~20年ぐらい前のクラブ・ミュージックやロックのトレンドあたりの机上で上手に料理してあって、なんかカッコよく聞こえちゃうんですよ。これは、ユニットの片割れであるギターの男の人のセンスなんじゃなかろうか。あ、そうそう、相棒は女性ヴォーカルで、この歌い方もチャラさんとかUAさんとかハイスタとか、10~20年前ぐらいに大流行したキャラ系(表現が悪い?なんか、オリジナリティを優先した歌唱系という意味です)の歌唱で、これがまたかっこよく思えちゃうから不思議。色々な音楽を、自分たちの価値基準でちゃんと一つにまとめあげてる感が素晴らしかったです。モノマネ一辺倒の超商業音楽な日本のポピュラーの中で、こういう人たちのラインが生きているというのはなんか嬉しい。。

 ま、うまいとか、最前線を行っているとか、そういうプロフェッショナルなところは全然感じないんですが、歌謡曲というのはそういう方がフォルクローレ化できるというか、商売商売した大量生産品から離れることが出来て良いのかもしれませんね。これは素晴らしい1枚でした。




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『The Byron Allen Trio』

ByronAllen.jpg ジュゼッピ・ローガンのファーストと同じように、ESPレーベルから出て、フリージャズ系で、しかもこのヤバそうな怪しげなジャケット…というだけで即買いしてしまったアルバムです(^^)。しかし、その判断は間違っていなかった。いやあ、これはカッコ良いぞ。。

 名前は「バイロン・アレン」と読むみたいで、アルトサックス奏者です。で、このアルバムは、ウッドベースとドラムとのトリオ。で、ですね、直前の記事でとりあげたジュゼッピ・ローガンと比べると…ジャズプレイ的な意味で、うまいです。比較するのも失礼というぐらいにうまい。まあ、それが音楽の良し悪しに直結するわけじゃない所が音楽の面白いところですが…。で、共演のドラマーもベースも、名前を全然知らない人たちなんですが、これもけっこううまい。手数は少ないんですが、グループとしてものすごくよくまとまっているというか…。そんなわけで、フリージャズというよりも、ジャズの延長線上にある、ジャズをもう少し進化させようとした音楽、という感じがより的確な表現なんじゃないかと。

 まず、サックスのプレイの根底にあるのは、調重力(スケールと言い替えてもそんなに外れていないんじゃないかなあ)の意識。これを、どれぐらい拡張していけるかという意識は間違いなくあるんじゃないかと思います。歌い回しとしてはロリンズっぽくもあるんですが、アルトなのでやっぱりチャーリー・パーカーが最初に浮かんじゃうんですが、そういうものを本気で勉強して、そして練習しまくった人なんじゃないかなあ。で、ピアノレスのトリオだから、このチャレンジが想像以上に自由自在で、かなりカッコいいです。で、リズムセクションも、いきなりリズムチェンジしたり、全員でいきなりツービートに合わせたりと、シンクロ率が凄いです。ただ、このピアノレスというのと、録音の良さというのがもろ刃の剣で、サウンド的には薄くなっているので、プレイを追わずに漠然と音だけを聴いてしまうと、少し薄く感じてしまうかも。

 というわけで、フリージャズというより、ニュージャズの好作といった感じのアルバムです。いやあ、こういうマジで音楽に取り組んでいる人の音楽って、すごく惹かれてしまいます。なんで今の日本のメインストリーム・ジャズって、売れるとか評価されるとかいう事ばっかりに拘って、音楽そのものの追及に拘らないんだろうか。こういう硬派な作品の爪の垢でも煎じて飲んでほしいわ。。とにかく、真摯で渋く、そしてカッコいい好作です!!



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『Giuseppi Logan / More Giuseppi Logan』

MoreGiuseppiLogan.jpg ひとつ前の記事で書いた、ジュゼッピ・ローガンの1stアルバムがあまりに衝撃すぎて、すぐに買いに走ったローガンの2ndアルバムです。この2枚はESPというレーベルからリリースされているのですが、僕にとってESPというレーベルのカラーって、ジュゼッピ・ローガンのアルバムに集約されているような気がします。

 メンバーは1stと大体同じで、ドン・ピューレン(p)、ミルフォード・グレイヴス(perc)、エディ・ゴメス(b)。で、1stと違うのは、A面だけベーシストがレジー・ジョンソンに入れかわってます。しかし、もっと違うのは…ローガンが、サックスだけでなく、バスクラやフルートも吹いているところ。これがまた独特の世界観を醸し出していて、やば~い感じでカッコいい。。
 その最たる例が、アルバム冒頭にいきなり来ます!フルートのものすごい斬り込み、パーカッションのヤバすぎるサウンド…なんだこの危険な感じのサウンドは?!そして、楽器をサックスに持ち替えた2曲目の疾走系フリージャズのスピード感がまたすごい(これ、サックスとバスクラを2本同時に咥えて吹いているんじゃないかなあ)!!ピアノのドン・ピューレンも暴走しまくり、ドラムの疾走感(長いドラム・ソロもあるんですが、これがまた凄すぎる。エルヴィン・ジョーンズみたいなコンビネーションの塊とは方向性が全然違くって、手足がバラバラに乱れ打ちしていく感じなんですが、どうやったらこんなドラミングが出来るんだ?すげえ…)も強烈!!いやあ、これはカッコよすぎるだろう…。
 B面冒頭は、ドン・ピューレンのピアノソロ。これがまた素晴らしい。ものすごく強いんですが、しかし(たぶん和声によるものと、時折挟み込む高音の乱れ打ちが図らずもテンションの効果を伴っているからなんでしょうが)、場所場所ですごい浮遊感を出していて、浮遊するバップという感じ。僕はドン・ピューレンというピアニストが大好きなんですが、このソロは中でも相当好きな部類に入ると思います。で、そこからいきなりバンド・アンサンブルに切り込む瞬間が鳥肌モノ。いやあ、1stはどこか素人くさいところがあったんですが、この2ndは文句の付けどころがない大傑作。

 このセカンド・アルバムは、1stよりもあまり聴かれてないと思うのですが、これを聴かずしてジュゼッピ・ローガンを通り過ぎるのは勿体なさすぎますよ!
 いやあ、フリージャズってやっぱりカッコいいわ。自分ではとても出来なかったけど(実は何度も挑戦した事があるんですが、単なるデタラメにしかならなかった^^;)、いつかまた挑戦してみたいなあ。。もう、フリージャズの良いところが全部詰まっているような大傑作アルバム、大おススメです!!



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『Giuseppi Logan / The Giuseppi Logan Quartet』

GiuseppiLoganQ.jpg 「ジュゼッッピ・ローガン」と発音します。テナーサックスやアルトサックスを演奏する、フリージャズ系のプレイヤーです。アンダーグラウンドという意味で伝説化されている節すらある人で、このアルバムが最も有名な1枚なんじゃないかと。

 僕の場合は、ジョン・コルトレーンとかオーネット・コールマンという王道のフリージャズを聴き始めてしばらくしてから、このレコードに出会いました。最初は、ジャケットのインパクトにやられました。カッコ良すぎるだろ、これ…。そして、ターンテーブルに乗せてレコードを聴き始めて…唖然。なんという世界観、それまで500や600ではきかないぐらいの量のレコードを聴いてきたつもりだったんですが、いかに自分の音楽観というものが狭量なものであったのかを思い知らされました。
 まず、一曲目。いきなり、コブラの出てきそうなダブルリード系の音がする楽器での演奏(クレジットによれば、パキスタンのオーボエだそうで)!また、他の演奏者も、ほとんどジャズの匂いを残さない演奏。これはカッコいいわ。。2曲目もやはり民族音楽的なんですが、今度は同じフレーズを呪術的に繰り返し、かなりドロドロした世界。曲タイトルは…"dance of satan"か、なるほど…。A面はこんな具合で、ものすごくデーモニッシュな原始宗教のような世界観がグッチャグチャに繰り広げられていきます。そして、ここの演奏自体はフリージャズというだけあってめっちゃくちゃフリーなんですが、しかし楽曲構成はけっこうバッチリ作ってあります。そういう意味で言うと、「異様に呪術的なアーチー・シェップ」みたいな感じ。楽器奏者としてうまいかどうかというと、何とも判断がつかないんですが、こういう音楽を表現してぶつけてくるという所が、生き方としてのリアル・ミュージシャンというか、とてつもなく強いものを感じます。音楽の根源にある初期衝動の強烈さみたいなものを感じさせる、素晴らしい音楽でした。
 B面は、1曲目が純粋なフリージャズ!という感じで、これはさすがに得意技という感じで素晴らしい!問題は、フリーって、ある程度以上になると全部同じになってきちゃうというか…だから1曲だけにしたんでしょうね。B面2曲目は…なんとモードか?!これが下手くそなんですが、オープンになってからはさすがにカッコいいです。でも、慣れないことはすべきでなかったような気も(^^;)。

 そうそう、このアルバムはメンバーもすごくって、パーカッションがミルフォード・グレイヴス(彼がジャズ臭さから逃れる事の出来た最大の要因だと思います)、ピアノがフリーの超名手ドン・ピューレン、ベースが…何と、エディ・ゴメス!いやあ、この3人でやっても、絶対にこんな音楽人はならなかったでしょう。やっぱりこの音楽は、ジュゼッピ・ローガンの色なんだなあ。。このヤバさ、未体験の人はぜひ!



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『James Brown / Sex Machine』

JamesBrown_SexMachine.jpg 同じく、ジェームス・ブラウンのライブ盤です。こちらの方が名盤扱いなんですが、ひとつ前の記事の"LOVE POWER PEACE"との比較でいうと、「セックス・マシーン」の方がバンドの演奏が傷が少なくて丁寧、「LOVE~」の方が荒いけどバンドの白熱度が凄い、という感じです。メンバーもブッツィー兄弟が参加していたり、セットリストも同じ曲がけっこう被っていたりするので、どちらのリリースでも良かったのかもしれませんが、ショービジネスの世界で生きているジェームス・ブラウンとしては、傷が少なくて演奏がまとまっている分、ケチのつけられにくいこちらのリリースを優先したという感じなのかもしれません。それもうなずけるぐらいに、こちらはファンク・アルバムとしての完成度が高いと感じてしまいます。

 う~ん、若い頃に聴いた時は、そんなに面白いとは思わなかったんですが、20年ぶりぐらいに今聴くと、すごく良く出来てるなあ。ファンク曲のカッコよさはアルバム全体の売りになってるんですが、"If I ruled the world"みたいな、いきなり挟まれるソウルナンバーのバラードが来ると、「うわ、歌うまいわ…」とビックリさせられます。もの凄い声の出方、オーティス・レディングあたりより全然スゴイ、しかも色気がタダもんじゃない。やってる事は思いっきりショービジネスなので、それを分かって楽しんで聴いているところに、こういうソウルが来るとグッときちゃいます。ファンク期のJBって、マジでカッコいいです。。



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『James Brown / Love Power Peace -live at the Olympia, Paris, 1971-』

JamesBrown_LovePowerPeace.jpg 同じく、ブラック好きの会社の同僚から推薦してもらった1枚です。学生時代、レンタルCDショップのアルバイトをしていた時に、店番をしながら、ある時代のジェームス・ブラウンのCDを片っ端からきいた事があるのですが、ソウルっぽいというか、そんなに面白い音楽だとは思いませんでした。「プリーズ・プリーズ・プリーズ」とかね。好きなんだけど、買って聴くほどのものでもないかな、みたいな。じゃ、なんでこのCDを友人が推薦してくれたかというと…僕が「ブッツィー・コリンズのスゴい演奏が聴けるCDってないの?」と質問したからなのでした。

 ファンクって、ベースがチョッパーしまくって、ギターがワウを咬ませてワカチコ跳ねまくって、ドラムがタイトにカンカン鳴りまくる、みたいなイメージがあって、大好きだったんです。でも、じゃそういうタイプのファンクのCDって具体的に何かと言われると、これが意外と見つからない。ファンクといって有名なタワー・オブ・パワーとかはブラス・セクションばっかりでチョッパーもワカチコも聴けないし、P・ファンクなんて有名だけど、これも買ってきて聴いてもチープでぜんぜんすごくない。でも、P・ファンクには神ベーシストと言われているブッツィー・コリンズという人がいる。そこまで言われるなら凄いプレイの録音はあるんだろうし、そういうプレイを聴くことが出来るディスクがあるハズ、そうじゃなきゃ「すげえベーシスト」なんて言われないはずだ…と思っていたわけです。で、ブラック大好きの友人なら知っているかもしれないと思って尋ねてみたという訳。すると、意外や意外、パーラメントでもファンカデリックでもなく、ジェームス・ブラウンのディスクを推薦してくれました。意外や意外、ブッツィー・コリンズはジェームス・ブラウンのバンド出身だったのか。。

 で、これもこのCDで初めて知ったんですが、ブッツィー・コリンズにはギタリストの兄弟がいて、これがワウこそ噛ましていないものの、ファンク特有のあの切れ味鋭いカッティング・ギターの名手でして、メチャクチャカッコいい!このふたりを含めたリズム・セクションがメッチャクチャ強烈、ブイブイいってます!!ベースもブンブン鳴っていて、メッチャ太い!!すげえええ~~~!!!これだよ、これ。。僕が聴いたこのある10枚ぐらいのジェームス・ブラウンは、こういうファンク時代以前の音源だったんですね、きっと。また、バンドによほど信頼があるのか、ヴォーカルのバック・バンドなのにインスト曲のプレイも許されていて、これがもの凄いカッコいい!!
 それにしても、ジェームス・ブラウン、暑苦しいわ。。ライブ演奏でもの凄いグルーブをするバンドをバックに、「起きろ!!セックス・マシ~~~イイン!!」とか叫んでます(^^;)。いい意味で、これを聴いて元気が出ない人なんていないんじゃなかろうか(エロい意味じゃないですよ)。。



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『The Meters』

TheMeters.jpg ロックを中心とした洋楽のヴォーカル・ミュージックを聴きはじめ、何年も経った頃に思ったのが、「ブラック・ミュージックって、ぜんぜん聴かないなあ」という事でした。中高生の頃、CDの情報源に使っていたのは、ポピュラーだと「CDジャーナル」という雑誌と「レコード・コレクターズ」という雑誌。これにジャズだと「スイングジャーナル」に「ジャズ批評」、クラシックは「レコード芸術」と「音楽現代」という感じで、当然お金が無いのでほとんど立ち読み(^^)。で、これらの雑誌って、レッド・ツェッペリンとかビートルズの特集は組まれるんですが、ブラック系の特集は皆無だったんですね。で、「ロック名盤ガイド」みたいなものも、ロックにはブラック・ミュージックが含まれないもので、結局ブラック系は、ジャズやブルース以外をほとんど聴かず仕舞いで通り過ぎてしまいました。そんな中、大人になってから知り合った会社の同僚がブラック・ミュージックが凄く好きで、CDを色々と貸してくれました。このCDもそんな中で知った1枚です。

 バンド名は「ミーターズ」。サウンドとしては、古い洋画のディスコ(いや、もっと古いな、ゴーゴークラブというぐらいか?)のシーンなんかで掛かっていそうな雰囲気の音楽。クラブ・ミュージックという感じですね。オルガンにギターにぶっとい音のエレキベースにタイトなドラムで、同じリフをひたすら繰り返します。音もスッカスカです。最近知ったのですが、これは一応ファンクに入るんだそうで。で、ですね、これが病み付きになります(^^)。マジメに聞き入るような音楽じゃないんですが、とにかく同じリフを延々と繰り返し演奏し続けるので、なんとなく流しておくと、ついつい足でリズムを取ってしまってしまいます。そして、これが心地よい(^^)。"sing a simple song"なんて、リピートしてずっと聴いてしまう。。いやあ、音楽って技術じゃないんだな、と思わされる痛快な音楽です!





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「バルトークの作曲技法」 レンドヴァイ著、谷本 一之訳

BartoknoSakkyokugihou.jpg で、その細密極まりないバルトークの作曲技法を解明しようとした本が、レンドヴァイという人の書いたこの本。半音階や全音階というラインからの分析は、作曲科をマジメに修めた人なら、バルトークの響きを聴いら最初にやってみたくなる分析の手がかりだと思うのですが、この本は更に「中心軸システム」という着想なんかも用いてバルトークを分析しようとしています。この発想がすごく面白くて、ジャズ的な考え方だなあと思いながら、むさぼるように読んでいたことがあります。「リディアン・クロマティック・コンセプト」とかも、中心音から旋法組織を捉えるというものでしたしね。
 更にすごいのは、「黄金分割」なんていうものまで分析に持ち込んでます。僕は数学的テクニックとしての黄金分割ってよく知らないんですが、絵画の世界なんかだと、例えば木の枝の分岐の仕方がもっとも美しく見える黄金比、みたいなものがあるらしいですよね。作曲なんかでも、音楽の演奏時間が10だとすると、クライマックスは7から8のあたりに持ってくると最も良いものになるなんていいますが、これも一種の黄金比なのかと勝手に想像しています。というわけで、作曲学のオーソドックスから外れながらも、しかし数学的な視点みたいなものを使ってロジカルに作曲技法を解明するという本に出会ったのは、僕はこれが初めてでした。そうそう、意外なことに、友人のジャズ・プレイヤーがこの本を読んでいました。やっぱり、ジャズ寄りの本なんだろうか。。

 この本、知的好奇心を満たしてくれることは確かで、メチャクチャ面白いんですが、褒められた事ばかりではない気がします。まず、この本に書かれている事がバルトークの作曲に実際に使われていたかというと…いやあ、ちょっと違うような気がしちゃいます。というのは、じゃ、この本で言っている論理から、ミクロコスモスや弦チェレの微細構造を作曲しうるかというと…たぶん、無理でしょう。というわけで、この理論はあくまで後付けな気がする。いや、それでも解明の切っ掛けにはなると思うし、理論自体が面白いんでいいんですけどね。しかし「バルトークの作曲技法」といってしまうと嘘になっちゃうので、「バルトーク作曲の分析」みたいにしておけばよかったのに。そうしないと、バルトークの作曲技法を修めたいと思ってこの本を買う人に対して詐欺になっちゃうんじゃなかろうか。それに付随していうと、このレンドヴァイという著者、他にも「音のシンメトリー」なんていう本も書いてるんですが、これも似たようなコンセプト。で、ですね…オリジナルな理論は構わないんですが、それを過去の作曲作品を説明する道具にするのは、ちょっと論理が飛躍しているというか、さすがに無理があるとおもうんですよ。この自説の技法をもとに自分で作曲をすれば何の問題もないどころか、素晴らしい事になると思うのに…そのあたりだけが、ちょっと残念ではありました。あ、でも本当に面白い本ですよ!バルトークの分析云々より、ちょっとカッコいいことをやりたいと思っているジャズプレイヤーなんかが読むといいんじゃないかと。



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「バルトーク:弦・打・チェレスタの為の音楽」 楽譜

Score_Bartok_celesta.jpg 前の記事で書いた、バルトークの弦チェレの楽譜です。弦チェレををはじめ、6曲の弦楽四重奏やミクロコスモスなど、バルトークの作品って、入れ子細工になっている緻密極まりないアンサンブルの妙が凄すぎます。弦チェレの場合、その凄さが極まっているのは、輪唱のように各パートがずれながら重なっていく第1楽章だと思うのですが、これがどのコンサートを聴いても、どのCDを聴いても、私の耳では細部まで聴き取ることが出来ない(T_T)。。いや、耳では聴こえているはずなので、追いついていないのは脳なんでしょうね。。で、実際にはどう重なっているのか、これを知るには楽譜を見るしかないと思うのですが…うああ、これは凄まじい、1小節ごとに7/8拍子、9/8拍子、11/8拍子みたいな感じで変わっていきます。。なるほど、もう小節なんて数えていたら追えなくなっちゃうので、8分音符を感じながら演奏しろ、という事ですね。また、なんでそんなに拍子が変わるかというと、輪唱のように各パートがメインテーマをずらしながら演奏していくという構想なので、自ずとずれるようになっていしまうというわけか。こうなると、感覚的な作曲なんていうのでは絶対に不可能、公倍数の計算とか、そこで重なる音が不協和にならないようにという対位法的な計算とか、かなり幾何学的な計算が必要になってきちゃうんじゃなかろうか。本物の作曲技術だわ。

 そして、CDなんかだと「主旋律と対旋律と、あとは背景として鳴っている和音」と捉えていた音が、実はすべての声部が旋律として奏でられていたことに鳥肌が立ちました。で、ですね、このフルスコアを目で追いながら、ひとつ前の記事で書いたCDを聴くとですね…聴くだけではまったく聴き取れなかった各声部の旋律が聞こえてきちゃうという手品のような現象が起きてしまいます!いやあ、これはスゴイ。。チェロとコントラバスがユニゾンになっていたりする部分があるので、それは1コースと数えるとしても…次第に声部数が増していくこの曲、最大で5声にまで膨れ上がります。これ、5和音じゃないんですよ、5旋律の同時演奏。全部がリズムの違う旋律。いやあ、この時に不協和を避けるための処理なんて、いったいどうやってしたんだろうか。神業だわ。。

 というわけで、バルトークの弦チェレが好きという方は、色々なCDにあれこれ手を出す前に、この楽譜を見るというのもいいんじゃないかと思います。というか、このスコアに目を通さずに「弦チェレを理解した」なんて事はあり得ないんじゃないかと。オケ違いの録音を2~3枚聴くよりも、この音楽に深~~く入り込むことが出来ると思います。楽譜が読めない人でも、目で追うだけでもその凄さが分かると思います。マジで鳥肌モノですよ。。



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『ショルティ指揮・シカゴ響 / バルトーク:弦・打・チェレスタのための音楽、ディヴェルティメント、中国の不思議な役人』

Solti_Bartok_Gencele.jpg 近現代のクラシックの作曲音楽って、途轍もない傑作がひしめき合っている気がします。そのオリジナリティ、目指すところ、作曲作品としての完成度…どれをとっても神憑りというもの凄いものがあります。メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」、ストラヴィンスキーの「春の祭典」、そして絶対に忘れられないのが、巨人バルトークの大傑作「弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽」です!この曲の暗鬱な、しかし激しい、そしてもの凄い絡み方をするアンサンブルは、世界が大戦で燃え尽くされる前の不穏な世相を反映しているかのようです。これぞ音楽、深みがハンパじゃない。

 バルトークというのはハンガリー出身の作曲家で、もうこの出自の時点でクラシックのメッカであるヨーロッパでは傍流に組み込まれてしまう運命にあったんじゃないかと思います。しかし、それが故にこれほどのオリジナリティ豊かな音楽を生み出すことが出来たともいえるんじゃないかと。ハンガリー土着の音楽を研究し、それとドイツを中心としたクラシック音楽との差異との間に、音楽それそのものの根本にあるものを見出してしまう…そんな凄みを感じさせる人です。大名曲が故に、色々と評判のいい名演が残っているのですが、このショルティ指揮・シカゴ響の暗鬱でドシンと腰の据わった演奏は、この曲の持っている本質を突いた演奏に思えて、大好きなのです。すごいですよ、これは。。また、「中国の不思議な役人」という、これまた風変わりなタイトルの曲も入っているのですが、これがまた不穏なムードただよう、そしてすごいドラマチックに展開していく曲で、素晴らしすぎます。。これ、2014年の今発表されても、「音楽の最前線」という事で通ってしまうんじゃなかろうか。



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『アリス=紗良・オット / リスト:超絶技巧練習曲集』

AliceSara_Liszt_chozetu.jpg 先日、テレビの報道番組で特集が組まれていた、クラシック・ピアニストのCDです。なんと、リストの超絶技巧練習曲集の全曲。あまりに難しすぎて、超スーパープレイヤーですら全曲は演奏するのを避けるという曲なのに、全曲をレコーディングしている人がいたとは。

 どうも最近のクラシック界というのは、ビジュアル系が進行してしまって、女性プレイヤーでルックスがいい人がすぐにデビューして、しかもちやほやされてしまいます。大名門のグラモフォンも、各楽器のソリストには、ビジュアルのいい人を絶対にひとり置くという有り様で…。ビジュアルが良い事が悪いわけではありませんが、ビジュアルさえ良ければいいというのがどうにも、ね。で、僕はこのアリス=紗良・オットという人を、大きな楽器屋のCDコーナーで見て知っていました。その時の感想が、「またグラモフォンがビジュアル系をデビューさせてるよ…」てなぐあいで、否定的な意見でした。ところが、その報道特番で見た演奏は…おおお~~、すげええ~~~!!本当に弾けてるじゃないか!!

 というわけで、ミーハーな僕は、アマゾンで注文してすぐに買ってしまいました(^^;)。でも、同じような人がいっぱいいたみたいで、到着まで1週間待ち。で、ようやく聴いたわけですが…う~ん、リストって、よくこんなに音を書き込むものだなあ。マジで超絶です(^^;)。

 クラシックのピアノ独奏曲って、こういうテクニックを魅せるというのが売りになっているものって、ありますよね。それは実際に凄い。ただ、それと引きかえに失われているものもいっぱいあると思うんです。また、もの凄い勢いで音を紡いで、音符の数もとんでもない数なのに…もう、長調と短調のふたつしかないのが、すごく残念。やっぱり、表現の流れの中で、技巧的なものを必要とする時に技巧的な演奏があるというのはいいんですが、技巧のためにある技巧の曲というのは…やっぱり練習曲なんでしょう。でも、こういう大道芸的な音楽、嫌いではありません(^^)。。たしかにスゴイ。




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『Paul McCartney & Wings / Band on the Run』

PaulMcCartney_Band on the Run ビートルズ解散後、ポール・マッカートニーが作ったバンドのサード・アルバムです。とはいえ、リアルタイムの世代ではないし、ポール・マッカートニーが格別好きだという訳でもないので、良く知らないのですが(^^;)、すごく良く出来たアルバムだと思います。

 ビートルズって、やっぱりポール・マッカートニーあってのものだったんだろうな、という気がします。ジョン・レノンのアルバムに、これほどのクオリティなんて望むべくもないですしね。ジョン・レノンやジョージ・ハリソンがいなかったら、あのビートルズっぽい音楽は出来なかったかもしれませんが、ポール・マッカートニーさえいれば、形は変わってもやっぱりそれなりのバンドを作れたんじゃないかと思えてしまいます。逆に言えば、レノンさんやハリソンさんがいても、マッカートニーさんがいなかったらビートルズはモノにならなかったんじゃないかと。このアルバムを聴くと、そう思わされます。

 さて、このアルバムの何がよく出来ているかというと、アレンジ、曲の様式、あとはすごく手間ヒマかけて作られているなあ、という感じです。しかしこれが、諸刃の剣でもあると感じます。というのは…
 例えば、1曲目の楽曲構成。凝ってます。簡単に言うと、3曲を繋げたような作り。しかしこれって、うまく構成しないと、ひとつにまとまらないと思うんです。クラシックなんかを聴くと分かりますが、30分を超える曲でも、A~B~C~Dみたいな感じで新しいモチーフをどんどん繋げるという事はなくって、同じモチーフの変奏とか、そういう感じで曲に一貫性を持たせながら変化させながら…という感じで作っていきます。この、一貫性を保ちながら劇的展開も作って…という、相反するもののバランスを取るのが作曲で重要な点だと思うんです。しかしこのアルバムの曲の場合、飽きたら次…みたいになっちゃって、作曲としてはどうなのかな、と。このアルバムの幾つもの曲に聴かれる少しひねった構成って、うまく統一できてないように聴こえます。バラバラに作ったパートを強引に繋げているだけ、みたいな。アレンジにも似たことが言えて、デザインして作ったというより、手間暇かけてどんどんいじくり回して、結果として複雑で凝ったものにはなったんだけど、統一感が失われてしまって茫洋としてしまっている、みたいな。デザインしたというより、スタジオでのポストプロで色々いじった、みたいに聞こえるのです。あとは…デザインだけがあるみたいな感じなんですよね。表現というものが、演奏家からも歌からも感じる事が出来ません。楽譜を読まされている感じ。

 とはいえ、安易なもののキンタロー飴状態のポピュラー音楽界で、これぐらいに「いいモノを作るぞ!」と気合を入れて作られた作品というのはあまり聴いた事がありません。僕的には70点と感じるアルバムですが、120点をつける人がいてもおかしくない完成度のポピュラーアルバムだと思います。



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『BAD FINGER / No Dice』

BadFinger_Nodice.jpg 一方、こちらのアルバムは、僕が子供の頃には中古盤屋でよく見かけて、比較的手に入れやすかったアルバムです。僕は「マジック・クリスチャン」の方が好きなんですが、一般的にはこっちの「ノーダイス」の方が人気があるのかも。

 このアルバムのミディアムのポピュラー曲の完成度は、素晴らしく高いです。A面の2曲目とか4曲目なんて、曲はいいし、コーラスはうまいし、アレンジは見事。ニルソンが歌って大ヒットした名バラード「ウィズアウト・ユー」なんかも入ってます。あれ、もしかしてバッドフィンガーがオリジナルなのかなあ?いやあ、いいバンドだなあ。ビートルズ以外で、これぐらい曲が良くってコーラスが巧くてバンドアレンジがしっかりしたバンドって、バッドフィンガーとブレッドぐらいしか思い当りません。

 しかし、いい事ばかりではありません。ロックンロール曲というのがそれなりに入っていて…これがどれもこれもスリーコードで同じように刻むので、もうどれもこれも同じに聴こえちゃう。このアルバム内だけじゃなくって、ビートルズやストーンズどころか、プレスリーの頃からいくらでも同じような曲があって、もう金太郎アメ状態。まあこれは、3~4分の曲を大量生産するシングルレコード市場に供給する産業音楽界の宿命なのかも。ロックンロール曲でも、他のミディアム曲と同じぐらいに気合を入れて作ればよかったのに。まあ、不満といえばそれぐらいで、とても素晴らしいポピュラー・アルバムだと思います。やっぱり「ウィズアウト・ユー」をはじめとした、ミディアム曲やバラードの完成度が素晴らしすぎます。



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『BAD FINGER / Magic Cristian Music』

BadFinger_MagicCristian.jpg ビートルズの作ったレーベル・アップルからデビューしたポップバンド・バッドフィンガーのアルバムです。これが「リボルバー」あたりの脂の乗り切った頃のビートルズのテイストそっくりで、メチャクチャいい!!曲がいい、バンドアレンジがいい、ポップスとしてものすごく完成度が高いです!!ある意味でいうと、ビートルズより曲作りがうまいかも。

 な~んて言ってますが、僕はバッドフィンガーというグループについてよく知りません(^^;)。これも友人が「いいよ」って貸してくれて、中学生の頃に聴いたアルバムです。たしか、映画のサントラだったような(とはいえ、BGM的な音楽は入っていなくて、あくまでポップスです)。。そして、「おお、ポップでいいねえ、しかもいい曲ばっかりじゃん!」なんて思ったんですが…昔はこのレコード、どういう訳かやたらプレミアがついていて、高くて買えなかったのです(T_T)。で、欲しいなあと思いつつ月日が流れ、いつの間にかポップスを卒業してしまったという次第。久しぶりにカセットを聴いたら、テープが伸びまくってるぞ(^^;)。そうだよなあ、英語が苦手のこの僕がどの曲も口ずさめるという事は、それぐらい何回も聞いたんだろうなあ。そして今見ると…おお!CDがお手軽価格で出ているじゃないですか!!よーし、今度こそ買うか?!しかし、いい時代になったものです。


 


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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