ちょくちょくビートルズの記事を書いている気がしますが、ビートルズにそこまで思い入れがあるわけではありません。むろん嫌いではないんですが、ポップスの場合はポピュラーよりロックの方が好きだったもので(^^;)。で、なんでこの記事を書くことになったかというと、ちょっとしたアルバイトで久々にアレンジの仕事をすることになり、そのお題がこのアルバムの表題曲"Let It Be"だったから。で、LPをゴソゴソと引っ張り出して、久々に聴いてみたわけです。
とにかくタイトル曲の"Let It Be"が素晴らしすぎる。コードは4つぐらいしか出てきません。基本的には、ずっとその繰り返し。なんですが…簡単にいうと、その曲のいちばん重要なコードに戻ってくる、その戻ってくる方法が、今のポピュラーミュージックの王道とちょっと違って、これが絶妙にいい。ムズカシイ言葉でいうと、いまの音楽って、ドミナントと呼ばれるコードからトニックと言われる主和音に戻ってくるんですが(キーがCの場合、G7→Cみたいな感じ)、レット・イット・ビーは、サブドミナントといわれるところからダイレクトに戻ってくる(キーがCならF→Cみたいな)。この感じが、なんというか…古風な感じがするんです。すごく古いクラシックとか(ベートーヴェンとかよりももっと前)、あとはそれこそイギリスのトラディショナル音楽とか。そういう古びた感じが、逆に今ではあまり聴かれない独特のムードを醸し出していて、僕にはすごく心地よく感じるのです。
あと、詩も素晴らしすぎる。
Speaking words of wisdom, Let it be 囁かれた知恵ある言葉は「なるがままに」