
テナーサックス奏者ジョニー・グリフィンが、1959年に録音した彼の代表作です。豪快、爽快なイケイケのハードバップの名盤です!いやあ、僕の中では
、数あるハードバップのレコードの中でもこれは上位ランキング、けっこうな頻度でターンテーブルに乗っています(^^)。
前の記事ではジョニー・グリフィンwithストリングスのレコードを取り上げましたが、あれはグリフィンさんとしてはけっこう異色の作品で、実際のグリフィンさんの音楽って、このレコード『リトル・ジャイアント』みたいなイケイケのハード・バップみたいな方が近いんじゃないかと思います。他のリーダー作もイケイケのハード・バップものがほとんどですしね(^^)。で、このレコードには特にカッコいい所がいくつかあります。
まず、
3管セクステットのアンサンブルがカッコ良すぎるという事。ハードバップなので、アンサンブルといってもテーマ部分と要所ぐらいしかアンサンブルしないんですが、このアレンジがめちゃめちゃにカッコいい!2曲目"The Message"なんか、ど最後に戻したテーマ部分でかなりカッコいいソリをしていて、音楽のデザインがものすごく良く出来た形になって、ただのソロ回しのバップに終わっていません。う~ん、カッコいい。この3管アンサンブルのカッコよさは、コルトレーンの『ブルー・トレーン』どころか、あのドルフィーのアレンジですら遥かに上回る鋭さだと思います。このアルバムには、ノーマン・シモンズの曲が3曲入ってるんですが、このかカッコいいアレンジを書いたのも、恐らく彼だったのでは?やっぱりプロの作曲家アレンジャーは腕が違うな。。
そして、こういう音楽のデザイン全般に関する配慮は、アルバム全体に行きわたっていて、同じ曲想で押しまくるだけでなく、かなり独特の曲想の曲も挟み込んできます。"Lonely One"なんて、ドラムはタム回しだけでリズムを作り、その上にテナーサックスが鳴り響くという何とも独創的なデュオ。アフリカのジャングルを彷徨うような独特の曲想、これもカッコいいな。。
それから面白いのは、レコーディングというかミキシング。リバーサイド・レーベルなのに(^^;)、それぞれの楽器にキッチリマイクが立ててあるみたいで、各楽器の録音がものすごくしっかりしている。で、それに対してすごく鋭い感じのリバーブがかけてあるんですが、これが何とも言えないカッコいい響きを生み出しています。あんまり自然じゃないんだけど、50年代のハードバップのレコードって、音に無頓着で「ただ録音しただけ」みたいなものが結構あるじゃないですか。もう、そういうのとは一線を画した見事なレコーディングだと思います。
そして、このカッコいいサウンドのまま、一気に突っ走る!!この爽快っぷりは聴かないと分からないんじゃないかと(^^)。特に1曲目"Olive Reflection"のカッコよさは素晴らしすぎる。若い頃の僕は、ビ・バップやハード・バップはちょっと古くさい気がして、食わず嫌い的に敬遠していたんですが、こういうレコードと出会ったのをきっかけに、一気にのめり込む事になりました。今のジャズなんかより、よっぽど尖がっていてカッコいいんですよ。ハードバップ食わず嫌いな方に、ぜひともこの1枚をおススメします(^^)。いわんや「ジャズ好き」というのなら、この1枚を聴いていないとしたら嘘かと。
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