
前々回、北インド方面のカジュアルな伝統ヴォーカル音楽の「
ガザル」について書きました。じゃ、北インド方面のヴォーカル音楽で、もっとフォーマルなというと何があるかというと…僕が知っているのは、ドゥルパドというものがあります。これはそのドゥルパドのCDで、ドゥルパドと言えばこの兄弟、ダーガル・ブラザーズなのです。たしか、音楽一族としてはバッハよりも古くて、しかも今でも伝統が受け継がれているという、驚異の音楽一族w(゚o゚)w。これが聴いているとトリップしちゃいそうな浮遊感、気持ちいです。。
どの辺がフォーマルかというと…
まずは音楽。インドの伝統音楽って、ラーガとかターラなんていう理論があって、このルールの上で即興的に音楽が紡がれていくという感じだったハズ(あんまり詳しい事は知りません^^;)。しかし即興的と言っても、歌いながら西洋音楽でいう所の調みたいなものが決まっていって、次にタブラ(指で叩いたり擦ったりして音を出す打楽器)がリズムのパターンを選択していって…みたいな感じだったハズ。これがどういうふうに繋がっていくかは、一族が引き継いでいく門外不出の秘儀、みたいな感じ(たしか、です^^;)。日本でも有名なラヴィ・シャンカールなんかの音楽もラーガを使った音楽で、あれはどんどん陶酔状態に入って超絶的に盛り上がっていくのですが、この
ドゥルパドという音楽は、同じ陶酔でも、すごーくマッタリしているのです。日本のCDのタイトルに「瞑想の」なんて書いてありますが、これは本当にそういうものなのかも。途中で寝ちゃいそうになるぐらいに気持ちいいです(^^)。伴奏は、タンブーラという「ビヨ~ン」という音を延々出してドローンを作る楽器と、打楽器(タブラと音や奏法が似てますが、パッカワージという楽器みたい)だけ。音階も旋律型も全部声が作ってしまいます。そうそう、このドゥルパドは、いきなり二人のヴォーカルがびったりユニゾンしたりするので(しかも詞まで合ってる)、どこまでが即興でどこからが作曲部分なのか、シロウトの僕には見当もつきませんが、いきなりビタッと合うのでビビります。すっごいです。
次に詞。ガザルは「あなたがいなければ~」みたいな俗っぽい詞が多かったですが、ドゥルパドは「崇高な魂と崇高な存在の神よ~」みたいな感じで、思いっきりヒンズーな感じです。この辺に来ると、聴いて好きか嫌いかなんてレベルのものじゃないですね。深いです。
この独特の浮遊感も、やはりインド音楽なんですよね。60年代、ビートルズやヒッピー系のバンドがインドのこういった陶酔系の音楽を取り込もうとしてましたが、本家本元は凄すぎました(。・ω・)。静かに自分の意識の中に沈み込んでいくような感覚、おススメです!!
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