
ちょっと前、ジャズ系の音楽を紹介しようと思ってたのに、BGMっぽい音楽の紹介が続いてしまった(^^;)。でも、アンビエントとかBGM的な音楽は決して嫌いではないので、それはそれでいいかと、棚をゴソゴソと探してみると…いや~、ロックの棚から懐かしいのが出てきました!!ジャーマン・プログレッシヴ・ロックです!!1972年発表、
ポポル・ヴ―の2nd「ファラノの庭にて」です!!
音の中心にあるのは、透き通った音のシンセサイザー、タブラを含むパーカッション、そして水や風の音などの環境音。若い頃にこのCDを聴いた時には、変化しない感じもしたし、やっぱりBGMとか環境音楽の類なんだな、と思ったんですが、前回の近藤等則さんのCDを聴いた後に聴くと…いやあ、とんでもなかった。
緩やかではあるけれど、BGMや環境音楽どころか、実は相当に構成的。しかし、ファラオという言葉から想定されるような中東の感じはあんまりない^^;、きっと遥か昔とか、遠い世界とか、そういう所に対する遠大なイメージとか音楽のあり方とかが「ファラオの庭」という所に繋がっているんじゃないかと。音も「気持ち良ければそれでいい」とかそういうんじゃなくって、背景に教会音楽や他の音楽からの引用を感じるし、すごく意味ある音楽に聴こえてきます。
シンセサイザーはムーグなんですが、まるでデジタルシンセのような透明感のある音で、不思議な事にこれがぜんぜんチープに感じない。タブラやパーカッションは唯一の意思ある演奏という感じで、がっつり叩いていたりするんですが、全然うるさくない。起伏はあるんですが、あくまで緩いです。コーラスもそうで、すごく遠くで風の音のようにうっすら聴こえるだけ。つまり、ほとんどの音が背景的な感じで、互いが主張するというよりも、互いが背景と化して混ざり合っている。しかし全体は意志を持って動いている感じなのです。いやあ、これはBGMとか環境音楽とは到底呼べないな。。B面に入っている"VUH" で、15分以上をかけて緩やかながらもうねる様に響いていた音の彼方から笛が聴こえてきた時は、ゾクッとくるような感動を覚えてしまいました。
昔、このCDを買った時は、フリージャズとか現代音楽とかガッツリ系の音楽が大好きだったもので、ちょっと肩透かしを食った気分でした。でも、何かが残る感じで、これは手放しちゃいけない気がして、ずっと持ってました。そして、何年かに1回、思い出したようにこのCDを聴くんですが、聴くたびにどんどん好きになっていく感じです。きっと、自分の音楽の知識とか、色んなものが増すたびに、良さが分かってくるものなのかも知れません。ロックを軽音楽と侮るなかれ、これはスバラシイ作品でした!!おススメ!!
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