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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『Steve Lacy / Reflections』

SteveLacy_Reflections.jpg ジャズのソプラノ・サックス奏者スティーヴ・レイシーのレコードです。フリージャズ期やレイシーのあの独特のオリジナル作品なんかが生まれる前のレイシーさんのプレイで、習作期の音楽と感じました。内容は、レイシーさんの音楽の重要なルーツとなったであろう、セロニアス・モンクというピアニスト/作曲家の作品集。ベースがレイシーとともにセシル・テイラー・ユニットにいたニードリンガー、ピアノはマル・ウォルドロン、ドラムはエルヴィン・ジョーンズで、メンツ的には申し分なし!

 でも、けっこう普通のレコーディング・セッションと感じました。モンクの音楽独特のねじれたテーマを見事に吹きこなすところなんかはさすがと思うのですが、バンドもこれで活動しているという訳でなく、このセッションのためだけという感じで、なんか「普通のジャズ」。このレコードを作ったプレスティッジというレーベル自体が、そういう企画先行のセッションばかりを録音しているイメージがあるところなので、仕方がないのかも知れません。プレスティッジとしては、ソプラノサックスを演奏するという事で、そこに商品価値を見ていたという程度だったんでしょうね。

 あのスティーヴ・レイシーによるモンク作品集と思って買うと、肩透かしを食うかもしれません。いや、普通のジャズの普通のセッションとして聞けば、さすがに良い演奏とは思うのですが。しかし、レイシーのモンク研究は、このレコードで聴かれるだけのものではなく、もっと深いと僕は思ってます。そう思わされた作品が他にいくつかありまして…その話は、次回に書いてみようと思います!

(2022.10 追記)
 7年ぶりにこのアルバムを聴きました。時間をおいて聴いたら、ちょっと聴こえ方が変わりました。あ~怖い怖い、手放してしまう所だったよ。。

 まず、フロントを務めるスティーヴ・レイシーと、ピアノのマル・ウォルドロンが、モンクの音楽に深く入っていると感じました。スコアをさらっただけでなく、50年代のモンクの音楽はどう鳴らせば活きるのか、そこまできっちり入り込んだ演奏というか。あの奇妙奇天烈なハードバップや、明るいけど言動がおかしい人の危うさに真意を見出して鳴らす真剣さ、というか。それでいて、クーラーの利いた避暑地で過ごしているような最高にリラックスした気持ちよい音楽も同居してる感じなんですよね。う~ん、みごとでした。

 スティーヴ・レイシーのファースト・フィンガーも凄かったです。冒頭の「Four In One」や「Skippy」のヘッドやアドリブの演奏なんて驚き。スティーヴ・レイシーって実際にモンクのバンドに入って揉まれた人ですから、あれを体現できて当然と思ってしまう僕がいましたが、でもレイシーってモンクのバンドでうまく演奏できず、少しの挫折感を覚えてバンドを去ったらしいですよね。それがこれだけの演奏をしてしまうんだから、いやいやこれはとんでもない事だぞ、なんて感じで、自分の感じ方の修正を迫られた思いです。

 というわけで、すばらしいモンク・ミュージックでした。ただ、7年ほど前にこのアルバムを聴いた僕が、いまいちと感じたのも分からなくもないかも。プレイは素晴らしいけど、ガワはモンクの音楽そのままなんですよね。それでも、50年代に発表されたスティーヴ・レイシーのリーダー作では一番いい作品だと思います。


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『Steve Lacy Five / The Way』

SteveLacy_theWay.jpg  スティーブ・レイシーというジャズ系のソプラノ・サックス奏者がリーダーを務めたクインテットの、1979年のライブ録音です。

 さて、ジャズ系のサックス奏者とひと口に言っても、スティーブ・レイシーの音楽はバリバリに個性的で、その個性たるやエリック・ドルフィーに並ぶほど。フリージャズという脈絡で語られる事も多いし、まあそういう時期もあったようなんですが、僕が一番好きなレイシーというのは、キッチリと作曲をして、それを演奏するというスタイルなので、感情に任せて曲も構成もへったくれもナシに吹きまくるというフリーとはかなり違います。ものすごい個性的なコンポジションとアンサンブル、その要所要所で縦横無尽に駆け巡るアドリブ・ソロ、という感じなんですね。これが素晴らしい。すべての音楽って、だいたいこういう所を目指しているんじゃないかと思うのですが、それを実現できている人って、本当に少ないと思うのです。こうしたスティーブ・レイシーの追求してきた音楽の全盛期というのが、70年代であったと思います。中でも、Steve Potts がアルトサックス、Irene Aebi がチェロ&ヴァイオリン、Kent Carter がコントラバス、それにドラムが加わった5重奏団は、スティーブ・レイシーの音楽が辿り着いた到達点だと思います。で、このCDは、その5重奏団による全盛期のライブ録音、という訳です。

 2管にヴァイオリンの加わるアンサンブル、ジャズ的な強いリズム、モンクのようなねじまがった楽曲、そしてライブならではの疾走感!いやあ、これぞ僕が音楽に求めているものです!!マジでカッコいい。。特にこのライブならではのテンションが良くって、このライブと同じ曲を収録したスタジオ録音盤はフランスのレーベルSARAVAHから出てるんですが、そちらよりも数段上の演奏です。ところで、このライブはスイス公演。…結局、エンターテイメントではなくって芸術方面のジャズをやると、アメリカでは評価されず、ヨーロッパでは評価しようとする土壌があるという事なんでしょうね。こんな所にも、資本主義至上主義のアメリカと、資本主義圏ではあるけれども、それとは並行して人文主義思想が熟成しているヨーロッパとの違いがあらわれている気がします。


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ProTools 10 & Digi003 & MAC OS10.6 ... うまく起動しなかった時の覚え書き

 ProTools & Digi003 RACK がうまく動作しなかったので、頑張って直しました(^^)。Perfoama にしてもProtools にしても、昔から音楽ソフトって、間に入るハードとの互換性とか設定とかが異常に難解で、動作させるまでが大変なんですよね。。というわけで、また動かなくなってしまった時のための覚え書き&同じ目にあった人の手助けにでもなればと(^^)。

Mac Pro1. 2006年型 intel Mac には OS10.7 lion までしかOSをのせられない
 私は自宅で作曲とかデモ録音とかを、PCを使ってやってます、20年ぐらい前から(^^)。ところがPCがぶっ壊れてしまったので、この機会にリニューアルしようと思ったら…うああ、intel Mac って、30万円超もするのか(T_T)、こんなの貧乏な僕には買えません。というわけで、中古のIntel MAC を探したところ…あったあった、5万円(^^)。しかし僕はここ10年ぐらいのMAC事情に詳しくないもので、ちょっと調べてみると…う~ん、Intel MACも色々あって、最新の円柱形のヤツは、音楽をやるシステムを構築するにはちょっと面倒らしい。で、ちょっと前の銀のシャーシのやつとなると、もうApple Store じゃ売ってないので中古を探すしかない。そのシャーシのやつも2006年、200X年…みたいに3~4回のバージョンアップがあって(CPUの違い?)、僕が買った奴は2006年版のMAC PRO はOS が10.7 LION までしか入らないっぽい。そうそう、直前まで使っていたPower MAC のHDDを予備ディスクとして組み込もうと思ったら、コネクタの形状が違っていて使えませんでした(^^;)。

2. Mac OS 10.7 には10.6 からアップグレードするしかない
 で、LION を手に入れようとすると…Intel Mac には最初からOS が入っていて、ここからアップグレードするしかないらしい。え、じゃあもしOSになんかあった時にクリーンインストールしなおすって出来なくなっちゃうんじゃないの?これはディスクでもデータでもいいからOSのインストーラーを手に入れておきたいと考え、Appleサポートに連絡したところ、「10.7をクリーンインストールするものというのは売ってないので、10.6 (snow leopard) を買ってインストールした後に、Apple のページからLIONをダウンロードしてアップグレードしてね、無料だから」と言われました。なるほどそうかと思って今更ながら10.6のインストールディスクを買ってクリーンインストールした後、それを最大アップデートの10.6.8まで引き上げ、いよいよLION にアップグレードだ!…と思ったら、無料というのは誤りで有料(- -*)。Appleサポートに連絡すると、「追加でlion 買ってね」だと、2回買わせる気かヾ(`□´)ノ〃!!フォローしておくと、Apple サポートの電話応対自体はわかりやすいし丁寧だし素晴らしかったです。しかしウソを伝えちゃいかんがな。でも、今頃snow leopard とかlion とかで新しくシステムを組もうとしている奴は珍しいんでしょうね(^^;)。

3. Mac OS snow leopard に対応しているProTools は10まで
 というわけで、さらにOSを買わされるのが嫌だった私はSnow Leopard のままProtools のシステムを構築することに。前まで使っていたProTools は7 で、これで何の不都合もありませんでしたし、知り合いのプロのレコーディングエンジニアも「自宅では僕もまだ10使ってるし、全然大丈夫っすよ」と言っていたので、11や12じゃなくても問題ないかな、と。

Ilok2.jpg4. 最近のProTools はiLok2 というUSB形状のオーサライズキーが必要
 で、昔のPerforma やProTools LE と違って、最近のProtools はiLok2 というUSB形状のオーサライズキーが必要だ、とのこと。無断複製の使用を防いでるんですね、よく考えるなあ。で、これを購入し、登録。しかしこの認証が異様に煩雑で、ぜんぜん認証しねええええ(T_T)。けっきょく、ProTools の販売元であるAVID のサポートセンターに連絡して、電話でアドバイスしてもらいながら何とか解決。しかし…登録時のユーザーIDでないものがユーザーIDになってるって、わかるわけないじゃないか。

5. ProTools でオーディオインターフェイス(私の場合003用)を使う場合、ドライバーを別途インストールする必要がある
 私の場合、Protools は7(LE のなかのひとつ…かな?)を使っていたもので、"Crossgrade from ProTools LE" というやつを買えばよいとAVID の人に言われたので、これを購入。で、ハコを開けると…ACTIVATION CODE という文字の羅列の書かれたカードが1枚ペロンと入ってるだけでした。で、ネットでこのコードを入力してダウンロードするらしい。そしてやはりAVID のページが死ぬほどわかりにくい。僕は音楽ソフト関係以外のものでは、サポートに電話したことはないんですが…。きっと、音楽関係のものは海外製品の日本代理店が、海外のものを翻訳しているだけの上、海外のこの手のものって日本のようにユーザー視点で分かりやすく作ってなのが原因ではないかと(^^;)。
 で、「別途ドライバーをインストールする必要あり」とか、どこにも書いてないんですが、動かないもので「ドライバーとか必要なのかな」と、AVID内の検索ページで検索してみると…ありました!さらに、僕が使う「ProTools 10 + Digi003 」という組み合わせに該当するドライバーがない(マジで不親切)。というわけで、これもサポートのお兄さんに訊いて、適切なドライバーを教えてもらいました。そうそう、おっかないから、このドライバーのインストーラーも保存しておきました。

6. Digi 003 が認識してないっぽいときは  *これが重要!
 話が前後してしまうんですが、以上の設定だけで録音用に1週間ぐらいは普通に使えてました。ところが、midi 機器をつないで打ち込みをやろうとあれこれいじったところでDigi 003 が認識しなくなったっぽい(音がオーディオインターフェイスでなくって、MAC内臓のスピーカーから出たりしてるT_T)。多分これはMac側の「Audio MIDI 設定」をいじった時に何かが起きたんでしょうね。というわけで、
 a. 003 がPCと通信できているかどうかは、003本体の「HOST 1394」というグリーンのLEDが転倒しているかどうかをまずチェック。これが消えていたら(Protoolsを立ち上げてなかったら点灯しないので注意)、ProTools側のプレイバックエンジンが003に設定されていない可能性を疑う。
 b. プレイバックエンジンのチェックは、か[設定]→[プレイバックエンジン]→一番上の項目を「003」に合わせる!

7. I/O 設定
 MAC OS 10.6 & ProTools 10 & 003 で、適切なドライバーを入れると、どうもそれが003っぽくない状態でI/O が設定されちゃいます(Input/Output が8ch/8ch なきゃいけないし、SPDIF出力とかも選択できないといけないんだけど、そうならない)。なにか入出力系の基本設定をいじるたびに、毎回リセットされちゃうっぽい。というわけで、これを003用に設定するには、インプット、アウトプット、バス、インサートの4つの項目をデフォルトに戻す必要があります。以下の手順を、上記4つの項目でやる。
 a. [設定]→[I/O] で、I/O設定画面へ
 b. [インプット]を選択 (*インプット、アウトプット、バス、インサートの4つともやる)
 c. 名前をすべて選んで(option key を押しながら選択すれば全部選べる)、[バス削除]ですべて消す
 d. [デフォルト]を押すと003のデフォルト設定になる!

8. midi の設定
 これ、ずっとやってなかったもので忘れてました(^^)。midi 機器の設定は、Mac OS 側の「Audio Midi 設定」でやるみたいです。場所はユーティリティの中にありました。
 a. Mac OS 側の[Audio Midi 設定] を開く → [MIDI ウインドウ] を開く
 b. 「設定テスト」を選んで003に接続しているmidi キーボードを叩けば、認識していたら音がして、受けている機器のアイコンのインプットがフラッシュする

 *現状のシステムだと、オーディオインターフェースとして[digidesign Device] というアイコンと[Digi003] というアイコンの二つが表示されている。しかし003を認識しているのが[digidesign Device] という方らしい!
 *midiの部分は、ProTools 10 のマニュアルに結構ていねいに書いてある

9. AVID の電話サポート、つながらねええええ!!
 これがマジで切れそうになりました。計7時間つながらず。まず、電話の自動応対で「システムID」とか「AVIDサポートコード」とかを要求されるんですが、これが分からない。で「AVIDホームページの自分のアカウントで確認ください」とガイダンスされるんですが、2時間以上あっちこちみたけど書いてない!というわけで、電話の内線1の、そういうIDのいらなさそうなところに連絡しまくるも、2時間以上つながらないうえに、営業時間を過ぎて「営業時間内にご連絡ください」のガイダンスが(- -*)。ふざけんなよ。で、翌朝も3時間かけ続けるも、ダメ。というわけで、AVIDサポートコードがいるらしい内線2から2→2…みたいにすすむと、一応サポートの権利がある人には応対してくれるっぽいところにたどり着きましたが、ここも「ただ今回線が込み合っており…」ふざけんなよ。しかしよく聞くと…ここ、しばらく待つと別のメッセージが流れ、留守録でメッセージが残せるようになるらしい。というわけで、「003が認識しない」とか「midiが認識しない」とかのメッセージを残しておいて、再びリダイアル攻撃2時間。すると…リダイアルのわずかな隙をついて、コールバックが!!!
 えっと、これは多分ですが、僕の場合はtools のソフトを買って30日以内なのでサポート対象だったのかも。そうじゃなかった場合は、この方法は使えないのかも。ほかの電話サポートを受けるには、有料会員になるとかAVIDサポートコードというやつを買うとかしないといけないらしい(しかしこの買い方も、ホームページを見まくってもよく分からない)。というわけで、AVIDでソフトを買ったら、とにかく使い倒して、わからないことは30日以内に全部電話で訊いておいた方がいいと思いました。今回の件、僕はどれだけマニュアルを見てもネットで検索しても絶対に分からなかったと思います。自分で発見する可能性はありましたが、おそらく3~4日は絶対にかかったうえ、その間にストレスの塊になっていたんじゃないかと。
 え~っと、私は今回2度ほどこのAVIDサポートに電話しましたが、マジでつながりません。しかし、つながった後のサポートマンはものすごく詳しくって説明も分かりやすくて神対応でした。ああ、せめて30分以内ぐらいにつながってくれれば申し分なしだったんですが…。7時間はさすがにきついっす。

 それにしても、PC って次から次へとどんどん出してくれますよね。。僕がMAC を使うのは音楽をやる時だけですが、ProTools 7以降、進化してくれなくって全然良いのに。。きっと、絵絡みの仕事で進化が必要なんでしょうね。普段の仕事はWindows を使ってますが、これもXP でぜんぜん不満なしだったのに、どんどんバージョンアップしちゃう。こういう大量生産/大量消費のスパイラルを作るイヤな世界とは、なるべく距離を置いて今後も生きていきたいなあ。。



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『Janis Joplin / Pearl』

JanisJoplin_Pearl.jpg 名盤の誉れ高いジャニス・ジョプリンのラストアルバムです。"MOVE OVER" とか、ロック・スタンダードになった名曲の入った好アルバム…のような気がします。ただ、僕的にはちょっと肌に合わなかった(^^;)。。いつも、最後まで聴き通せずに飽きちゃうんですよね、40分にも満たないアルバムだというのに。

 なんで自分には合わなかったのか。理由はふたつで、ひとつは演奏が板についてない事、もうひとつはヴォーカルの表現がワンパターンという事。
 たとえば、"MOVE OVER" でいうと、やっと曲を覚えて、丁寧に合わせた段階、という感じがするんですよね。バンドって、ここからが本番というか、覚えた後にどれだけ演奏を血肉化していけるか、というところに音楽のタマシイがある気がするんですよ。これをやらないと、引くべき所も引けず、一気にもって行かないといけない所でも持っていけないで丁寧に演奏しちゃったりする。これはアタマで考えるだけじゃダメで、リハを繰り返したりライブで勢いよく演奏したりしているうちに「あ、ここはこうすると曲が引き立つんだな」とか「ここは荒くなっても良いから勝負しに行くところなんだな」とか、分かってくるものだと思うのです。そういう魂を入れる作業をする前に録音して発表しちゃった、みたいな印象なのです。
 そしてヴォーカルも、バンドがそれほど白熱していないのに自分だけ頑張っちゃうものだから、ヒートするしか表現が無いのかよ、と感じちゃったり(^^;)。。前の『コズミック・ブルースを歌う』では、かなり歌の表現が出来ていたと思うのですが、このアルバムではロックナンバーになるとすぐ絶叫しちゃうから飽きちゃう。

 ただ、久しぶりに聴いてみたら…ロック調の曲の印象は変わりませんでしたが、バンドの一体感みたいなものがそれほど必要のないブルースやソウルっぽい曲は、素晴らしいものがありました。けっこうゴスペルとかソウルとかの影響を感じさせる曲が多かったです。「寂しく待つ私」とか、素晴らしかった。ジャニスの事を「ブルースの女王」みたいな呼び方で宣伝するレコード会社は大嫌いな私ですが(勝手に女王とか言ったらほかのブルースマンに失礼だろうと思う気持ちと、そもそもリアルブルースじゃないじゃねえか無責任にいい加減な言ばっかり嫌がってという気持ち^^;)、やっぱり良いシンガーだと思いました。この後ジャニスは死んでしまいましたが、奔放に自分の人生を生き抜いた生き方は、すごくカッコ良かったと思います。



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『Janis Joplin / I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama!』

JanisJoplin_KozmicBlues.jpg ライブのジャニスならひとつ前に紹介した『チープ・スリル』が最高傑作と思いますが、一番好きなジャニスのスタジオアルバムはこれ。ロックバンドから抜け、ソロ活動を始めたジャニスの1枚目です。選曲、曲のアレンジ、そして歌が素晴らしい!僕的にいうと、ジャニスさんが歌というものに真正面から取り組んだ唯一のアルバムと思っています。

 ライブバンドで鍛え上げてきたヴォーカリストで、ライブでの絶叫パフォーマンスがアイデンティティのひとつなんじゃないかという人が、ライブバンドから脱退し、しかもスタジオ録音で大丈夫なのか。ところが、このアルバムのディレクションが素晴らしかった。スタジオで丁寧に作っているので、勢いは失われちゃってるし、バンドもカラオケ的というか、ヴォーカルとの一体感が薄い。でもそのかわりに、ヴォーカリストにちゃんと歌を歌わせているというのが素晴らしい。すぐに熱くなって絶叫とか、そういう事をさせないのです。押すところは押し、引くところは引き、優しく歌う所はやさしく歌う。ジャニス・ジョプリンが大道芸的なパフォーマンスとか、あるいは勢い任せのノリ一発だけのヴォーカリストに終わらなかったのは、このアルバムがあったからなんじゃないかと。"Little Girl Blue" なんて、本当に素朴なギターの音から始まり、告白するようにそっと声を出していき、徐々にストリングスが重なっていって、最後のサビに来た時の切なく振り絞るようにジャニスが歌う所まで来ると、いつも聴いていて涙が出ちゃいます(・_・、)。素晴らしいアレンジとヴォーカルだと思います。この曲だけでなく、ジャニスがきちんと歌に向かい合わないと歌う事の出来ない曲が何曲か入っていて、これにジャニスがきちんと取り組んでいます。いや~、これはソウルアルバムに近いというか、大人の観賞にたえる作品なんじゃないかと。ジャニス名義ののアルバムでは《PEARL》が有名ですが、個人的にはソロになったあとのジャニスの一押しアルバムはこれです!!これ、ジャニスが好きという人でも聴いていない人が結構いると思うんですが、絶対聴くべし。ジャニスが苦手という人も、ソウルを理解できるならこれは絶対に行ける筈(^^)。超おススメです。。



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『big brother & the holding company / cheap thrills』

JanisJoplin_CheapThrills.jpg ジャニス・ジョプリンの実質的な出生作であり、最高傑作のひとつであり、またロックの大名盤のひとつ!スタジオ録音ではちょっと真似できないようなライブの疾走感とバンドの一体感がすごい!!特に、1曲目"Combination Of The Two" から名演の誉れ高い3曲目"summertime"(最初に聴いた時、まさかこれがサマータイムとは思わなかった^^;)の一気に押し切る流れは絶品!ほかにも"pieces of my heart" とか"Ball And Chain" とか、 名曲名演ぞろいです!

 後年のジャニス・ジョプリンは独立してソロ活動をするようになり、そうなるとバックバンドもスタジオミュージシャン揃いになるわけで、そつなくうまいバックバンドの上で歌を歌うことになりました。しかしこのアルバムのロックバンド時代は演奏は荒いですが、多少の傷なんてお構いなしの勢いと一体感がスゴイです!!これは、以降のアルバムでは聴く事の出来なくなったロック魂!!いや~、ロックはこうありたいですよね(^^)。。このバンド、よく「下手だ」とか「ふるくさい」な~んて言われてましたが、この演奏を聴いてそんな所にしか耳が行かない人って可哀想だなと思います。僕的にいうと、かなりうまいバンドだと思いますし、丁寧に行けば傷は減らせたんだろうけど、そんな事より白熱した演奏という所に突っ込んでいったんじゃないかと。これこそライブ、逆に言えばライブで丁寧に行って小さくなっているようではあきまへん。なんでもかんでも機械で修正して、ドンカマに合わせてレコーディングするようになっちゃって機械生産品みたいな音楽になっちゃった最近のロックバンドにこそ聴いてほしい(^^)。。ロックやるなら、並じゃないパワーと勢いを人に伝える事ですよ!

 そして、自分のあらん限りの声で叫びまくるジャニスがかっこいい!!ここまで理性を投げ出して歌に入り込む事が出来るっていうのは、女性ヴォーカリスト特有というか、女性ヴォーカリストでもなかなかいないですよね。ジャニスで1枚だけ選べと言われたら、僕なら間違いなくこのアルバムを選びます(^^)。。大おススメ!!



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『BIG BROTHER AND THE HOLDING COMPANY』

BigBrother.jpg ロックの女性ヴォーカリストと言えば最初に名のあがるだろうジャニス・ジョプリンのレコードデビュー作です。とはいっても、あくまでジャニス・ジョプリンはメンバーのひとりであって、しかも男女ツイン・ヴォーカルの片割れ。日本盤なんかひどいもので、"BIG BROTHER AND THE HOLDING COMPANY"というバンドのレコードなのに、「ジャニスジョプリン/ファースト・レコーディング」なんていうタイトルでリリースしています(^^;)。もう、ジャニスのアルバム扱いです。ひどいぞ、日本のソニー( ̄ii ̄)。。

 肩を持つわけじゃないのですが、この「ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニー」というバンドがなかなか良い味出してます。67年の西海岸という事で、フォークとロックがサイケデリックにチャンポンしてるような音楽。この辺のバンドはけっこうカラーが似ていて、グレイトフル・デッドとかジェファーソン・エアープレインとかカントリー・ジョー&ザ・フィッシュとかの音楽は、僕の中では「ヒッピー・ミュージック」とか「西海岸のサイケデリック・ロック」みたいにまとめちゃってます(^^)。これらのバンドの共通項は、どこかショボいという事(お世辞にもうまいとは言えないけど、しかし下手でもない感じ)と、しかしそのショボさがショボいだけじゃなくってえらい魅力的というかやけに味があり、またセッション的なものが多い事、あたりでしょうか。ドアーズだけは毛色も違うしレベルも別格なんですが、他のバンドは本当に印象が似ています。印象というのは…
 このアルバムもそうなんですが、なんか明るいんですよね。明るいんだけど、健全な明るさというより、なんかポヤ~っとしてるというか、ドラッグやって明るくハイになっているような感じ。ドラッグやって明るくなるというのがアメリカ西海岸的なのかも。これがジャーマン・サイケだと暗くハードにドロドロになりますからね(^^)。そこにヒッピー的なものを感じちゃうのは、時代背景を知っちゃってるからでしょうか。音楽も、音楽だけが独立してバッチリ作ってあるというより、アルコールとかドラッグとかセックスとかも含めてひとつの文化で、音楽はあくまでその中の1アイテム、みたいに感じちゃいます。ジャニスが思いっきりヴォーカル取る曲もありますが、そういう曲は少ないです。やっぱり、「西海岸カントリー・サイケ・ロック」みたいな言葉で言いあらわしたくなっちゃいます。明るくダラ~っとした印象のアルバムですが、この躁的で白昼夢のような明るさ、嫌いじゃないです。しかし、"BIG BROTHER AND THE HOLDING COMPANY"の本領が発揮されるのは、次のアルバムからだったんじゃないかと僕は思っています(^^)。。



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『ファンホ・ドミンゲス / 牛車に揺られて』

JuanjoDominguez_LasEjes.jpg アルゼンチン関連という事で、モダン・フォルクローレのCDを。JUANJO DOMINGUEZ(ファンホ・ドミンゲス)というギタリストのCDです。

 フォルクローレというと、無知な僕なんかは「コンドルは飛んでいく」とか、アタワルパ・ユパンキとかを思い浮かべてしまいます。ざっくり説明すると、南米のフォーク音楽全般が「フォルクローレ」と呼ばれてるんですよね。でも南米って広いから、地域によって色の違いが出てくる。ネイティブ・アメリカン色の強いペルーとかの音楽になるとそれこそ「コンドルはとんでいく」的な音楽が増えていくし、白人色の強いアルゼンチンとかになると、アルゼンチンに移民してきたヨーロッパから持ち込まれたクラシカルなフォーク音楽が増えます。というわけで、アルゼンチンのフォルクローレのひとつの軸には、クラシック・ギターをベースにしたフォーク音楽が多くなるわけです。その代表的な例がユパンキなんじゃないかと。完全にインストゥルメンタルで、歌がないやつまであります。ファンホ・ドミンゲスはこの流れにある人。

 で、なるほどフォルクローレとはこういう意味か、というのが分かった気がしました。アメリカ合衆国のフォーク音楽なんかは、もっとギターがシンプルなものが多いというか、極端に言えばコードを押さえてジャカジャカやるだけでも通用しちゃう。だけどアルゼンチンのフォルクローレは、「禁じられた遊び」みたいでクラシック・ギター的な、ちょっとアマチュアでは真似しにくいようなテクニックが基礎にあります。これは簡単じゃないと思うんですけど、だからといって持ち上げるほどのものでもない気が。日本でも、プロのギタリストはいっぱいいるけど、クラシック的なベース&和声&旋律の一人多重奏が出来る人は多くない。でも、じゃアマチュアで出来ない人はいないかというと…クラシック・ギターさえ学んでいれば、町の教室に通う主婦でも子供でも、結構みんな出来ますよね。「簡単じゃない」「高度だ」といっても、それぐらいのニュアンスです。フォルクローレのギターは、難しいといってもそれぐらいのものだし、またそれを演奏する側も器楽的な高度な表現を求めてやっているわけじゃなくって、自分の心情をギターで演奏する「フォークロア」としてやっているんだと思うのです。技術を聴くんじゃなくって、聴いてホッコリする感じ。そこがいいと思うんですよ。このCDも、インストゥルメンタルではあるんですが、モダンジャズの「うおお、なんと熱い演奏だ!」というのでもなく、ロマン派クラシックの「おお、なんという超絶の器楽!」というんでもなく、「あ、なんかあったくっていいな、これ」みたいなものだと感じます。

 ところが…気に食わないのが、レコード会社や評論家の文句。ギター音楽ファンでもある僕は、このCDの宣伝文句にだまされました。「アルゼンチンのギターの超人」「テクニックが抜群」…いや、この演奏を簡単だという気はさらさらないけど、さっき言った程度のもので、そこまで持ち上げるのはまったくの嘘だよ。もしクラシックギターを少しでも聞いた事があるなら、口が裂けてもこんな言葉は言えない。小学生だって言わないでしょう。アマチュアのコンクールでも、これよりうまい演奏家は結構いるぞ。これを本気で「超絶的なテクニック」と言っているのだとしたら評論家のレベルを疑うし、売るために言っているならリスナーを騙していいのか、という気になってしまいます。レコード会社の太鼓持ちでしかない評論家、クズです。宣伝文句が「繊細な心の機微をそのまま演奏の機微に反映させたフォークロアとしての音楽」みたいなものだったら、僕は騙された気もしなかっただろうに。ドミンゲスさん本人だって、いい迷惑でしょう。評論家さんもレコード会社さんも、あんまりいい加減なことは言わないで欲しいものです。



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『ALFRED HAUSE the tango-orchestra / LA CUMPARSITA』

AlfredHause_LaCunparsita.jpg タンゴがあるのは本場アルゼンチンだけじゃない。さすがに世界中で流行した事がある音楽だけに、世界中にタンゴ楽団があります。日本なんてムチャクチャ優秀で、今も凄いタンゴ奏者がゴロゴロいたりします(^^)。でも悲しいかな、他の音楽と同じで、優れたミュージシャンはみんな東京にいて、地方にはたまに廻ってくるだけです。でもこれは、東京云々というよりも、音楽を理解したりお金を払ったりしようとしない地方の方に原因があるんでしょうね。そりゃ、ミュージシャンだって東京に集まりますわな。
 で、アルゼンチン以外のタンゴとしていちばん有名なのは多分コンチネンタル・タンゴ。コンチネンタル・タンゴというのはヨーロッパのタンゴの事で、このCDのアルフレッド・ハウゼ楽団は、コンチネンタル・タンゴの代名詞みたいな楽団なんじゃないかと思います。ドイツの楽団です。

 しかしタンゴといっても匂いが全然違うというか、アルフレッド・ハウゼのタンゴはムード・ミュージックとかイージーリスニング的。このCDもそうで、曲自体はカニミートとかラ・クンパルシータとかエル・チョクロとか、それこそタンゴの名曲をこれでもかと演奏するんですが、ストリングスが美しく優雅に奏でられて、バンドネオンもすごく優雅で、アルゼンチン・タンゴとは全然向かっている方向が違う(^^;)。ポール・モーリアの楽団なんかの音楽とすごく近い印象を受けます。ホテルのラウンジとかで優雅に、そして会話の邪魔にならないように、BGM的にムーディーに演奏する楽団って、昔は結構あったんでしょうか。タンゴという言葉に吊られて熱い音楽を期待してしまうと、ちょっと肩透かしを食うと思います。もう、雰囲気だけで作ったとしか思えないジャケット通りの音楽っす。。僕はこういうムードミュージック的な音楽はあまり好きじゃないんですが、あまりディープに音楽を聴きこまない人が、ちょっとBGM的に流して気分を変える、みたいな感じで使うとしたら、もしかしたらいいのかも。



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『Carlos Gardel / 100 por Carlos Gardel』

CarlosGardel_100por.jpg 僕はアストル・ピアソラでぶっ飛んでタンゴに入ったクチですが、ピアソラは厳密にいうとタンゴじゃないんだそうで。僕の印象だと、タンゴというのはあくまでダンスが中心のものだと思います。あくまでダンスが中心、次に音楽だけのタンゴがある。で、音楽のタンゴの中にちょっと異種のジャンルがありまして、それが歌タンゴ。イメージではジャズにおけるジャズ・ヴォーカルみたいなもんで、伴奏をするのはもちろんその道のミュージシャンなんですが、器楽とはちょっと別のものとしてある感じ。このCDの主人公のカルロス・ガルデルは歌タンゴの伝説の人。1935年没という事ですから、まさに伝説の…という感じですね。

 まずビックリするのは、1935年に死んでいるという事は、当たり前ですが録音はそれ以前のはずなのに、ビックリするぐらいに音が良い!!ビートルズのファーストアルバムとかより全然音がいいんじゃないんじゃないでしょうか。次に、それだけ古いと、音楽も古くさいんじゃないかと思ったんですが…いや~、これ、このままやっても現代でも思いっきり通用しちゃうんじゃないかしら。歌はすごく上手いし、バンドもうまい!!曲もアレンジも見事!!なんというんでしょうか、既に完成されている感じがあるというのと、あくまで狙いがシンプルなんですよね。曲の構造も着想も、「これ」というのが決まったら、徹底してそれをやるからすごく音楽が強くなるというか。あと、現代のタンゴと比べると、ギター伴奏のタンゴが結構多い感じで、またこのギターがすごくタンゴ的というか、リズムがすごく強い!!
 もうひとつ思ったのは…タンゴというのは、やっぱりあの2拍子/4拍子系の「ズン、ジャッ、ジャッ、ジャッ」というリズムとその極端な強調に特徴があるのであて、それ以外の部分を聴くと、当時の他の地域のポピュラー音楽とすごく似ているように感じます。フランスのシャンソンのエディット・ピアフとか、ジャズのホーギー・カーマイケルとか、なんか音楽の作りが全部似ている気がします。やっぱりこれは色んな文化が衝突して、クラシックの機能和声の技法を用いてポピュラー音楽を創る初期段階だったという事で、ジャンル以上に「2次大戦前の西洋ポピュラー音楽」という感じなのかも。

 いや~、それにしても、こんなに古いタンゴが、ここまで素晴らしいとは思いませんでした。最近、日本で歌タンゴを聴いたんですが、もうその基礎的な部分は100年前に出来ていて、しかも現在でもほとんど変わっていないと言えるぐらいの完成度。ちなみに、カルロス・ガルデルはアルゼンチンでは国民的英雄レベルの人なんだそうで。モダン・タンゴが好きな人は、ぜひ遡ってこのあたりも聴いてみてはいかがでしょうか。僕的には、モダン・ジャズが大好きで、さかのぼって「どうせ古くさんだろうな」と思って聴いたビ・バップが凄すぎてぶっ飛んだ時とすごく似た経験でした。大おススメ!!!


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『パーセル:3声のためのソナタ』

Purcell_Sonatas of 3parts 始まった瞬間の、中世ヨーロッパ的な、もの悲しく美しい音で既にノックアウト!最初の10秒で300年以上前のイギリスにタイムトラベル出来ます!!素晴らしすぎる音楽、絶対にこれは聴くべし!!

 いや~、冒頭から熱くなってしまいました、クールな音楽なのに(^^;)。パーセルというイギリスの作曲家はバッハより少し前のイギリスの作曲家です。生没年は1659-95年。イギリス王朝で言えば、思いっきりステュアート朝に重なってます。クラシック音楽で言うと、古楽→バロック→クラシック→現代、という超大雑把な区分けをすれば、最初の古楽に入る感じでしょうか。で、古楽というのは暗黙のルールみたいなものが色々あって(例えば通奏低音というのが入るとか)、これを掘り下げるだけでもメッチャクチャ面白いのですが、そんな事はとりあえずプロにまかせて、無責任な私たちはこの素晴らしすぎる清廉な音の海に浸ろうではありませんか(なんか今日はテンションが高いぞ…)!!
 前回、パーセルのハープシコード曲集を取り上げましたが、今回は3声のためのソナタ。このCDでは、ヴァイオリンx2、バス・ヴィオール、チェンバーオルガンの4者でこれを演奏しています。当時の音楽を鑑みると、バス・ヴィオールにかえてガンバとかでもよいんでしょうし、オルガンでなくてハープシコードでも良いんでしょうね。しかし、このCDの編成による音の溶け方と立ち方のバランスが恐ろしく綺麗です。テンポも遅すぎず早すぎず、聴いているといつの間にか音楽の中に引き込まれて催眠状態に入ってしまいます(^^)。

 なんかテンションが高くなっちゃって音楽の説明を全然してませんが、クラシックを聴く人はこのブロクにあまり来てくれないみたいなので(^^)、クラシックを聴かない人向けに紹介してみると、さっきの4段階で言うと、クラシック以降の西洋音楽というのは、表現的であるものがほとんどだと思います。それは、ロックでもポップスでも同じ。なにか、人間的で感情的な何かを音楽が表わしている、みたいな感じと言えばいいでしょうか。ところが、古楽の世界は向いている方が全然違うんじゃないかと思える時があるのです。なんというか、もう人間的な所じゃなくって、音とか現象とかに隠されている神秘を見せる、みたいな。ちょっとオカルト的に聴こえてしまうかもしれませんが、そういうんじゃなくて、たとえば「ドミソ」がなぜ美しく響くのか、その響きと、その背景にあるものを見せる…みたいな。もう、ベートーヴェンやビートルズなんかとは全然違うんですよ。特にイギリスのパーセルは、古楽の中心イタリアから遠く離れたイギリスにいて、イギリスのすごく涼しげで美しい音楽と対位法音楽を混ぜたような音楽を創り上げているものだから、もう別格で素晴らしいのです。僕的には、パーセルはこの"Sonatas of 3 parts" がダントツで好きです(^^)。この美しさ、聴いた事がない方にはぜひとも触れていただきたい至高の音楽です!大大おススメ!!



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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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