
クラシック・ピアニストの
マルタ・アルゲリッチによる、
ラヴェル作品集です。このCDは編集盤なのかな?(すみません、あまり詳しく知りません^ ^;)。収録されているのは、以下のラヴェル作品です。
ピアノ協奏曲
夜のガスパール
ソナチネ
高雅にして感傷的なワルツ
水の戯れ うち、ピアノ協奏曲だけがクラウディオ・アバド指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との共演で、あとはピアノ独奏です。
ラヴェルという作曲家の音楽は時代によって変化していくのですが、最も典型的な作風は、ドビュッシー以降の一部フランス音楽が受け継いだ4度音の堆積を含む作曲技法の使用。いわゆる印象派音楽です。これがロマン派や新古典派のクラシックとはまったく違った響きを持っていて超魅惑的!!このCD収録の曲だと、
「水の戯れ」の色彩感覚なんかはまさにそれ!アルゲリッチ演奏の「水の戯れ」狙いで、このCDに手を出す人も多いんじゃないかと。間違いなく名演です!ただし、「サーッ」という録音ノイズが少し多いかな?
しかし、
個人的な推薦は2曲目「夜のガスパール」です!!「夜のガスパール」とはベルトランの書いた詩の事ですが、これはラヴェルがそこから着想を得て書いた曲集で、詩はついていません。これが実に幻想的なサウンドで、しかも雰囲気中心の小品とは違って、曲がものすごくよく構成されている!!いや~、ラヴェルって結構大量に曲を書いてますが、よくもこれだけ見事な曲を量産できるもんだ、すごいです…。「ピアノ協奏曲」や「水の戯れ」は有名ですが、ガスパールは聴いた事がない人もいるかと思うので、これはぜひ聴いてほしい。個人的には超がつくほどの名曲だと思っています(^^)。あ、そうそう、この曲、ピアニスト視点で言うと別の側面もありまして、すごくゆったりとした曲のくせに、実は超がつくほどの演奏困難曲(+◇+、)。私、この曲に挑戦した事があるんですが、諦めました_| ̄|○。。
いずれにしてもピアノ独奏はどれもこれも絶品。残る協奏曲は…いやあ、これもいい(^_^)。僕が知っている範囲では、アルゲリッチは後年に同曲をロンドン・フィルとも演奏していますが、なんというか、こちらの録音の方が瑞々しいです。1楽章後半でピアノとオケがくんずほぐれつになる所があるんですが、ここの絡み方なんかは白熱しつつも決して雑にならないというか、実に見事。でも、個人的にはピアノ独奏曲の方が好きかな?ラヴェルの管弦だと、協奏曲ではない方が響きそのものを楽しめるかも。
ラヴェルのピアノ絡みの名作をアルゲリッチの演奏で…というCD。こう紹介すると妙に安っぽく感じてしまいますが(^^;)、曲の完成度の高さと響きの素晴らしさ、そして表現力が半端ではない(うまいとかヘタじゃない、上手いなんて当たり前で表現が凄い!!)アルゲリッチの入魂の演奏は、こういう僕のヘタクソなレビューなんか吹っ飛ばしてしまう素晴らしさです。
死ぬまで手放さないCDの棚に入れてあります、大推薦!!
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