
渡辺貞夫さんの
『ジャズ・スタディ』なり、前回紹介した『実用ジャズ講座』なりを勉強したら、まずは実践しまくるのみ!しかし僕の場合、理論書を読んですぐに実践できませんでした。ジャズ、甘くなかったです…。問題は、スピードとアイデア。だいたい、「えっと、ここではホールトーンスケールが使えるから…」なんて考えてる暇がないんですよね、音楽はどんどん進行しちゃうので(^^)。また、かっこいいラインとか、絶妙なエクステンションとかって、アドリブでポンポン出てくるような甘いものじゃありませんでした。僕の場合、いつも同じサウンドばかり使っちゃっててワンパターンに陥ってました。このあたり、バークレーなんかのジャズの専門音楽学校でどうやって教えているかというと…アドリブで使えるフレーズをまるまる教えてるんだそうです。その場のアドリブで作り出している人なんてソニー・ロリンズぐらいのもので、多くのジャズマンは超一流の人でもいくつかのストックフレーズを持っていて、それを少しだけいじってるだけなんだそうです。たしかに、仕事の現場で実用的に行こうと思ったらそれが一番事故がなくって確実だし、最初からいいフレーズを覚えておけばいいんですものね。
で、ジャズのアドリブの見せ場はいくつかあると思うんですが、いいプレイを聴いたときに僕が一番「これはすごいな」と感じるのが、エクステンションやオルタードの使い方のセンス。その見せ場がドミナントモーションをする場所、つまりはツーファイブの箇所なのです!理由は、5度から1度に解決する瞬間が「半音だけずれて元に戻る」ためで、元々の音をいろいろ変えられるから。分かりやすくスケールでいえば(でも僕自身はスケールでジャズを考えてません、どの音が使えるか、という発想)、本当はミクソリディアンというスケールだけだけど、オルタードもホールトーンもコンディミも行けちゃう…みたいな、かなり自由度の広い場所。ところが、この見せ場なんて一小節とか、場合によっては二拍で終わったりしちゃうわけです(T_T)。こうなると、理論の学習を終えたジャズ・ミュージシャンが次にやる事は、ツーファイブのところで、①偉大なジャズマンのかっこいいフレーズを覚えておいて演奏する、②頑張って自分でかっこいい手を作っておく、③フレーズ集というアンチョコを見る、みたいな事を行うことになるわけです。で、この本は、まさにそのアンチョコ集!!
いや~、僕自身は、ここに書いてあるフレーズをそのまま使ったことはないんですが、
ツーファイブをどのようにリハーモニゼーションしてアプローチするか、という事を学ぶには最適の本でした!マジで素晴らしい本です!!また、実際にここにあるフレーズをそのまま使うという正規の使い方をしてもばっちりというぐらいに、アイデア満載。この本、バークレー帰りのミュージシャンが推薦してくれて買ったのですが、これは理論書がひととおり終わって実践段階まで来た方には有り難い一冊ではないかと。理論の第2段階まで来た人は、第3段階の『ジャズ・セオリー』に進む前に、こういう本や実際の演奏をお手本にしながら演奏しまくるのが良いのではないかと!!超お勧めですが…僕が持っているのは最初に出た青い本。今は新装版というのが出てるのか、ちょっと気になる(^^;)。。
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