
英プログレッシヴ・ロックの名バンド、ソフトマシーンのセカンドアルバムです。1969年発表…って、60年代でこれを作ったのか!いや~、ビートルズから7年もたたない間に
キング・クリムゾンやソフト・マシーンが誕生したと思うとすごいですね(^^)。
さて、ソフトマシーンの場合は、プログレといっても、その初期はかなりサイケデリック。
ピンクフロイドもそうでした。このごった煮感といったら、ビートルズとかのマージービートがちょっとひねくれた感じ(ちょっと
アヴァンポップっぽい)に、サイケ、朗読、イギリス民謡、そしてジャズ要素がおおいかぶさります。このバンドのデビュー作と比べると、中でも
ジャズ色が強くなったところが際立ちます。ジャズドラムとオルガン/電子ピアノ系のインプロヴィゼーションがカッコいい!でも、ファーストとセカンドはまあ大体同じ方向性。
僕が昔このCDを買った時の最初の感想は、
訳が分からない。曲が切れないでどんどん変わっていくうえに、思いっきりジャズ・インストの曲が来たと思ったら、いきなり1曲目の続きに戻ったり。たしかに練りに練った感じですが、いかんせん
ヴォーカルはオカマみたいな声の上にかなり音を外す(これさえなければ、僕は相当にこのアルバムを好きになってたかも)。やりたい事はいっぱいあるけど、それを整理し切れていない音楽…というふうに感じてしまったんだと思います。これはバンドメンバーの構成にも原因があって、デヴィッド・アレン(g, vo)とケヴィン・エアーズ(b, vo)がかなり文学志向というか、ウィリアム・バロウズと親交があったというぐらいの人なので、音楽以上に文学傾向が強いのかも(それがいい加減なヴォーカルに繋がってる?)。一方のマイク・ラトリッジ(kbd)とロバート・ワイアット(dr, vo)はバリバリのジャズ。このふたつの傾向が融合し切れないんですが、それが「まとまりがない」と「違うものが同居していて面白い」という同じもののふたつの見え方になっている。これがなかなかクセモノで、聴くたびにそれが「良い」と思えたり「悪い」と思えたりしちゃうのです。しかも、僕が若い頃に買ったのはvolume one とのカップリングCDで、oneの方なんか輪をかけてまとまりがないものだから、two に行きつくまでに飽きちゃってたというのも原因のひとつだったかも。
それでも、まじめに聴くとかなり面白いアルバムで、ポストプロの編集作業も含め、めっちゃくちゃ考えまくられて作られたアルバム、ハマる人はめっちゃハマるんじゃないかと思います(^^)。実際、僕の周りには「ジャズ路線よりデビュー当時の方が好き」という人が何人かいます。しかしアヴァン・ポップなソフトマシーンはこのセカンドまで。次作
『サード』からは、ポップ要素が完全に後退し、ラトリッジとワイアットを中心としたブリッティッシュ・ジャズそのものみたいなバンドに変貌します。そのサード以降がものすごいんですが、それはまた次回に!!
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