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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『近藤秀秋 / ASYL』

KondoHideakiAsyl.jpg 喜多直毅カルテットの"WINTER IN A VISION" に並んで、今年買った1枚の中でぶっ飛んだ作品をもうひとつ。前の喜多直毅さんの記事で、「即興色の強い音楽でバンドがこれだけまとまっている日本のグループは久々」なんて書きましたが、その時に思い描いていたグループとはEXIAS-J(しかしいまだに読み方が分かりません^^;)。そして、そのEXIAS-J でギターを演奏している近藤秀秋さんの作品。今年(2015年)発表。アコースティック・ギターのアルバムです。

 EXIAS-J のアヴァンギャルドなサウンドの印象があまりに強くって、この人はそういう人かと思ってました。良くも悪くも高柳系というかPSF系というか。しかし最近の僕はそういうのを卒業しかけちゃったんですが、CDジャーナルの「オリジナル以外にピアソラやマイルスやベルクも演奏しているが、すべての曲が近藤の曲のように感じられる」というレビューにやられた(^^)。ある曲の演奏を聴いて、曲じゃなくてプレイヤーの個性に耳が行くというのは相当なんじゃないかと思ったわけです。だって、グールドやキース・ジャレットの演奏ですら、それを聴いて「これはまるでプレイヤー自身の曲のようだ」なんてなかなか思わないじゃないですか。しかも、ベルクのアルテンベルク歌曲集をギターで演奏するって、すごくないかい?そして…
 いや~、聴いていて怖くなるほどゾクゾク来てしまいました、今年は日本人アーティストの作品の当たり年です(^^)。クラシックからジャズからいろんなモダンを取り込んで完成させたような独創性が凄い!喜多さんの音楽を「タンゴのはるか先を行ってる」と書きましたが、この人はクラシックやジャズを吸収したうえでその先を行っている感じ。ギターの6本(10弦ギターも演奏しているみたいです)の弦がものすごいアンサンブルをしていて、近藤和声とでも呼びたくなるような音の重ね方から生まれる複雑なサウンドが強烈。アヴァンギャルドなんて呼ぶのが失礼なぐらいの完成度のギター音楽です。うまいというより(いや、もちろんうまいんですけど)、独自のギターシステムを完成させちゃっているんじゃないかという凄さなんですよね。というわけで、アルバムを通して魅了されまくりましたが、腐っても音大を卒業させて貰った僕が特筆したいのは、やっぱりアルバム後半でカルテット演奏されたベルクのアルテンベルク歌曲集。サウンドを含め独特の音楽になっていて、クライマックスからいきなり主題に戻る瞬間の戦慄感は原曲を上回るほどの凄さ!!!いや~、アレンジもアンサンブルもプレイヤー個々人の演奏も含め、硬派の現代音楽をこれほど見事に料理できるバンドなんて、世界でも聴いたことがないです。

 難点をあげるとすれば、複雑な和声にいれ込み過ぎているというか、もっと単純でいいからグイグイ疾走してくれる部分がもう少しほしかった。ディープすぎて聴いていて神経がすり減ってしまうというか…いや、これほどの芸術作品に注文を付けるなんて失礼ですね。現代音楽やフリージャズが好きな人ならマストアイテム、月並みな音楽に飽き飽きしている人に大推薦の独創性を持つアルバムでした(^^)。



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『喜多直毅 / HYPER TANGO 2』

KitaNaokiTango2.jpg 喜多さんの作品をもうひとつ。タイトルがちょっとダサいですが(^^;)、内容はすばらしいっす!でもCDをききおわるとこのタイトルもちょっとうなずけるというか、タンゴを演奏しながらもタンゴの先にいるというか外にいるというか、そんな感じです。喜多さんというヴァイオリニストがアーティスト性を持つようになるきっかけはタンゴからだったんだろうな…と思わされた1枚でした。ソロやデュオやアンサンブルにと、バラエティに富んだ作品です。

 ピアソラを中心にモサリーニなどなどのモダンタンゴを扱ってますが、曲のアレンジが素晴らしい!面白い!この点はとにかく強調しておきたいです。素晴らしいです。特にモサリーニの"ALLER ET RETOUR Ⅱ"という曲のアレンジはちょっと凄かった(しかしこれはオリジナルのままなのかも^^;)。絵画でいうと、実によくデッサンの出来た作品という感じ、かな?値段に見合うだけの好作と思います。
 しかし、ちょっとプレイが堅い。これはスタジオ録音ゆえかもしれませんし、共演者ゆえかもしれません。僕はスタジオ録音の経験がそれほどないのですが(自宅録音は趣味でいっぱいやってますが^^)先輩にきいたことがあるのは、「録音スタジオでヘッドフォンをして演奏していると音の細かい所がきこえすぎちゃって、やればやるほど演奏が丁寧になっていっちゃう」んだそうです。う~ん、当てはまっているかどうかは分かりませんが、どうもそんな演奏の気もします。あと、共演者も、ピアノ(のひとり)もギターもチェロもクラシック系というか、なんかここで取り上げた曲が持っているようなタンゴ的なグルーヴからちょっと遠い感じがしちゃいます。チェロなんて、どう聴いたってうまいんですが、クラシックのレガート気味の演奏から抜けきらない感じなんですよね。それはピアノもギターも同様で、アーティストじゃなくって職業ミュージシャンの音、という感じ。そつないけど、面白みもない感じ。ただし、アドリブからオブリビオンへとなだれ込む黒田京子さんとのデュオだけは、アーティスト同士のプレイという雰囲気たっぷりで、これはよかった(でもあっという間に終わった^^;)。。

 良い作品だと思うんですが、なにか一歩足りない感じ。デッサンはいいけど音がまだ躍動してない…みたいな。きっちりした清潔感のあるインストが好きな人には間違いなくおススメ、しかし躍動する音楽のエモーションが好きな人には少し物足りない…かな?アーティスト喜多直毅の習作期の佳作、みたいな位置づけかも。



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『喜多直毅 / Winter in a Vision』

KitaNaoki_Winter.jpg 年末が近づいてきたので、今年買ったCDの紹介をいくつか。これはあまりの素晴らしさにぶっ飛んだ1枚。実は、数か月前にタンゴのCDをいくつか紹介した時には既に聴いていて、しかもこのCDを紹介したいものだからタンゴのCDをたくさん取り上げたというのに、あまりにすごすぎて言葉にならず、記事に出来なかったのです(^^;ゞイヤァ。

 タンゴ系のヴァイオリニスト喜多直毅さんのカルテットによる、ライブ盤です。本国タンゴを凌駕するほどのものすごさ。とはいえ、タンゴはあくまでベースにあるだけという感じで、僕の想像力ではまったく思いつきすらできないような音、よくぞこんな音楽を作り上げてくれました。大名作ではないでしょうか!2014年発表。

 喜多さんは音大卒のヴァイオリニストで(プロのヴァイオリニストは大体そうか^^;)、技術は申し分なし。しかし音大卒でクラシック以外の活動をしているヴァイオリニストって、アーティストタイプでない人がけっこう目にとまるというか、「ただの演奏屋でアーティストではない」みたいな人も結構いますよね。売れた人の中ではジャズヴァイオリンの寺○○子さんとか、ライトクラシックのグループにいた中○○博さんとか。結局、ある程度色々できるけど、「音楽とはこれだ!!」みたいなものがないんでしょうね。音楽が強くない。僕の音大時代の同級生も、そういう人は少なくなかったです。しかし喜多さんはそういう人たちとは一線を画す、紛う事なきアーティスト(たぶん^^;)。よくぞこれほどの力作を作り上げたものだと思います!しかもこれ、ライブ音源みたい、すげえええええ。。
 編成はヴィオリン、バンドネオン、ピアノ、コントラバスのカルテット。曲は、タンゴのリズムや技法を援用したオリジナル。曲を切ることなく流れるように演奏していきます。即興もかなり入っていると思うんですが、バンドのまとまりが凄くて、ある程度の決められたモチーフの中で自在に音楽を躍動させます。いや~、喜多さんだけじゃなくって、メンバー全員凄い!!ヴァイオリンの強烈なポルタメントから、タンゴ的な強い4拍子に一気になだれ込んで、全員が一斉にアンサンブルする瞬間には鳥肌が立っちゃいました。モダンタンゴどころか、その先を行ったような音楽と言えるんじゃないかと。いや~、即興色の強い音楽でバンドがこれだけまとまっている日本のグループは久々。唯一残念なのは、録音がイマイチ。さすがにオーディエンスマイクではないと思いますが、ステレオマイクだけで収録したんじゃないかと。だから、ピアノやバンドネオンが凄い事やってそうな所がよく聞こえない(;_;)。。とはいえ、こんなのは1000点満点の音楽の前では大した問題ではないですね。こんなにすごい音楽に出会えるとは、生きていてよかった。超おススメ、僕は一生手放さないと思います!!



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書籍『ザ・ジャズ・セオリー』 Mark Levin 著

TheJazzTheory.jpg 最近、「ジャズギター(ジョーパス)を弾こう!」というサイトさんと知り合いにならせていただきまして(日本語が変?)、押入れの奥からギターを引っ張り出し、暇を見つけてはジャズギターなんぞを一生懸命練習しております。いや~、ギターってコードジャカジャカとかメロディーテケテケとかなら比較的簡単な楽器だと思うんですが、和音を弾きながらメロディを演奏するというタイプの音楽になると途端に難しくなりますね。ピアノの3~4倍は難しいんじゃなかろうか。また、ピアノだと5線譜が読みやすいですが、ギターだとどこがどの音だかすぐに分からなくなっちゃいます(>_<)。これはかなり本気で取り組まないと、ジョーパスは演奏できない気がします。

◆◆◆◆
 さて、しばらく時間が空いてしまいましたが、ジャズ理論の勉強の第3段階はこれ!!この本、ある程度ジャズが演奏できるようになった人向けだと思います。初心者には難しいと思うし、必要もないと思います。僕がこの本を使ったのは、プロのステージで、どうしても困ってしまったことが出てきて、初心者向けでない細かい所まで書いてある本を探して出会った、という感じでした。というわけで、ステージに上がり始めたとはいえ、まだまだ問題多数というぐらいのところまで来たミュージシャンに必要となる本じゃないかと!

 まず、この手の「具体的にどうするか」的な本は、ほかにも色々出てます。ただ、それらの多くは部分的なサジェスチョンであることが多いです(たとえば、ツーファイブ限定だったり、イントロ限定だったり、モード限定だったり、ビル・エヴァンス限定だったり、「こういう時はこういう手もあるよ」というものの羅列だったり)。そういう本と比較すると、これは凄く整理された本で、しかもかなり突っ込んでます(^^)。しかも異常に実践的。アマチュアまでは知らなくていいけど、プロになったら知ってないとダメな事が、すごく丁寧に書かれてます!
 たとえばピアニストとしての僕がジャズのプロのステージに上がって大恥をかいたのが(もう思い出すのも嫌なぐらいのトラウマな思い出T_T)、ジョン・コルトレーンというジャズマンの書いた『ジャイアント・ステップス』をいきなり演奏させられた時。この曲、和声進行がかなり変わっていて、今までの5度進行の応用という付け焼刃では対処しきれなかったんです。この和声進行、現在では「コルトレーン・チェンジ」と呼ばれている方法なんですが、このチェンジに対してどうやってアプローチすればいいのかが書いてある本って、私は見たことがなかったんですが、それがこの本には書いてある!!結局、僕はそのバンドをクビになってしまったのですが、あの時にこの本を読んでいたら…後悔先に立たず。
 ほかにも、ビバップスケールについてとか、トライトーンずらした演奏とか、プロのジャズマンならみんな使う語法だけど、ジャズの基礎理論書ではあまり書いてないような情報が満載。テンションなんかも、基礎理論書なんかだと「マイナー7thに使えるテンションは9thとナチュラルの11th」とか、結果だけ書いてあるんですが(これはこれでいいと思うんです、最初の学習の段階で理由を説明されても理解できずに投げ出してしまうと思うから)、この本はなぜそうなるかが全部書いてある。いや~、今までぼんやりとしか見えていなかったものが一気に分かってしまうような感覚、これは素晴らしかったです!ちょっと難しいけど、すごく丁寧に説明してくれているので、音を出しながらちゃんと読めば理解できます。ジャズの理論書として、僕はこの本をナンバーワンにあげたいです!!ジャズの基礎的な理論書は押さえたし、実践もしてるんだだけど、どうもうまい演奏にならないという人がいらっしゃいましたら、大推薦です!!

 というわけで、アマチュアの段階では必要ないかもしれませんが、セミプロ以上になったらこの本に助けられる点が山ほど出てくるんじゃないかと。少なくとも、僕はそうでした。ああ、もっと若い頃にこの本に出会えていたら…。。



 

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『VAN HALEN』

VanHelen.jpg 仕事がやたらめったら忙しくてストレスたまりまくり!というわけで、ハードロック系のレコードでも掛けようかな…おお、懐かしいのが出てきた!ヴァン・ヘイレンです!!とか言って、持ってはいるんだけど、ほとんど聴いたことがありません(^^;)。ヴァン・ヘイレンというライトハンドの達人とかで有名になったギタリストが参加しているバンドじゃなかったかな。中学生の頃に友人にそう説明されて無理やり買わされた記憶が^^。キンクスの"You Really Gotta Me" をカヴァーしているという事だけは覚えているぞ。。

 典型的な80年代サウンドに聴こえたんですが、78年発表なんですね。もっとすごいバリバリのメタルを想像してたんですが、意外や意外、けっこう普通のポップロック。予想以上に音が明るい、音も音楽もアメリカ西海岸的というかAOR的。分離が良すぎて音が細くてスッカスカとも言えそうですが、これは当時の流行だったんでしょうね。"Jamie's Cryin'" という曲なんて、メタルどころかAORで通っちゃいそうです。
 何より良いと思ったのが、"I'm the One"という、ジャズのウォーキンベースとロックのザックリサウンドを混ぜたような曲。おお、これはいい、気分爽快です(^^)。昔、MR.BIG なるロックバンドのアルバムの"Colorado Bulldog" というジャズテイストのハードロックナンバーを紹介したことがありますが、こういう路線は70年代末にすでに出来てたんですね(^^)。他では、やっぱり"You Really Gotta Me"は気持ちよかった!でもこれは曲自体が良いのかも。
 ギターは記憶にあるよりもかなり丁寧で律儀、音楽もほぼ全曲がはみ出る事がないという意味で普通でした。そういう意味でいうと、刺激や創造性や音楽的な深さを求めると肩透かしを食うかもしれませんが、ちょっとノリの良い無難なロックをBGMで流したい、みたいに楽しめるとすごく気持ちいいアルバムかも。さわやかメタルという感触、中学生の頃に聴いたときよりも印象が良かったです(^_^)v。



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『ウィザードリィ リルガミンサーガ サウンドトラック』 羽田健太郎

Wizardry_BGM.jpg もうひとつ、羽田健太郎さん関係の音楽を。「ウィザードリィ」というコンピューターゲーム史上に残る大傑作作品のリメイク版の音楽を、羽田さんが書いたものです。

 このゲームについて少しだけ説明をしておくと、魔物の住み着くようになった、地下に広がる中世ヨーロッパ風の城内を冒険者が探検していくというもの。しかも自由度が凄く高くて、主人公は簡単に死にます。こういう前提を把握したうえで…このBGM、ゲームのおどろおどろしい中世的なムードと、即死必至という不気味な雰囲気を管弦で実に見事に表現しています。また、冒険中にずっと流れ続けるBGMなので、決して劇的に展開させません。こういう作曲面での縛りをすべて満たしたうえでの管弦楽のこの完成度。さすがは羽田さん、見事すぎるスコアです。メロディとかそういう事じゃなくって、ほんの少し入れられているピッコロのオブリとか、細かい所がいかにもプロフェッショナル。「あ、これは本物の作曲家だわ」という感じなんですよね。ゲーム音楽と侮るなかれ、これぞプロの音楽家の仕事、素晴らしいです。

 いや~、僕みたいな人は、ひどい成績だったとはいえ、せっかく音大を卒業させて貰ったのだから、死ぬまでに1曲ぐらいは管弦曲を書いてみたいとたまに思うんです。でも、フルオケのリサイタルなんてもう無理、そうなると狙いは劇音楽、それも駄目ならゲーム音楽…みたいになっていくのですが、そのゲーム音楽ですら既にこれだけのものがあるんだから、僕なんかもう入り込む余地ありません(ノ_・、)。。羽田さん、後進のために、こういう仕事はほかに譲ってくださいな。。



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『超時空要塞マクロス オリジナルサウンドトラック』

Macross_BGM.jpg 僕が子供の頃に、空前のロボットアニメブームが起きました。何といってもガンダムの大ヒットが大きかったんじゃないかと。「機動戦士ガンダム」にあやかったのか、以後は漢字の肩書&カタカナ4文字のロボットアニメの連発(^^)。「太陽の牙ダグラム」「装甲騎兵ボトムズ」…そんな中に、「超時空要塞マクロス」なるアニメがありました。ところが僕は最初のガンダム以外はまったく見なかったもので(アニメ自体を卒業しかけてた)、このマクロスというアニメは観ておらず、ストーリーも何もまったく知りません。ただ、劇中BGMのひとつが異常に好きで、音楽だけは聴いていました。
 ガンダムとかマクロスとかより前の、僕が幼稚園の頃のアニメの主題歌というと、音楽もアニメ的というか、サリーちゃんとかデビルマンみたいに、主人公の名前を連呼するものが多かったかな?音楽は妙なソリのブラス隊とか、ティンパニの連打だったり。ところがマクロスの頃になると、音楽がものすごく洗練されてきていて、「あれ?ベストテンとかで聴く音楽と全然差がないんじゃないか?」な~んて感じ始めてたんですよね。赤いルパン3世とか、キャッツアイとか。そしてこのマクロス、作曲者を見ると…うおお、羽田健太郎さんじゃないですか!!良し悪しはまた別として、プロフェッショナル度ではポピュラーの作曲家のはるか上を行く作曲家先生が音楽を担当していたのか。
 でもって、お勧めは「ドッグ・ファイター」なるインスト。管弦つきのフュージョンインストという感じなんですが、こんな贅沢が出来るのも劇伴ならではなんでしょね、本家フュージョンだって、売れっ子にならないと管弦つきなんて無理です(^^)。で、曲はサビ部分に突入するまでのほとんどがギターのアドリブソロ。これがスピーディーで異常にカッコいい!!!僕はほとんどこの曲のためにこのCDを買い、今でも持っている状態です(^^)。



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映画『めぐり逢えたら SLEEPLESS IN SEATTLE』

Meguriaetara.jpg ノーラ・エフロン監督、トム・ハンクスとメグ・ライアン主演の恋愛映画です。とか言って、映画に疎い僕は名前を聞いたことがあるぐらいで、役者さんもあまり知らず、監督さんに至ってはまったく知らないんですが、そんな程度のシロウトのつぶやきだと思ってください(^^;)。。ベタ中のベタみたいなストーリーでしたが、良かった!!

 以下、ちょっとストーリーに触れることになるので、ネタバレ注意!!ネタバレしたくない人は、◆のいっぱいあるところまで飛んでくださいね(^^)。
 というわけでストーリーですが、アマゾンに載っていたものをそのまま引用すると…「最愛の妻を失ってい以来、夜も眠れないほどの哀しみに沈むサムは、息子のジョナとともに寂しいクリスマス・イブを迎えようとしていた。父を気づかうジョナはラジオの人生相談に電話し、「パパに新しい奥さんを」とリクエスト。息子に続いてしぶしぶ電話口に出たサムはやるせない胸の内を切々と告白、アメリカ中の涙を誘う。遠く離れたボルチモアで放送を聴いたアニーも、サムの告白に涙した一人。結婚を間近に控えたアニーだが、まるで運命の“マジック"に操られるように見ず知らずのサムに魅かれていく。」
 メグ・ライアンは胸の詰まる思いで、妻を亡くしたハンクスを見に行きます。海辺で子供と遊ぶお父さんの姿を見てジンと来てしまい、声もかけられずに帰ってしまいます。色々なすれ違いや、子どもやお互いの気持ちがいろいろ動く中で、メグ・ライアンは最後に来ているかどうかも分からない親子のところに向かって…。う~ん、ベタなんですが、なんだか「カサブランカ」とかああいう古い映画とか、昔のアメリカの文豪が書いた小説とかにある、古風な美観がにじみ出ている感じで、ジ~ンと来てしまいました。

10001740_h_pc_l.jpg◆◆◆

 いや~、こういうベタな映画のどこに僕は感動しちゃったんでしょうか。多分ですね、こういう胸がキュッと来るような思いって、人生のある時期だけにあるものだと思うんですよね。誰にでもあるとは言わないけど、仮に大恋愛の経験のある人ですら、こういう思いって1度か2度あればいい方じゃないかと思うんですよ。そこに何を感じるかというと、人生でもう2度と来ないだろうあの感覚を思い出させてくれる所にジンと来てしまったんじゃないかと。人間いつかは死にますが、その思いが辛いものでも嬉しいものでも、過ぎてしまえば人生の中でそれは花だったんじゃないかと思ったりしちゃうのです。いや~、書いていて恥ずかしくなってきたぞ(^^)。
 また、ピュアな所を描いたシナリオだけに、役者さんが「人生の酸いも甘いも知り尽くした完成された人間」みたいな人だと、むしろダメだったんでしょうが、メグ・ライアンさんが、たたずまいから表情や仕草まで絶妙の按配で、弱点はあるけど純朴な人に感じられたところが余計に映画の良さを引き立たせたように感じました。またそれを深いものとして描くんじゃなくて、軽いタッチで描いているのも重くならずに良かったです(^^)。関係ないけど、トム・ハンクスってよく聞く名前だから2枚目スターかと思ってたんですが、けっこう愛嬌のある顔の人なんだな。。
 まあそんなわけで、映画通の人から見たらベタすぎて駄目な映画なのかも知れませんが、僕ぐらいのライトユーザーにとってはすごくいい映画でした(^^)。。



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『Soft Machine / 5』

SoftMachine5.jpg きたきたきたあああ!!!!僕がソフトマシーンのアルバムで一番好きなやつです!!驚異の完成度、熱くなり過ぎないクールネスと、しかし秘めたエネルギーがふつふつと煮えたぎるような、とんでもないバランス感覚のカッコよさ、ジャズ/フュージョンの大傑作と思います!!考えてみたら、フュージョンがあまり好みでないというのに、なんでソフトマシーンはこんなに好きなんだろうか。…多分、いかに速く指を動かすか、みたいなフュージョンとか、逆にムードだけみたいなのが嫌なだけなんでしょうね。本気でジャズとロックの双方の魅力を融合できるなら、それでかっこよくならないハズがない。

 まず、大傑作のサードと名作4thになく、このアルバムにはあるもの。それは、ライブではなく録音作品として音楽を完成させるという視点だと思います。サード以降、ソフトマシーンは独特のアンサンブルとジャズ的なアドリブプレイを音楽の中心にしていましたが、それだけにアドリブプレイは本人たちも譲れない所だったんじゃないかと。しかしそれが音楽の粗さとかバタバタ感に繋がっていたところもあって、カッコいいんだけどプレイが荒くって、どうしても一流になりきれない感じがしたのです。ところがこのアルバム、アドリブプレイを見事に抑制させて、熱くなって色々やらかす点を綺麗に消し、傷の消えた見事なアドリブプレイを作り出します。非楽音を出しに行く時も、常に構造を支えているものを失う事がなく(たとえばエレキベースがひたすらモチーフをキープし続けるとか、他の人が通奏低音をキープするとか)、また曲ごとの構成でも色々と編集が入ってアルバム全体でひとつみたいになっていて(編集が入ること自体は好きじゃないんですが^^;)、アルバムとしてどう聴かせるか、という点をすごく重視して作ってあるように聴こえます。でもって、アルバムを聴く側からすると、そうやって作ったらやっぱり良いものになって当然、ものすごく良い!!音もすごくよくって、「ああ、4もこれと同じぐらい良い音だったら」と、4の音を恨まないわけにはいきません(^^;)。。それぐらい完成度が高いです!!サードが音楽的に未知のものを提示した歴史的傑作だとしたら、5thは新しくはないけど洗練を極めた名作と思います。超おススメ、これは絶対に聴くべし!!

 余談ですが…アマゾンのレビューを見ると、やっぱりこの音楽を「フリージャズ」っていう人が多いみたい。まあ確かに3曲目はフリーに近いんでしょうが(それにしたってキーは特定できる)、他は嫌というほどきれいにアレンジされた音楽。これを「フリージャズ」というなら、ソロアドリブはみんなフリージャズ、フュージョンもジャズもクリームもジミヘンも全部フリージャズになってしまいます。アイラーでもコルトレーンでもいいですが、フリージャズを少しでも聴いた人ならこれをフリージャズとは呼びたくないと思うので、これをフリージャズという人はフリージャズを聴いていない人でしょう。無責任なレコード会社の担当が書いたであろうキャッチコピー、罪は重いぞ。。



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『Soft Machine / 4』

SoftMachine4.jpg ソフトマシーン4作目、ここに至ってポップス要素は完全になくなってしまいました(^^)。完全インスト、しかしこれがカッコいい!カッコよすぎる!いや~、よくぞジャズ/フュージョン路線に走ってくれたものと感謝します。。

 まず、何が素晴らしいかというと、曲とそのアレンジ。基本的にアドリブプレイを重視したジャズ的な音楽なので、主として和声進行、主題となるメロディと反復される音型、そして楽曲の展開、そしてアンサンブルはブラス隊が受け持つ…まあこんな感じで音楽が出来てるんですが、そのバランスが死ぬほどいいです!!もうなんといってよいやら分かりませんが、カッコいい。ジャズとの違いは、ジャズ的なオルタードラインを使わない事で、これがロック的な直進的な印象を与えている気がします。僕としては、これが音楽的な強さになっている気がします。また、雰囲気系フュージョンとの違いは、ロック的なリフが曲を構成する大事な要素として使われていること。これも、アドリブになったらあとはどの曲も似てきてしまうというフュージョン的なジレンマからうまく逃げることが出来ている重要なポイントになっている気がします。やっぱり、爆走するソロアドリブとアレンジのかみ合わせが絶妙なんでしょうね(^^)。
 もうひとつ素晴らしい所は、ベタですが、電子オルガンのサウンドが気持ちいい!これってけっこうソフトマシーンの音楽のカラーを決めている気がするんです。これがあるからジャズにならないし、かろうじてロックに踏みとどまっているという気もします。

 というわけでべた褒め状態なわけですが、しかし100点ではない感じ。どの辺がマイナスかというと…まず、プレイがちょっとバタバタしてこなれていない感じです。フロントマンとしてサックスをバリバリ吹いているエルトン・ディーン。この人のもっと凄い演奏を聴いたことがあるもので、「スタジオ録音で妙に丁寧だな」という感じ。バンドも加速し切れていない感じです。とはいっても、十分カッコいいんですけどね。このバンドのライブを知っていると、「ああ、もう少しライブの疾走感があれば…」という感じてしまった。次に、録音の音の魅力がない(T_T)。これは本当に残念で、キースティペットのムージシャンの"BIRDMAN"とか、この後の5枚目ぐらい良い音に録音できてたら、大名盤になっていた可能性も。あとは、フリージャズ的なプレイをや曲があるんですが、これが死ぬほどつまらない。フリーって、フリーの上手い人がやらないと、本当にただグチャグチャなだけになっちゃうんですね。あ、そうそう、この4thはよく「フリージャズ路線」なんて紹介されてますが、そんなのは3曲目のほんの数分間ぐらいのもので、残りのすべては律儀すぎるぐらいにものすごくきっちりしているジャズ・フュージョンです。評論家やレコード会社のディレクターは本当にいい加減なことを平然と書くから、信じちゃダメです。

 というわけで、すごくいいアルバム、大好きではあるんですが、音さえもうちょっと色気あるものだったら…。ジャズ路線のソフトマシーンに手を出すなら、サードと5thを先に聴いて、それが気に入ったら次はこれ、という感じでしょうか。あ、そうそうこの時期のソフトマシーンはブートで出ているライブCDですごすぎる演奏を聴くことが出来まして、そのあたりもいつか書いてみたいと思います(^^)。



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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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