ピアソラを中心にモサリーニなどなどのモダンタンゴを扱ってますが、曲のアレンジが素晴らしい!面白い!この点はとにかく強調しておきたいです。素晴らしいです。特にモサリーニの"ALLER ET RETOUR Ⅱ"という曲のアレンジはちょっと凄かった(しかしこれはオリジナルのままなのかも^^;)。絵画でいうと、実によくデッサンの出来た作品という感じ、かな?値段に見合うだけの好作と思います。 しかし、ちょっとプレイが堅い。これはスタジオ録音ゆえかもしれませんし、共演者ゆえかもしれません。僕はスタジオ録音の経験がそれほどないのですが(自宅録音は趣味でいっぱいやってますが^^)先輩にきいたことがあるのは、「録音スタジオでヘッドフォンをして演奏していると音の細かい所がきこえすぎちゃって、やればやるほど演奏が丁寧になっていっちゃう」んだそうです。う~ん、当てはまっているかどうかは分かりませんが、どうもそんな演奏の気もします。あと、共演者も、ピアノ(のひとり)もギターもチェロもクラシック系というか、なんかここで取り上げた曲が持っているようなタンゴ的なグルーヴからちょっと遠い感じがしちゃいます。チェロなんて、どう聴いたってうまいんですが、クラシックのレガート気味の演奏から抜けきらない感じなんですよね。それはピアノもギターも同様で、アーティストじゃなくって職業ミュージシャンの音、という感じ。そつないけど、面白みもない感じ。ただし、アドリブからオブリビオンへとなだれ込む黒田京子さんとのデュオだけは、アーティスト同士のプレイという雰囲気たっぷりで、これはよかった(でもあっという間に終わった^^;)。。