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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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古いレコード会社の「専属解放」が必要な曲を演奏すると高くつく

 なんで演歌系の記事ばかり書いていたかというと…あるご年配の演歌歌手さんのお手伝いで、ピアノの伴奏をしたからなのでした(^^)。でもって、その方が「CDにしたい」とのこと。でもおばあちゃんですので、「著作権とか理解不能だし、インターネットも出来ないし、お手伝いしてくれませんか」と。高齢者に弱い僕はいいですよと安請け合いしたんですが、これが大変でした(^^;)。

(JAS○ACへの許諾申請だけではダメな、レコード会社の「専属楽曲」なるものがある!)
 演歌だから、古い曲がけっこうあったんです。ほとんどの曲は、JAS○AC に申請を出すだけで良かったんですが、なかなか使用許可が下りません。2週間が過ぎ…こんなに時間が掛かるものなのかな~と思って電話してみると、「テ○○○の専属楽曲がありますので保留中です。そちらで、レコード会社さんと専属解放の手続きをしてください」とのこと。ていうか、それってこっちから連絡するまで放っておくつもりだったの?J○SRAC、ひどい仕事の仕方だな。。
 ともかく、昔からあるその古いレコード会社に申請してみました。すると「社内協議するので、必要書類を送ってくれ」との事。という事は、使用許可が出ないという事もある?でも幸いなことに、その日本の老舗レコード会社から許諾がいただけました。それは良かったんですが、請求された値段がちょいと高かった。以下、コピペすると…
1.管理楽曲使用の許諾料として金20,000円【@40円×500枚】+消費税を弊社にお支払い下さい。
2.著作権使用料については、貴社が直接ご処理下さい。


 *そうそう、これ、割合は正確なんですが、プレス枚数は分かりやすい枚数に変更して書いてます。

(今回のCD作成に発生した著作権処理の3つのパターン)
 以下も条件が続いたんですが、お金の絡む部分はこのふたつ。以下、CDを作る時の著作権処理にかかったところをまとめると…

①JAS○AC に普通に著作権管理の委託をしている曲:
 JASR○C に申請だけでオッケー。
 著作権使用料はCDの売り値の6%、これ以上は取られない

②○ASRAC が管理していない曲:
 今回、○ASRAC 管轄でない人の曲もやりました。
 作曲家当人に許諾を得てJASRAC に申請したわけです。
 著作者の欄にその人の名前を書いただけで、お咎めなく申請が通りました。
 お金も取られませんでした。
 つまり、JAS○AC管理外の楽曲については、
 JA○RACのあずかり知るところではないのでスルー。
 問題があったらそっちでやってね、という事だと思います、多分。

③○ASRAC管理楽曲でありつつ、レコード会社の専属楽曲:
 まず、僕がこの条件自体を勘違いしている可能性もあります。
 ただ、JAS○AC管理外の曲だとスルーなのに、テ○○○となるとスルーではなくて
 「専属解放」なる手続きが必要な上、更にJASRA○に著作権使用料も払うという事は、
 「JASR○C管理」&「レコード会社の専属」という特殊な曲があるんじゃないかと。
 この場合には、①専属解放なる手続きとその許諾料、②著作権使用料、
 この両方がかかりました。


(「専属楽曲」なるものの許諾料は高くないかい?というハナシ)
 多分ですが、「専属楽曲」と「JAS○AC 管理外の楽曲」の場合、使用を許諾するもしないも自由で、許諾するのをお金で済ませる場合の金額も任意なんでしょうね。極端な話、「使いたいなら1億円払ってね」という条件を出しても、法的には問題ないんでしょう。ただ…貧乏人の率直な感想としては、テ○○○さんの専属楽曲の許諾料って高くないかい?と思ってしまいました。

 計算してみます。今回CDを作って、「専属楽曲」なるものは10曲中1曲。その1曲の許諾料が2万円。仮に10曲全てをテ○○○の管理楽曲を使った場合だと、20万円を請求されていた計算。ちなみに著作権使用料は、10曲すべて合わせても4万円ぐらい。これは請求されなかった曲とか、古すぎて著作権が消滅した曲もあっての話ですが、仮にすべてが著作権が生きていたとすると、6万。つまりテ○○○さんの専属楽曲の使用許諾には、JAS○AC の著作権使用料の3.3倍プラス別途著作権使用料なので、実質4倍以上の費用がかかる計算になります。もちろんこれは皮算用で、全曲が専属楽曲だったとして、実際にこういう金額が請求されたのかどうかは分かりません。あくまで、今回請求された金額から計算した場合のハナシ。もし、500枚ぐらいCDを作ろうと思って、その著作権使用料&専属楽曲使用許諾料という権利代だけで26万円かかるとしたら…いや~、僕なら作りませんね(^^;)。

 テ○○○から見ると、どういう理屈で、他より多く取る事にしてるんでしょうか。テ○○○というレコード会社自体が、今では制作をほとんどしていない権利ビジネスだけの会社になっているから、著作権が切れたら倒産みたいなカウントダウン状態。なので、評判がどうなろうがすでに保有している権利部分で儲けるだけ儲ける、みたいな?でも、テ○○○の管理楽曲を使うと4倍強の費用が掛かってしまうなら、よほどその曲でないと駄目という事情でもない限りは、別の曲でいい気もします。実際、僕が先にこのことを知っていたら、「その曲はやめておきましょう」と提言したでしょうし…。
 というわけで、「専属楽曲」なるものを使う時には、費用がかさむ可能性があるので注意しましょう(^^)という話でした。



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『北原ミレイ / ベストコレクション~北の居酒屋』

KitaharaMirei.jpg まさかの演歌3連投です(*゚∀゚)。。西田佐知子さんと違って、北原ミレイさんは「演歌歌手」といって問題ないんじゃないかと。「石狩挽歌」「ざんげの値打ちもない」あたりが有名な歌手さん。やっぱり北原みれいさんと言えば「ざんげの値打ちもない」。14歳の時に初体験をした女が、「愛というのじゃないけれど、私は抱かれてみたかった」。2番、3番と進むうちに、その男との関係がこじれ、「細いナイフを光らせて憎い男を待っていた」。そして、刑務所から「鉄の格子の空を見て、月の姿がさみしくて」。なぜこういう歌を歌うかというと、「ざんげの値打ちもないけれど、私は話してみたかった」。シャンソンの「暗い日曜日」が、自殺者多発で海外で放送禁止になった事がありますが、日本にもそういう歌は結構あって、「ざんげの値打ちもない」もそのひとつ。14歳で初体験とか、愛してるというわけでもないのにズルズル付き合ってしまう所とか、憎しみだけは増してしまう所とか、モラルには引っかかるかもしれないけど、実にリアルです。歌というのは、あたりさわりのないものにするんじゃなくって、リアルにいってほしいです(^^)。ところが…4番が「鉄の格子」のくだりなんですが、ここが過激なためにカット。他の部分も、色々と歌詞が差し替わってるみたいです。

 このCDですが、「ざんげの値打ちもない」に限らず、オリジナルのCD音源ではなくって、新録音みたい(たぶん)。で、これが80年以降の演歌のオケ先録りパターンで、演奏もアレンジもぜんぜんダメ、超手抜きのお仕事モード。「石狩挽歌」なんて、どうやったらあのスコアをこんなダメに演奏出来るのか不思議に思っちゃうレベル(=_=)。というわけで、詞に集中して聴かないと、良さが分からないまま終わっちゃうかも。80年代以降の演歌は、曲も演奏も残念なものが多いです。でも、詞や歌手にはいいものがそれなりにあります。つまり…素材はあるのに、レコード会社やプロダクション、作家といった面々のプロダクトが最低なのが今の演歌。北原さんはサラッと歌えるいい歌い手なのに、こんな曲やオケを持って来られちゃ、どうにもなんないですよね…。ただ、「ざんげの値打ちもない」は、やっぱりいいです(^^)。



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『西田佐知子 / 全曲集』

NishidaSachikoBest.jpg ひとつ前の伍代夏子さんのレビューで、「演歌とポップスが分化したのは70年代以降らしい」なんてことを書きました。僕は60年代はまだ生まれてないし、その時代の日本の流行歌を積極的に聴いたわけではないので、実際にそうだったのかどうか分からないのですが、たしかにそうなのかも…と思わされる歌手が何人かいます。ちあきなおみ、藤圭子…そしてこのCDの西田佐知子さんあたりは、それを感じさせます。

 演歌っぽい曲もあるんだけど、ムード歌謡っぽい曲、ラテン音楽のリズムを使った曲、たしかに歌謡曲なんだけど明らかにジャズの和声を使った曲…音楽って、クラシックでも演歌でもジャズでも、パターン化されたスタイルの中で安全にやってると、とにかく刺激のないつまらないものになっちゃうと思うんですが、たしかに歌謡曲と演歌が分化する前の、グチャッと色んなものがある時って魅力を感じます。そして、西田さんのヒット曲を集めたベストを聴くと、60年代から80年代への日本の歌謡史を一気に見ているような気分に。西田さんで後世に一番残った曲はたぶん「コーヒー・ルンバ」。これ、オリジナルじゃなくて、ウーゴ・ブランコというベネズエラの人の曲なんですね、はじめて知りました(^^)。で、こういう歌を歌いつつ、「アカシアの雨がやむとき」みたいなジャズ演歌的な曲。「くれないホテル」は筒美京平作曲の、日本のポップス史に残る大名曲のひとつ。「エリカの花散る時」は、「港が見える丘」とか「青い山脈」のような、戦後歌謡的なアレンジに詞。80年代にはレコード産業の定型音楽と洋楽丸パクリとなった日本の産業音楽シーンですが、戦後しばらくは日本の音楽と洋楽の間で色々と冒険してたんだな~。とにかく、楽譜を渡されていきなりレコーディングな音楽だし、まだミュージシャンがうまい時代ではないので、オケが良くないんですが、でも演歌が完全に形式化した後のザ・カラオケなオケよりも100倍は歌に寄り添った音楽的な演奏をしてます。
 今聴くと古臭いと思います。でも、こういう60~70年代の日本歌謡って、似たものが他にないですよね。古臭い中に、ここにしかないものがいっぱい詰まっていて、僕はすごく好きです。西田さんは演歌には入らない人かと思うんですが(それを言ったら美空ひばりも演歌とは言い難いですよね)、それでも演歌の範疇に入れて語る事も出来る人の中で、トップ10人に入れたくなるひとりです。



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プリンス、逝去

prince.jpg プリンスさんが逝去してしまいました(T-T)。。プリンスって、もうそうんな年齢だったっけ?えっと…57歳!若すぎるだろ…。現地4月21日、米ミネソタ州ミネアポリス郊外にあるペイズリー・パークのプリンスの自宅/スタジオにて死亡、死因は不明だそうです。

 プリンスの記事は「ゴールド・エクスペリエンス」とか「emancipation」とか、90年代のクラブサウンドっぽくなった時期のものにいくつか触れましたが、大ブレイクしたパープルレインあたりの人気作には全然触れてません。思い出としては、高校の頃、友人HくんがプリンスのCDを何枚も貸してくれて、彼のお気に入りは「ラブセクシー」。H君いわく「ラブセクシーは音楽はすっごいカッコいいんだけど、ジャケットが気持ち悪すぎてひっくり返してるんだよ」なんて言ってたのをすごくよく覚えてます。やっぱり、中高の頃に聴いた音楽には、音楽だけでなく思い出もいっぱい詰まってます。
 プリンス、今聴かないともう聴かないかも知れないけど、亡くなった直後って寂しくって聴く気になれない…。僕はまだ中年だけど、もし自分と同世代の人の死亡記事をチラホラ見かけるようになったら、精神的にきついんだろうなあ。毎日を大事に生きないと。
 プリンスさん、ご冥福をお祈りします。いい音楽を有難う!!



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『伍代夏子 / 女のひとりごと』

GodaiNatsuko_OnnanoHitorigoto.jpg 僕が子供のころ(70年代後半ぐらい)は、日本のポップスと演歌は、すでに線引きされてました。そして、その時の演歌は、「いかにも演歌」みたいな定型句が、歌詞にも音楽にも出来上がってました。詞でいえば「みちのく」「女ごころ」「酒」「抱いて抱かれて」みたいな(^^;)。僕は、このいかにも演歌という定型句がどうにも苦手で、子供のころは歌番組で演歌が流れると、チャンネルを変えてました。ベストテンという番組だと、10曲のうちに2曲ぐらいは演歌が入ってたかな?でも、僕より上の世代の人に聞くと、演歌とポップスの明確な線引きが出来たのって、70年代に入ってからだったんじゃないかという印象だそうです。なるほどたしかに、藤圭子やちあきなおみあたりまでさかのぼると、演歌と呼ぶべきかポップスと呼ぶべきか、線引きが難しいものがいっぱいあります。というわけで、僕がつまらないと感じる演歌って、線引きがされて以降の「定型句」満載の演歌の事かも。

 さて、その線引きされた後の演歌歌手で、歌がうまい&美人という才色兼備タイプと言えば、石川さゆり、藤あや子、そして伍代夏子、この辺じゃないかと思います。クリエイティブな所がなくなった後の定型演歌なので、音楽的には、まったく面白くないです。ただ…さいきん気づいたんですが、伍代夏子さんの詞って、群を抜いてエロいです。世界の歌謡音楽の中でもこれだけエロいものは少ないんじゃないかというぐらいにエロい。かなり艶っぽいので、そういう経験のない人にはそのエロさが伝わりにくいかも。もし僕が高校生の時に聴いても、今ほどエロくは感じなかったんじゃないかなあ。例えば…

指が反るほど抱きしめられて 三日三晩で女になった (歌草子娘道成寺)

 三日三晩やってたのか。

紅を引くたび女です 腕を枕にゆりかごに 夢を見させて一夜でも (漁火情話)

 女から露骨に誘います。

寝返りするたび手さぐりしてる 指が恋しい夜更けごろ (霞草)

 ここまで来ると言葉がありません。

 というわけで、ローリングストーンズのセックスソングやマリリン・モンローのエロなんてまだまだ青い…と感じてしまうほどの、艶っぽい「女」アピール満点の演歌を、みんなで聴きましょう!!



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ProTools でクリックを鳴らす方法

 自分用のメモです。でも、ProToolsを使って自宅でデモ録音なんかをしている人には、益ある情報かも。あまりに初心者っぽくって、恥ずかしいですが(^^;)。。

 今まで、ProTools でデモ録音するときにクリックが必要な時は、MIDI で4分音符を打ち込んで、それをMIDI機器で鳴らしてました。ADATとかDA88とか、昔のレコーダーでMIDI録音をしてた時は、みんなそうやってたと思います。ただクリックを作るならリズムマシンをフリーランさせてそれを録音してましたが、MIDI音源と同期させるときは、テープのアブソリュートタイムとシンクロさせたりして(^^)。MIDIって、けっこう大変だったなあ。
 ところが、この前ProTools のエフェクターの所をいじってたら…「click」というエフェクターがあるではありませんか!!あら?これってもしかしてMIDIデータなんかなしでクリックを鳴らせるのかな?と思い、やってみたら…鳴らせました。あちゃ~、今までずっと無駄な作業をやってたのか、貴重な人生の時間をロスしていたよ。知らなかった自分がアホでした(^^;)。というわけで、そのやり方をまとめておきます。

1. 「メニューバー」→「トラック」→「クリックトラック作成」
2. テンポトラックでテンポ調整、拍子トラックで拍子調整


 以上です、死ぬほど簡単でした。。あと、普通にmonoオーディオトラックを作って、そのトラックのエフェクト選択で"click"を選んでも同じ事かも。

追記:クリックトラックを作ったのに、クリック音が出なくなりました(×。×)。どうしたんだろうか、メーターも振らない。。えっと…どうも、トランスポート・ウインドウにあるメトロノームマークを選択しておかないと、クリック音は出ないそうです。ああ、一瞬ビビったよ。




Category: CD・レコード > ジャズ   Tags: ---

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『DiMeola, McLaughlin, Paco DeLucia / Friday Night in San Francisco』

Friday Night in San Francisco アル・ディメオラ&ジョン・マクラフリン&パコ・デ・ルシアの3人のギタリストが共演した、フラメンコとジャズのフュージョン、みたいなライブアルバムです。最初聴いたとき、「おお~」となったのを覚えてます。中学生の時は本当にそんな感じ。メタルが大好きで、ピアノやギターの速弾きには目がなかったですから、それも当然。本気ですごいと思ってました、前回までの記事で紹介したパコさんのフラメンコのガチアルバムとか、クラシック・ピアノの凄まじい表現とか、そういうのに出会うまでは。

 簡単に言うと、アコースティック・ギターの速弾きセッションです。16分音符で一気に駆け上がるフレーズとかになると、お客さんも「Woo」みたいに大歓声。まったく変わらない8小節の進行を延々10分繰り返し、その上でギターを単旋律で弾き倒す、みたいな。…良くも悪くも、こういう音楽ををどう感じるかに尽きるんじゃないかと。ボク的に言うと、ある時点から「曲とかニュアンスとかどうでもよくって、デカいとか速いとかだけが正義なら、音楽なんて大道芸と何が違うんだ?」と思うようになっちゃったんです。このアルバムでいうと、例えば3曲目のピックで弾いた光速16分音符なんて、スピードと引きかえに音がつぶれちゃってます。しかもその音というのが、ピック特有の「ペチッ」っていう、音楽としてはありえないような安っぽい音。速い演奏は楽器問わず大好きですが、速い演奏だけにしか表現のポイントがないのはどうなんだろうか…みたいに感じ始めちゃったのが高校生ぐらいの時。こうなった時点で、「チック・コリアのスペインが演奏できるぜ!」とか言ってた自分が異常に恥ずかしくなっちゃったのを今ごろ思い出しました。死にたい…。
 でも、はじめてこういう音楽を聴く人には、「すげえ!」ってなる音楽かも。たしかに、勢いって大事ですし、ポップスとかしか聴いていない人だと、こういう演奏の勢いというのは体験したことがないかも知れないから、曲や歌じゃなくって、演奏というものに目覚める切っ掛けとなるアルバムかも知れません。



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『PACO DE LUCIA / interpreta a Manuel de Falla』

paco-falla.jpg ふたつほど前の記事で、「若い頃、パコ・デ・ルシアのCDで2枚凄いと思ったものがある」と書きましたが、そのうちのもう1枚がこれ。日本タイトルは『炎』でした。原題は「パコ、マヌエル・デ・ファリャを演奏」なのに、全然関係ないタイトルです(^^;)。まだ高校生だった僕は英字タイトルなんか目もくれずに聴いてました。これがフラメンコではなく、スペインのクラシックギターの作曲家ファリャの作品集だという事にも気づかずに(*゚∀゚*)。。アホっすね~。

 ファリャという作曲家、僕は全然知りませんでした。でも、クラシック・ギターの世界ではかなり有名な作曲家さんだそうです。クラシック・ギターの曲って、モーツァルトとかベートーヴェンは書いていなくって、ギター曲しか書いていない人が書いてたりするんですよね。だから、クラシック・ギターを聴く人じゃないと知らなかったり。「禁じられた遊び」の作曲者を答えられる人って少ないんじゃないかと思うんですよね。僕はこのアルバムで、生まれて初めてクラシックギターをアルバム1枚分きいたわけですが、これがギターなのにバスと和声とメロディーが同時進行していて、「うおおお~~、ギターってこんな凄い楽器だったのか!(゚д゚ノ)ノ 」と驚いたのでした。僕はギターを単旋律でいくら早く弾かれてもぜんぜん凄いと思わないんですが、こういう一人多重奏みたいなのは、アマチュアの人の演奏でもムッチャクチャに尊敬してしまいます。クラシックのギター曲、自分で演奏してみた事があるんですが、マジで難しかったっす、ピアノより数段ムズカシイ。。
 久々にこのアルバムを聴いたんですが、パコさんの「表現がなくって指を速く動かす事ばかり考えてしまう」という、いつもの悪い癖はまったく出てなくって、すごくいいです!いや~、クラシック・ギターのCDはあんまり聴いていないので偉そうなことは書けないんですが、僕みたいにクラシックギターをあまり知らない人が聴いたら、感動するんじゃないかと思います。あ、そうそう、フュージョンバンドと共演みたいな痛い事もやってるので、そこはそっと飛ばしました(^^;)。



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『PACO DE LUCIA / La Fabulosa Guitarra』

PacoDe_Lafabulosa_guitarra.jpg もう一枚、パコ・デ・ルシアにはフラメンコの古典曲を演奏しまくったアルバムがありまして、それがこれ。デビュー作で、日本でのタイトルは『天才』。すげえタイトルだな…。1967年発表ですので、あのすごすぎるセカンド『幻想』の2年前ですね。知名度では、セカンドよりこっちの方が全然有名なんじゃないかと思います。

 このアルバムも、すっごいテクニックです。でも、セカンドの凄さにはちょっと届かないかな?なんと言えばいいのかなあ…クラシック的な言い方をすれば、表現が足りないんですよね。指はむっちゃくちゃ速く動いてるんですが、ノペーっと演奏しちゃうんです。もっと押したり引いたりとか、そういうのが欲しかった。昔、別のフラメンコの記事で「パコ・デ・ルシアはフラメンコの代表選手みたいに言われてるけど、フラメンコがあんまりうまくない」みたいな事を書きました。パコ・デ・ルシアさんのアイドルはニーニョ・デ・リカルドというギタリストだったそうですが、リカルドさんの演奏って、パコさんより指は全然動いてないんですが(といったって、普通に凄いです!ロックだったら神の領域でしょう。ジミヘン以上であることは間違いなし)、でもコンビネーションとかリズムや音色の表現とかが素晴らしいから、ものすごくグッとくるんです。というわけで、このCDを聴いたときの印象は、「パコさんは指の速さは凄いけど、表現がちょっと…職人であって、芸術家ではない」と思ったのでした。いや、その職人としての技術がとんでもなく凄いんですけどね。。でも本人もそれを分かっていて、弾けてるんだけどリカルドみたいにならないのは何故なんだ…みたいに悩んだそうです。

 とはいえ、スクエアに演奏している分だけ、ギターを勉強している人がフレーズの教科書にするなら、セカンドよりこっちの方が参考にしやすいのかも。…な~んて偉そうなことを書いてますが、やっぱりギター王国スペインを代表するプレイヤーだけあって、並大抵じゃありません(^^)。


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『PACO DE LUCIA / FANTASIA FLAMENCA』

PacoDe_FantasiaDeFlamenca.jpg ピアノ専攻だったくせにギターが大好きであこがれ続けてるのは、たぶん若い頃にロックが大好きだったからなんでしょうね(^^)。自分ではギターがうまく弾けないだけに、聴いていて妙に尊敬しちゃう…というのもある気がします。ピアノだと、凄い人の演奏でも、頑張れば形だけはできると思えるけど、ギターだと「すっげええええ!!こんなの無理!!」みたいになっちゃうのでね(*^_^*)。で、すっごいギターの代名詞と言えばフラメンコ。フラメンコ・ギターで一番有名な人と言えばパコ・デ・ルシア。このアルバムは、パコ・デ・ルシアのセカンドアルバムです。日本では『幻想』というタイトルで、フィリップスから発表されてました。1969年発表。

 昔、日本でパコのCDがまとめて10枚ぐらい出た事があったんです。僕はそれを全部レンタルで聴きました(^^)。すっごく良いと思ったのが2枚、良いと思ったのが1枚、ダメと思ったのが残り6~7枚。これは、その「すっごく良い」に入った1枚。ダメと思った6~7枚は、フラメンコのあの凄さを感じなかったんですよね。本作は、一番すごいと思ったCDで、思いっきりフラメンコのレパートリーを弾きまくり。パコさんにはフラメンコの曲を弾きまくったCDがいくつかあるんですが(有名なのはファースト)、個人的にはこれが一番凄いと思いました。ギタリストが聴いてどういうかは分からないですが、ギターをうまく弾けない僕からすれば神業(^^)。
 フラメンコって、曲が決まってるんですよね。「ソレア」とか「ファンダンゴ」とか。だから、ガチのフラメンコのCDを買ってくると、どのCDを聴いても、同じタイトルの曲のオンパレード。アドリブとか表現とかで「同じ曲をどう料理するか」、「どれぐらい情熱的か」みたいな所の勝負になってるみたい。そうなると、フラメンコ・ギタリストは、伝統的な曲種ではなく、オリジナル作を作り始めるんですが、なぜかその時に安易なフュージンに走るものが多くって、そうなっちゃうと大体つまらない。けっきょく、凄いフラメンコ・ギタリストでも、本物のフラメンコだけをやっているアルバムというのはそんなになくって、パコがガチでやった本気フラメンコを聴きたいならこのCDだと思います。このCDを聴いたら、企画先行のフュージョン・フラメンコなんて、聴いてられなくなっちゃう。これ、マジですごいっす!!



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映画『BACK TO THE FUTURE PARTⅢ』

 BackToTheFuture3.jpg『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』まで辿りつきました(^^)。タイムトラベルをベースにしたコメディ映画もこれで最後か、なんか見終わっちゃうのがさみしくて嫌だな。。

 さて、第3作は1885年、アメリカ西部劇の時代にタイムスリップです。僕は西部劇が大好きなんですが、なにがいいって、アメリカの大平野、建物、当時の人たちの生活している感じ…今では残っていないあの文化とあの風景、全部いいです!特に風景が魅力的、地平線まで続く埃っぽい広大な風景がいいですね~。。また、19世紀の欧米の白人の普段着って、普段でも女性はドレスを着てるし男性は帽子をかぶってるし、現代よりもずっと貧しかった時代だと思うんですが、現代よりもずっと高級な服を着ているなあ、と。現代なんて、大量生産でみな同じデザインの超安物を着てるんですから…。
 さて、西部劇よりも、こちらの方が優っている点を。僕は西部劇を2つの時代に分けて考えています。ひとつはジョン・ウェインなんかが活躍する、「白人は正しくって、ネイティブ・アメリカンは蛮族」という描き方をしている、主人公がスーパーマンの古い西部劇。これは、この描き方自体がどうしても気に入らないので、あまり好きじゃないです。もうひとつは、単純なアクション活劇としての西部劇。これは史実に基づいたものとか、そうじゃない単純なアクションものとかイタリア製とか色々ありますが、これは全部ひっくるめて大好き(^^)!ただ、これらの西部劇は時としてシリアスというか、クリント・イーストウッドとかマックイーンとかが似合っちゃうような、単純な爽快さとはいかなくなることも多いです(いや、そこが好きなんですけどね^^)。で、このバック・トゥ・ザ・フューチャー3 は、爽快さで貫いた西部劇となっているところがすごくいいです(^^)。

 爽快さだけを追及しているような映画なので、面白かったんですが見終わった後には何も残りません(^^)。でも、こういう映画はそれでいいんだと思います。きっとまた10年か20年たった後に、もう1度見たくなる日が来るんじゃないか…そんな事を思いながら観ました。面白かった!!個人的なおススメ順は、>>3>>>>、です。。



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映画『BACK TO THE FUTURE PARTⅡ』

BackToTheFuture2.jpg 『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』です!を見たら、記憶にある以上に面白くって楽しい気分になれたので、レンタル屋にダッシュ!2と3も借りてきてしまいました(^^;)。2は見た事あるはずなんですが、ほとんど覚えてません。は見てません(^^)。

 1は過去にタイムスリップする話で、その過去を「古き良き時代」として描いていて、しかもコメディ作品で笑えるので、観ていてすごくハッピーでした。対して2は基本的に過去/現在/未来のすべてが舞台。未来がふとした事でねじ曲がってしまい、とんでもなくサイバーパンクな暗~い世界になっちゃったので、その原因を修正すべく、過去と現在と未来を行ったり来たり…というのが、パート2でした。いや~、見覚えのあるシーンもあったんですが、ほとんど覚えてなかった(^^)。
 2を見た感想は…過去から未来までを行ったり来たりするもので、ストーリーが複雑になってます。この若干複雑になったプロット自体がこの映画の見せ場じゃないかと思うんですが、これが諸刃の剣。複雑になったプロットを矛盾なく説明する事にけっこう労力が割かれちゃっていて、コメディ的なテンポの良さとか、アメリカ映画的なダイナミックな娯楽性みたいなものが薄れちゃった感じ。つじつま合わせで手いっぱい、ここが残念でしたね~。でも、面白い1を受けて作る2作目って、どんな映画でも苦労するんでしょうね。

 というわけで、2はもう見なくても良いかな。しかし3は、僕の大好きな開拓時代の話みたいですので、ちょっと期待(^^)。。


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ガトー・バルビエリ、逝去

gato.jpg ああああ、今度はガトー・バルビエリがいってしまいました(/TДT)/。。…あれ、でもそこまで思い入れがある人じゃないのに、なんで喪失感があるんだろう。ちょっと不思議。

 「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の、あの情熱的でちょっとほの暗い感じのメロディーがやっぱり最初に浮かびます。ラテン系のジャズ・サックス奏者という言われ方がしますが、ラテンといってもアルゼンチンですからね、激熱というより、ちょっと哀愁系の熱っぽさという印象。明らかに本人の王道じゃないだろうけど、フリージャズのレーベルESPから出したリーダー作が予想に反してけっこうよかったような。

 ご冥福をお祈りします。天国でも、熱っぽくサックスを楽しんでください!!



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映画『BACK TO THE FUTURE』

BackToTheFuture.jpg 段ボールを整理していたら…おお、VHSテープがいっぱい出てきました!そこに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のラベルが貼られたものが。これは見るしかありませんね(^^)。
 そのビデオに入っていたのは、テレビ放送の録画でした。というわけで日本語吹き替えだったんですが、博士役の声が三宅裕司(^^;)。思い出しました、昔はこの吹き替えがあまり好きじゃなかったんです。でも今見たら…いや~、いい味出してるなあ。この映画自体がコメディ仕立てなので、「うひょ~」みたな笑える絶叫の吹き替えは喜劇役者が向いてるのかも(^^)。ついでに、テレビ録画なので、80年代のCMがいっぱい入ってたんですが、これが映画並みに良かった!いや~なつかしいなあ。JACCSカードとか、今もあるのかなあ。このVHSは捨てられませんね。。

 さて、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』です。全3作作られたヒットシリーズの第1作で、1985年制作。内容は、車型のタイムマシンを作った科学者と、その科学者の友人である主人公の高校生(マイケル・J・フォックス!)の話。ちょっとしたトラブルから、主人公は誤って30年前(1955年)にタイムスリップしてしまいます。それは自分の両親が結婚する前で、自分のお母さんがタイムスリップした自分に恋してしまいます。両親が結婚しないと自分が生まれないので、主人公は両親を必死に結婚させようと頑張りますが…みたいなかんじ(^^)。
 若い頃見た時も、けっこう面白いと思ったんですよ。でも、下らないとも思いました。見たのが中高生ぐらいの頃で、当時はハリウッドの娯楽作品を褒める事は、カッコ悪いと思ってまして(^^;)。しかし今見ると、割り切るところは割り切った上で、すっごく面白いと思いました(^^)!あと、今回見て思ったのは、お母さん役のリー・トンプソンがカワイイです。息子に恋する時の目とか、主人公のパンツを見て「ねえ、カルバン・クライン」とか話しかける所とか、超よかった。。
Backto_photo.jpg
 あと、映画の本筋とは関係ない所で、すごくいいと思ったところが。80年代に観た時は、1955年のアメリカの風景とか風習の描写が、すごくいいなあと思ったんです。クラシック・カーとか、フィフティーズの音楽とか、ファッションとか、コカコーラとか。でも今見ると、「現代」として描かれている1985年の描写が懐かしい!たとえばみんな中流階級で家を持っていて、子供も家もあるのが当たり前、子供は親の金で学校に通えるのも将来仕事があるのも結婚できるのも当たり前。お金持ちになっていい生活するのが人生の目標みたいな風潮。映画の中の世界観もそうですが、80年代って、たしかにそういう感覚がありました。今では、就職できるかどうかなんてわからない、大学行くにも学生の半分は利息を払って返さなくてはいけない奨学金を利用しないと大学なんていけない。また、その前の60~70年代ともずいぶん違っていました。戦後の欧米や日本あたりの風潮って、80年代を除いた60年代~今がスタンダードな感覚なんじゃないかと感じます。で、この映画には80年代のいい意味で浮かれたような幸福感がすごく詰まっている感じがしました。

 僕は80年代が青春のど真ん中だったくせに、80年代当時は、80年代の音楽がどうも軽すぎると感じて、あまり好きじゃなかったです。で、ロックなら60~70年代とか、ジャズなら50~70年あたりばかりを聴いてました。でも、80年代という時代そのものはすごくいい時代だったのかも。色んな犠牲の上に成り立っているので、続けてはいけないし続くはずもない一瞬の虚構の富や幸福だったのかも知れませんが、それでもその時代を過ごすことが出来たのは、幸福な事だったのかもな~…な~んて、この映画を見ながら思ってしまいました(^^)。


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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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