まず、メンバーが凄いです。ペット隊はClifford Brown, Maynared Ferguson, Clarl Terry、サックス隊Harold Land, Herb Geller、ピアノはJunior Mance, Richie Powell、ベースKeter Betts, George Morrow、そしてとどめのドラムはMax Roach!!クリフォード・ブラウンとマックス・ローチの参加がゲスト扱いというか目玉なんでしょうが、他のレギュラーメンバーも全員リーダー作を出せるレベルで、知名度だけじゃなくって実際のプレイが素晴らしい!そして、とにかく1曲目の「恋人よ我に帰れ」が熱い!よくある歌伴奏じゃないんですよね、ジャズのジャムセッションです。ヴォーカルに遠慮する事なく、全員吹きまくり、叩きまくりです(^^;)。おかげで、ダイナ・ワシントンは絶叫しまくり、しかもヴィブラートや何やらのテクニックは歌の味つけじゃなくって、まるでトランペットのシャッフルレベルの超絶です!これを最初に聴いたのがいつだったのか覚えてませんが(たぶん中学生の頃?)、「ああああああああ、凄っげえええええええええええ!!!!」みたいな感じで、本当に衝撃でした。また、ジャムっぽいからペットもサックスもみんなにソロを回すんですが、全員して「俺が一番だろ?な?な?」みたいな感じで、フルスロットルの演奏です。カッコいい!あと、白熱しまくりのジャムに、だんだんお客さんも釣られて手拍子を打ち始めちゃうんですが、これが全員裏打ち。どっちがいいというわけではありませんが、こういう所は日本と違うんですね。
以降も素晴らしいです。2~3曲目はヴォーカル抜きのインスト、そして4~5曲目がバラード、6曲目がリズム曲…う~ん、このアルバム構成も唸らされるというか、見事です。。6曲目"I've got you under my skin" のシャウト・コーラスひとり回し目のトランペット・ソロも素晴らしすぎる。50年代以前のジャズ・ヴォーカルとか、反対に80年代以降のジャズ・ヴォーカルのレコードって、実際のライブでやられている音楽じゃなくって、ラジオ放送のTPOやお客さんに合わせて、選曲もアレンジも演奏も分かりやすくした無難なものが多いんですよね。そんな中、ミュージシャンの本領発揮のこのレコードは熱い!!これは、ジャズを聴かない人にもぜひ一度聴いて欲しいアルバム。歌手を目指している人に至っては、これを聴いた事がないなんて認められません。ロック以前のアメリカの軽音楽がどれだけ高いレベルであったかを痛感するんじゃないかと。