
日本のロックのハナシから閑話休題。最近、せっかくジャズギターを勉強なさっている方のブログとお友達にならせていただきましたので、最近聴いたジャズギターのCDの話題などを。
ワルテル・マロセッティ、アルゼンチンのジャズ・ギタリストです。僕はどうしても「アルゼンチン」の「ジャズ」とかきいてしまうと、ついついアルゼンチン独特のジャズを期待してしまうんですが、そういうところはまったくありません。古き良きアメリカのジャズから、モダン・ジャズの超オーソドックスなあたりのジャズという感じで、いってみれば超王道のジャズギター。チャーリー・クリスチャン、ジャンゴ・ラインハルト、そしてジム・ホールという、フュージョン要素のまったくない、あの王道です。ジャズ・ギターなので、ド派手でアクロバティックな感じはないんですが、実はメロディーとベースと和音を同時に演奏している、とっても難しいアレです。やっぱりギターは、単旋律だけやコードだけじゃなく、こういうひとりオーケストラをやってほしいです(^^)。しかも、ジャズだからけっこうアドリブが入ってるので、なおさらすごいと思ってしまいます。実は数年前から、ひまをみつけてはジャズギターをひそかに練習してるんですが、週に1~2回ぐらいでは全然うまくなりませんですね(^^;)。練習する時は、いつも前回のおさらいで終わっちゃう。そうやって自分でやってるものだから、こういうギターのむずかしさは痛いほどわかります。ギターよりピアノの方がぜったい楽だよなあ…。
このアルバム、タイトルは「ジャンゴ・ラインハルトに捧ぐ」ですが、ビレリ・ラグレーンみたいに思いっきりジャンゴな感じなわけじゃなくって、実際にはもうちょっとモダンで、60年代ぐらいのジャズ・ギターみたいな感じ。編成は何曲かの例外をのぞいて、ギター・ベース・ドラムのトリオ。いや~、素晴らしいなあ。「いかにもジャズ・ギター」という感じなので、ジム・ホールとかジョー・パスとかを聴いて、すでに満足している人は、わざわざこのアルバムに手を出す必要はないかも。そういう意味でいうと、オリジナルのコピーだけをしているアメリカ外のミュージシャンって、模倣者であってまだ自分に辿りついていない人に見えるのかも知れません。そういえば、僕がピアノを演奏していた頃の日本のジャズ・シーンがそんな感じでした。オリジナリティにあふれる凄い人が、「でたらめ」とか「意味不明」とかいわれちゃうという悲しい状況でしたが、しかし海外に行くと評価が正反対で、オーソドックスなジャズをやってる日本人プレイヤーは「なんでアメリカの真似してるの?」といわれちゃうという。。まあそんなわけで、ジャズ・ギターの王道が好きな方には大ビンゴ、でもそれ以上を求めるならちょっと物足りないかも知れません。僕には大ストライク、ジャズギターファンの方には超おススメです(^^)。
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