
矢沢永吉やジョニー大倉が在籍した日本のロックンロールバンド「キャロル」を聴く事は、中学生ぐらいの頃の僕の仲間うちではとってもカッコ悪い事でした。洋楽を聴くのがカッコいい事であって、邦楽はダサいという空気感、ましてやジョニー大倉や矢沢永吉なんて音楽じゃなくてヤンキーなファッションじゃん…みたいなかんじ。ところが、ふとしたきっかけで聴いたキャロルの演奏は、とんでもなくカッコ良かった!「スローダウン」をやればビートルズより全然カッコいいし、ジョニー・B・グッドなんてカッコよすぎてしびれまくったのです。ところが、ロックといえばまずはハードロックやメタルという世代だった僕にとって、ロックはさかのぼってもせいぜいビートルズどまり、ましてロックンロールなんて未知の世界もいいところ。でも、ロックにしびれて何でも聴いてみたい年頃だった僕にとって、ロックンロールの創始者チャック・ベリーの音楽を避けて通る理由なんてありませんでした。そんなわけで、近所のレコード屋でこのチャック・ベリーのLPを見つけた時は、即買いでした。なんといってもジョニーBグッドが入ってたし、代表曲もほとんど入っていたんで、ベスト盤だと思ってたんですよ。ここがちょっとミソでして・・・
いや~、80年代当時でもやっぱり古臭く感じる音楽だったし、キャロルと比べてもヘタクソでしたが、キャロルとはぜんぜん違う意味でのカッコよさがありました!何回も聴いて、聴くたびにだんだんハマっていきました!1曲が短いのでアルバム1枚聴いてもあっという間に終わっちゃうというのもあったと思うんですが(^^;)、もう古いだなんだなんて、音楽には何の関係もないな、みたいな感じ。とくに、エレピが入ってて、これがいい!!「ああ、これがカッコ良さのスパイスなんだな」なんて思ったんです。今でも覚えてるのは
「Club Nitty Gritty」という曲が、エレピの演奏を含めて異常にカッコよかった!!でも、エレピときいて「ん?」って思った人もいるんじゃないかと思いますが・・・そう、後にレコードコレクターズの記事で知ったんですが、
このアルバム、チャック・ベリー全盛期のチェス・レーベル時代のベスト盤じゃなくって、チャック・ベリー自身のセルフ・カバーの新録だったんです。僕はこの事にまったく気づいてなくて、後にチャック・ベリーのボックスを買った時に、このLPを売っちゃったんです(=_=)。せめて聴いてから売れよ、俺…。そして、しばらくたってからボックスを聴いた時には、「あれ?エレピが入ってないぞ?俺が知ってるあのカッコいい30デイズはこれじゃない!」となったわけですが、もうあとの祭り。他の曲も、大体はこっちのアルバムのバージョンの方がカッコ良かった。けっきょく、このアルバムは今も取り返せてません。というわけで、邪道といわれるかもしれませんが
、僕にとってのチャック・ベリーのベストは今もこれなのでした。中古屋で安く見かける事があれば、今でも買い戻したい1枚、出来ればこのジャケットのものが欲しい・・・。
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