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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『George Russell / THE JAZZ WORKSHOP』

George Russell THE JAZZ WORKSHOP コンテンポラリー系ジャズの名作曲家アレンジャーのジョージ・ラッセルさんの1956年作品。これより古い作品を知らないので、これがデビュー盤かな?「ワークショップ」なので、ジョージ・ラッセルがいろいろ考えたジャズのアレンジやアドリブのためのアプローチ方法なんかをみんなでやってみようというコンセプトたったんじゃないかと。というわけで、ラッセルさんは作曲とアレンジのみ、演奏はしていません。かわりにピアノを演奏しているのがビル・エバンスなんですが、さすがクラシックとジャズの両方を学んでいた名プレイヤー、ラッセルさん本人が演奏するより整ってる(^^)。いや、ラッセルさん本人の演奏も、とんでもなくガッツがあるし響きのアイデアなんて超独特だったりするのですごい好きなんですけど、うまさで言ったらさすがにビル・エバンスは素晴らしいなあ。。他にはアート・ファーマー(tp)とバリー・ガルブレイス(gtr)がレギュラー。ベースとドラムは曲によってけっこう入れ替わります。

 ジョージ・ラッセルさんの作曲やアレンジって、新しさと古さが同居してると感じます。50年代後半~60年代のアメリカ映画を見てると、たまにジャズがBGMに使われている時があるじゃないですか。その頃のアメリカ映画って、今ほどお客さんにこびていないものもけっこうあって、「ムーディーなジャズ」じゃなくって、けっこう挑戦的なスコアだったりすることもあったりして。あの感じがジョージ・ラッセルさんの音楽にはただよってます。有名な「リディアン・クロマチック・コンセプト」みたいな研究家肌な面もあったのかもしれませんが、それが響きの面でゴリゴリにコンテンポラリーな作品を生み出すかというと、意外とそういう事の方が少なくって、ストレートジャズにちょっとだけコンテンポラリーなスパイスが効いてる、みたいに聴こえるものが多いです。このアルバムもそうで、ラッセルさんのレコードの中ではいちばん普通のジャズに近い感触でした。



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『Aerosmith / Toys In The Attic』

Aerosmith Toys In The Attic いや~『ROCKS』も自分で買った記憶がありませんでしたが、このアルバムに至っては聴いた記憶すらないぞ、ぜったい誰かがうちに忘れてったんだな(^^;)。。それはともかく、『ROCKS』というアルバムをきいてちょっとマイナスな印象を持ってしまったエアロスミスでしたが、このアルバムを聴いたら、レコード1枚聴いたぐらいでミュージシャンの評価を決めてはいけないと反省。。

 エアロスミスの代表作なんて言われてる76年『ROCKS』というアルバムで「演奏がちょっと残念、キレもない」なんて書いてしまいましたが、その前年発表のこのアルバムを聴くと、けっこうキレがありました(^^)。「踊る!さんま御殿!」で流れてる「Walk This Way」とか、リズムにアクセントがついてノリがいいな~(^^)。う~んつまり『ROCKS』はこのアルバムが売れちゃってライブやらなにやら忙しくてリハ不足練習不足だったのかも。ZZトップとかのキレッキレのロックバンドに比べちゃうとさすがに見劣りしちゃうけど、これぐらいリズムが歌えてると聴いててキモチいいです!曲は…まあ70年代中後半のアメリカのレコードが似たようなもののキンタロウ飴状態というのは、音楽の基礎知識ですからね、これは仕方ない(^^)。英米のロックやポップスばかり聴いている時はあんまり思わないけど、他の音楽を少しでも聴き始めると「あれ?なんで大量生産の同じものばかり聴いてたんだ?」と気づくという。。大量生産品を大量消費するよう人を誘導する資本主義社会、恐るべし。

 このアルバムを聴くと、ショーバンドで、アメリカンバンド。楽しいものとしてのロックを演奏してきたバンドだったのかな~なんて思いました。この少し前の70年前後のロックみたいな「これはすごい」「これはやばい」「これはチョ~燃える」みたいなロックじゃなくて、バーベキューパーティーの時にラジカセで流しておく楽しげなロックとか、それこそダンスパーティーで演奏してるバンドとか、そういうものに聴こえます。軽音楽として楽しむロック。それって、70年代後半から80年代のアメリカのスリーコード・ロックンロールバンド全般に言える事かも。


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『Aerosmith / Rocks』

AerosmithRocks.jpg KISSが爽快だったので、勢いに乗ってアメリカのロックの棚をこのまま聴き進める事にしよう、そうしよう(^^)。お、こんなの持ってたっけ?有名なのにあんまり聴かないまま通り過ぎてしまったロックバンドです。むかしから疑問なんですが、このスペルでエアロスミスって読むんですね、英語って難しいな。。自分で買った記憶も聴きこんだ記憶もないので、たぶん中学生の時に誰かがうちに忘れていったんだと思います。記憶にある人は申し出てくださいね(^^)。76年のアルバム。

 少しだけ曲に工夫があるけど、基本的にスリーコード・ロックンロールなバンドでした。エアロスミスを含め、この時代のこの手のバンドって、音楽は単純だし演奏も残念な事が多いので、若い頃もあんまり聴いてませんでした。それにしてもちょっとこれは・・・(^^;)。ヴォーカルはぜんぜん声が抜けずに喉だけで歌ってる、ドラムは盛り上げたい所でもリズムキープしか打てずコンビネーションショットになるフィルとなるとほぼ打てない…。盛り上がる所で、ギターを「フィ~ン」みたいにフィードバックさせてそれをいっぱいオーバーダビングするって、恥ずかしい気が…。。まあそういうのはともかく、演奏にノリやキレがないっす、単純に練習不足なんじゃないかと。いや~、スリーコードでも演奏がキレッキレならいくらでもカッコよくなるZZトップみたいな見本もあるんだから、見習ってほしいなあ。

 とはいえ、別のアルバムを聴くと、これが実力じゃない気がするので、色々理由があって練習やリハが間に合わなかったんじゃないかなあ。でも、時間かけずにチャッチャと作るなら、演奏や作曲のプロじゃないロックミュージシャンよりも、本当のプロミュージシャンが作るポップスの方がいいものが出来るのは当然で、70年代後半から80年代あたりの洋楽がロックよりポップス優位になったのは、このへんに理由があるのかも。


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『KISS / Destroyer』

KISS Destroyer KISSのスタジオ盤で唯一うちにあるのがこのアルバム。デトロイトのバンドらしく車のドアを開け、エンジンをかけ・・・というSEから始まって、ザクザクいうギターのリフが炸裂、カッコいいっす(^^)。KISSは分かりやすくロック&適度にポップという、このバランスがいいですね~。

 でも、超ひさびさに聴いて思ったのは、ライブアルバムに比べると楽器同士の分離が良すぎて、音楽が混じらない感じがキモチわるかったです(^^;)。演奏もやたらと丁寧で慎重で、キッチリ作ることを優先してるみたい。傷がないのはいいんだけど疾走感に欠ける・・・。たとえば、リフを弾いてギターソロに突入したらそのまま勢いでギターソロになだれこんで欲しいと思っちゃうんですが、分離が良いので、リフだけ先に淡々と録音して、後からギターソロだけオーバーダビングしているのがとってもよくきこえてきて、なんかそういうのってロックっぽくないというか、そもそもこのルックスに合わない気がする( ̄ii ̄)。。録音がいいのも良し悪しなんだな~、KISSがライブバンドと言われるのが分かった気がします。あと、やっぱりルックスにぜんぜん合わないピアノ&弦のバラードはなんの冗談かと思っちゃいました(^^;)。いや~、Xジャパンとかもそうなんですが、毛を逆立てて鎖をじゃらじゃらつけてマッドマックスみたいな格好の人に「君を愛してる~」とか「僕は傷ついて~」とかやられちゃうと、笑っちゃうんですよね(^^;)。。それはそうと、キッスのライブ盤みたいな勢いこそなかったですが、これはこれで丁寧に作られた楽しいポップロックでした!外連味たっぷりのバンドに硬派な音楽を求める人なんていないだろうし、ロックをBGM的に流して爽快に聴くなら、この分かりやすいポップ加減は絶妙のラインかも(^^)。



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『KISS / Alive!』

Kiss_Alive.jpg アメリカのロックバンドKISSの1975年のライブアルバムです。若い頃、このメークがうさん臭く感じてしまって、「アメリカは売れる為なら何でもアリやな、どうせ見かけ倒しやろ」と、聴かずじまいで通り過ぎてしまった(^^;)。時は流れ、めずらしく演奏の仕事をいただき、そこで知り合ったレコードプロデューサーさん(こういう人種がいるのかとちょっと感動^^ファッションや喋り方もあか抜けていて、東京って凄いなと思った若い頃の僕でした^^)とKISSの話になったんです。「僕、キッスって聴いた事ないんですよ~エヘヘ」「え、そうなの?駄目だよロックの仕事するなら聴かないと」…みたいな流れで、プロデューサーさんが聴かせてくれたのがこれ。そして…おおおお~カッコいい!!音がズド~ンと太くて迫力があって、それだけで持ってかれちゃいました。でも、その感動って、レコーディングスタジオの馬鹿デカいスピーカーで聴いたからかも(^^;)。

 さすがグランドファンクMC5を生み出したアメリカのハードロックシーン!!露骨に売れようとする所もまたアメリカですが^^;、図太い音の迫力にやられました。ほかにも、リフがザクザクしてカッコいい!ヴォーカルもシャウトがさまになってる!!やっぱりアメリカのバンドははじけ具合が違いますね、これは国民性なのかなあ。僕はいまだにポールとジーン・シモンズとエースの区別がついていないニワカですが(^^)、外連味たっぷりな所も含め、カッコいいロックでした!KISSって、自分がもっと若い頃に出逢ってれば、もっと入れ込むことができたバンドだったかも。


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Finale 2音が交代するトレモロの入力

マニアックな記事の連投になってしまってスミマセン(^^;)。。


さて、今回はトレモロ記号の入力方法。一音のトレモロなら、アーティキュレーションツールからトレモロ記号を選択してオシマイですが、2音が交代するトレモロ、これが問題です。こういうやつです。↓
tremolo2.gif

マニュアルには「選択ツールで小節を選択して…」みたいに書いてるのですが、それだと最後に「範囲が選択されていません。すべてそうしますか?」みたいに訊かれ、yesを選ぶと曲ぜんぶがトレモロになるというマンドリン演奏みたいになってしまうのです(゚m^;)アチャー。。というわけで、そのやり方を。

(2音が交代するトレモロの入力)
①ひとつのペアのトレモロの総音価の半分の音価でそれぞれの音符を入力
②ブロック編集ツールを選択後、[編集]→[小節の一部分を選択] にチェックを入れる
③トレモロをかけたい2音を選択
④[プラグイン]→[TGツール]→[簡易トレモロ]を選択
⑤連桁の本数を設定!

いや~、この方法はネットを調べてもなかなか出てこなくて(とくに②の部分が難関だった^^;)、しかたなく「Finale User's Bible」を開いてしまいました(2005~2007版では290~293ページ)。そしたらあっという間に解決^^;。ただし今回の場合、譜例だと2小節目ではうまくいくんですが、1小節目下段のような状況でこれをやってプレイバックしようとすると、なんどやってもフィナーレがフリーズ(^^;)。この小節だけで連符の特殊変更に連桁の変更にトレモロなので、色々まずい事が起きてるのかも。それとも、音価の入力が間違ってるのかな…まあいいや、最後に手で書きくわえれば(^^;)。
ところでFinale User's Bible という本、詳しすぎて調べるのが大変という弱点はあるものの、楽譜制作での僕の悩みはたいがい解決できてしまう優れものです。逆に、初歩的な操作は載っていないというマニア仕様(^^;)。写譜屋さんが書いたんじゃないかというぐらい、ムズカシイ楽譜にも対応しています。クラシック系の楽譜制作に取り組んでいる人は、ぜひ!!


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FInale 連桁の分断や連結を行う方法

前回に続いて、FInale の操作関連を。機械音痴は苦労するよ(^^;)。。

さて、フィナーレで楽譜入力していると、連桁(「れんこう」と読みます。隣り合った8分音符同士をつないでいる棒の事です。名前を知らなかった人は、この機会に覚えてね^^)を8分音符2つずつを3組にしたいのに、勝手に8分音符3つずつ2組に連桁を掛けられてしまったりする事があります(ノД^*)アチャー。。それを修正すべく連桁の分断や連結を行うほうほう、というわけです。

(連桁の分断や連結)
①ステップ入力ツール(上部にある8分音符のマーク)をクリックして選択
②変更したい連桁の直後の音符Ctrl+クリック
スラッシュ( / )キーを押す

 これで直前の音符と連桁で結ばれていた場合は連桁が分断、結ばれていなかった場合は連桁で結ばれる!!あー助かった(^^;)。

 それにしても、クラシックのスコアを書く時って、近代曲ですら手書きの方が速いっすね。まして現代なんてなったら、finale の入力方法を調べてる間に書き終わっちゃうよ。楽譜制作の時だけは、ジャズやロックやポップスが羨ましくなります(^^;)。。





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Finale 確実な連符の入力方法

 僕は途中で作曲科に転科した都合もあって、学生時代からシーケンスソフトや楽譜作成ソフトを使ってました。クラシック系だと、昔はLOGIC というソフトがスタンダードでして、シーケンスソフトの中では楽譜作成がけっこう優れていたんです。でも、機械音痴のボクにはムズカシくってとにかく苦労しました。時は過ぎ、今は楽譜作成にはFinale というソフトを使ってます。これはサクサク使えて便利!!かなりきれい!!でも、ジャズやポップス程度の音楽では不具合を感じた事はないんですが、クラシックのスコアを仕上げようと思うと、分からない事が多すぎて大変。Finale はマニュアルもぶ厚くて調べるのが大変なので、こまったことがあるたびにネットで調べて解決してたんですが、調べる頻度があまりに高いもんで、いっそ自分のブログにまとめておこうかと。

(連符の入力)
 あまりに基礎すぎるモンダイですが、連符の入力にいつも手間取ります(^^;)。3連符ならいいんだけど、5連符とか7連符とかになると、いつも連符の数字をクリックして…みたいにマニュアルに書いてある通りにやろうとすると、表示上はうまくいったみたいなのに、最後の音符が入力できなかったりして(T_T)、いつもグチャグチャいじっている間になぜか解決したりしてますというわけで、今回うまくいった方法をメモ。

①ステップ入力パレットから、入力したい音価と連符アイコンを選択
②連符を入力したい位置でShift+クリック
③ステップ入力連符定義」というダイアログが開くので、そこで「○部音符○個の音符を□部音符□個分に入れる」と設定!

 いや~、変なショートカットしようとせずに、いつもこうしてればよかったよ(^^;)。。これだけでなく、連符でいつも困ってた問題が他にもあるので、ついでに解決!

renpu_kotonaruonka.jpg(異なる音価を組み合わせた連符の入力)
 1拍3連を作る時、最初のふたつの音をスラーで繋ぐんじゃなくって4分音符で書きたい時ってあるじゃないですか。ポピュラーの雑なメロコード譜を作る時はスラーで済ませてたんですが、クラシックの場合、どうしても4分音符で書きたい時があって(^^;)。でもこれがフィナーレでどうやれば作れるのかが分からなかったんですが、今回解決しました!

①4分音符が先、8分音符が後の場合:連符の入力の際、上記方法の中で4分音符を選択してから、「8部音符3個の音符を8部音符2個分に入れる」とやってみたら…おお~うまくいきました!!
②8分音符が先、4分音符が後の場合:これ、未解決です(;_;)。小節途中の場合、小細工せずに連符を選択して普通に入力すれば入るんですが、連符が小節最後に来ていると、4分音符が入らず。その場合は、いまのところ8分音符を並べてスラーで繋いでます。うう~。。

(連符入力でバグっぽい動作をした時)
 あと、連符入力ではバグっぽい事が起きる時があります。例えば7連符を入力する時、7つ目の音がうまく入力できない時とかがあります。これは一種のバグだと思うんですが、連符の数が合わずに入力できない時は、入力できる所まで入力してから、他の小節をクリックすると入力できるようになる時があります。7連符の場合、6個目まで入力した後に他の小節をクリックすると、改めて7個目のところに8分休符が表示されるので、そこに入力。たぶん、ほかの小節を選ぶ事で、小節内の音価の合計が計算されて、足りない分は休符が入るようになってるんでしょうね。。

(疑問:特殊な連符をトレモロと合わせると危険?)
 これは番外編。僕が最近やったのは、2/4の曲で、8分音符ふたつ一組のトレモロを作ってこれ一組を4分音符と見立て、これを3セットを2拍3連にしようとした時。これ、連符入力までは上と同じやり方で出来るんですけど、この後にトレモロ表記に入力するとですね…再生するとフリーズする(T_T)。。これはトレモロの方に問題があるのかも。

(課題:入れ子状の連符の入力の仕方が分からない)
 クラシックっぽい曲を書いているとたまに遭遇する問題で、いまだに方法が分かりましぇん(T_T)。例えば、2/4の曲で、大まかには1拍3連に分かれていて、それぞれがまた2拍3連みたいに分かれている、みたなやつです。こういう場合、僕はやり方が分からないので、9連符を作ってしまいます。でもですね…例えば、1拍3連に分けた後、ひとつ目は2拍3連、ふたつめもそう、3つめを7連符にしようとすると、そういう技は使えないですよね。こういう時にどうすればいいのかが分かりませんです、こまったもんだ(-_-*)。。




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『Nina Simone / Little Girl Blue -Jazz As Played In An Exclusive Side Street Club-』

NinaSimone_LittleGirlBlue.jpg ひとつぐらい、ジャズ色が強かった時代のニーナ・シモンさんのアルバムを取りあげておこう、そうしよう(^^)。1958年発表のデビュー盤です。レーベルがベツレヘムという事もあり、この前まで紹介していたフィリップス盤と比べるとかなりジャズです。シモンさんがピアノ&ヴォーカル、それにウッドベースとジャズドラムがバックにつきます。ジャズの弾き語りヴォーカリストとして聴くなら、このレコードがいちばんいいかも。「Love Me Or Leave Me」なんて、ビブラートのかけ方が思いっきりジャズ、しかもメッチャうまいです。日本に綾戸智恵さんというピアノ弾き語りのジャズヴォーカリストさんがいますが、絶対このアルバムを聴いてると思う。

 ただ、ジャズという縛りがあるからか、けっこうジャズの枠にガッツリはまってる感じで、曲も表現もジャズのTPOからはみださないです。これをどう思うかは聴く人次第かも。スタンダードとメインストリーム以外はジャズじゃない、みたいな吉祥寺かどこかのジャズ喫茶のマスターみたいな人にとっては、最高の一枚かも。でも、以降のボーダーレスにディープな世界を突き進んだニーナさんのアルバムを知っていると、無難にまとめたようにも聴こえたりして(^^;)。

 ベツレヘムという真っ黒なジャズレーベルからも作品を出し、フィリップスやRCAにも籍を置いたというのが、そのままこの人の音楽のすそ野の広さをあらわしていると思います。「Little Girl Blue」といえば僕はジャニス・ジョプリンの感情こもりまくりのあれが大好きですが、このアルバムのニーナさんの抑えた表現もしびれます。 あと、「Good Bait」の黒っぽいピアノ演奏は、マル・ウォルドロンとかビリー・ホリデイあたりの黒いジャズブルースに繋がる独特の深さがあって、思わず引き込まれました。あ、そうそう、この人のピアノ、クラシックも学んでる気がします。ジャズや黒人教会系の音楽だけやってたら、こんな対位法的なアレンジなんか出来ない。どうしても高速プレイとか派手な所に目がいってしまいがちですが、こういう渋い所で職人技が出来るというのが、実はいいミュージシャンなんだと僕は思ってます(^^)。というわけで、ジャズ方面のニーナ・シモンを聴くなら、これが一番ジャズっぽいアルバムだと思います。


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『Nina Simone / Let It All Out』

NinaSimone_LetItAllOut.jpg 前の記事で書いた『パステル・ブルース』と同じ1966年に発表されたニーナ・シモンのアルバムです。ジャズのピアノトリオで歌っているものがメイン(ピアノはシモンさん本人)なので前作の姉妹盤みたいな感じ。でも、それに管弦を加えて劇的な音楽にしてる「For Myself」とか、カウボーイソングっぽいアコースティックギターのカッティングだけで聴かせる「The Ballad Of Hollis Brown」(これ、詞もすごい!)とか、こちらのアルバムの方がバラエティに富んでるかな?
前作はめっちゃディープなスピリチャルっぽい曲が入っていてこっちにはないとか、曲想とか、歌い方とか、演奏とかのぜんぶが、直前2作と比べると、すこしだけ軽い感じです。あんまりドロドロのところまで突き進まずに、小粋に軽く流してる感じ。これはこれでいいんですが、やっぱりあのニーナ・シモン独特のディープな世界を聴きたいなら、このアルバムじゃないかも(^^;)。あと、なんていうんでしょうか、この時代のニーナ・シモンさんは、ジャズに近かったころに比べると深みが出たのとひきかえに音痴になった(゚∀゚*)。。

 今回まとめて書いたニーナ・シモンの3枚のアルバムは、60年代なかばに彼女が契約していたフィリップスで発表したもので、僕的にはこの時代が一番好きかも。でも、その前のベツレヘムやコルピックスというジャズ色の強いレーベルで残したアルバムも、この後のRCAビクターというブルースやスピリチャルに強いレーベルに残したアルバムも、いいモノがいっぱいあります。ジャズからもソウルからもブルースからも異端視されがちな人ですが、いいミュージシャンというのはたいがいボーダーレスなもんですよね。この人のアルバムは全部聴いてもいいと思うぐらいにのめり込んだ事があるんですが、すっごくいっぱい出てるので、いまだに達成できてません^^;。あ、そうそう、ジャズを聴く人にとっては、ベツレヘムやコルピックス時代のニーナ・シモンがベストでしょうし、、ブルースやゴスペル系が好きな人にとってはRCA時代が好きかも。でも、どれもいいんですよね~(^^)。。コルピックス時代のアルバムはけっこう持っているので、いつかまた紹介したいとおもいます。


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『Nina Simone / Pastel Blues』

Nina Simone - Pastel Blues 歌心がある系の黒人ヴォーカリストとして、ジャンル問わず真っ先に僕が挙げたいヴォーカリストのニーナ・シモンさんですが、ひとつ前に紹介したアルバムより、こっちの方が有名かな?というのは、映画で使われた曲が入ってるからなんですが…これまた素晴らしいアルバムです。素晴らしすぎる。歌が好きな人は、夜にバーボンでも飲みながらこれを聴いて欲しいです。もう、涙が止まらんですばい。。ジャケットが古臭いとか、顔が怖いとか、そんなことをいってこの1枚をきかずに通り過ぎてはいけない1枚です。

 ひとつ前に紹介したアルバム「I put a spell on you」との違いは、あっちがオーケストラバックで、こっちはほぼピアノ伴奏というすごくシンプルなものである事。そして扱ってる音楽は、黒人霊歌みたいなものから、ジャズといってもニューオリンズジャズみたいなもの、まあまあモダンなジャズ、ビリーホリデイナンバー、独特なアレンジのブルース、アヴァンギャルドと紙一重みたいな無伴奏アカペラやラストの「sinner man」…すごいです。歌やそれぞれの曲の演奏や歌のスバラしさに耳を奪われがちですが、このアルバム構成がすごい。アバンギャルドだけだったら絶対つまんないと思うんですが、逆に少しだけ入れてあるアバンギャルドのおかげで狭いジャンルの枠を一気に取っ払っちゃってるかんじで突き抜けてます。アルバムは40分弱で終わりますが、ずっと圧倒されっぱなし。なんでこんなにスゴイのにジャケットはチープなんだろうか…いや、1965年発表のアルバムなので、当時としてもこのジャケットは古臭いはず、奴隷時代の黒人音楽を表現したとか、なんかの理由でわざと古臭くしたジャケットなのかも。こんなヴォーカルミュージック、他ではなかなか聴けないっす。今は語られる事すらなくなってしまった1枚ですが、アメリカが生んだヴォーカル音楽の大名盤のひとつと思います。歌好きの方はぜひ!!


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『Nina Simone / I put a spell on you』

Nina Simone I put a spell on you  久々に音楽に戻ってきました(^^)。というわけで、せっかくなのでいつか絶対に紹介したいと思っていた音楽を書くことにしよう!黒人ヴォーカリストのニーナ・シモンさんです!感動って、個人的なものじゃないですか。自分にとってはその感動は絶対なんだけど、もし他の人に紹介して「あんまり良くなかった」なんて言われたらすごく嫌なので、紹介したくない気持ちもあったりしてなかなか書けなかったんですよね(^^)。なに言ってるんだかわからなくなってきましたが、そのぐらい好きなヴォーカリストです。はじめてこのレコードを聴いた時は心が震えました(´;ω;`)。。うまいんですが、そんなのどうでもよくなっちゃうぐらいに心がある歌で、ジ~ンときてしまいます。いつ聴いても、ジーンと来てしまうんですよ、ぼく。。

 ニーナ・シモンさんは、いちおうジャズ・シンガーに区分けされてますが、ゴスペルとかソウルの感じもあって、しかも経歴を見るとなんとジュリアード音楽院を出てるので実はクラシックもきっちりやってるんじゃないかと思います(もしかすると、歌じゃないものを学んでたのかも)。やっぱり、素晴らしいミュージシャンって、どっかでクラシックを学んでるとか、いくつもの音楽を学んでる人が多いですね。ひとつのジャンルしかやってない人は音楽が型にはまってるというか…音楽にかぎらず、色んな事をちゃんとめぐってきた人の方が、人間が深いという事なのかな?そしてニーナさん、まるで黒人霊歌を歌うかのように、高揚させすぎず、打ち震えた声でとつとつと歌い続けるんですが、すごいです、僕は鳥肌が止まらないよ。「Feeling Good」のイントロのアカペラなんて、言葉が出ないです。1965年発表のこのレコードは、フィリップス発表のレコードだけあって、しっかりアレンジされたプロ楽団をバックにしたものなんですが、そういうレコードにありがちの「ショーアップされた歌謡ショー」みたいな感じは全然なくって、言葉を大事にしている感じ。技術ばっかり出して「歌上手いでしょ?!聴いて聞いて!」なんていうエンターテイメントに走ってしまう所は一カ所もなし。心がある歌がずっと続きます。ジャズ好きな人は勿論ですが、それ以上にロックやソウルや歌が好きな人の心に届く1枚なんじゃないかなあ。一度は是非とも聴いて欲しい1枚です。


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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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