
ショパンのスケルツォ三昧の8月終わりになってきました。う~ん音大に入ろうと格闘していた若いころを思い出すなあ、あの頃は大好きだったはずの音楽が半分苦痛になってたよ、だってうまく弾けなくってあせるばかりだったんだもん(^^;)。。これはポゴレリチによるショパンのスケルツォ全曲集。
今さらですが(もっと早く書けよ^^;)、スケルツォというのは「諧謔曲」でユーモアある曲という意味、速い3拍子系の曲です。でも僕的にいうと、ショパンのスケルツォはどれもとても冗談とは思えない超シリアスな始まり方をします。しかも「冗談だよ」なんていって軽く弾けるような曲じゃない、3番の10度音程なんて、指が届かないよ。。でもって、ポゴレリチという人はちょっと破天荒な所がある人で、大有名曲を「ここはピアノと指定されてるけどフォルテの方がいいだろ」「ここはスタッカートだろ」「いま主流のテンポ解釈では遅すぎるだろ」みたいな感じに、速度記号も表現記号も無視して曲を自分色に染め直してしまう(^^;)。まあ、そういう癖(独創性?)のある人なので、デビュー前にピアノコンクールに出た時も賛否両論、ショパン国際コンクールでは大もめにもめた結果、審査員の一人
アルゲリッチが持ち前のヒステリーを発揮、「彼の天才が分からないようなコンクールなんて!」と怒り狂って退場するという事態にまで発展(^^;)。う~んラテン系の女性は気が強いなあ。というわけで、このポゴレリチのスケルツォですが…いや~人というのは齢をとると丸くなるもんなんだなあ。アシュケナージのような完璧で流麗な感じではなく、ガツンガツンと来るところと流麗な所を対比させてる感じ。なんといっても「諧謔曲」ですからね、ショパン自身もユーモアの余地を残して書いた曲だと思うので色々な演奏があって良いと思うし、その中では劇的で迫力あるものにするにはなるほどこれは、と思いました。しかしうまい…。1番がなんかギクシャクした変な感じでしたが(たぶん狙ってやってるんでしょう)、他は非の打ちどころのないショパン「スケルツォ」でした。でも、対比的な演奏なので、ホロヴィッツやアルゲリッチみたいに一直線に一気に駆け上っていくような感じじゃありません。その辺でいうと、破天荒でものすごい勢いで演奏していた若いころのポゴレリチのスケルツォも聴いてみたい(^^)。僕的なスケルツォ選手権は、全員優勝!その優勝のなかの1位は情熱のアルゲリッチ、2位は狂乱のホロヴィッツ(これ、録音さえ良ければ1位だったかも)、3位はメリハリのポゴレリチ、4位は完璧なアシュケナージ、でした(^^)。いやあ、でも全部いいんですよ、劣っているとかそういんじゃなくって、色の違いみたいなもんです。。
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