80年の大名盤『THERE AND BACK』を生み出す事になったジェフ・ベックのインスト/フュージョンロック路線。そのスタートとなったのが、その5年前に発表されたこのアルバムです。このアルバムもカッコいい!!
カッコいいんですが、やっぱりまだこの路線を始めたばかりという事もあるのか、『THERE AND BACK』ほどキレッキレじゃないです。まだ、元ヤードバーズのギタリストという面影がチラホラ(^^;)。アルバムがまったりした曲から始まるもんで、掴みがイマイチにかんじるのかも。でも、アルバム3曲目から、「うおお、メッチャっこいい!!」っていうフュージョン路線の曲が出てきて(それにしても、ドラムのリチャード・ベイリーのパラディドルが凄すぎる…フュージョン路線のジェフ・ベックの音楽って、実はフィルが多くてメッチャタイトなドラマー陣がめっちゃ重要な気がする)、A面最後の「Scatterbrain」に辿りついた時には絶頂に達するような快感!!なんとなくですが、「Scatterbrain」って、当時のロックギタリストにとっては衝撃だったんじゃないかなあ、変拍子で同じ音型をコード進行に合わせて上昇していくリフ…僕がもしロックギター少年だったら、コピーしようと躍起になったに違いない(^^)。ジェフ・ベックの曲で一番好きな曲と言って「Scatterbrain」を挙げる人ってけっこう多い気がします。あ、あと、個人的にはアルバム最後の「Diamond Dust」は、曲に浮遊感があってこれもすごくいい…こういう曲って、フュージョンがジャズ和声を深くして、ようやく書けるようになった曲想だと思います。その前だととてもこういう曲はかけなかったんじゃないかと。