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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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映画『野生の証明』

Yaseinoshoumei.jpg 「人間の証明」の翌1978年に公開された角川映画です。原作は前作と同じ森村誠一さん、主演は高倉健。社会巨悪と戦う推理サスペンス調の映画なんですが、健さんは無口で仁義を通してメチャメチャ強いので、東映任侠映画の頃の健さんとなんにも変らないです(^^)。健さん、カッコいい。子供のころは、友達のお兄さんが「あの映画は自分の腕の肉食ったりしておっかないぞ」というもんだから、恐ろしくて見れませんでした。あのお兄さんは性格悪かったな。

 この映画、人に説明しようとすると、なんと説明して良いやら分かりません。自衛隊の特殊部隊が東北の寒村を全滅させるとか(*追記:「あれは自衛隊が全滅させたんじゃなくて、全滅させたところに自衛隊が居合わせたんです」とのご指摘をいただきました。ご指摘いただきました名無しさん、ありがとうございました!)、生き残った少女が超能力を持ってるとか、なんだかとんでもない要素が色々と入ってるのでね( ̄ー ̄)。その殺戮現場にいた自衛隊の隊員(高倉健)が、自衛隊退役後に生き残った少女(薬師丸ひろ子)を養女に貰いますが、命を狙われます。ある刑事は、この隊員が少女の両親を殺した犯人ではないかと疑いはじめます。自衛隊では、彼をマークします。まあこんな感じで、主人公がいったい何者であるのか、また事件の真相が何であるのか、こういうものを軸に話が展開するので、メッチャ面白い!そして後半はランボー張りのサバイバル。そして話は回収できず( ̄ー ̄)。構図やら編集やら色々とアマチュアっぽいのは相変わらず角川映画っぽいですが、そういう所はさておいて面白いというのも角川映画っぽいです。やっぱり本の会社だからストーリーがメインになってしまって、映像や音楽はアマチュアなんですかね。そうそう、音楽は大野雄二さんが担当していますが、「ルパン三世 カリオストロの城」とそっくり。カリオストロの城の公開は翌年、この2年のうちに映画音楽を8本も担当しているので、新しく作ってる暇がなかったのかも(^^;)。

 「人間の証明」は途中で何度も見るのをやめようと思ってしまった僕でしたが、この映画は面白くって、最後まで目が離せませんでした。前作の主演・松田優作さんとの共演は、この約10年後のハリウッド映画「ブラック・レイン」で実現します。ブラック・レインでは優作さんの圧勝ですが、この時点では健さんに軍配かな(^^)。あ、そうそう、このあと角川映画の看板女優となる薬師丸ひろ子さんは、この映画が銀幕デビューです。



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映画『人間の証明』

Ningennoshoumei.jpg フラワー・トラべリン・バンドでヴォーカルだったジョー山中さんですが、僕にとっては俳優の印象の方が強いです。歌が僕にはイマイチわからなかったというのもあるんですが、それ以上に子供のころに夢中で見てた「探偵物語」や、この映画での役者としての印象が強いんですよね。セリフは棒読みくさいんですが(^^;)、なにかを感じる俳優さんでした。

 映画『人間の証明』は、77年の邦画。音楽は大野雄二さんで、この時代の映画やテレビでジャズっぽい劇音楽といったら、もう大野さんか深町純さんのどちらかという感じ。映画の方は…まあ、角川映画なので、クオリティは推して知るべし(^^;)。ストーリーは、ニューヨークのハーレムで貧しく生きていた男(ジョー山中)が、父が悪事で得た金を使って日本に来たのはいいけどすぐに刺殺されちゃって、その犯人を追っていくという刑事推理もの。

 角川映画って、クオリティはともかく面白いものがちょくちょくあるんですが、この映画はもう一歩だったかな(^^;)。。冒頭にファッションショーのシーンが4分ぐらい続くんですが、ストーリ-上大きな意味を持たないこういうシーンにこんなに長い尺が必要なのかなあ。カメラや美術照明も、みんな影も角度もつけずに正面から狙って、フォーカスや構図もほんとに無頓着で、絵がかなりダメ…。いろんなところが、映画じゃなくてテレビドラマぐらいのレベルに感じました。でも今の邦画って、テレビ局が作るものも増えたし、その先駆けっぽいと言えばぽいのかな?
 ストーリーはまあまあ楽しかったです。最初30分は本当につまらなくってどうしようかと思ったんですが(^^;)、事件の謎にせまる中盤から終盤はそこそこ面白かった!でも、終盤でまたしても無意味に長いファッションショーのシーンが(ノω=;)ヤメテクレ。。もし市川崑さんとか、映画づくりのプロの人がメガホンをとって、いいカメラマンや美術スタッフを揃えられて作れたら、3倍は面白くできたかも。あと、ストーリー以外で個人的に面白かったのは、70年代後半のNYが実際に見られた事、特にNYのハーレムが見られた事(当時のここはアフリカ系アメリカ人以外が入っちゃいけないな^^;)、夏八木勲さんの愛人役の范文雀さんが美人だった事。大好きな俳優の松田優作さんには期待大だったんですが、この映画ばかりはミスキャストだったかも。演技がカッコつけすぎというか、いつもの殺し屋役とか探偵役とかだったらこれでピタッとはまったのかも知れませんが、警視庁特別対策チームの50人ぐらいのチームの下っ端刑事が偉そうにカッコつけてると、さすがに違和感を覚えてしまいました(^^;)。優作さん、アウトサイダーでない役は、どうもしっくりこない。きっと、本当にアウトサイダーだったんでしょうね(^^;)。


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『フラワー・トラベリン・バンド / Anywhere』

FlowerTravelinBandAnywhere.jpg すげえジャケットだ(゚ω゚;)。「SATORI」の前年、日本のロック黎明期のバンドであるフラワー・トラべリン・バンドが日本で発表したデビューアルバムです。全曲、洋楽のカバー。マディ・ウォーターズ(とはいっても多分ブルース・プロジェクトの孫カバーだと思う)、ブラック・サバス、アニマルズ、キング・クリムゾンなんかの曲をやってます。ただ、それらをそのままカバーするんじゃなくって、けっこうリフに置き換えて構成してというか、サイケにグダグダに引き延ばしてというか、そんなふうに演奏してました。ギターのアドリブに頼る事がけっこう多いんですが、これがほとんどワンスケールでアドリブを取るのでジャムっぽくって、かといって要所に決めが作ってあるので…要するに、ロックをやろうと思っても教科書がない時代に、ジャズもクラシックも勉強してない人がそれをやろうとしたもんだから、音そのもののコピーとペンタトニックのアドリブしか方法がなかった、というアルバムなんじゃないかと(^^;)。でも、そんな状態で「21世紀の精神異常者」にチャレンジする根性がすごい!とってもアツいものが伝わるアルバムです。

 あとは「SATORI」の感想とほぼ同じ。アルバムジャケットに日の丸をあしらったりしてますが、そういう日本アピールとは裏腹にまんま洋楽コピーなので、今聴くとこの日の丸は「日本でもこれだけ出来るんですよ!」という意味にしか思えない(^ㇿ^;)、それってかなりカッコ悪い…。でも、当時は洋楽をリアルタイムで聴く事ですら難しい時代、演奏方法ですら手さぐりのすべて耳コピ、エレキギターやエレキベースを手に入れる事すら超ハードルの高い時代だったでしょうから、その中でこういうバンドが日本から出てきたのはすごい事だったんでしょうね。戦争に負けて文化まで焼かれてしまって1からやり直しの日本で、前の世代の人がたくさん死んで文化を引き継ぐことができず自分で何もかも学ばなくちゃいけない状況で、当時の若者の多くがなんでロックに惹かれたのかとか、そのなかでどんなふうにロックが学ばれたのかとか、日本のポピュラー音楽が形成されていく歴史を感じたアルバムでした。先駆者って、それだけでも評価に値すると思います(^^)。


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『フラワー・トラべリン・バンド / SATORI』

FlowerTravelinBand_Satori.jpg 黎明期の日本のロックの大名盤として名高い一枚です。もともとは内田裕也さんが在籍していた「フラワーズ」というバンドが母体で、裕也さん脱退後にジョー山中さんなどを加えて再出発した日本のロック黎明期のバンドが「Flower travelin' band」、これはその代表作と言われてる1枚っす。1971年発表のこのアルバムはアメリカのアトランティックと契約して北米で発売されたそうで、日本には逆輸入の形。北米でアピールするものとして、アルバムタイトルもジャケットデザインも東洋を押し出してますが、音楽は思いっきりアメリカのサイケ。歌も少なく、ほとんど雰囲気サイケといったかんじ。コード進行とかもあんまり考えなくてリフの組み合わせが中心というところは、ブラック・サバスっぽくもあります(^^)。サイケに興味津津だった子供のころ、「おお~怪しくってかっこいい」と思ったものでした。60年代のアメリカのガレージバンドやサイケバンドって、こういう感じのものもけっこうあるから、言われなければアメリカのバンドと言われても分からないかも。そういう意味で、これは「アメリカのサイケデリック・ロック」と言い切っちゃってよいんじゃないかと。

 日本のロックの名盤みたいに言われるアルバムですが、ぼくには日本的な要素をどこにも感じないので、これを「日本の~」と呼ぶのはどこか抵抗があったりして(^^;)。でも、アメリカ丸パクリという傾向じたいが70年代以降にジワジワと浸透した戦後日本の特徴なんでしょうね。戦後生まれの人が大人になり始めたころで、アメリカの文化統治戦略が成果を出し始めたころ。もしこのバンドと同世代だったら、演歌やムード歌謡やグループサウンズやフォークがあふれた日本のシーンで、英米のハードロックやサイケデリックをそのままやるだけでも相当にカッコいい事だったのかも。ロックを演奏出来るというだけでも大喝采、ましてサイケなんてカルチャーショックレベルだったのしれません。仏像っぽいジャケットデザインや「悟り」なんて言葉を使っていかにも日本かアジアを意識させてるのに、そんなの音のどこにもなくて「売る為なら意味なんて関係なしに何でもアリなのかよ」という部分までアメリカっぽいなあと思ったりして(^^;)。でもそれって世代ギャップなんでしょう、こういう先駆者がいなかったら英米の軽音楽の吸収は無かったはずだし、悪い面はあるものの良い面の方が圧倒的に大きかったんでしょうね。そんなわけで、今の時点でこのレコードを楽しむとしたら、黎明期の日本のロック云々じゃなくって、アメリカン・サイケそのものだと思った方が楽しめるかも。そう思えれば、いい米サイケデリック・ロックだと思います(^^)。



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『外道 / 拾得ライブ』

Gedo_Jittoku Live これも外道のライブ盤です。1975年、京都でのパフォーマンスです。相変わらず、斜に構えているというか、飄々としているというか、人を食ったようなというか、そういう所がいいですね~。MCのみならず詞も下ネタ率高し。「男じゃなくても立ってください」とか、ピー音が入るMCとか連発するし(^^;)。斜に構えたこのバンドらしいです(^^)。

 若いころは、熱血漢をあざ笑うかのようなこの斜に構えた感じが、お客さんを楽しませるためのエンターテインメントじゃなくって、ロックな感じがしました。自分たちでやりたいようにやるというか、ポーズでないロックだなあと。そのくせ、プレイはメッチャかっこいい!熱く激しい70年代の日本のロックバンドの中でもトップクラス。ストーンズみたいなものもあればブラックサバスっぽいのもあるし、ロックンロールもあります。なんでも出来ちゃう感じ。CDだと何となく聴いちゃいますが、これ、ライブハウスで見たらメッチャ燃える気がするなあ。
 でも、もし外道のファーストとどちらかだけを聴くとしたら、ファーストの方が音のキレや迫力が上かも。これは、プレイがどうこうじゃなくて、録音とか楽器のセッティングとかなのかも知れません。ファーストの方が、ドラムはキレッキレだし、ギターもギュインギュインいうんですよね。

 そして今回気づいたんですが、今はこのライブ盤に「完全版」なるものが出ているではありませんか!いや~、日本の黎明期のロックも、発掘が進んでるんですねえ。


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『外道』

gedo.jpg 1974年に発表された日本のロックバンド「外道」のファーストアルバム、ライブ盤です。矢沢永吉さんやジョニー大倉さんがいたキャロル、そして頭脳警察のデビューが1972年ですから、ようやく日本でコピーじゃないオリジナルのロックをやるバンドが出てきたころですね。その後、日本は海外の物真似ロックに戻ってしまうんですが(^^;)。。外道は、この黎明期の日本ロックのなかで、間違いなくすっごいバンドのひとつだと思います!
 まず、ギターの切れ味がヤバい!特にリフを刻むタイプの曲の切れ味がすごい。サウンドはハードロック、カッティングのキレはドクター・フィールグッドなみです。そして、ドラムがメッチャうまい。そして音楽は…ハードロックからロックンロールから、もうチャンポンです。MCや歌詞を聴くと、けっこう飄々としているというか、力みかえらずに人を食ったようなリラックスした感じが逆にカッコいい(^^)。フィフティーズっぽいバラードなんて、完全に洋楽をちゃかしてる感じ。ロックはロックなんですが、色々と当時の日本の文化風潮が音楽や詞に出ているというか、すでに洋楽のコピーバンドなんかじゃないですね。むっちゃ個性や主張があります。飼い慣らされてない感じ。
 欧米ロックで僕が最高に面白いと思うのは60年代後半から70年代前半ですが、日本のロックで面白いのは70年代前半の日本ロック黎明期。この時代は下手で軟弱だとばかり思っていたグループサウンズの中にもめっちゃカッコいいバンドがいくつもありますが(ゴールデンカップスとか、モップスとか)、さすがに外道はすごいです。間違いなく日本のロックの大名盤のひとつだと思います!


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アニメ『のだめカンタービレ』

NodameCantabile_DVD.jpg こちらは、テレビアニメ版の「のだめカンタービレ」です。これもメッチャ面白い!内容は原作のコミックにかなり忠実です。昔のアニメといったら、タイガーマスクにしてもデビルマンにしてもバビル2世にしても、原作とは似ても似つかないものもいっぱいありましたけどね(^^)。というわけで、内容そのものについては前回に書いた原作「のだめカンタービレ」の方を見てくれるとうれしいです。

 さて、アニメ版のなにが素晴らしいかというと、演出です。落ち込んだ時に、うしろにもやっとした黒いオーラが見えてゆらゆらしてたり、その時のBGMがホラー映画の女性ソプラノみたいだったり、とにかくこういう笑わせどころの演出センスが抜群にいいです(^^)。これは漫画でも実写でもできない芸当です。あくまで個人的な感想ですが、この辺の演出面での笑いのセンスって、今のテレビドラマよりもアニメの方が上なんじゃないでしょうか。って、テレビドラマもアニメもほとんど見てないで言ってますが(^^;)。

 僕は子供のころはアニメも特撮ヒーロー番組も浴びるほど見たんですが、中学生あたりからはほとんど見なくなってしまったので、批評なんて出来ないです。ただ単に、僕が見て面白かったかどうかしか言えません。ここ5年のうちに観たテレビアニメって、この「のだめカンタービレ」と「おそ松さん」だけなんですが、どちらも大人が見ても爆笑できるぐらいに笑いのセンスがいい(^^)。日本のアニメってすごいなあ。



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コミック『のだめカンタービレ』

NodameCantabile.jpg 指揮法の本の紹介が続きましたが、指揮について知りたければ、まずはこれ!「のだめカンタービレ」、クラシック音楽をテーマにしたラブコメディな漫画です!クラシックを題材にした漫画って、僕はこれしか知らないです。

 この漫画の魅力は、主人公の野田恵・通称「のだめ」のほんわかした天然キャラの魅力と、クラシックや音大の内情を描いた2点じゃないでしょうか。のだめは、先輩のエリート音大生・千秋にひと目ぼれして、マンションの隣の部屋に住んでいるのをいい事に、ずうずうしいぐらいにアプローチします。それで、先輩のシャツの匂いを嗅いだり(^^;)。まあ色々とこの天真爛漫で天然なキャラを活かしたギャグがあちこちに散りばめてありまして、これが最高に面白い!
 もうひとつの魅力は、音大やクラシックの内側の描写が秀逸な点です。専門性の高い分野って、外から見ているだけでは分からない事って、あるじゃないですか。僕は、テレビのドキュメンタリーなんかを見ていてそれを感じる時があります。どんな専門分野でもいいですが、「うわあ、こんなことまでやってるんだ」みたいなのってあるじゃないですか(^^)。それのクラシック版を漫画でやったのがこれです。音楽を好きな人って少なくないと思いますが、それでもクラシックをやってる人はそのうちの100分の1にも満たないんじゃないでしょうか。だから、オーケストラ団員の実情とか、オペラのリハの進め方とか、読んでいて「へえ~」って好奇心をくすぐられる事が多いと思います。あと、音大の内側、これが良く書けていて、決して荒唐無稽じゃないです。大学のランクにもよるけど、音大って、卒業まで行く人なら、平均点ぐらいの人でもロックやポップスのメジャーバンドよりうまいレベルです。サザ〇オ〇〇ス〇ーズみたいなバンドよりは、卒業どころか入学時点で確実にうまい人が大半です。でも、与えられた4年間の間で上達したりコンクール入選とかをバンバンしないと、卒業時点でクラシックの道は閉ざされてしまい、子供のころから目指していた旅はそこでオシマイ。その世界に残れるのは、本当ににわずかです。その実情が描かれていて、当事者だった僕には胸が痛い所もありました(ノ_・、)。

 作者はクラシックをほとんど知らないとの事でしたが、そうとは思えないほど良く出来ている漫画です。めちゃくちゃ取材に力を入れたんじゃないかな。漫画としても爆笑ものの面白さ、ついでにクラシックを知らない人には、この専門性の高いジャンルに入るに絶好の入門書にもなって2度お得の漫画じゃないでしょうか。おススメ!!


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書籍『指揮法』 マックス・ルードルフ著、大塚明訳

Sikihou_Rudorff.jpg というわけで、学校の授業で買った『指揮法教程』だけだと「フェルマータはどうやって振るんだ?」とか「パウゼ(休符で止める所や曲の最後で音を切る所)はどうやるんだ?」とか「左手はどうやって使うんだ?」とか、疑問点満載で不完全燃焼でした。そこで僕は、音大の図書館に直行、指揮法の本を片っぱしから見たのでした。そして、その中でいちばん分かりやすかったのがこれ、マックス・ルードルフという人の書いた指揮法の本です!これは『指揮法教程』の教科書でも推薦されていた本で、海外だと、かつてはこれが指揮法のバイブルだったらしい(今はどうか知りませんが…)です。

 まず、図が見やすいです。言葉だけの説明じゃなくって、指揮棒を振る軌道がぜんぶそのまま書いてある!独学にはこれほど助けになるものはなかったです(^^)。あと、「あとは各自でご自由に」と突き放す事がなく、細かいことも全部書いてあります。『指揮法教程』ではざっとっしか書かれてなかった疑問点の数々が、この本でぜんぶ解消されたのでした!スタッカートはどうするか、マルカートはどうするか、アインザッツ(キュー)はどう出すべきか、クレッシェンドとデクレッシェンドやアゴーギグの振り方、アウフタクトからの開始はどうするか、パウゼの止め方、フェルマータの指揮棒の軌道、変拍子の振り方…もう全部書いてありました、完璧です。古い本なので言葉づかいとかが分かりにくいんじゃないかと心配でしたが、全然大丈夫、むしろすごく分かりやすかったです。指揮法の教科書っていっぱい出てますが、指揮に関してはこの一冊さえ持ってればあとはなんにもいらないんじゃないでしょうか。ただし、370ページほどでそれなりの分量があるので、中学生ぐらいまでだとちょっと厳しいかも。でも高校生以上だったら問題なく読めると思います!日本で指揮を学ぶなら斉藤秀雄先生の『指揮法教程』は避けられないかも知れませんが、それで分からない所がいっぱい残る人はけっこういる筈。そういう人には、ぜひこの本を推薦したい!

 あ、あと…音楽之友社さんって素晴らしい本をたくさん出してますが、すぐに絶版にしちゃいますよね、これは残念。この本もメッチャすばらしいのに今は絶版、欲しい人は古本があるうちに買っておきましょう(^^)。


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書籍『指揮法教程(改定新版)』 斎藤秀雄

ShikihouKyoutei_saitou.jpg 指揮の教科書です。たぶん、日本で「指揮法」というと、まずはこの本なんじゃないかと思います。指揮法を学ぶと、それがナンチャッテでも、オーケストラの演奏を見たり聴いたりしながら指揮者ごっこが出来てメッチャクチャ楽しいです(^^)!

 僕は指揮者になりたかったわけじゃないんですが、いちおう指揮の授業も履修しました。大ホールでオーケストラを振るなんていう大それたものじゃなくって、合唱やブラスバンド部ぐらいは指揮できるようになれたらな、ぐらいの軽い気持ち(^^;)。本格的な指揮者志望の人はどうなのか分かりませんが、僕みたいなライトな人は、この本の著者の斎藤秀雄先生の指揮法をベースにしたものを教えられることが多いと思います。というのは、日本で指揮法を授業として最初にちゃんと教えてメソッド化した人が斎藤先生らしいので(^^)。あ、そうそう、斎藤秀雄先生というのは、東京フィルの指揮者やったり、桐朋学園の音楽クラスの設立に関わったりした人で、レジェンドらしいです(^^)。最近(2016年)出たアルテスパブリッシングの指揮法の本も、斉藤メソッドの流れにある指揮法なんじゃないかと。というわけで、「ちょっと指揮の勉強してみたいな」という人は、最初に手にするべき本はこれなんじゃないかと(^^)。

 ただ…物わかりの悪い僕には、ふたつ不満がありました。
 ひとつは、指揮棒の運動が分かりにくい事です。指揮って運動じゃないですか。これを文章で書かれても分かりにくい、もう少し気の利いた図を入れて欲しかった。。この本の図って、他の指揮に関する本に比べても、わかりやすい方じゃないと思います。たとえば「撥ね上げ」とか「先入」とか「ひっかけ」というタクト捌きなんか、もしこの本だけで学ぼうと思ったら、ここに書かれている文章と図だけでどういう運動なのかを理解するのは至難の技なんじゃないかなあ…。
 もうひとつは、ちゃんとぜんぶ書いてない事です。初心者向けの本でも、いちおう指揮が出来るところまでは全部書いてないとダメだと思うんですよね。上級者テクニックとかは書かなくていいけど(というか、この本にはたぶん書かれてないです)、いちおう1曲通して問題なく指揮できる、ぐらいまでは書いて欲しかったです。。たとえば、指揮を始める最初って、アウフタクトでなければ4拍目から振りはじめると思うんですが、それって最初の一振りはどうやって始めればいいの?というのが、「一拍前から振る」みたいにひと言書かれてるだけで、その軌道が書かれてないです(+_+;)。。あと、左手の使い方とかも、さいごに「附記」としてちょっと書いてあるだけ。つまり、せっかくこの本をひと通りやっても最初の出始めのタクトの振り方の時点で戸惑ってしまう、ディミネンドの左手で戸惑ってしまう…などなど、学生の合唱の指揮ですら満足に指揮できない可能性があるんじゃないかと。う~ん、僕の理解が浅いだけなのかなあ…。

 というわけで、かゆい所に手が届く本とは言えないとは思いますが、弱点があろうがなかろうが指揮を学びたければ何はともあれこの本から!ああ、あと、独学の人のために、この本の補助としてDVDも出てるみたいです。DVDの方はボクは見てないんですが、たしかにタクト捌きに関しては映像で見ればものすごく分かりやすいんでしょうね(^^)。


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『Arthur Lyman / Polynesia』

Arthur Lyman Polynesia マーティン・デニーレス・バクスターほど有名じゃないですが、アーサー・ライマンもエキゾティカで有名な人です。このアルバムは1965年発表という事で、代表選手二人が作った名盤より10年以上あとですね。そして、僕が一番好きなエキゾティカのアルバムがこれなのです(^^)。
 デニーやバクスターのエキゾティカが、あくまでムードミュージックというかBGMというかイージーリスニングなのに比べると、アーサー・ライマンのこのアルバムはもう少し内省的で通り一遍な感じがしません。ピアノあたりの演奏もエスプレシーヴォですしね(^^)。1曲目のジョン・コルトレーンの「Afro Blue」の入りが、なんかアフリカのバレルドラムみたいな音が静かにドコドコ鳴って、なんとなく派手な色の感じがする鳥の鳴き声みたいなのが聴こえて、それでヴィブラフォンがゆっくりあのテーマを奏で始めます。テーマが終わるとコンガボンゴのアンサンブルが静かになって、次はピアノがあのテーマ…いやあ、すっごくムーディーです、これはいい!あと、けっこう色んな世界の音楽を拾ってます。2曲目は「One Night In Tokyo」なんてタイトルですが、リコーダーとクラシックギターで短調の曲。これは子守歌と古賀メロディのイメージなんでしょうね…。4曲目にトリオ・ロス・パンチョスの「マラゲーニャ」が飛び出してきた時には、エキゾティカでメキシコ音楽取りあげるのか?!って、ちょっと驚いちゃいましたが、でもそういえばメキシコのある時代の音楽って、ちょっと哀愁ありますよね。というわけで、ちょっと哀愁ある感じで、世界の色んな所のムードだけを音楽で伝える感じ。それが深すぎず浅すぎずで、ちょうどいいぐらいの塩梅です。エキゾティカをまとめて聴いたのなんていつぶりだろう…久々に聴いたら気持ちよかったです!


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『Les Baxter / Jungle Jazz』

Les Baxter Jungle Jazz エキゾティカを代表するミュージシャンとして有名になったレス・バクスターの1959年のアルバムです。エキゾティカの有名アルバム『Ritual Of The Savage』がムードミュージックに徹しているのに対して、こっちは…やっぱりムードミュージックに徹してます( ´∀`)。ただ、バクスターさんはサックスのアドリブを随所に挟んでいて、さすがスイング時代を生き抜いてきたジャズミュージシャンといった感じ、とってもうまい。そういう意味でいうと、ちょっとムードミュージック的な味付けをしたスイング・ジャズっぽくもあります。バンドの中にラテン・パーカッションが入ったジャズって、50年代ごろは結構ありましたよね。ラテン・ジャズ・クインテットとか、ガボール・ザボとか。ああいうテイストがあります。

 アルバム・タイトルにもなっている「ジャングル」ですが、きっと北米に住んでいる人が考える南米のジャングルのイメージなんでしょうね。エキゾティカの音楽って、現地の音楽の要素を本格的に取り込んだものじゃなくって、鳥の声とか現地の楽器を使った位なもので、あとはアメリカ人が考える一方的なイメージという感じ。ちょっと打楽器がドンドコいってればジャングル、みたいな(^^;)。あ、あと、ジャングルといっても激しかったり泥くさかったりは決してしないです、あくまで心地いいです。でも、そういう漠然としたイメージが、「当時のアメリカのテレビや映画が捉えた異文化世界のイメージ」というものがどういうものだったのかを想像させられて、すごく楽しかったです!これが聴かれた当時は、世界旅行なんて夢のまた夢だったんでしょうし、これが異国旅行の代用品というか、音楽を通して気分だけ世界旅行する…みたいなツールだったのかも。子供のころに世界の図鑑を見て胸ときめかした、あの感覚に似ていました(^^)。


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『Les Baxter / Ritual Of The Savage』

Les Baxter Ritual Of The Savage マーティン・デニーと並ぶエキゾティカを代表するミュージシャンです。マーティン・デニーの作ったアルバム『EXOTICA』より5年早くこのアルバムを作っているので、レス・バクスターの方が少し早かったのかな?『EXOTICA』の1曲目に収録されていた「Quiet Village」の作曲者はレス・バクスターで、オリジナルはこのアルバムに入ってます。

 これもやっぱりオリエンタルな色がちょっと入ってるラウンジ・ミュージックというムードの音楽。ラテン・パーカションは入ってるし、民族楽器っぽい音も飛び出したり、ちょっと中国っぽい旋法が使われたり、あと当時のムード・ミュージックには欠かせないハープのアルペジオが入ってたり(^^)。マーティン・デニーとの違いは、マーティン・デニーがクラシックやってた人って感じがするのに対して、こっちはジャズやってた人って感じがするところでしょうか。でもあくまでムード音楽に徹しているというか、誰かのアドリブソロとかは、まったく出てきません。50年代のアメリカのテレビドラマのBGMみたいな匂いです。ぼく、古いアメリカの映画やテレビドラマのBGMって好きなんですよね(^^)。あ、あと、こういうジャケットの雰囲気って、「ドラキュラ」とか「フランケンシュタイン」みたいな昔の怪奇映画って、こういう絵じゃなかったですか?なんか、レトロでいいなあ(^^)。


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『Martin Denny / Exotica』

MartinDenny_exotica.jpg ああ駄目だ、今やってる仕事が繊細すぎて今にも壊れてしまいそうだ、ストレスで狂っちゃいそうだ、今の俺に必要なのは癒しだリラクゼーションだ…そうだ、イージーリスニングを聴こう!マーティン・デニーはエキゾティカの代表的なミュージシャンです。エキゾティカというのは、ハワイとかオセアニアの楽園的なムードで作った、ある種印象派的でもイージーリスニング的でもあるインスト西洋ポップス。古い映画音楽っぽくもあります。エキゾティカに数えられる人は、ほかにレス・バクスターなんかがいます。

 これはエキゾティカの走りになったアルバムで、その名も「エキゾティカ」、1956年発表です。鳥や野生の動物の声を模したヴォイスに、ピアノとヴィブラフォンがラウンジ・ミュージックのような演奏をして、そこにラテン系の打楽器や東南アジアの竹の楽器みたいな音も加わって、西洋人が思い浮かべそうなオセアニアの楽園的なムードが醸し出されます。とはいっても、音楽そのものは思いっきり西洋の機能和声音楽なんですけどね(^^)。鳥の形態摸写とかでムードを出そうという所が、実際に異文化のムードを音楽に消化したドビュッシーラヴェルとの違いかも。ちょっとお手軽です。でも、ムードがすごく伝わって、僕的には、50年代の欧米の人が、エキゾチックな楽園をどういうイメージでとらえていたのかというのを知るひとつのサンプルとして楽しめました。ハワイとかに行くと、実際に外国人向けの音楽ってこんな感じで作ってありますしね(^^)。ただ、このレコードには弱点がありまして…せっかく気分転換できるのに、古いレコードなもんだからあっという間に終わっちゃう(゚ω゚*)。


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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