第11位デケデケデケデケ(ドラムロールの音)… 『Jeff Beck / There and Back』 やっぱりジェフ・ベックの演奏するロック寄りのフュージョンはカッコいい!!このアルバムは昔からそうとうに気に入っていまして、1年のうちに何回かは聴くんですが、今年やっとブログに書くことが出来た感じでした(^^)。ジェフ・ベックのギターはもちろん、リズム隊の作るグルーブが気持ちいい!曲がカッコいい!ロック、いいなあ。
第8位 『Count Basie / The Basie Big Band』 昔からジャズのモダン・ビッグバンドの名盤として知られている1枚ですが、真剣に聴いたのは今年が初めて。そして、僕のカウント・ベイシー像を思いっきり覆されました。スイング期のビッグバンド・ジャズの印象なんて吹き飛びました。超モダン、アレンジが強烈にカッコいい!PABLOのビッグ・バンドのレコードでは、エリントンのものでやっぱり超モダンなものがあるんですが、それもいつか紹介したいです(^^)。
第6位 『Johnny Winter / Nothin' But The Blues』 これは強烈、ホワイト・ブルースなんて言われる音楽がありますが、これはその中でも1・2を争う大名演だと思います。って、バックバンドは思いっきりマディ・ウォーターズのバンドなので、これをホワイト・ブルースと呼んでいいのかは分かりませんが。ジョニー・ウインターのギター演奏がいちばんすごいアルバムも、これかファースト『Johnny Winter』のどちらかじゃないかと。いや、こっちの方が上だな(^^)。
第5位 『Paul Desmond Quartet / East of the Sun』 ジャズの室内楽アンサンブルの鳥肌ものの快感を味わえるアルバムです!ポール・デスモンド個人というより、デスモンド(sax)、ジム・ホール(gtr)、パーシー・ヒース(bass)、コニー・ケイ(dr) のアンサンブルが素晴らしい!!ジム・ホールとコニー・ケイの鈴が鳴っているような美しいサウンドは、ウエスト・コースト・ジャズならではだと思います。そして、とても知的で大人な音楽です。
第4位 『Mississippi John Hurt / The Immortal』 思いっきりレイドバックしたアコースティック・ブルースです。ブルースというより、限りなく合衆国のフォークに近い感じです。もう、この気持ちよさに思いっきりやられてしまいました。「癒し」なんて言葉がありますが、なまじっかな事では癒されない僕が、心の底からため息をついて、全身から力が抜けてしまいました(o´ω`o)。ミシシッピ・ジョン・ハートの有名作は他にありますが、僕はこれがいちばん好きです(^^)。
番外編:今年読んだ本のベスト2 『音楽の原理』 『チャーリー・パーカーの技法』 今年は音楽に関する本をたくさん読んだ1年でした。その中で、強烈に印象に残る本が2冊ありました。『音楽の原理』は、音楽の神秘が解かれていく瞬間を味わわされるような、読んでいて鳥肌が止まらない本でした。むずかしい本ですが、音楽好きなら必読! 『チャーリー・パーカーの技法』は、ジャズの演奏者以外には不要な本かも知れませんが、逆にいうとジャズ演奏者ならプロアマ問わず必読!relative Major とか、よくぞここまで調べ上げて法則を見つけてくれたと心から感じた、素晴らしい研究書だと思います。アマでもプロでも、ジャズを演奏したいという人がこういう本を買うのを控えているようではダメですね(^^)。 そしてこれらの素晴らしい音楽書、どちらも著者が日本人、そしてどちらも音楽の研究者じゃなくて民間のミュージシャンというのがすごい。町工場の職人にしてもなんにしても、日本の民間って優秀、むしろアカデミックな方面が日和ってて駄目だなあと思ったりして(^^)。
第3位 『Nina Simone / I put a spell on you』 いよいよベスト3!ちょっと画像を大きくしてみたりして(〃´・ω・`)ゞ。ニーナ・シモンは、ジャズであってジャズでなく、ソウルであってソウルでなく、ゴスペルであってゴスペルでない…みたいな感じの人なので、どのジャンルのトップにみなされる事もなく割を食っていると思うのですが、こんなに心を打つ歌って、なかなか出会えないです。全身に電撃が走るような感動、有名なソウルシンガーで歌がうまいと思う人はいっぱいいますが、ソウル・シンガーにここまで心を打たれちゃったのは、僕は人生初かも。
第2位 『George Russell Sextet / at Beethoven Hall』 芸術的なジャズです。表現に逃げたり、理論ガチガチだったり、超絶的な演奏が売りだったりというバランスの悪さはなく、これらのバランスが絶妙で、しかもすごい高い所に音楽が成立していると思ってしまいました。ニーナ・シモンは「魂を打たれた」という感じだったんですが、こっちは「芸術的感動にひれ伏した」という感じ。しかもこれがライブ演奏だって、いったいどういう事なんでしょうか。昔から名盤としてほまれ高い1枚ですが、これはジャズの歴史の中でも際立った1枚。
不倫ソングで、僕が涙が堪えられなくなってしまうものを、もうひとつ。久保田利伸さんの「missing」という曲です。何かのテレビ番組のタイアップ曲になっていた記憶があるので、知っている人も多いのでは?CDだと、久保田さんのデビューアルバム「SHAKE IT PARADISE」に入ってます。 郷ひろみさんの「逢いたくてしかたない」と同じように、ザ・歌謡曲という感じの曲なんですが、詞がヤバいです。作詞作曲は、久保田さん本人。
デビュー当時はアヴァンギャルドなロックンロールバンドという感じだったマザーズは、どんどん色んな音楽をチャンポンしてより得体のしれないものになっていきましたが、このアルバムまで来るとバンドが相当にうまくなってます。ここまで出来るなら難しい曲もやりたくなるだろうし、ブラスセクション持ってるんだから凝ったビッグバンドアレンジもしてみたかったのかも。そういう意味で、ブラス・ロックっぽくて、色んな音楽をくっつけてどんどん展開する曲を書きあげてます。1曲目「Grand Wazoo」なんかその典型で、13分近い曲は簡単なコーラス形式じゃなくてガンガン展開するしリズムも変わるしトゥッティもバシバシ入るわで、演奏がかなり大変そうですが、しかし見事に演奏してます。これ、ミュージシャンは大変&楽しかっただろうな。。 そんなわけで合わせ重視のアレンジ物の曲が続きますが、アルバム後半になるとアドリブ重視のプレイを聴かせる曲が連発。4曲目「Eat That Question」は、バンドがメッチャクチャうまいです、ものすごい疾走感の演奏、ザッパのギターソロもドラムのグルーブもとんでもなくカッコいい!!そしてラストナンバー「Blessed Relief」、これはもう上質なミドルナンバーのフュージョン。その辺のフュージョンバンドよりうまいんじゃなかろうか、しかもメッチャいい曲です。
これだけ書くととんでもなくすごい作品に聴こえちゃうかもしれませんが、なんせマザーズ、要所要所にパロディが入るので、どこかで肩透かしを食う(^^;)。まあ、そこがザッパの音楽らしいって言えばらしいけど。僕はマザーズだとマジメに硬派な『Weasels Ripped My Flesh』とか『Uncle Meat』とかが好きですが、おふざけ部分は置いといて、アヴァンギャルド色は控えめの正攻法で作り上げた完成度の高いアルバム、ジャズ路線ではザッパの代表作のひとつに入る入念に作り込まれた力作だと思います!!いや~、ザッパってやっぱりすごいな、聴いていて引き込まれちゃいます。
フランク・ザッパがデビューしてからしばらく続けたマザーズ・オブ・インベンションというバンドが、うまいんだか下手なんだかわからない感じで、ロックでポップでアヴァンギャルドで気持ち悪くて素敵ですが(^^)、マザーズを離れたザッパのソロは、やっぱりキモチ悪いのは変わってないんですが、このへんからのザッパは確実にうまいです。ロックンロールもソウルもフュージョンもなんでもゴッチャ混ぜの闇ナベ状態で、ロックオペラ的でもあったり、言葉ではちょっと表現しきれません。躁状態で明るく病んでる感じといえばいいのかな?この『ワカ・ワジャカ』もグッチャグチャですが、比較的ジャズ/フュージョンに近いです。1972年発表で、あの名盤「HOT RATS」の続編として作られたみたいです。ディープ・パープルの「Somoke on the Water」の中で歌われている「フランク・ザッパ&マザーズのライブで対岸が火事でスモークオンザウォーター、火が空に!」と言っているのは、このアルバム発表直前のザッパのライブのことで、これでザッパは負傷して、こういうスタジオ制作志向のアルバム制作になったんだそうです。