
ラフマニノフのピアノ作品を全集で揃えるとしたら、やっぱりアシュケナージ演奏のものでしょう。その決定作がこれ!ピアノ独奏曲だけじゃなく、2台ピアノ、ピアノ協奏曲、そしてパガニーニの主題によるラプソディ、交響的舞曲の2台ピアノ盤などもすべて収録されてます。
普通の全集だとひとつの曲にひとつの演奏とするものですが、この全集はアシュケナージ演奏でデッカからリリースされたものはダブっていてもほぼ全部収録しています。唯一入ってないのが少し前に書いたプレヴィン指揮ロンドン響による4つのピアノ協奏曲とパガニーニの主題によるラプソディの5曲なんですが、この5曲だけ別途買い集めれば、アシュケナージが人生で心血を注いだ入魂のラフマニノフ・ワークスがコンプリート出来るわけです(^^)。プレヴィン指揮のものを持っている僕としては、ダブらなくてすんで大ラッキー(^^)。そしてやっぱりラフマニノフのピアノ協奏曲2番は素晴らしい…
プレヴィン指揮アシュケナージピアノ版はさすがに絶品ですが、こちらに収録されているハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団アシュケナージpf もメッチャ素晴らしいです。いやあ、ため息出ちゃうなあ…
ピアノ協奏曲に関していうと、趣味じゃなくてリファレンスにするとか、スコアを研究したいとかなら、音がちょっとにじんでダイナミックレンジが狭いプレヴィン指揮盤よりも、新しい録音のハイティンク指揮盤は、それぞれの音が聴こえやすくていいです。また、他のピアノ曲も、ラフマニノフを演奏する時のアシュケナージは違いますね、楽譜の読み込みも演奏の練度もぜんぜん違う感じがします。ただ、これを買った僕の感想は…このボックスの良しあし以前に、僕はそこまでラフマニノフを好きなわけじゃないんだなと思ってしまいました。保守すぎて刺激的でないという事と、常に抒情に走るところが流行作曲家のようでね(^^;)。物語の進行もマーラーのようにくどいというかしつこいというか…だから、ピアノコンチェルト2番とか、たった1曲だけ甘ったるいロマン主義音楽に浸りたい時はいいんですが、連続で聴くとケーキを連続で10個食わされてるような気分になっちゃいました(゚ω゚*)。
ラフマニノフって、ミュージシャンズミュージシャンというより、大衆に支持され続けて生き残ってきた作曲家なんでしょうね。そういうラフマニノフ好きな人たちにとって、CD11枚組のこれは家宝レベルの素晴らしいボックスではないかと。
ラフマニノフや後期ロマン派音楽が好きの方は、自分へのご褒美としてぜひ!
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