僕がこのコンピレーションを買った理由が3つありまして、ひとつは1曲目に入っている「Hear My Train Comin’」の12弦ギターでのアコースティック演奏。これ、有名な演奏なので聴いた事がある人も多いと思うんですが、これが欲しかった。この演奏はジミヘンの映画で、ディレクターの要望に応えてバックステージでサラッと弾いたもの。そういうわけで映像も残ってるんですが、若い頃にこれを見てぶったまげたのでした。はじめてこの映像を見た頃の僕はまだ中学生、戦前ブルースもクラシック・ギターも未体験の頃で、モノトニックベースみたいにバスラインと和音とメロディを同時に演奏してしまうギター演奏を聴いた事が無かったんです。これが衝撃で、「うわ、これはすげえ…」とぶったまげてしまったのです。テクニック的な意味だけで言えば、僕がいちばんすごいと思ってるジミヘンの演奏は、この「Hear My Train Comin'」のアコギ独奏と「Radio One」というラジオ番組でジミヘンが演奏した「Killing Floor」の2つです。ジミヘンを語るなら、ぜひこの2つを聴いてからにしてほしいというほどの快演です…って、どちらも正規盤には入ってないんですよね(^^;)。