ジミヘンはアメリカのミュージシャンですが、ブレイクしたのはイギリス。イギリスでは受けまくり、ラジオ局にファンのリクエストも殺到してラジオ出演が相当に多かったみたいです。このCDはジミヘンがBBCのラジオ番組に出演した時の音源集です。このCDに収録された番組は「Saturday Club」「Top Gear」「Alexis Corner’s Rhythm & Blues Show」の3つ。クリームのBBC出演CDみたいにナレーションが残っている事も音が劣悪という事もなく、スタジオ盤と同等かそれ以上の音質!いや~こんなに音がいいんだ。。
驚きはその演奏。作曲してすぐ録音のスタジオ盤と違ってライブで演奏しまくってこなれたのか、演奏がめっちゃ体についてて、キレと勢いがすごい!!オーバーダビングもないので、本当にギター1本で弾き切ってます。また、ライブだと延々とアドリブしちゃったりするところが、曲を3分ぐらいで一気にまとめてしまうので、グダグダになる事が無い!モンタレー・ポップ・フェスティバルのオープニングで演奏して、そのすごすぎるギタープレイで「ロックギターの神様」扱いされるきっかけになった「Killing Floor」も演奏してますが、はっきり言ってこっちの演奏の方がすごい、なんだこのグルーブは…。ギタープレイのテクニックだけで言えば、僕はジミヘンの残された音源の中では、このCDに入っている「Killing Floor」と、ジミヘンの映画で演奏していた12弦アコギ弾き語りの「Hear My Train Comin’」の2曲が、いちばんすごい演奏だと思ってます。他にも、正規盤には入っていないインスト曲「Drivin’ South」のとんでもなくドライヴする演奏、ビートルズをファズで歪ませまくってリードもサイドも同時に演奏する「Day Tripper」などなど、つまらない演奏なんてひとつもなし、強烈なパフォーマンスです。
ジミヘンって作詞とか作曲とかギター演奏とか暴発するテンションとか、色んな所がすごいですが、ロック/ポップス系の2~3分の曲をキレッキレに演奏する時のカッコよさはヤバいです。短い曲をとんでもないプレイで弾き切る時のすごさを見せるジミヘンを聴くなら、僕的にはデビュー前のカーティス・ナイトのバンドでの演奏と、このBBC出演時の演奏が絶対のオススメ。正規盤じゃないなんて敬遠してはいけません、「Bold As Love」とか「Cry Of Love」みたいなレコーディングスタジオ録音のオリジナル・アルバムより、一発録りで疾走するこっちの方が絶対にオススメです!!