
ドイツ真正サイケデリアのアモン・デュールⅡ、
強烈なファーストの翌1970年に出されたセカンド・アルバムです。この芝居がかったジャケット、さすがは演劇も含んだコミューンだけあります。あざとくもガキっぽくも見えますが、若い頃は期待させるものの方が強かった!僕はCDを持ってるんですが、LPの時代は2枚組だったらしく、1枚目が作曲作、2枚目が即興演奏。とはいっても、作曲の方もリズムやコード進行の簡単なフレームが作ってある程度で、かなりセッションっぽかったです。
まず、スタジオ録音の方。1曲目は4曲のメドレーで、ABCDAという変則ロンド。始まった瞬間は「大丈夫か、アメリカのヒッピーバンドなみに下手くそだぞ」と心配になりました(^^;)。でも、ギターソロのパートで同主調転調して暗くヤバくなっていき、そしてアコースティックで悪魔的に妖しい曲にクロスフェードで繋がります。もう、こうなってからは完全に飲み込まれてしまいました、
バッドトリップ方向のサイケデリック感満載、すっげえカッコいい!! このうまくはないけどやたらにカッコいい感覚はその後も同じ。2曲目はツーコードの反復をしている前で、ヴァイオリンで中東風の音階のアドリブがひたすら続きます。4曲目「Cerberus」のアコースティック・ギター3本のDマイナー一発のインプロヴィゼーションも、アフロキューバンみたいでカッコいい。
技術じゃなくて作曲のセンスが抜群にいいです。音楽の大事なところが分かってる感じ、安易に単純な歌謡形式を使ったりなんて絶対にしません。めっちゃクリエイティブです。やっぱりサイケデリック・ロックはドイツが一番カッコいいなあ。
インプロヴィゼーションも面白かった!基本的にワンコードなんですが、ブリッジを作る、リズムフィギュアを変えるなど、曲を構成する技術があって、起承転結を見事に作るので、グダグダのジャムセッションになりません。そして、基本的に曲想に対する意識が高くてただ単に音がつながるのではなく、曲全体のカラーが明快かつワンパターンにしないので(たいがいダークサイドな曲想なんですけどね^^;)、オリジナリティ強く感じます。この辺が
グレイトフル・デッドあたりのアメリカン・サイケとの差かな?
作曲サイドと即興サイドのどちらにも共通するのが、
ヤバさ、緊張感、不穏なイメージ、ほの暗い熱さ…要するにサイケデリックのどツボを突いたような抜群のセンスです。こういうのを聴いちゃうと、音楽ってまずはセンスが重要なんだなあと痛感します。
若いころは、アモン・デュールはⅠに限ると思ってましたが、アモン・デュールⅡのファーストもセカンドもめっちゃカッコよくて悶絶してしまいました。下手だと思って途中で聴くのをやめてはいけない、10分後には独特の音楽世界に引き込まれること間違いなし、最高のサイケデリック・ロックでした。超おススメ!
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