まず、曲。曲としてまがりなりにもきちんと手を入れてあったのは「Let it grow」だけでした。この曲はいいのになあ。でも、あとは転調もバスラインも作ってないに等しい状態、楽器間アンサンブルなんて本当に何もしてません。こういうものを作曲と呼んでいいのか。まあでも、クラプトンは本来セッションギタリストなのだとしたら、作曲をやらせる事自体が間違ってるのかも。
バンドの演奏。このアルバム、ドラムとエレキベースって必要なんだろうかと思ってしまいました。ゆったりしたスライドギターの聴ける2曲目の「Give me strength」なんて、バンドアレンジ次第でここから10倍は良いものに出来そうですが、ドラムがアンサンブル関係なくインテンポでバタバタ叩いてるから、スライドギターの微妙なニュアンスも、音楽のゆったりしたアゴーギクも、ぜーんぶかき消されて台無し。共演者の良さを消して回るようなドラムなら、いない方がいいんじゃないかなあ。「Let it grow」もすごくいい曲だと思うのに、ドラムが「ズンズンダッ」…ほんと、ロックのドラマーって周りの音を聴いてない人が多くて嫌になります。ジャズやクラシックのアンサンブルにこんなのいたら、即日クビじゃないかと。