クラプトンのいい加減な作りのスタジオ録音アルバムの失敗体験が続き、そのくせブルースブレイカーズや『E.C. WAS HERE』なんかのブルース系のクラプトンのライブ演奏はみんなよかったものだから、若いころの僕は「ブルース系のライブ音源以外のクラプトンには気をつけろ!」となったのでした(゚∀゚*)エヘヘ。でも、かんじんなクラプトンのブルース系のアルバムって、そんなに多くないんですよね。ジャズやブルースのアルバムってヒットしても1万枚が関の山ですが、ロックやポップスは100万枚レベルですからね、商売第一のレコード会社がなかなか作らせてくれないという事情でもあるんじゃないかと(゚ω゚*)。
たぶん大きな会場なんでしょう、アコースティック・ギターの演奏でエレアコを使ってるもんだから、低音がなくってペッチペチの音(^^;)。でも不満点は本当にそこだけで、あとは何もかも完ぺき!スライドギターを使ったボトルネックの戦前ブルースな演奏とか、オープンチューニングでモノトニック・ベースとコードと旋律を同時演奏するロバート・ジョンソンの「Malted Milk」のアコースティック・ブルースの演奏とか、神技レベルの演奏の連続です!!しかも歌いながらこれを演奏するって信じられない。そして1枚目の11曲目「It Hurt Me Too」みたいなエレキギターのスローブルースになると、6度や9度を多用して、Tボーンウォーカーじゃないかというほどのモダン・サウンド。ブルースって、コードこそ単純ですが、もともとの戦前ブルースはひとり多重奏の超絶技巧のオンパレードだし、ギターアレンジが凄まじいんですよね。だから、印象だけで聞き流してると「古くさくて単調な曲だな」と思ってしまいがちですが、いざプレイを真剣に聴くと達人技のオンパレードだったりします。でも、バンドブルースになったあたりで、アコースティック・ブルースのこの神技はロスト・テクノロジー化して歴史に埋もれてしまいました。…かと思いきや、こんな凄い演奏をする人が今もいるんだから、技術はかろうじて受け継がれたのでしょう。表に出てこないだけで、こういう演奏を出来ちゃうブルース・ギタリストって、今もそれなりにいるんでしょうね。スティービー・レイ・ヴォーンも凄かったし、ジミヘンのアコギでの「here my train comin’」もすごかったしな(^^)。
ドラムがスティーブ・ガッドだとか、ひそかにブルースハープの人が馬鹿テクだとか、えらくリラックスした曲ですらギターが実は神技連発、聴けば聴くほど発見があっていい所ばかり聴こえてくる素晴らしいアルバム!ブートレグではありますが「E.C. WAS HERE」と並ぶクラプトン流モダン・ブルースの大傑作と思います!!
Disc 1 1 MOTHERLESS CHILD 2 MALTED MILK 3 FROM FOUR UNTIL LATE 4 HOW LONG BLUES 5 KIDMEN BLUES 6 CUT YOUR HEAD 7 44 8 BLUES ALL DAY LONG 9 STANDIN' AROUND CRYING 10 HOOCHIE COOCHIE MAN 11 IT HURTS ME TOO 12 BLUES BEFORE SUNRISE 13 THIRD DEGREE 14 RECONSIDER BABY 15 SINNER'S PRAYER
Disc 2 1 EVERYDAY I HAD THE BLUES 2 EARLY IN THE MORNING 3 BEFORE YOU ACCUSE ME 4 SOMEDAY AFTER A WHILE 5 I'M TORE DOWN 6 HAVE YOU EVER LOVED A WOMAN 7 GOT MY MOJO WORKING 8 FIVE LONG YEARS 9 CROSSROADS 10 AIN'T NOBODY BUSINESS