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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『シリアのマカーム The Syrian Maqams』

The Syrian Maqams どれだけシリア好きなんでしょうか、僕は(^^;)。このへんの地域は、文化が国境で分断されているとは限らないので、音楽を国別に区分けする事にそれほど意味があるとは思えませんが、それでもあえて区別すると、僕は西アジアの音楽ではイランの次にシリアが好きかも。これは、民族音楽の老舗レーベルargoから出た1枚。1998年にポリグラムが日本盤を発売した事もあり、僕はその時に買いました。貧乏でしたが、小遣いの続く限り買いましたね(^^)。ああ、あの頃は本当にワクワクしながら音楽を聴いてたなあ。自分がまったく知らない種類の音楽に触れる事に、本当にワクワクしてました。まるで、未知の惑星に足を踏み込むような感覚でした。録音は1955年と60年で、ダマスカスの現地録音。

 ここに入ってるマカーム(アラビアの古典音楽で使われる音楽理論体系)を使っての音楽は、かなり素朴なものでした。ナーイ(尺八のような音がする縦笛)やヴァイオリンの独奏でのタクシーム(マカームの前に演奏される即興的な前奏)とか、けっこう素朴です。マカームやダストガー(イランのマカーム)って、まるで協奏曲のように長大なものもあるんですが、このCDに入っているものは、あくまでシンプル。マカームって、マグリブ地方(北アフリカに続くアラビア文化圏諸国)のものは主題がけっこう短いですが、シリアとかイラクやイランのものって長大なものが多いと思ってたんですが、これは比較的コンパクト。本当は長い演奏の、タクシームの部分だけ切り取って収録してたりもするのかも知れませんが(^^)。

 今回取り上げた3枚のCDの中では、現地録音で録音もいちばん古いので、音はいちばん悪いです。でも、それが悪いと感じるかというとまったく関係なし、生々しさが伝わってきて、妙に感激してしまいました。聴いているだけで、熱い日光と砂だらけの土地の空気感が伝わってくるようなんです。100年前も1000年前も、この土地ではずっとこういう音楽が鳴っていたんじゃないかと思ってしまいました。まるでタイムトラベルしたみたい、素晴らしかったです!


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『シリアの宗教音楽 Syrie: Muezzins d’Alep Chants religieux de Islam』

Syrie Muezzins d’Alep Chants religieux de Islam もうひとつ、シリアの音楽の紹介を。これは、シリアの色々な音楽ではなくて、アレッポのイスラム宗教音楽です。1975年録音で、原盤はOCORA。シリアの首都はダマスカスですが、シリア最大の都市はトルコ国境近くにあるアレッポ。このCDの表紙になってるように、旧市街は巨大な城塞都市になってるみたいです。シリアはシーア派(現政権)もスンニー派(国民の多数派)もいるイスラム国ですが、スンニー派とシーア派で宗教音楽に差があるのか、僕には分かりません。ただ、1日5回の礼拝は同じだし、その時にアザーンによる呼びかけがある事も同じなので、地域差程度の差ぐらいなのかも。

 シリアでは、ムエッズィンという公務員の役職があって(このCDのタイトルにもなってます)、その役職は1日5回のアザーン(1日5回の礼拝への呼びかけ)を朗誦する事だそうです。。一方、シリアの宗教音楽には膨大なナシード(聖歌)があって、これを朗誦するのがムンシドという人々。さらに、コーランの朗誦を行なうのがカリ。ムエッズィンがムンシドになったり、ムンシドがムエッズィンになったりする事はよくあるらしいのですが、カリはかなりレベルの高い音楽家で、なんといってもコーランとその歌を暗譜しないといけないので、修行も厳しいのだとか。このCDでは、アブダル・ラウーフ・ハッラクがカリです。

 さて、このCDに入ってるのは、アザーンがひとつ、カシダト(朗誦)サワラート(祈願)ムーワッシャハ(聖歌)の連続コンボがふたつ、単独のムーワッシャハがひとつ、そして最後にドゥアー(祈願)が入っています。アザーンはひとつ前に紹介したキングのCDにも入ってましたが、注目はカシダト~サワラート~ムーワッシャハの連続コンボを聴くことのできる2曲じゃないかと。最初は独唱で、独特の歌い回しをしながら預言者の物語を語り、それに続く祈祷で同じ言葉が何度も繰り返され、最後の聖歌では打楽器が入って一転してインテンポになっての斉唱(部分的にコール&レスポンスのような形)になります。3つは切れ目なくつながるのですが、これが見事!静謐な雰囲気から徐々に高揚していき、最後にリズムが入り、聖歌の中でモードがガラッと変わるさまは、宗教音楽とは思えないほどに高度。これは中東の芸術音楽とまったく同じシステムに聴こえるんですが、なるほど音楽家が公務員や聖職者である事が分かります。唄い回しの技術や全員揃ってのモード変更、それにこの長大な詩句とメロディを暗譜しないといけないというのは素人には無理、すごい。。
 そして、最後のドゥアー(祈願)。これは、このCDで唯一のカリであるアブダル・ラウーフ・ハッラクのパフォーマンスを聴くことが出来ます。でもこれは、歌というのとは違って、詩の朗読のようです。でも、最後にいきなり皆でユニゾンになって歌ったのは驚いた!残念なのは…アラビア語で何言ってるか分からない(^^;)。。

 僕は西アジアの音楽が大好きなので、中東の古典音楽や宗教音楽のCDは、中古盤屋で見つけると間違いなく買っちゃうのです(^^)。音楽が高度であるのはもちろん、それが音楽のための音楽じゃなくて、なにか人間にとって大事なものと密接なかかわりがあるように聴こえてしまうところに惹かれるんです。音楽鑑賞というレベルでなく、聴き終わった後はいつも、人生で大事な事について考えさせられたりして。これは、シリアの宗教音楽を聴くことが出来るだけでなく、神秘主義以外のイスラムの宗教音楽の典型を聴くことが出来る、すばらしいCD だと思いました。アマゾンでもなかなか出ませんが、見つけたら即買いじゃないかと!


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『シリアの音楽 (世界民族音楽大集成36)』

Syrie_SekaiMinzokuongaku36.jpg 日本のキングレコードが出している「世界民族音楽大集成」は、フランスのOCORAという民族音楽レーベル原盤のものだけと思ってたんですが、このCDは日本人が録音してるみたいなので、キング原盤かも。シリアといって僕がイメージするのは、隣国イスラエルとの緊張関係、中東きっての軍事国家、そして2011年からの内戦状態(シリア騒乱)あたりです。シリア騒乱は、僕なんかではよく分からないぐらいに複雑なようで、ザックリいうと現政権と反対勢力の衝突、イスラエルとの衝突、シーア派寄りの現政権と国民の多数派であるスンニー派の衝突、クルド民族の扱いに対する隣国トルコとの対立、などのようです。でもこういうのって、僕ら外国の市民に届く情報なんて偏向報道だったりする事もあるので、深く調べないと分からないですよね。もっとちゃんとゴルゴ13を読まないと(゚∀゚*)エヘヘ。

 すごく意外に感じたのは、シリアってシーア派が現政権だというので、イスラムの戒律に忠実な国家かと思ってたんですが、なんとシリア正教なんて言うキリスト教の一派まであるみたい。このCDには正教系の伴奏つき合唱まで入ってました。しかも伴奏が電子オルガン。この電子オルガンの音が70年代の日本のテレビドラマで使われていたような音なんです。そして、旋法が部分的にマカーム的(^^;)。そんな土着化した正教ミサがあるんですね、これは驚きました。
 とはいえ、やっぱり主宗教はイスラムみたいで、このCDにはアザーンとジクルが入ってました。イスラムでは1日5回礼拝をしますが、アザーンは礼拝の時間になると、寺院から礼拝を呼びかけるために聴こえてくる無伴奏合唱的な呼びかけ。ひとりのセリフを複数の人が斉唱する形式でした。タヒチの宗教もヴ―ドゥーも西アフリカの呪術師も同じ形式でしたが、それだけ一般的な合唱の形式なのかも。
 一方のジクルは、イスラム神秘派が行うもので、集団で神の名を繰り返し唱えるものです。これが強烈、驚きました。呪文のように唱えつつ、それがどんどん高揚していくんですが、これは聴いてるとトランス状態に入ってしまいそう。実際、ジクルでは忘我の境地に入って体を激しくゆすったりもするそうです。このCDは恐らく抜粋ですが、もしフルで入ってたら凄かったかも。。

 この3つの宗教音楽以外のセレクトがかなり雑なのがこのCDの特徴で(^^)、逆にいうと実際のシリアの音楽状況をリアルに伝えているのかも。もし外国人が日本の音楽のオムニバスCDをつくったら、箏曲に尺八に琵琶に三味線に…みたいなCDになる気がしませんか?でも、そういう中に昭和歌謡や演歌や民謡やノイズミュージックやAKBがチャンポンで入ってたら、けっこうリアルじゃないかと (^^)。そんなわけで、他にはPAされた歌舞団のアラビア音楽だったり、カーヌーン(チター属の楽器)やナーイ(尺八っぽい音のする管楽器)のタクシーム(即興演奏)だったり、アレッポの民謡だったり、果てはシリアの古典音楽の授業だったり。中東音楽の微分音程を出せるようにしたフェンダーのストラトを改造したギターの演奏なんてものまで。それにしても、中東の音楽のタクシームは本当に見事でした。システムが西洋音楽と違うので、聴いていて「どうやってるんだ、これ」と驚くことがしばしば。そういえば、『音楽の原理』に中東の音楽の演奏システムについて書いてあったな、あとでまた読んでみよう(^^)。。

 音楽自体はイスラムの宗教音楽と中東音楽でしたが、エレキギター使ったりPAで音を大きくしたり、細かい所に意外と西洋化が入り込んでるんだなと思いました。そういえば昔、アルカイダのウサーマ・ビン・ラディンがGショックを着けていたな…。僕は中東の音楽でつまらないと思った経験はほとんどないんですが、これもまた素晴らしい音楽でした!!


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『ミヨー:自作自演集』

Milhaud_JisakuJienshu.jpg  「フランス6人組」って、オネゲルとプーランク以外の作曲家の作品はなかなか聞く事が出来ませんでした。しかも、オネゲルとプーランクの音楽が素晴らしいもんだからよけい気になったものです(^^;)。。デュレとかオーリックになるとまったく聴く機会なしでしたが、きわどいのがミヨー。たま~にコンサートやCDで取りあげられる事があるんです。そんな聴けそうで聴けないミヨーの作品だけを取りあげたCDというだけでも貴重ですが、このCDのすごい所はそれに加えてミヨー自作自演という所。中古屋さんで見つけた時は、「おおっ、これは俺に買ってほしくてここにあるに違いない!」と飛びつきました(^^)。演奏はパリ・フィルハーモニック管弦楽団、録音は1953年から63年でした。

 「焔の城」は、ユダヤ人だったミヨーがナチの猛威を逃れてアメリカに亡命した時に作られたカンタータ。詩の内容はかなりディープで、火をくべられた城に幽閉された犠牲者たちの「開けてくれ!」という言葉が何度も繰り返されます。でも音楽自体は時代の先端でも宗教音楽の荘厳さが漂うでもなく、ドミナントがしっかり見える大衆的な劇伴調でした。あと、録音が古いからか、管弦伴奏のはずなのに、妙にオケの人数が少なく感じたりして(^^;)。
 「ある暴君の死」は、4世紀の歴史家ランプリディウスの一節を歌詞にした合唱曲です。ここでいう暴君とは17代ローマ皇帝コモドゥスの事…だそうですが、これは時代的にも比喩ですよね、きっと。音楽というより、打楽器に合わせたセリフの大合唱という感じでした。
 そして、ミヨーの代表的な管弦楽曲として名高い「プロヴァンス組曲」、これに期待していたのですが、これも新しい表現や自分独自の語法を用いた作品ではなく、機能和声を使った普通の劇音楽のようでした。なるほど、劇音楽どうこうではなく、こういう作風なのか。。

 ミヨーは舞台音楽や映画/テレビ音楽を大量に書いた人で、演奏会用の作品とそれらの音楽に大きな違いは感じませんでした。フランス音楽って、僕の場合はフランク、ドビュッシーメシアンブーレーズという流れをついつい追ってしまいますが、それは後からアカデミックな場で評価された作曲家をつないだラインであって、実際に同時代に支持されてきたのはビゼー、サン=サーンス、サティ、そしてプーランクやミヨーみたいな大衆的な音楽なのかも知れません。このフランス音楽の流れって、コープランドからハリウッド映画音楽というアメリカの管弦楽曲の流れを先取りしているような感じだなあ。20世紀も大戦を繰り返し、いよいよ資本主義の価値観がフランス音楽にもあらわれたという事かな?


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『プーランク:2台のピアノのための協奏曲、4手のためのピアノ・ソナタ、2台のピアノによるカプリッチョ、シテール島への船出、2台のピアノによるエレジー ミヨー:スカラムージュ ラベック姉妹(p)、小澤征爾指揮、ボストン響 』

Labeque_Poulenc_2pianosOrchestra.jpg ものすごく長いアルバムタイトルですが、要するにプーランクとミヨーの2台ピアノの作品集です。ピアノ・デュオはラベック姉妹の4手ピアノ演奏、管弦伴奏がつくと小澤征爾さん指揮のボストン・シンフォニー・オーケストラが登場します。ちなみにラベック姉妹、今はちょっとアレですが、当時は美人ピアノデュオ姉妹として売り出してました。このCDのジャケットとかマジで美人だし。僕は左が好きだし。そうそう、どちらかがジョン・マクラフリンと結婚してました、離婚してしまったそうですが(・_・、)。

 プーランクとミヨーという作曲家は、どちらもフランス6人組に数えられる作曲家です。でもこれはロシア5人組に対抗してつけられた名前で、音楽性はバラバラ。でも時代がドビュッシーラヴェルの登場で、ドイツ音楽の天下だった時代にようやくフランスにも陽の目が当たってきたところだったので、「あのドイツのかた苦しくてものものしい大げさな交響曲じゃなくって、パリの小粋でエスプリでボンジュールな音楽をみんな聴こうぜ」みたいな流れの象徴みたいな扱いだったみたい。でも「火刑台上のジャンヌ・ダルク」なんて作品を書くオネゲルは、この定義にはまったく嵌まる気がしません。その意味で、フランス6人組で一番らしいのは、プーランクじゃないかと。

 プーランクの音楽は、こむずかしくない、どこか知的、遊び心がある、洒落てる…第1次世界大戦前の粋なパリって感じです。ピアノ曲や歌曲という小曲が多いものだから、いざプーランクを聴こうと思うと代表作になる交響曲みたいなのがなくって、どれから聴いたらわからん→聴かずじまい、というパターンが多いんじゃないかと。僕が学生の時は、クラシック事典でプーランクの代表曲を調べる→事典も代表曲をしぼりきれてない→仕方ないから良さそうな曲を4~5曲見繕ってメモ→CDショップにひとつもない、という感じでした(・・`)。そんな僕がプーランクを好きになったきっかけは、このCDの冒頭に収録されている「2台のピアノのための協奏曲 ニ短調」でした。大げさなところがなく、洒落ていて軽妙。でも冒頭は「リストかお前は」というほどの高速フレーズ。そこから弦との掛け合いになったり、シュトラウスみたいになったり、ジャズみたいになったり、どこまで本気か分かりません。ところが、それらを抜けると、冒頭に出てきた主題を使ってとんでもなく美しいシーンに入ります。うわあ、リディアンだ…いや、5音音階か?沖縄音楽のような響きですが、ここが神がかりの美しさ。プーランクの何を聴けばいいのか迷っている方がいらっしゃいましたら、僕的には「2台のピアノのための協奏曲」がおすすめです!ちなみにこのCDの演奏は、録音も含めて絶品です!他の曲でちょっとやらかしてますが、美人だからいいか。

 残り3曲のプーランク作品の中では、「4手のためのピアノ・ソナタ」はまあまあ有名かも。って、自分で弾いた事あるからそう思ってるだけかも知れませんが。でも演奏しておいてなんですが、そこまでいい曲とは思ってなかったりして(・ω・`)。ずっと楽譜とにらめっこしてたから、良さが分からなくなっちゃっただけかも。
 一方、ミヨーの「スカラムーシュ」も、プーランクと同じように軽妙な音楽です。チャップリンの映画のコミカルなシーンに流れてもおかしくない感じ。そして、プーランクもミヨーも、その軽い肌触りに似合わず、実はポリトーナリティー(複調性)なんていう、ふたつの調整が同時に存在するなんて事をやってたりして、この曲もそうらしい…んですが、僕にはよく分かりませんでした(^^;)。ジャズを聴いてると、ふたつの調じゃなくてそういうムードのサウンドに聴こえちゃうのかなあ。。

 クラシックとはいっても、まるでポピュラー音楽のような軽妙な音楽。しかし作画はクラシック、作曲も演奏も使える技法が比較にならないほど高いので、イマジネーションもウィットやアイデアも段違い。そしてプーランク、どの曲も半分は即興で書いたんじゃないかというほどにピアノが躍動してます!僕はたいがい「2台ピアノのための協奏曲」しか聴きませんが、そのためだけでも買う価値のある1枚だと思います!


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『セヴラック:ピアノ作品集 ひまわりの海 舘野泉(p)』

Severac_TatenoIzumi.jpg ちょっとした近代フランス音楽特集なんぞでもやってみようかな(^^)。ドビュッシーの「版画」やシューマンの「子供の情景」みたいに、技巧や作曲の最前線ではなく、心象や風景の描写が優先してくるような音楽ってあるじゃないですか。19世紀末から20世紀初頭、南フランスのトゥールーズという田舎に生きた作曲家セヴラックのピアノ曲は、そういう音楽です。南フランスの広大な農場がブワッと見えるような音楽。ああ、これはいい…。ピアノは舘野さん、CD2枚組です。

 セヴラックは、若い頃にパリ音楽院にいったん入ったものの、その厳格なムードに嫌気がさして、すぐに出来たばかりのスコラ・カントゥルムに移ったそうです。そこで作曲をヴァンサン・ダンディなんかに学んだとの事。パリ時代は10年ほど続いて、他にもラヴェル、そして音楽家以外にピカソ、ジョルジュ・ブラック、マイヨールという人たちと親交を結んだそうです。いや~なんという素晴らしい青春時代でしょう、きいているだけで羨ましい、輝かしい青春時代ですね、憧れちゃうなあ。でもセヴラックは田舎の南フランスに移り住んで、以降は穏やかな田園生活を送ったそうです。というわけで、音楽の技法や技術を学んだ時以外は、パリにいなかったんですね。そして田園生活を愛しつづけた、みたいな。

 セヴラックと言えばピアノ曲ですが、このCDに入っている曲は、そんな田舎の田園生活を優雅に描き出している絵画のような作品ばかりです。技法的には印象派のようなサウンドが多いですが、さらに私的な感じがします。個人的にお気に入りは7曲の組曲形式の「大地の歌」。これはドビュッシーの「版画」に匹敵するほどの名作なんじゃないかと思ってます。2枚組のこのCD、セヴラックの代表曲を網羅していて、これさえ買っておけばとりあえずセヴラックはいけます。いや~すばらしい音楽だ、全身から力が抜ける、紅茶がおいしい、このCDを聴いてたら猫がひざに乗ってきた。幸せだ…


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『Simon & Garfunkel / Sound of Silence』

Simon andGarfunkel Sound of Silence サイモン&ガーファンクルのセカンドアルバム、これもサードと同じ1966年の発表です。僕はサイモン&ガーファンクルが音楽を担当した映画「卒業」のサントラだけ聴いた事がないんですが、卒業の主題曲って、たしか「サウンド・オブ・サイレンス」でしたよね?それはこのアルバムで聴けるし、劇中歌「ミセス・ロビンソン」は『ソングブック』に入ってるし、聴かなくていいと思ってるんですが、どうなんでしょうか。

 というわけで、アルバム注目の曲はやっぱり「Sound of Silence」じゃないかと。これ、いい曲ですね~。あと、あんまり有名じゃないけど「April Come She Will」も実は隠れた名曲じゃないかと。でももの足りないのは、『明日に架ける橋』とか『パセリ』とかに比べると、全体的に完成度の高い曲が少ないかな?それだけ詞に重心がかかってますが、もし詞を聴き取る事が出来ないと、退屈に感じちゃう曲もけっこうあるかも。まあ、詞が重要なフォーク系の音楽は、どの国の音楽もそうですよね…。

 これ以降のアルバムにくらべると変なオーバーダビングが少なめで、産業ポップスなサウンドに画一化されてなくて、雰囲気がメチャクチャいい感じです。変なバックバンドや管弦のオーバーダビングをされると、せっかくのきれいな声もギターの美しい音もマスキングされちゃうんですよね(^^;)。でも、バンドが入ってる系になると、アレンジがビートルズチックになるのは、ディレクターの意向なんでしょうか。あと、なぜか色んな曲でちょくちょくジャズのキャノンボール・アダレイの「work song」のモチーフが出てくるのはなんでなんでしょうか(^^;)。『パセリ』路線のアルバムで、いい作品だけど『パセリ』のちょっと下って感じかな?


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『Simon and Garfunkel / Parsley, Sage, Rosemary and Thyme』

Simon and Garfunkel Parsley, Sage, Rosemary and Thyme というわけで、サイモン&ガーファンクルは、素晴らしいフォーク・デュオなのに、オリジナル・アルバムの数はそんなに多くありません。映画のサントラ「卒業」を除くと5枚かな?コンプリートを目指す人にはうれしいかも。これは1966年発表のサードアルバムです。

 超有名なイギリス民謡「スカボロ・フェア」が入ってるのがこのアルバムです。この曲、僕の中ではもう完全にサイモン&ガーファンクルの曲という認識(^^)。それぐらいコーラスが美しく、そしてカウンターメロディを含めたコーラスアレンジが素晴らしいです!もう、この曲のためだけにこのアルバムを買ってもお釣りがくるぐらい素晴らしいです。
 あと、「59番街橋の歌」が入ってるのもこのアルバム。この曲で好きな演奏は、僕はマイク・ブルームフィールドとアル・クーパーの「フィルモア・ライブ」と、日本のゴールデン・カップスなんですが、やっぱりたくさんのミュージシャンがカバーするだけあっていい曲ですね。今ではマイク・ブルームフィールドのアレンジの方が有名な気がしますが、オリジナルはうって変わってスキッピーかつ美しい(^^)。

 そして、やっぱり詞がいいです。ここは若い時に聴いていた時はまったく気づかなかったなあ。1曲1曲が1分半から2分半と短い曲ばかりなんですが、その短い中で物語が語られるんです。ちょっとした詩集を読んでいる気分になります。唯一の弱点は、アルバムがみじかい!アルバム全部聴いても30分なかったんじゃないかなあ(^_^;)。でも、これは本人たちが悪いわけじゃなくって、そういう時代だったんですよね。ソウル系のアルバムも、だいたい30分以内だったりしたし。


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『Simon and Garfunkel / Bridge Over Troubled Water』

Simon and Garfunkel _Bridge Over Troubled Water 美しいコーラスと美しい曲、もうこれは聴かないわけにはいかない素晴らしいフォークユニット、サイモン&ガーファンクルです!ミーハーな僕はやっぱりこのアルバムを一番聴いてきたんじゃないかなあ、「明日に架ける橋」。1970年の作品、言わずと知れた大名盤です。

 とにかく曲がいい、コーラスが恐ろしくきれい、そして詞が感動的なぐらいに見事です。サイモン&ガーファンクルはフォークギターだけでやって欲しいと思わなくもないのですが、でも5曲目の「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」の弦カルとフルートを含む室内楽のアンサンブルを聴いてしまうと、上品なアレンジのものはそれはそれでいいな、と思ったり。でも、「明日に架ける橋」の最後に洪水のSEがドバーッてかかるやつとか、大名曲「ボクサー」の、スネアドラムにとんでもない量のスプリングリバーブをかけるのとかは、演出過多でめっちゃセンスないと思う(^^;)。

 そして、詞の良さ。若い頃はまったく聴いてなかったけど、大人になると耳を傾けるようになったものに、詞があります。ブルース・スプリングスティーンやボブ・ディランの詞なんてその最たるものでしたが、じつはサイモン&ガーファンクルの詞もヤバい、これは歌詞というよりも純粋詞に近い見事さです。

 このアルバム、名曲がどっさり入ってますが、ベスト盤じゃないんですよね。「BRIDGE OVER TROUBLED WATER」、「コンドルは飛んでいく」、「いとしのセシリア」、「ボクサー」、ぜんぶこのアルバムに入ってます。そしてこのアルバム、世界中で1000万枚の大ヒット(!)となったのですが、ふたりの仲が決裂して、これでサイモン&ガーファンクルは決裂。もったいないなあ。


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『Bud Powell / the amazing bud powell volume 1』

Bud Powell the amazing bud powell volume 1 バド・パウエルの、1949年と51年の2つのセッションを収録したブルーノート盤です。ブルーノートは「Amazing Bud Powell」というバド・パウエルのLPシリーズを5枚出してまして、これはその第1弾。バド・パウエルの全盛期は40年代末から51年までなんて言う人もいまして、そういう意味でいうと、ブルーノート盤ではこの1枚だけが全盛期にひっかかってる事になります。ただし、僕はこのシリーズのvolume2と3を聴いておりませんで、本当に51年までが全盛期なのかどうかは不明です(^^;)。

 49年のセッションのメンバーは、パウエルに、トミー・ポッター(b)、ロイ・ヘインズ(dr)のトリオと、それにファッツ・ナヴァロ(tp)とソニー・ロリンズ(ts)が入ったクインテットの演奏。51年は、カーリー・ラッセル(b)とマックス・ローチ(dr)とのトリオです。なるほど、どちらのセッションも58年の「シーン・チェンジス」という有名なレコードと比べると、ビバップらしい熱さを感じるバド・パウエルを聞く事が出来ます。僕は「シーン・チェンジス」よりも、こっちのアルバムの方が好き。でも、ヴァーヴの「ジニアス・オブ・バド・パウエル」やROOST盤「バド・パウエル・トリオ」に比べると、キレと勢いがない感じ。単純に、狂乱の演奏をするパウエルが好きなのに、このレコードのパウエルは手数が少ないです。1曲目の「ウン・ポコ・ロコ」なんて、ソロ中でけっこう考えて止まっちゃってるし(^^;)。そういう意味でいうと、アップテンポの曲より、スローナンバーのアプローチの方が聴いてて面白かったです。

 でも、そう感じてしまう理由のひとつって、パウエルの演奏だけじゃなくって、僕が持ってるのが、ボーナス8曲入りのCDという事もあるかも。このボーナスというのが、要するに没テイクなんです。ジャズのこういうレコーディング・セッションって、曲ごとに録音していって、テイクごとに「ここをこうしよう」とか「もう少しテンポをあげよう」とか「ごめん、アドリブがイマイチ決まらなかった」とか言って、録音するんです。で、いいのが録音出来たら、その曲は終わり。普通は、録音のノイズとか何かの時のために、少なくとも2テイクは残す、みたいな感じで進めます。こういうふうに作ってるものなのに、没テイクを全部入れるって、レーベルの良識を疑っちゃうなあ。それでも入れるなら、没テイクは資料として最後に集めておいてくれればいいのに、同じ曲を連続で3曲とか並べるもんだから、ぜんぜん楽しく聴けないです。このアルバムの1曲目なんて、ソロがぜんぜん弾けてない別テイクから入れてあるし。そんなの信じられないし。こういう所に配慮しないから、買収された後のブルーノートって嫌い。売ることしか考えてない、音楽への愛が足りなすぎですよね…。このアルバム、没テイクなしで聴きとおしたら、もしかしてもっとよく聴こえるのかな?

 というわけで、僕が聴いたバド・パウエルのレコードの演奏でいうと、悪くはないけどグレイトなパウエルが聴けるというのじゃないかな?バド・パウエルというとブルーノート盤がひたすら推薦されるけど、僕的にはブルーノート盤は有り難がって聴くほどのものじゃないと思ってます。若いときの僕が、Volume2から4を買わなかったのはけっこう正しい判断だったかも…きいてないから分からないんですが(^^;)。


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『Bud Powell / the genious of Bud Powell』

Bud Powell the genious of Bud Powell 僕が何枚も聴いてきたバド・パウエルの録音の中でいちばん好きな1枚!「シーン・チェンジズ」でも「ホット・ハウス」でもなく絶対にこれというほど鉄板の1枚です!1950~51年録音という事でバド・パウエルの録音の最初期のものにして絶頂期、考えてみたら51年ってチャーリー・パーカーがまだ生きていてレコーディングもしてますよね。ビバップの最後の炎が燃え上がってるぐらいの時期でしょうか。

 このCD、あんまり音楽的じゃないですが、そこがいい!!バド・パウエルの超絶的なピアノ演奏を聴くことに特化したようなレコードで、ほとんどのトラックが演奏しまくりな超絶技巧練習曲のような構成。2曲を除いてピアノソロなんですが、もうピアノだけだなんて忘れちゃうぐらいの凄さ。バラードですらアドリブ炸裂で弾きまくりです。ビバップ全盛だった40年代中ごろ~50年代前半のジャズの魅力って、まさにそこじゃないかと思うんですよね。狂ったようにアドリブで演奏しまくるその狂いこそがジャズだ、みたいな(^^)。

 右手の高速プレイ、左手のポンピング、どちらもすごすぎ。いや~どうしてこんなキレッキレに演奏できるんだ。僕らが知ってるいわゆるジャズ・ピアノって、ぜんぶバド・パウエルからスタートしてるんでしょうね。あのクラシカルでエレガントなビル・エヴァンスですら、アップテンポなジャズでは完全にバド・パウエルですし。高速のアドリブでグイグイ進む躍動感、この熱さこそジャズ!実は僕、若い頃にジャズピアノにいそしんでいた事がありまして、バド・パウエルのこの光速の右手を一生懸命練習したんです。クラシックをやっていたので、クラシック以外の音楽は技術的には何でも演奏できる自信があったんです。ところがバド・パスエルの演奏、速度は何とか追いつくんですが、この強烈な切れがぜんぜん出ずにまったく太刀打ちできず。音大で習った表現とか全部ほったらかして、クラシックではありえないこのタッチと技術一本槍に夢中になってました。表現なんて言ってる前にまずは技術がないとどうにもならない、みたいな。。これは本当にすごい、モダンジャズ最初期に出てきたトップバッターにして、いきなり4番クラスのこの技は反則というもんです(^^)。

 何年か前に、チャーリー・パーカーの演奏の研究本を読んで考えがちょっと変わったんですが、でもやっぱり僕の中では「パーカーがあまりに有名だけど、音楽面でのビバップの進化を支えていたのはモンクとバド・パウエルだよな」なんて思ってました。だって、ジャズという音楽の進化でいえば、管楽器じゃなくてやっぱりピアノでしょ、みたいな。しかもこの強烈演奏ですからね。ジャズが好きなら避けては通れない1枚、久々に聴きましたが、燃え上がってしまいました(^^)/!


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『The Bud Powell Trio』

The Bud Powell Trio アメリカの40年代から50年代初頭、ビバップの大流行でジャズが一気にモダン化しましたが、これはビバップの立役者のひとりバド・パウエルの超有名な1枚です。バド・パウエルはチャーリー・パーカーの技法をピアノに持ち込んだ最初のひとりにして超大物。ジャズピアノの歴史がここで変わって、現在に至ると言っても過言じゃない偉人です。

 僕が持ってるのは日本盤LPで、邦題は「バド・パウエルの芸術」。A面が47年録音8曲、B面が53年録音8曲なんですが、このレコードには色々と経緯があるみたいです。40年代という事で、もともとが10インチ盤2枚だったものをひとつの12インチLPにしたみたい。でも、最初に12インチ化された時は、53年録音は4曲のみの収録。さらに、テープの再生速度が狂ってて、CDやLPによってはピッチが変みたい。たまたまなんですが、僕が買ったLPは、日本で再マスタリングされてピッチを修正したものみたいです。いや~、日本のレコーディング関係の技術者の努力ってすごいですね、頭が下がります。。逆にいうと、このCDを買う人は、録音のピッチ狂いに気をつけろ!!

 さて、A面の47年録音は、僕が聴いたバド・パウエルの録音では最も古いものですが、ドーナツ盤やラジオ放送に合わせたのか1曲2~3分なもので、アドリブの凄さを楽しむというより、コンパクトにまとめた曲を楽しむ感じでした。そして、この作りは53年も同じ。これって、どっちが良いというもんでもなくて、レーベルがジャズをどういうものとして考えていたのかという事なんでしょうね。

 バドさん、麻薬で51年に逮捕され、さらに刑務所で精神病まで併発して、53年に復帰した時にはかつての輝きを失っていたそうな…ああ、まるでチャーリー・パーカーじゃないか。ビバップの人は悲劇的な終わり方の人が多すぎるなあ。このアルバムはバド・パウエルの代表作のひとつと言われる事が多いですが、雰囲気としてはラジオ放送用にまとめた演奏が多いという印象。悪くないんですが、僕がバド・パウエルを凄いと思ったのは、レーベルの事情やラジオ放送の事なんか考えず、自分をぜんぶぶつけてピアノを弾き倒した演奏にふれた時なのでした(^^)。その話は、次回にでも!


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『長唄 古典芸能ベストセレクション』

Nagauta_KotengeinouBestSelection.jpg 七世芳村伊十郎からちょっと離れて、十四世杵屋六左衛門ものの長唄を。杵屋六左衛門は長唄の宗家で、ずっと三味線方だったのが、この十四代目から唄方に転向、そしてこの十四代目もまた人間国宝。初代が天正(てんしょう)2年(1574年)生まれという事ですが、天正って、本能寺の変があった頃の元号ですよね…織田信長全盛期じゃん、なんという伝統、バッハ家より長い歴史を持つ音楽家一族ではないですか!すげえ。もしかしてインドのダーガル・ブラザーズより歴史が古いのかな…ちなみに今は15代目まで来てるそうです。

 このCDは十四世杵屋六左衛門ものと書かれているわけではないんですが、5曲中4曲のリードヴォーカルが十四世杵屋六左衛門です。全集ものではなく2枚組のベストもの。僕みたいな右も左もわからない人間は、やっぱりこういう所から入った方が良いですね、どういう人がいるのかすら知らないもんで(^^)>。そして、初心者向けの解説が入っていて、これが素晴らしかった!勉強になった事を備忘録的に書いておくと…

・長唄はやっぱり歌舞伎の伴奏音楽として成立したもの
・例外的に、歌舞伎をはなれた純粋な唄物や、日本舞踊のための長唄などがある
・純粋観賞用の長唄の名作には「吾妻八景」や「秋の色種(いろくさ)」など
・長唄は、唄方、三味線方、囃子による合奏曲
・通常人数は唄1、三味線2
・「道成寺」などの演目になるとかなりの人数になる
歌舞伎での長唄の役割は2つ。ひとつは歌舞伎舞踊の伴奏で、これは演奏者が舞台上で演奏するので「出囃子」という。もうひとつは、黒御簾(くろみす)という舞台には出ずに演奏するもの。

 このCDは、七世芳村伊十郎に比べると、いかにも歌舞伎の舞台音楽という感じ。たとえば、1曲目は歌舞伎の十八番「勧進帳」だし、歌い方も歌舞伎の独特の「ムオ~」って感じの発声。勧進帳は、ストーリーは誰もが知ってるものだと思います。弁慶が関所を通るために義経を打ち据え、それに関所の役人が心打たれて、義経と知りつつ通してやる、あの物語です。そして…へえ~これって歌舞伎がオリジナルと思ってたんですが、能の「安宅(あたか)」というものがベースなんだそうです。
 他でとくに面白かったのは、「石橋(しゃっきょう)」の最初の笛の独奏。演奏者のクレジットもないのですが、これはすごくないかい?演奏も素晴らしいですが、これはなんという調なんだろう、尺八でも平均律ではありえないような音が出てきますが、あんな感じ。息そのものが音楽になってる部分もあるし、死ぬほどカッコいい。これは民族楽器の強みがもろに出た演奏じゃないかと。

 日本の古典芸能って、嵌まると面白くてヤバいです。純邦楽のレコードってSP盤の時代にはいっぱい出てたみたいで、今はSP盤を整理したコンピレーションや全集CDがたくさん出てたりするので、気が付くと何十枚もCDを買わされてたり。僕はこのパターンで浪曲と落語と小唄端唄に小遣いを吸い上げられた経験あり、長唄もちょっと嵌まっちゃいました(^^)。


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『七代目芳村伊十郎 / 長唄 (人間国宝シリーズ1)』

7daimeYoshimuraIjyuurou_Nagauta_ningenkokuhou.jpg 他のCDですっかり七世芳村伊十郎に魅了されてしまった僕は、こんなCDも手に入れてしまいました(^^)。ところで、長唄や七世芳村伊十郎の前に…最初に入ってる金属製の鳴り物の音が異常にカッコいい!これって何なんでしょう。篠田監督の映画「心中天の網島」でもこの楽器が使われてましたが、めっちゃ気になる…。

 さて、こちらのCDは、ひとつ前に紹介したSP盤復刻ものCD「七世芳村伊十郎 / 京鹿子娘道成寺」と違って、ヴォーカルも三味線も複数名。ついでに囃子も常に鳴ってて、ジャズでいうビッグバンド的。むかし、薩摩琵琶の鶴田錦史さんの晩年の録音を買った時も、琵琶が三人の合奏で萎えた事があったんですが、齢をとると大人数にして自分の声や演奏を埋もれさせて、ちょっとごまかす風潮でもあるんでしょうか。合奏にしちゃうと、アーティキュレーションが均一化されちゃって表現がつまらなくなっちゃうんですよね。トリオぐらいの編成が好きな僕としては、単純に好みの問題で、少し残念に感じました…って、長唄って歌い手が複数になるのなんて普通らしいです(^^;)。

 それはそうと、このCD、プログラムが面白かったです。「元禄花見踊」「岸の柳」「秋色種」「鷺娘」の4曲入りで、それぞれ春夏秋冬それぞれの季節の唄になってます。いってみれば、長唄のコンセプトアルバム!そして、曲のアレンジが見事。1曲目「元禄花見踊」でいえば、途中で三味線のカデンツァあり、直後の唄では打楽器群がお休み、終盤ではアッチェルして盛り上げていき、その前に抜けていた囃子が一気に躍動しはじめ、クライマックスでは例の「イヨ~ッ」の合いの手が決まります!!いや~これはツインギター…じゃなかったツイン三味線とツインヴォーカルでなく、ぜひスモールコンボで決めて欲しかった。。
 そして、他の長唄のCDと同様、詞がいなせで風流。2曲目「岸の柳」の出だしなんて、「筑波根の姿涼しき夏ごろも 若葉にかへし唄い女が緑の髪に風かほる」ですよ。江戸時代の三味線音楽の唄って、叙情の中に叙景を絡めてくるんですよね。世界中のヴォーカルミュージックが大好きな僕ですが、こんなに詩的で粋な詞って、小唄端唄や長唄以外に僕は聴いた事がないです。終曲「鷺娘」は、最後にしっぽり濡れ場で終わりですが、この言葉の言い回しがセクシーでありつつ粋でいなせ!「ほんに涙のつららさえ 解けて逢瀬のうれしさの 餘る色香の恥ずかしや」ですよ、これはエロいだけでなく粋だわ。。むかし、伍代夏子の歌の詞が異様に艶めかしいと書いた事がありますが、演歌に江戸時代の三味線音楽の伝統が一部受け継がれたのかも知れません。

 純邦楽、強烈なのは尺八や琵琶ですが、粋なのは小唄端唄に長唄ですね。世界中見てもここまで「粋」な歌って、ちょっとないんじゃないでしょうか。いやあ、僕はやっぱり詞に痺れちゃうなあ。録音は音が細く、編成は僕好みじゃなかったですが、でも長唄のこの詞はやっぱり粋でいなせ、めっちゃカッコよかったです!


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『七世芳村伊十郎 / 京鹿子娘道成寺』

Yoshimura_Doujouji.jpg ひとつ前に紹介したCDに入っている長唄は、ぜんぶ歌舞伎のものでした。一方こちらは、唄として独立した長唄…なのかな?芳村伊十郎というのは長唄の唄方の名称で、六世芳村伊十郎が安政の時代の生まれというから、江戸時代からずっと続いているんですね、すごい。七世芳村伊十郎は、1901年から1973年まで生きた、近現代の長唄の名人として知られる人だそうで、人間国宝。このCDには「都鳥」「京鹿子娘道成寺」「鶴亀」の3曲が入ってるんですが、曲ごとに「四世芳村金五郎」とか「九世芳村伊四郎」とか名前がちがっていますが、全部同じ人。出生魚じゃないけど、襲名して名前がどんどん変わっていくんですね。これは好きな人でないと覚えきれない(^^)。

 三味線は常に2竿なんですが、ユニゾンなんですね。いかにもアドリブで適当につけてる風なのに、完璧に決まってるのがすごい。さらに、たまに合いの手や囃子が入りますが、それもすごく控え目で、ほぼ三味線の伴奏だけ。ここ一番だけ囃子と合いの手を使う所がめっちゃセンス良くって、けっこう派手目にアレンジしてある歌舞伎の長唄よりも地味ではあるけど、ものすごい音楽的だし効果的。

 そして、唄がひとりというのがいい!!やっぱり、語り手や唄い手ははひとりの方が、言葉がスッと入ってきていいなあ。そして、スッと入ってくる詞が、ものすごく私的な表現でセンスがいい!!日本で「うた」っていうと、元々は短歌や俳句じゃないですか。短い言葉の中に比喩や知的な表現をぎゅっと込める感じが、長唄にも生きてると感じました。しかも、かなりアダルト。都鳥なんて、「思い思うて深見草、結びつ解いつ、乱れ合うたる夜もすがら、はや後朝の鐘の声、憎やつれなく明くる夏の夜」で終わりますが、これって朝まで愛し合ったという事ですよね。今の日本や英米のガキくさい歌の数々に比べて、なんと詩的な表現で、なんと艶めかしい歌でしょうか。これは大人の歌だ。

 聴いてすぐにファンになってしまいました。僕は歌舞伎の中の長唄よりこっちの方がだんぜん好き。詩的で大人な内容で、端唄に近い感じがまたいいです。唄い手はひとりの方が良いし、楽器も少なければ少ないほど表情がはっきり出ていい。江戸時代の歌ものって、世界でも稀なほどに粋な歌だと思います。これはおすすめ!


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『長唄傑作集』

NagautaKessakushuu.jpg 端唄小唄は好きなんですが、長唄はあんまり聴いた事がありませんでした。長唄どうこうではなく、歌舞伎が大衆娯楽って感じであんまり好みじゃないもんでね(゚ω゚*)。でも、日本に生まれて、海外の物まねばかりの英米商業ソングしか知らないのも悲しいし、せめて有名な曲だけでもいいから長唄を聴いてみたいな、な~んて思ってアマゾンで探したら…おお~ありました、僕の需要にピッタリそう!収録されてる曲は「道成寺」「石橋」「雛鶴三番叟」など、有名曲ばかり5曲。唄や三味線は、僕はこの世界にまったく無知なのでよく分からないのですが、苗字が「杵屋」という人と「藤舎(とうしゃ)」という人が多くて、なんでも現代の名プレイヤー揃いなんだそう。きっと、家元制とか世襲制とかなんでしょうね。

 歌舞伎の中で使われる音楽は、語りもの(義太夫、常磐津、清元など)と歌もの(長唄)に大別されるそうです。僕は小唄も端唄も長唄も三味線音楽という認識でしたが、このCDの解説によると、長唄は三味線と囃子(小鼓、大鼓、締太鼓、笛)で伴奏されるんだそうです。そして、このCDを聴く限りでは、「イヨ~ッ」とか「ハアッ」とかいう合いの手を入れる人たちと、主メロディは複数でユニゾンで歌ってました。そして、長唄の名の通り、1曲がけっこう長くて、構成が大きいです。有名な「道成寺」が13分ぐらい、「鷺娘」になると20分もあります。モーツァルトの交響曲ぐらいの長さですね。

 音楽は、途中でアッチェルしたり、打楽器が抜けてアリアになったりと、なかなか仕掛けが見事。シブく聴こえるのは、西洋音楽に飼い慣らされてしまった僕の感覚では、低音楽器がなく、簡素に感じてしまうことが原因かと。一方でかっこいいいと思ったのは、クライマックス部分の合いの手に入る「イヨ~ッ」がメッチャかっこいい!三味線はほとんど合奏でしたが、大概の場合で僕は合奏より独奏の方が好きなので、三味線は小唄端唄や浪曲や津軽三味線の独奏の方が好みでした。

 歌。静かな部分での歌の歌い回しが見事!いや~これは日本の音楽でしか聴く事の出来ない唱法、名人芸です(^^)。一方で、小唄端唄に比べると、言葉が理解しにくかったです。いや、小唄端唄の方が詩的な表現が多くて難しいのかも知れませんが、それでも短いのでなんとかなりました。でも、長唄は、ひとつひとつの言葉は分かるんですが、これがつながるとだんだん分からなくなってしまいました。「人々眠ればよきひまぞと、立ち舞うようにねらいよて、撞かんとせしが…」みたいな感じ。英語の長文読解と同じで、単語は分かるんだけど長文読解に苦しんでしまった(^^;)。これって、琵琶音楽でも同じ事を感じた事があるなあ。というわけで、反則と言われようが、先にストーリーを覚えるなり、解説を読んで聴くなりした方がいいかも。西洋音楽よりも言葉で語られるストーリー重視なので、詞をきかずに音だけ楽しもうとすると、すこし退屈。詞を追いながらだと退屈してる暇なんて全然ないんですけどね。。

 日本のオペラとかバレエという感じ。音楽というよりも、総合芸術として接した方が楽しめるかも知れないな。ここはたぶん歌舞伎役者が登場してきてるところなんだろうな…とかいう所もありましたし。というわけで、長唄だけを集めたCDを買っておきながら、歌舞伎そのものに興味が出てきたのでした。でも、貧乏人の僕は歌舞伎座なんてなかなかいけないなあ(T_T)。


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『バーチャファイター』 アーケードゲーム

VirtuaFighter.jpg 子どものころからいくつかの格闘系ビデオゲームを遊んでいたわけですが、その最後になったのがバーチャファイターでした。ちなみに僕は、ストリートファイターとかそういう系はまったくやってません。なんとなく、興味を惹かれなかったんですよね…。

 このゲームに感動したのは、ゲーム性以上に、ポリゴンが動くその先進性!2Dの絵を動かすアニメーションではなく、3Dのポリゴンが動く僕の原初体験として、「スタークルーザー」というゲームの事を書いた事がありますが(あれはすごかった!)、宇宙船のポリゴンなら直線で表現できそうだけど、こっちは人体のポリゴン。見ているだけで楽しかったです(^^)。
 ゲーム自体もなかなか面白くて、そこまでのめり込んだわけではないけど、レコード買いに街に出た時に1~2プレイする感じで、手軽に遊んでました。僕が使っていたのはジャッキーというデフォルトのキャラでしたが、本当は日本人の空手家みたいなのを選ぶと有利だそうですね。相手にしてやっかいなのは4人目(?)の忍者、そして6人目(?)のプロレスラー、そして空手家。これになかなか勝てないヘタクソでしたが、楽しかったです。

 ただ、このゲーム、ゲーセンだと急に対面に座った人が挑戦してきて、それが嫌でした。このゲームに何万円も注ぎ込んでる奴相手に勝てるわけないじゃん、俺は週1~2回もやればいい方の初心者なんだよ、ひとりで遊んでたいんだよ…みたいな(^^;)。このゲームを自宅でプレイできるセガサターンに心動いたこともありましたが、サターンはけっきょく買わずじまい。このへんでビデオゲームから卒業した…はずの僕でしたが、深夜のテレビ番組で紹介されていたバイオハザード2に衝撃を受け、このあとプレステーションを買ってしまったのでした。バーチャファイターは2も遊んだことがありましたが、1とあんまり変わらなかった気が(^^;)。


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『バーチャル・プロレスリング』 PlayStationゲーム

VirtualProwrestring.jpg プロレスに夢中になったのは、小学校3年から中学ごろまで。猪木と長州の抗争タイガーマスクの誕生、そして第1次UWFの誕生とその新日出戻りぐらいまでの期間です。その後、第2次UWFやヒクソンとかはかいつまんでみてましたが、徐々にフェードアウト。もし、2次UWFのテレビ放送があったら、もう少し観ていたかもしれません。その頃は新日も全日も、すでにクソつまらなくなってたのでね(^^;)。でも、おかげでプロレスを卒業できたのかも。卒業していかなきゃいけないものってあると思いますしね(^^;)。でも、プロレスが好きだったことは、人生の楽しさのひとつだったと思ってます。今でもたまに昔のプロレスをYouTubeで観たりする事がありますし、昭和のあの頃、プロレスも観ない漫画も読まないような男子なんて、それはそれで駄目だと思うし。そして、それを中学で卒業というのも、健全なタイミングだったと思います。

 このゲームを目にしたのは、僕がプロレスを卒業しかかった頃でした。いや、もう卒業したあとだったかも。子どものころ、アッポーエキサイティングアワーというプロレスゲームを楽しんでいた僕には、ひとつの不満がありました。出てくるキャラクターが少なすぎて、自分のひいきのレスラーが登場しないのです。前田や高田はどうした、ダイナマイトキッドも出してくれ…こんな感じ(^^;)。これはウルトラマンのゲームもそうでしたね。そんな中、中古のCDやゲームがいっぱいあるお店の激安ワゴンの中から見つけたゲームがこれでした。裏を見ると…おお~前田も高田もいる!とにかくいっぱいいる!そして、300円で売ってる!300円ならつまらなくてもいいやと即買いでした(^^)。

VirtualProwrestring_inoki.jpg このゲームの素晴らしいところは、選手の動きが本物そっくりな事!前田のキックって、モーションが大きくて独特の蹴り方をするじゃないですか。そっくりです(^^;)。他のレスラーの動きもそっくりで、まるでプロレス物まねを見ているようで、「おお~クリソツだ」なんて爆笑してました。そして、色んな選手がみんな出てるという夢も叶えてもらって、大満足(^^)。猪木が、勝ち進まないと使えないのは辛かったですけどね。。

 ただし…これ、残念ながら、ゲームとしてはまったく面白くありませんでした。エキサイティングアワーみたいに、ゲームとして面白いかどうかを追及したものじゃなかったんですよね。技をかけるのも、自分が操作してからしばらく経ってからモッサリ動く感じ。技のかかる掛からないの判定もよく分からない。勝つにしても負けるにしても、自分で操作した感じがしないので、遊んだ気がしなかったのです。きっと、「メインクラスの日本人選手全部と、有名な外人選手をすべて操作できる」という事を目標に開発されて、ゲーム性を追及する所まで開発を進める事が出来なかったんじゃないかと(^^;)。仕方ないですね、何でも予算はつきものですから。この後、このゲームはシリーズ化されたようなんですが、僕はプロレスどころかゲームも卒業してしまって、その後の事はわからないのでした(゚∀゚*)エヘヘ。。新日、全日、UWF、この時代のプロレスに思い入れがある人にとって、その頃の選手を全部使える数少ないゲームなんじゃないかと!


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『アッポー』 アーケードゲーム

Appoooh.jpg 1984年に登場したプロレスゲームの金字塔「APPOOOH」です!

 キャラクターのデフォルメがメッチャ笑える!馬場を選んでしまった日には、爆笑でゲームどころじゃありません(^^)。相手を殴ると上半身がずれるという漫画的な表現も最高。猪木のセリフ「なんだコノヤロー」とホーガンの「いっちば~ん」も、今はヤ〇ザになってしまった友人Aと一緒にゲラゲラ笑ってました。そうそう、僕は育った地域がアレなもんで、そういう人の息子がそれなりにいたんです。そういう子には近づかないという暗黙の雰囲気が小学校3年生ぐらいから出来るんですが、どういうわけか僕はそういう子と仲良くなることが多かったです。で、そういう子はえてして羽振りが良く、ゲーセンに行くとよくおごってくれました。そして、A君とアッポーをやりまくった!
 でも、僕はこのゲームがあんまりうまくありませんでした。A君がおごってくれる金額は、小学生とは思えないほどに高額で、マクドナルドのセットにゲーセン代全部みたいな感じなので、1日で1000円ぐらいいっちゃうんです。ところが、このゲームはブッチャーが出てきたが最後、地獄突きと凶器攻撃で血だるまにされてジ・エンド。こんなの勝てねえ。というわけで、せっかく奢ってくれても、10分ぐらいでゲームオーバーになっちゃうもんでバツが悪かったです。でもA君、「お前下手だな、俺が仇とってやる」というくせに、ブッチャーまでたどり着かずに負けてましたけどね(゚∀゚*)ヘタダネ。あと、僕は猪木をよく選んでたんですが、延髄ぎりの距離感がむずかしかったなあ。そうそう、このゲームの操作方法はエキサイティング・アワーに似てるんですが、プロレスゲームの操作方法のベースはこのゲームで出来たんじゃないかなあ。野球ゲームの操作法のルーツがファミスタみたいなもんです。

 そうそう、A君で覚えている事と言えば、ふたりでこのゲームを遊んでる時に、中学生ふたりに恐喝された事。僕はそれでもがんばって虚勢を張ってはみたものの、内心ビビりまくり、恐怖におののいてたんですが、A君がすごくてですね…これ以上は書けないな(^^;)。喧嘩に強いというのはこういう事なのかという感じ、腕力もすごいんですが、恐れる事を知らない凶悪なメンタルとか、相手に対してあらゆる反則攻撃も躊躇しないえげつないほどの無慈悲さは、プロレスよりすごかったです。最後、相手が生きてるか心配になるほどの結末になったんですが、A君が「心配しなくていい、もしどうにかなったら俺がぜんぶ責任取るから」といったときには、しびれました。猪木の「いつ、誰の挑戦でも受ける」というセリフ以来の感動でした(^^)。しかし猪木に挑戦する道場破りは、猪木にたどりつく前に藤原喜明さんや佐山聡さんに腕を折られて放り出されていたそうですね(^^;)。いや~堅気じゃない世界は怖い。。

 そして、A君とは高校で学校が変わってサヨナラ、そのあと風のうわさでは塀の中に入って、有名な組織で出世したとか、今度は長い事出て来れなそうだとか、よからぬ噂を何度か聞いて、けっきょく二度と会わずじまい。人の人生って色々ですが、僕にとっては楽しくて優しいいい奴だったなあ…って、何のレビューだっけ?そうそう、僕にとっては、やって面白いというよりも、見て爆笑するゲームでした(^^)。昔のプロレスや相撲やプロ野球って、一歩間違えたらそういう世界にいっちゃう人が、健全な社会にギリギリで留まる受け皿みたいなところがあった気がします。A君もや〇ざじゃなくってプロレスラーになってたら、すこしは救われたんじゃないかなあ。前田日明さんも、それで救われた口だそうですし。


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『エキサイティング・アワー』 アーケードゲーム

ExcitingHour.jpg 僕が子どもの頃、プロレスが大ブームでした。そして、僕が子どもの頃はビデオゲーム全盛でもありました。プロレスでいえば猪木・馬場時代からUWFまでがリアルタイム。ビデオゲームではスペースインベーダーからバーチャファイターまでが同時代。というわけで、僕がプロレスゲームに手を出したのも必然でした(^^)。

 1985年製のこのゲーム、ものすごく良く出来ていて、後の格闘ゲームと違って操作が難しすぎず、ゲーム機の横にあった説明書きを見るだけ遊べました。難易度も、ゲーマーではなかった僕ぐらいの人間が遊ぶのに最適でした。最初のひとりは初プレイで互角。2~3回もやれば2人目あたりまで破る事が出来るようになります。問題は3人目の黒人レスラーで、こいつが凶悪(^^;)。一度でも相手につかまると、為すすべなくタコ殴りされます。こいつの倒し方を編み出す過程が、このゲームの第1段階。というのは、こいつを倒す事は、このゲームのシステムを理解する事とイコールだから。どんな相手も半キャラずらしてからのタックルをかわす事が出来ない事と、同士討ちした後にこちらが掛けた大技は絶対に切り返されない、これを発見する事が、黒人レスラーを倒すという事なのです。この事に気づくと、ゲームセンターの開店から閉店までワンコインで遊んでいられます( ゚∀゚)アハハ。

 でも、こういう必勝法で相手に勝ち続けているだけでは、プロレスを理解しているとは言えません。勝つだけじゃなくて客を魅了してこそプロレス。相手の大技を全部ひき出して相手を魅力的に演出しながら、ギリギリでの勝利を演出するのです!場外乱闘から1秒差のカウンテッドアウトで勝つとか、お互いがフライングボディプレスを出しあいながら勝つとか、まったく使う必要のないエルボーやショルダースルーという技をいかに試合の流れの中で自然に組み込むかとか、演出を考えまくって、ひとつひとつの試合を劇的に仕上げていくのです!黒人レスラーだけはそんな甘い事をしていたらフルボッコされてしまうのでこいつだけはガチで倒さないといけませんが、あとは魅せるプロレスに徹する、これがこのゲーム!間違ってもパンクラスみたいな試合をしてはいけません。タイガーマスクvsダイナマイト・キッドとか、猪木vsシンとか、ああいう紙一重で勝つ熱狂的な試合を作り上げる楽しさがある、素晴らしいプロレスゲームでした。昭和プロレス万歳!


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『メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ムター(vln)、カラヤン指揮ベルリンフィル』

Mendelssohn_Bruch_ViolinKonzerte_Mutter_Karajan_BerlinPhil.jpg こちらは、アンネ=ゾフィー・ムターのヴァイオリンと、カラヤン&ベルリン・フィルによる、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です。カップリングは、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。1980年録音です。

 注目は、この時17歳のアンネ=ゾフィー・ムター。彼女は13歳にしてカラヤンから重用され、「天才少女」と騒がれて世界的ヴァイオリニストとなりました。僕も彼女目当てでこのCDを手にしました。先にムターの演奏の感想を書くと、スターンクレーメルに感じるヤバい何かは感じません…って、それを少女に求めるのは無理ですよね(^^;)。しかし、いちど感情的に入り込むとものすごい情熱的な演奏、すごかったです。正直に言って、感動してしまいました。狂気か危機迫るというのとは少し違うけど、こういう熱く震えるような情熱的な演奏って、女性特有と感じます。

 メンデルスゾーンのヴァイオリン・コンチェルトは…おっ、ミルシテインとアバド&ウィーンフィルより、こっちの方がしっくりくるかも。それにしてもいい曲だなあ、僕にとってのメンデルスゾーンはこれだけでいいと思うほどです(^^)。

 しかし本当の驚きはブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番でした。正直にいうと、このCDを買うまではコンチェルト1番どころかブルッフ自体をよく知らなかった(^^;)>。ところが、曲も演奏も凄かった!本当に素晴らしかった!なんだこの鬼気迫る情念の塊のような曲と演奏は。。いやあ、感動してしまい、何度も何度も繰り返し聴いてしまいました。特に、燃え立つような情念と劇性を持った第1楽章が素晴らしいです。とてつもない昂揚感のすさまじさ、そこからアダージョに抜けた瞬間の例えようもない美しさ…ここでのムターのヴァイオリンは聴くに値する名演、ゾクゾクきました。1楽章から続くようになだれ込むアダージョの第2楽章も美しくも官能的、う~んこれはすごい。難をいえば、これだけ強烈に煮えたぎる音楽を書いておきながら、最後で月並みなロマン派和声で明るく大団円した所だけが残念(^^;)。それでもこの1~2楽章だけで、僕的には永遠の名曲名演です。ちなみにブルッフ、メンデルスゾーンから強い影響を受けた作曲家なのだそうです。なるほど、それでこのカップリングなんですね。

 僕はクラシックのこういうカップリングもののCDを買う時は、なるべく聴いたことのない曲や作曲家のものを 買うようにしてるんですが、ブルッフのヴァイオリン協奏曲1番の、しかも名演に出会うことが出来たのは、幸運でした。これはブルッフだけ取りあげたとしてもおすすめの1枚です!


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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