『We are not at the Opera』を聴いて、爺さんになってからのサニー・マレイの演奏にやられてしまった僕は、中古盤屋でこんなCDを発見!ナンバリングしてあるLPやCDは、気に入ってしまうと2も3も買いたくなるので危険と思いつつ、しわくちゃ顔にサングラスという不良老人のジャケットの誘惑に勝てず購入(^^;)。サニーボーイとかライトニン・ホプキンスとか、ブルースでしわくちゃ顔の爺さんのどアップのジャケットがあるじゃないですか。ああいうのに弱いんですよね。男の場合、肌のツルンとしたガキより、しわくちゃで傷だらけの中年以降の男の方が貫録があって好きです。そういう人の方が、人生の酸いも甘いも分かったいい演奏しそうじゃないですか。少なくとも「君の事を思って~」みたいな青くさい音楽は絶対やらない事は間違いないはず(^^)。
これは2002年と2004年の録音。『We are not at the Opera』と同じようにマルチリード奏者のサビール・マティーンと組んでますが、違いは他のメンバーも入っている事。個人的に購入ポイントとなったのは、ピアノでデイブ・バレルが入ってるところ!!デイブ・バレルのレコードは何枚か聴いた事があるんですが、フリージャズのカッコ良さ凶暴さがこれでもかというほど詰まったピアノで、大好きなのです(^^)。このアルバムだとバレルが入ってるのは最初の3曲ですが、特に1曲目のトリオがメッチャかっこいい!!やっぱりピアノが入ると音に色彩が出て良いですね。 中盤はマレイとマティーンのデュオ。『We are not at the Opera』でこのデュオのカッコよさは経験済みでしたが、こっちもまた凄かった。いや、マティーンさんに関しては、こっちの方がすごいかも。5曲目「top dogs boogie」でのマティーンさん、深い事は考えずにかっ飛ばす勢いがすごい!こういうのは聴くのもいいけど自分で演奏したくなっちゃうなあ(^^)。 アルバムの最後の2曲では、朋友アラン・シルヴァがベースで参加、もう1本管も加わって、ピアノレスの2管カルテット。うち1曲はオーネット・コールマンの「lonely woman」でした。この曲ってシンプルなので、フリーでやるにはいじりやすいんでしょうね。それぞれの演奏は恐ろしくカッコいいんだけど、管楽器2人のアンサンブルがバラバラ。フリージャズの悪い面は個人技ばかりに目が行って全体が見えないこういう所だな(^^;)。。