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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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ミシェル・ルグラン、逝去

michel-legrand.jpg 1月26日、フランスの作編曲家にしてジャズ・ピアニストでもあったミシェル・ルグランが他界してしまいました。享年86歳。いつか取りあげた『黄金の7人』や『死刑台のエレベーター』にしても、フレンチ・ノワールやフランス・ギャルにしてもそうですが、フランスのポップスや映画音楽って、ジャズの影響を受けたものが少なくないです。そのフランス製ジャズというイメージを作った最大の人物が、ミシェル・ルグランだったんではないでしょうか。泥臭いジャズじゃなくて、サティやプーランクがジャズバンドを使った軽音楽を作ったらこうなったんじゃないか、という感じの音楽で、ただ猿真似するのではなく、自分たちの文化が持っているものと融合して新しいものを生み出すメンタリティは、単に西洋音楽を真似して演奏するだけだった頃の自分には、素晴らしい手本でした。

 若いころにはまったくそういう事を考えた事もなかったですが、自分が色んなものを教わった世代の人がひとりずつ消えていくこの感じ、なんともたまらないです。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。。


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『Sonny Rollins / Way Out West』

Sonny Rollins Way Out West 「サキソフォン・コロッサス」と「テナー・マッドネス」の翌1957年に、ソニー・ロリンズがコンテンポラリー・レーベルから発表したアルバムです。56~57年の2年間でロリンズが発表したリーダー・アルバムは、なんと13枚!!出せば売れる、ロリンズ大ブレイクの時期だったんでしょうね(^^)。とうぜん、貧乏な僕は全部買えるはずもありません(^^;)。

 それほど大量にあるこの時期の録音の中、このアルバムの特徴になってるのは、イーストコーストのロリンズが、ウエストコーストのミュージシャンと共演してる事と、ピアノレスのトリオである事。サイドマンが豪華で、ベースがレイ・ブラウン、そしてドラムが私の大のひいきのシェリー・マン!でも、これはザックリやったセッションという感じで、ウエスト・コースト・ジャズ得意の見事なアレンジやアンサンブルは聴くことが出来ず、あんまりウエスト・コーストでやった意味がない感じでした(>_<)。とはいうものの、たしかにロリンズのアドリブソロは悪くないです。でも、テナー・マッドネスの方が上かな…。

 56~57年の2年間にロリンズが出したアルバムはどれもキンタロー飴で、音楽的に新しい挑戦はありません。曲もすべて歌謡形式のアメリカ軽音楽で、曲だけとっかえて、あとはぜんぶアドリブ、みたいな。ヨーロッパと違って、合衆国は「より高度なもの」を作るんじゃなくって、売れなくなるまで「分かりやすく、かつすぐ再生産しやすい単純なもの」を矢継ぎ早に作るのでした。ロックンロールもハードバップも80年代の産業ロックもみんなそうです。しかもジャズだから、ロックと違って録音もあっという間だっただろうし、製作費と販売数の費用対効果が抜群だったんでしょう。以降の合衆国産のポップスや産業ロックのレベルがかなりアレなので、相対的にジャズが少し高度に聴こえるだけで、実際には大同小異のエンターテイメントな産業音楽に聴こえます。曲に至っては、ロックやポップス以上にキンタロー飴なので、やっぱり面白くなかったです。僕的にこのへんのジャズを楽しく聴けるのは、ソロアドリブのアナリーゼをしながら聴いている時だけなので、きっとオーセンティックなジャズが好きな人も、似たような聴き方をしてるんじゃないかなあ。そんなロリンズが、エンターテイメント一辺倒でなく、アーティスティックな作品を発表するようになるのは、翌1958年からなのでした。さすがに当人も、こんないい加減で雑な事してていいのかと思ったんじゃないかな(^^;)。


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『Sonny Rollins Quartet / TENOR MADNESS』

Sonny Rollins Quartet TENOR MADNESS サキソフォン・コロッサスと同じ1956年録音の、これもロリンズの名盤としてよくガイドブックに載っているアルバムです。マイルス・デイビスのバックバンドをそのまま連れきて作ったアルバムで、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(dr)。そして1曲目にはジョン・コルトレーン(ts)も参加!

 アルバムの作りは、ロリンズ大フューチャーじゃなくって、他の人にもちゃんとソロ回しをするカルテットの演奏という感じ。そして、マイルスのリズムセクション、やっぱりうまいですねえ。長年一緒にやってるからか、一体感が素晴らしいです(^^)。レッド・ガーランドのピアノも、今ではぜんぜん有名じゃなくなったけど、ポロポロと弾いてシブくてカッコいい。。
 そして、ロリンズのアドリブソロは、サキソフォン・コロッサスよりこっちの方がぜんぜんいい!!1曲目「Tenor Madness」のロリンズのソロなんて快調そのもので、この時点ではコルトレーンよりロリンズの方が格上だったんだろうなと思わされました。ちなみに、ロリンズとコルトレーンが共演した公式録音って、これが唯一らしいですね。倍テンになるラスト曲「The most beautiful girl in the world」でのロリンズの2回目のソロあたりも、メッチャ素晴らしいです。また、「My reverie」などのバラードでの艶っぽい歌い回しも見事でした。歌心があるんですね!

 テクニックへの挑戦ではなく、あくまで歌うサックスを目指してるようで、ジャズ・テナーの先人たちの音楽を受け継ぎつつ、ハードバップの時代に対応していったんだなと感じました。普通のハードバップをやった時のロリンズの演奏では、僕はこのアルバムが一番好きです(^^)。


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『Sonny Rollins / Saxophone Colossus』

Sonny Rollins Saxophone Colossus 1956年発表のサキソフォン・コロッサス、ソニー・ロリンズのレコードでいちばん有名なものではないでしょうか?!このアルバムはワンホーンで、ピアノはトミー・フラナガン、ベースはダグ・ワトキンス、ドラムはマックス・ローチです。

 僕がはじめて買ったロリンズのレコードはこれでした。とにかく有名な1枚だったので、まずはこれだろうと思ったのです(^^)。ところが、1曲目「セント・トーマス」はほのぼのした曲想、2曲目「you don’t know what love is」はゆったりバラード。あれ、ハードバップって、ハードといってもこんなもんかと、ズッコケたのでした。キャノンボール・アダレイの「Somethin’ Else」を聴いた時も同じような印象でした。このアルバム、叩かせたらとんでもなくすごいマックス・ローチがドラムですが、これもぜんぜん叩かない。バックバンドやる時のローチって、フロントを立ててあんまり叩かないんですよね(^^;)。アドリブも、16分音符で心地よく「パラパラパラパラ…」みたいな感じで、コルトレーンみたいに32分で一気に畳み込むとか、アウトしてきわどく攻めるとか、そういう事をしないので、正直言って肩透かし食った気分でした。

 そんな第一印象のレコードだったのですが、このアルバムをいいと思うようになったのは、自分でジャズを演奏をする勉強をしてからでした。ジャズのアドリブって、ロックと違って動く和声進行の上でするので、僕の場合は印象づけたい音の動き(例えば、Ⅱm7の2度からV7の減5度への半音進行とか)を軸に組み立てるので、だんだん自分好みの組み立てが出来上がっていって、ある程度の型が出来てくるんです。それが悪い方に出ると、ほとんど同じラインになったり。ところがロリンズのフレージングって、かなり自由。これって、フレーズをストックしてるんじゃなくて、本当にアドリブで組み立ててるんじゃないか…って感じだったのです。例えば、A面3曲目の「Strode Rode」のアドリブなんて、聴き流してると何でもないんですが、自分で演奏してるつもりで聴くと…いやあ、50年代にこのアドリブって、すごくないかい?ロリンズ登場前のテナーサックスって、レスター・ヤングに、良くてデクスター・ゴードンぐらいですよね。そこからすると格段の進化。モダンジャズのテナーサックスって、ピアノやアルトサックスに比べると音楽的に進化が遅かったですが、ロリンズとコルトレーンで変わったんだろうな、と改めて思ったのでした。

 というわけで、音の印象だけでジャズを聴いていた頃は、「刺激の少ない古くさい和声に似たような曲ばかりで面白くないな」と思い、アドリブソロのアナリーゼをしながら聴くようになってからは、「さすがに名を残した人は持ってるな」と感想がひっくり返ったアルバムなのでした。でもこれって、ハードバップ全般に言える事なんでしょうね(^^)。


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『Sonny Rollins with the Modern Jazz Quartet』

Sonny Rollins with the Modern Jazz Quartet ハードバップのテナーサックスといったらこの人、ソニー・ロリンズです!これはロリンズのリーダー・アルバムの中で、僕が聴いたことのあるいちばん古いものです。1953年録音のプレスティッジ盤で、なんとMJQとの共演!とはいっても、半分はMJQは入ってないんですけどね(^^;)。

 「ロリンズとMJQで噛み合うのか?」と思ってましたが、MJQのメンツがとっても大人な対応で、主役のためにきれいに主役の座をお膳立てした演奏(^^)。MJQにしては自由なセッションでしたが、やっぱりこの時代の一般的なハードバップに比べると、さすがちょっとしゃれてます(^^)。
 残りのセッションでは、ピアノがケニー・ドリュー、ドラムがアート・ブレイキーに代わります。こっちはいかにも50年代ジャズ、ちょっとテーマ演奏したら、あとは全部ロリンズのアドリブソロ、みたいな(^^)。匂いとしては、前の時代のデクスター・ゴードンやコールマン・ホーキンスの匂いが残っていなくもないですが、アドリブの中に有名な曲のメロディを混ぜるような客サービス的な演奏はせず、純粋なアドリブに徹してる感じ。

 このアルバムでのロリンズは、かなり大らかなプレイをしてました。いつか、ガレスピーと共演したアルバム『Sonny Side Up』の感想を書いた事がありましたが、ああいう高速&爆音で攻めまくるロリンズではなく、ぶっとい音で「ザッパ~ン、ザッパ~ン」と大きな波を作るような演奏をしてました。こういう演奏の方がロリンズさんのステレオタイプに近いかな?大らかでいいなあ、付きあったら、きっといい人に違いない(^^)。


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書籍『万華鏡の女 女優ひし美ゆり子』 ひし美ゆり子、樋口尚文

Mangekyou no onna HisimiYuriko 去年、ひし美さんの書いた『セブン セブン セブン 私の恋人ウルトラセブン』を読んだらメッチャクチャ面白かったので、こんな本も読んでしまいました(^^)。ウルトラセブンでアンヌ隊員を演じ、その後はお色気女優へと流され、そして引退していった女優・菱見百合子の女優人生を追った本です。この本を除く菱見さん関連の本は、ウルトラセブンのアンヌ隊員役に注目したものか、写真集のどちらかですが、この本は女優ひし美ゆり子の活動全般にスポットが当てられていて、いちばん菱見百合子さんの実像に迫った本と感じました。60年代末、カラーテレビの登場による映画産業の衰退からテレビ全盛期を生きた女優さんの半生記、メチャクチャ面白かったです!

 この本、映画評論家の樋口さんが菱見さんにインタビューする形で話が進んでいくのですが、たんにひし美さんの出演作を追っていくのではなく、映画産業やテレビ産業、そして時代背景というものと、ひし美さんの女優歴を重ねあわせて書かれている所が実に面白かったです!昔は映画監督も俳優も映画会社に就職し、普通の仕事とは比較にならないほどの高給であったのが、映画衰退とともにしぼんでいきます。菱見さんは映画会社に所属した最後の撮影所女優世代で、舞台俳優や芸能プロダクション所属からテレビや映画に出演していく今の役者さんとは歩む人生が違いました。1958年には11億人の観客動員をしていた映画が、カラーテレビの普及で70年には2.5億まで激減、スカウトされて東宝に入社した菱見さんもリストラの憂き目にあいます。映画会社は日活がポルノ映画会社に転身、他もエロや暴力を売りにしていく混迷期を迎え、そのなかでフリーになった菱見さんもヌード女優として活路を見出しますが、旦那さんと子供がいる菱見さんは人気が出てきたところですっぱりと女優引退。ところが80年代になってビデオデッキが普及すると、ウルトラセブンの人気再燃、これでアンヌ隊員役の菱見さん人気が復活…ザックリ書けばこんな流れだったんですが、この過程の描写が見事!!さすがは映画評論家、文章がうまく、あまりに面白くて徹夜して一気に読んでしまいました(^^)。

 戦後日本では、60年代と70年代という時代が好きです。その時代に生きた人に言わせると「暗く厳しい時代だった」らしいですが、その時代の日本映画や音楽は、技術がまだ成熟しきっていなかったにせよ、熱さやメッセージの強さが違うと感じます。そんな中で、流されるように女優業という大変な職業に翻弄されたひとりの女性の物語は、その人の仕事を何度も何度も見てきた僕にとっては、まるで自分のある時期を見ているかのようで、面白さと同時に、自分の人生を振り返るような気分でした(^^)。


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書籍『「ウルトラマン」の飛翔』 白石雅彦

Urutoraman no Hishou 「ウルトラセブンの帰還」という本がとても面白かったので、同じ著者のこんな姉妹本も読んでみました。ウルトラマンのドキュメント本で、こっちの方が先に書かれたみたい。

 この本も、ウルトラマンの企画段階から番組終了までをドキュメントしています。先に書かれたからか、セブン本に比べると、構成が洗練されてなかったり、寸詰まりに感じられたかな?ウルトラマンの企画が決定するまでの紆余曲折が第1章なんですが、これがダルかった(- -*)。企画の変遷はメッチャ興味あるんですが、それほど重要とは思えないところの検証やら何やらが長すぎて、第1章は苦行でした。打ち合わせの日時とか、電話したかどうかとか、予算の細かい変遷とか、もっと要約していい気が(^^;)。反対に、最終章になると急に巻きが入って、尻切れトンボ。この反省があって、次のセブン本がバランスよく書かれたのかも。

 でも、第2章からの、実際のクランクイン以降のドキュメントは面白かったです!僕は、円谷特撮ヒーローは、ウルトラセブン、ウルトラマン、ミラーマンの3つが特に好きなのに、ウルトラマンの関連の舞台裏本はあまり読んでないもので、面白い話がてんこ盛りで良かった!バルタン星人の分身シーンの撮影の原理とか、脚本の変遷とか、作品全体の申し合わせ事項とか、とにかく面白かったです。特撮ヒーロー番組って、ほとんどの場合、途中で視聴率挽回や役者の交代劇とかで方向性がぶれていくんですが、ウルトラマンとウルトラセブンだけは終始ブレがないのがすごい。そのブレのなさも、ブレないよう何度も何度も修正していく制作陣の熱意とプロフェッショナルさがあってのものだったんだなあと、本を読んでいて感じました。こういう本を読んでいると、テレビを観ている時は名前が一瞬だけ映る監督や脚本家それぞれの名前や個性が見えてきて、また何を考えてこの話を作ったのかとかが、どんどん深まってきて、とても楽しかったです。

 完全に、子どもの頃にウルトラマンを楽しんだ人に向けた、大人向けの濃密な本でした。第1章がダルかったですが、そこさえ越えれば最高に楽しいドキュメンタリー。次に僕がウルトラマンを観るのはいつの事になるか分かりませんが、その時にはもっとウルトラマンを楽しめるような気がします(^^)。


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書籍『「ウルトラセブン」の帰還』 白石雅彦

Urutorasevun no Kikan ウルトラセブンの舞台裏を追った本やビデオはたくさん存在しますが、この本は、それらをガッツリまとめて話として読みやすくした感じでした。これも2017年刊、新しいです!テレビ番組でもプロレスでも、こういう過去のコンテンツの舞台裏をガッツリ書いた四六判の厚めの本ってよく目にします。流行ってるのかな?

 資料集やインタビュー集ではなくて、ルポライターさんがまとめたウルトラセブンという番組の制作の一部始終が書かれていました。ライターさん自身のインタビューが資料になっている所も少しありましたが、色んなセブン関係の本やビデオに目を通してきた僕には、知っている話が多かったです。だから、新しい証言を知る事が出来るというより、今までの裏ネタ本の情報を総括した本として楽しかった!まとめ方と文章がうまいんですね(^^)。本は4部に分かれていて、第1部は番組が始まるまでのアウトラインのまとめ。怪物番組ながら制作が追いつかずに打ち切りとなったウルトラマンからウルトラセブンに繋がっていくテレビ局側と制作会社側のやりとりとか、実際に企画が固まっていく過程とか、すごく面白かったです。

 2部から4部までは、実際にクランクインしてからのドキュメント。これも面白くて、一気に読んでしまいました。特に面白かったのが、準備稿やボツ脚本の詳細が書かれている事。詳しく知らなかった未映像化脚本でも、「赤い群獣」「認識票NO.3」「300年間の復習」(これはTVドラマ「私が愛したウルトラセブン」で映像化)は、活字で追っているだけでもメッチャ面白かった!もし映像化できていれば大傑作になったんじゃないかなあ。そして、いいものを作ろうという制作者サイドの熱意が凄くて、脚本の修正が半端ない(^^;)。物語の焦点がぼやけてるからここは切るとか、マニアックになりすぎてるからもっと娯楽性を高めるとか、いいものを作るための手間暇のかけ方がすごいです。「まあこんなもんだろ」とせず、いいものを作るためには徹底して何度も修正を加えていくんですね。これはものすごくいいことを教わった気がしました。

 そしてこの本、変に太鼓持ちにならないで公平な視線で書いている所が良かったです。特撮の神様円谷英二自身が、「これまで子ども番組だと思って多少は目をつぶってきたが、特撮班のレベルが低すぎて、これでは駄目だ。これからは、もっと現場に足を運んで後進を育てないと」とか、「台本がまったく駄目」とか、けっこう手厳しい事を日記に書いているんですが、それもありのままに載せてありました。番組終盤になって、だれてしまった特撮班の雰囲気とか、ウルトラセブンと並行して始まった社運をかけて制作された番組「マイティ・ジャック」の大ゴケで会社の将来を危ぶむ会社の首脳陣の焦りとかまで、実に詳細に描かれていました。なるほどなあ、「恐怖の超猿人」とか「ダン対セブンの決斗」とか、子どもの頃にクソつまんないなと思って観てましたが、そういうダレがあったのか、そりゃそうだよな(^^;)。

 ウルトラセブンの人気に火がついたのは再放送からで、初回放送時はけっこう厳しかったそうです…って、それでも第2クールまでずっと30%越えなんだから、今から見れば怪物番組ですよね。制作の最初から「大人の観賞に堪える」「心理的サスペンス、恐怖、意外性の重視」という基本が制作会議で話し合われていたそうですが、初回放送時のメインの視聴者は、制作者が狙った年齢ではなく、やっぱり小学校低学年だったんだそうです。そんな子どもにはセブンの複雑なテーマやハードなドラマ展開は理解不能、その面白さがやっとわかったのは、その子供たちがもう少し大きくなってからだったみたいです。自分がそうだったので、分かる気がします。僕自身は幼稚園の頃から「ウルトラセブンは特別、ウルトラマンの中で別格の作品」と思ってましたが、そんな僕でも本当にセブンを面白いと思ったのは、小学2年で一度特撮ヒーローを卒業後、改めて再放送を見た5年生の時だった気がします。再度見た時に面白いと思った話って、ウルトラセブン「ノンマルトの使者」「盗まれたウルトラアイ」「第4惑星の悪夢」「散歩する死者たち」、新マン「悪魔と天使の間に」あたりでした。要するに、ドラマを面白く感じて観ていたわけで、これが幼年層に伝わらなかったとしても自然かもしれませんよね。
 円谷英二やたくさんの脚本家や監督の日記やインタビューなどにあたりながら、丁寧に書かれた見事なウルトラセブン制作現場のドキュメントでした。いや~楽しかったです!


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書籍『新資料解読 ウルトラセブン撮影日誌』

Sinsiryou_UrutoraSevenSatueiNissi.jpg 一昨年(2017年)の9月に発売された本です。これはマニアックの極致、なんとウルトラセブン撮影時の円谷プロダクションの日報です(^^;)。こんなものまで出版されてしまうって、セブンってキラーコンテンツなんだなあ。しかもじっさいに円谷プロの日報は読んでみたいと思えちゃう所がすごい。

 面白いかどうかは微妙かもと思いつつ読んでみたところ…超面白かった!もちろんウルトラセブンのファンでないとまったく面白くないでしょうが、浅いとはいえ一応セブンファンな僕にとっては最高に楽しかったです。特に楽しかった点はふたつで、ひとつは撮影の裏側が見えるところ、もうひとつは具体的にどこでロケをしたのかが分かる事です。撮影地探索というのが流行ってるそうですが、そういう事をしたい人にはマストアイテム(^^)。「空間X脱出」の疑似空間の恐怖の森ですが、撮影現場が川崎市生田と東京世田谷の砧公園のふたつに分かれてるんだ、へえ~…みたいなトリビアも色々あったり。

 そして、撮影の舞台裏の記述が面白くて、特撮テレビ番組制作の制作現場の空気感がビシビシ伝わってきました。「おねがいだからストーブ買ってくれ」とか、「実相寺監督の撮り方が凝ってるので予定時間をはるかにオーバー。監督と助監督のコンテ打ち合わせなど、もっと綿密にお願いします」とか、「夕食の時間がなくセット内でパンと牛乳支給」とか。読んでいて、自分がスタッフとして撮影現場にいるような気分になれました。う~ん、これは面白い。ウルトラセブンの撮影は人間ドラマの本編班と特撮班の2チームに分かれていて、とくに特撮班が大変そう。その努力のすごさが伝わってきました。水中撮影のアイアン・ロックス回とか、メッチャクチャたいへんだったみたいです。

 各話の最初に簡単な説明が書いてありますが、以降は完全に日報。ルポ小説のような書き方にしてしまうとリアリティがなくなってしまうので、あえて日報のままにしたのだと思うのですが、僕にとってはこのままであってくれるのは、それはそれで有り難かったです。誰かの主観を通さず、ありのままで読みたいんでね( ̄ー ̄)。でも逆にいうと日報そのものなので、読み手の想像力が問われる1冊かも。これぞウルトラセブンの撮影秘話の決定版とも言えそうですが、あまりにマニアックなので再販はなさそう、買うなら今かも?!


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『堤剛 / 現代チェロ作品集』

TsutsumiTsuyosi_GendaiCello.jpg これもコダーイの「無伴奏チェロ・ソナタ」が入ってるCD。他も面白そうな曲ばかりだったので、思わず買ってしまった(^^)。収録曲は以下の通りで、コダーイ以外は錚々たる日本人作曲家の名前がズラリ。武満さんと石井さんの曲はチェロ&ピアノ、他はチェロ独奏です。

・コダーイ:無伴奏チェロソナタ
・黛敏郎:文楽
・武満徹:オリオン(犂)
・石井真木:螺旋Ⅱ

 コダーイの無伴奏チェロは、ハイモヴィッツさんにつづいてこれも熱演、すごい!でもハイモヴィッツさんに比べると、どの場所も熱演という感じで、ちょっと疲れるというか、もう少しコントラストつけても良かったかな?まあこれは比較すればそうというだけで、メチャクチャに素晴らしい演奏です!

 黛さんの「文楽」。僕はこのCDではじめて聴きましたが、思いっきり純邦楽です。文楽の太棹の三味線を移したらしいですが、箏曲そのままみたいな所もありました。そのままトレースするなら、文楽をそのまま観た方がいいような(^^;)。

 武満徹さんの「オリオン」。管弦楽の「オリオンとプレアデス」は作曲家の個展で聴いた事があってメチャクチャ感動しましたが、これはその室内楽改訂版。日本初演も、このCDの組み合わせの堤剛&関晴子だったみたいです。そして…いやあ、これは見事。僕がこの曲をはじめて聴いたのは「武満徹室内楽全集2」でしたが、そちらの演奏をはるかに上回る素晴らしさでした。最初のピアノの和音が出ただけで「あ、武満だな」と分かるほどの武満ワールドで、響きだけじゃなく、構造も独特なのに堅牢、みごとです。この演奏のためだけにこのCDを買ってもいいぐらいです。

 石井真木さんの「螺旋Ⅱ」は、7つの楽譜があって、1と4と7が演奏順固定、他は任意に演奏していいんだそうです。これって、ゲームカード方式なのかな、それとも演奏家が選んでいいんでしょうか。こういう作品って、ブーレーズのピアノソナタとか、現代曲でけっこう見かけますが、演奏する立場から言うと、先に順番を決めちゃうのであんまり意味がないような…曲は、かなり点描的でした。

 現代日本人作曲家のチェロ作品をまとめて聴く事が出来たのは、とっても良かったです。でも、昔はこれぞ日本の現代音楽と思って聴いてましたが、今では全員故人なんだなあ(・_・、)。


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『コダーイ:無伴奏チェロソナタ、ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲、チェロ・ソナタへ短調 シュタルケルcello』

Kodaly Janos Starker ずっとコダーイのCDを聴きなおしていたのは、最近こんなCDを手に入れたからでした。ヤーノシュ・シュタルケルによる、コダーイのチェロ作品の録音です!何でもこの録音、LPが出来たばかりの時の歴史的録音で、コダーイの無伴奏チェロの歴史的名演でもあるらしいのです。でも、僕がこのCDを手にしたのは、チェロとピアノのためのソナタが入っていたからなのでした。この曲、ある演奏会で聴いた事があるんですが、めっちゃくちゃいい曲なんですよ…。

 まず、録音ですが、1948年録音なのでさすがに今と比べるといい音とは言えないかも、ピアノとかやたら遠くにいるし(^^;)。でも、当時としてはとても素晴らしい録音で、ディスク大賞を受賞したらしいです。チェロのすぐそばにマイクを置いたみたいで、弓のちょっときしむ音まで録音されていて、ステージから離れたところにマイクを置いていた当時のSP盤の録音と比べると「おおっ、生々しい!」となったのかも。
 コダーイのチェロ曲。いやあ、3曲いずれも見事。無伴奏チェロソナタは全部覚えちゃってるぐらい好きなので文句なしですが、久々に聴いたチェロとピアノのためのソナタがやっぱり素晴らしかった!第1楽章は静から動への激烈なドラマで器楽演奏のすごさビシバシ、そして第2楽章冒頭の美しさといったらもう…これは大名曲じゃないでしょうか?!なんでこれほどの曲が有名じゃないんだろうか…演奏が難しいんでしょうね。。

 そして、シュタルケルの演奏。チェリストに詳しくない僕でも、カザルス、ピエール・フルニエ、そして戦後のヤーノシュ・シュタルケルの名前は知っているので、超すごい人として有名とは言えるかも。そしてその演奏は…うわあ、めっちゃ力強い、しかも馬鹿テクじゃないですか?!マイクが近い事もあるのかも知れませんが、優雅というより豪放、ピアノでいうとホロヴィッツみたいな印象を受けました。昔のクラシックのプレイヤーって個性が強いというか、「俺はこうだ!」みたいなカラーが強くてかっこいいです。ジャズもそういう時代がありましたが、今はクラシックもジャズもみんな平均化されちゃった感じがしますからね、批判を避けるとどうしてもそうなっちゃうのかな…。う~ん、これは一聴してファンになっちゃいました。そうそう、コダーイの無伴奏チェロは難易度Sの難曲だそうで、なかなか演奏されなかったのが、シュタルケルの演奏で一気に知名度が上がったんだそうです。そういう意味でも、このCDはクラシックの歴史に名を刻んだ名盤なんでしょうね。


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『コダーイ:無伴奏チェロソナタ ブリテン:無伴奏チェロのための第3組曲 べリオ:言葉は空しく ヘンツェ:無伴奏チェロのためのカプリッチョ マット・ハイモヴィッツ(cello)』

Kodaly_MubansouCello_Matt Haimovitz 「ハーリ・ヤーノシュ」でコダーイを知った僕は、「ちょっとだけ民族色がある、標題音楽的な後期ロマン派だなあ」と思ったのでした。ところが、コダーイの無伴奏チェロソナタを聴いてビックリ、これが超硬派な純音楽だった!子どもっぽい音楽を作る人だと思っていたのがまったく真逆、感動してしまいました。これはマット・ハイモヴィッツという有名なチェリストが演奏した、近現代のチェロ独奏曲を集めたCDです。

 いつぞやアルゲリッチが演奏したラヴェル「夜のガスパール」の感動を伝えたことがありますが、このCDのコダーイの無伴奏チェロソナタの演奏は、あの凄さを感じました。ピチカートでリズムを取りながらメロディを奏でるとか、スコルダトゥーラで部分的にハンガリーの舞曲っぽいのが出てくるとか、言おうと思えば演奏技巧や作曲技術的な事を言えなくもないです。でも、そういう所を見ている音楽じゃない、こうしようとかああしようではなく、自分の内側から出てくるものをすべてそのまま音の形と表現にあらわせてしまっている感じで、ある意味ジャズっぽいです。こういう強烈さって、ジャズやロックが好きな人なら絶対に分かると思うんですよね。この曲、チェロの演奏技法を大きく広げた、現代の無伴奏チェロ曲の原点と言われているほどの大名曲らしいですが、こんなすごいのを知らなかったなんて、人生今まで損していた気分(^^;)。

 ブリテン「無伴奏チェロのための第3組曲」、これも本当に素晴らしかったです。ブリテンって、管弦楽を書くとやたらに保守的で何かの曲のコピーみたいで僕は好みじゃないんですが、器楽独奏となると突然すごい曲を書く時があります。ギター独奏の「ノクターナル」もすごかったですし。この曲、初演はブリテンと妖しい関係にあったチェリストのロストロボーヴィチだったそうです( ̄ー ̄)。
 べリオとヘンツェの無伴奏チェロ曲は、指揮者&偉大な音楽パトロンだったザッハーの誕生を祝うために、ロストロボーヴィチが12人の作曲家に委嘱したもののうちの2つだそうです。え、ベリオに委嘱したら「ベチッ」とか「ギギー」とか、そういう曲になっちゃうんじゃないの?と思いきや、これが実によく出来た曲。たまにはこういうストレートな現代音楽があってもいいですね(^^)。一方、もろにポストモダンでまとまりのいい曲を書きそうなヘンツェの方が現代音楽チックかも。でも、これもいい曲。

 これだけ外れがないというのはどういう事でしょうか。ひとつはハイモヴィッツの演奏が、解釈や表現を含めて凄いという事なんでしょうが、もうひとつは選曲が絶妙なのかも。このCD、英語タイトルは「The 20th Century Cello」となってますが、20世紀の名曲を集めたというよりも、これらの曲に共通しているものをハイモヴィッツさんがうまく捉まえたという事なんじゃないかと。これは見事なCD、大推薦です!!


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『コダーイ:組曲ハーリ・ヤーノシュ、ガランタ舞曲、マロシュセータ舞曲、ハンガリー民謡「孔雀」による変奏曲 デュトワ指揮、モントリオール交響楽団』

Kodaly HaryJanos コダーイはハンガリーの作曲家ですが、ハンガリーではバルトーク以上の英雄だそうです。このCDはコダーイの管弦楽作品集で、「組曲ハーリ・ヤーノシュ」とか「ガランタ舞曲」とか、コダーイの管弦楽の名曲はこの1枚さえ持ってればオーケーという内容。

 コダーイの作品でいちばん有名な「組曲ハーリ・ヤーノシュ」ですが、もともとはオペラで、この組曲はそれを演奏会用にまとめ直したものです。ディズニー映画とかファンタジー映画のサントラに使われそうなメルヘンチックな音楽で、すごく楽しげ。そのメルヘン加減と言ったら、おもちゃの兵隊が行進してきそうなぐらい(^^)。この傾向は他の作品にも言えて、ある意味でどれも標題音楽的というか、ロマン派音楽的な、絵や詞や情景を音楽にしたような雰囲気があります。
 そして、そこにリズムとか旋法とかにちょっとだけ東ヨーロッパの民族音楽的なものが混じっていて、このへんが国民楽派とよばれる理由なんでしょうね。ハンガリー的なのって、中国の音楽みたいなものと、東欧の舞踊音楽がチャンポンになったような雰囲気で、すごくエキゾチック。ちなみにコダーイは、バルトークと並んでハンガリーの民謡研究の第一人者です。バルトークとの違いは、バルトークが民謡を取り入れつつ新古典から前衛に進んだのと違って、コダーイはあくまでロマン派音楽にちょっとだけ地域音楽が混じってくるところです。

 絵画のように色彩感にあふれる音楽で、しかもシリアスな感じがなく、楽しげなものが多いです。ファンタジーなクラシックという意味では、チャイコフスキーのくるみ割り人形とか、あのへんの近いかも。硬派なクラシックが好きな人には向かないかも知れませんが、なかなか眩惑的な音楽で楽しかったです(^^)。


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『アイヌのうた 萱野茂、平取アイヌ文化保存会』

Ainu no Uta 北海道には何度か行った事があるのですが、新千歳空港に、アイヌ文化の展示コーナーがありました。また、何年か前に、政治家が「日本は単一民族国家」みたいな発言をして問題になりました。北海道に住んでいるアイヌの方々ですが、僕はほとんど知識がありません。子どものころ、チェーン店なのか「どさんこ」という北海道ラーメンのお店がありまして、そこのみそラーメンが、みそが辛くてタマゴ麺で、ものすごくうまかったです。そして、店の中にアイヌ語の書かれた暖簾がつり下がっていたのを覚えてます。その暖簾の柄が、このCDのジャケットに写ってる人の着てる着物の柄とおなじ。…それぐらいしか知識がないんです、うう。
 調べてみたところ、アイヌの方々は2017年で人口が1万3千人ぐらい、アイヌ語を持っているそうです。このCDの解説を読むと、どうも今ではアイヌ語を流暢に話せる人は減っているみたいです。そんな中でもアイヌ文化を引き継いでいる人が、2000年に録音したのがこのCDでした。

 音楽はものすごくプリミティブ。プリミティブな歌というのは、世界のどこでもけっこう似ているもので、なにかの文化的なつながりがあってこうなってるのか、シンプルだとだいたい似てくるのか判断つかないっす(^^;)。ただ、日本民謡にそっくりなものが混じっていたりしたので、大和民族と多少の文化交流はあったのかも。交換経済で他の民族と接触していたそうですしね。

 正直にいうと、あまり音楽という感じがしなくて、文化遺産という感じでした。それぐらいプリミティブ。東ヨーロッパにも、イヌイットにも、タヒチにも、これぐらいプリミティブな歌がありましたし、それらは「おお、こういう文化があるのか」と、それなりに胸ときめいたんです。でも、アイヌの音楽はあまりそう感じなかったのです。それって、もしかすると音楽どうこうではなく、異文化を感じなかったという事なのかも知れません。つまり、意外と自分が持っている文化と近いものがあるという事なのかも知れませんね。それにしても、僕は自分が住んでる島国の事もよく知らないんだなあ。


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『カナダ イヌイットの歌 CANADA Jeux Vocaux Des Inuit』

CANADA Jeux Vocaux Des Inuit これもカナダに住んでいる先住民族イヌイットの音楽のCDです。いや、音楽じゃないです、声を使った「ヴォーカル・ゲーム」という伝統的な遊びを収録しています。音をから判断するに、これはビクターのCDの「のど遊び」と同種のもの。このCD、原盤はフランスの民族音楽レーベルOcora ですが、日本ではキングが出した「世界民族音楽大集成」の91巻としてリリースされた事があります。

 前のCDは1993年のケープの録音でしたが、こちらは1960年から80年までの録音で、録音場所はカリブー、ネツィリク、イグルーリクの3か所での録音でした…って、どこだかさっぱりわかりません(^^;)。Google で打ち込んでもヒットしません。解説によると、「北極圏のさらに西」との事です。
 音は、こっちの世界のシロウトの僕にとっては、ビクターのCD『極寒の歌声 ケープ・ドーセット イヌイットの歌』との差は分かりませんでした。でも、こっちのCDがすごいのは、イヌイットのヴォーカル・ゲームの遊び方について、細かい解説がついてるのです!というわけで、フランス語が読めないのであれば、輸入盤ではなく日本のキング盤を買うべし!そうしないと、まったく意味が分からないCDだと思います。なんせ、僕は日本語の説明を呼んですら意味がよく分からなかったですから(^^;)>。
 というわけで、解説を何回読んでもよく分からなかった遊び方なのですが、遊びのひとつは、「ふたり以上で一緒に交互に音を出し合って、先に切れた方が負け」というものみたいです。何が切れたら負けかというと、音が切れたら負けか、物語が途絶えたら負けか、ちょっとよく分かりませんでした。でも、色々あるみたいです。他の遊び方もあるみたいです。
 そしてこのCD、なんとインデックスが90まであるのです!そして、自分でプログラムして色んな遊びを体験できるらしいのです。でも、やっぱり難解解説を読んでも分からなかった○| ̄|_。分かる方、どなたか教えてください…。

 このCD、音だけ聴くと、しゃっくりが止まらなくなったとか、犬がゼエゼエ言ってるだけに聴こえるとか、そういうものが多数。これが遊びである事を知らずに、自分がよく想像するような音楽だと思って買うと痛い目にあうかも。でも、音だけでゲームが出来るんだとしたら、どうやって遊ぶのか、マジで知りたいです。思うに、極寒の地で、家から一歩も出ない状態で、家族や仲間と音だけで遊んで、長い冬を越える生活を何千年も続けてきた人たちなんでしょうから、この遊びがある事が救いだったんじゃないかと。そう思って聴くと、なかなかに人のぬくもりを感じる1枚でした(^^)。


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『極寒の歌声 ケープ・ドーセット イヌイットの歌』

Gokkan no Utagoe_inuit 寒い、寒いです。こんな時は、「俺より寒い思いをしてる人が世界にはいっぱいいるんだ」と思う事にして、寒さを耐えしのぐ事にしよう、そうしよう。
 シベリアからアラスカ、カナダ北部、そしてグリーンランドにまで生息している人たちを、昔はエスキモーと呼んでいましたが、今はイヌイットと呼ぶらしいですね。きっと人権的な理由からなんでしょうね。いまはインディアンとも言わないし、黒人も差別用語みたいだしね。このCDはカナダ北東に住むイヌイットの人たちの音楽を収録した、とても貴重なものでした。1993年の現地録音で、なんと零下40度だったそうです!寒いって、そんなに寒いのか、バナナで釘が打てるよ…。イヌイットって、「寒い所に住んでいる」ということ以外、僕は本当に何も知らないので興味津々(^^)。

 このCDに入っていた歌は、ほとんどが無伴奏の遊び歌でした。もの凄くプリミティブですが、でも普通の歌は世界中に残っている民謡に雰囲気が似ていて、そこまで驚きませんでした。驚いたのは、「のど遊び歌」という、のどを鳴らす遊び。これが13曲ほど入ってたんですが、一瞬電子音楽かと思った!ふたりの人が交互にのどを鳴らしているんですが、人間ってこんな音だせるんだと思ってしまいました。音色だけでなく、なんか音楽自体が電子音楽っぽくて、合間に息継ぎの音がきこえなかったら声だってわからなかったかも知れません(^^;)。

 イヌイットの方々は、昔みたいに犬ぞりで走るなんて事はもうしてないそうですが、幸いにも白人との接触が少ないおかげで文化的な侵略は進んでいなくて、言語や音楽の文化は今も受け継がれているそうです。それにしても、極寒の地で生きていくって、どういう生活や人生になるんだろう。興味津々です(^^)。


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『The Woman in Red -original soundtrack-』

WomanInRed_SoundTrack.jpg 1984年の映画「ウーマン・イン・レッド」のサントラ盤です。音楽監督はスティーヴィー・ワンダー。僕はこの映画を見ていないのですが、サントラだけは聴きました。もちろん、スティーヴィー・ワンダーの「I just call to say I love you」が目当て(^^)。

 この映画サントラ、スティーヴィー・ワンダーだけでなく、曲によってディオンヌ・ワーウィックのヴォーカルも入ってました。そして、「I just call~」以外にも、よく耳にする曲が入ってました。普通の4ピースのオケにシンセの音が耳につくので、音の質感は80年代なんですが、曲自体はむしろ60年代のスティーヴィー・ワンダーの曲みたい。この映画はロマンティック・コメディらしいんですが、爽やかでどこかジンと来る感じの曲が多くて、きっと映画にピッタリの音楽なんだろうなと思いました。
 そして、「I just call to say I love you」、これがはじめて聴いた時は素晴らしかった!!パイオニアのステレオの長いラジオCMで、この曲がかなり長い時間かかってたんです。そして、まだ聴きなれていなかったデジタルシンセの音のきれいさに驚いた!!うわあ、シンセってなんていい音なんだろう…と魅了されたのを覚えています。最初に聴いた時のあの感動はずっと心に残ってます。

 いま聴くと、このデジタルシンセの音がそこそこチープで(^^;)、スティーヴィー・ワンダーの最盛期は70年代前半だな、な~んて思っちゃうのですが、でもこの軽い感じが本当にウキウキして楽しい時代だったんです…って、80年代が青春リアルタイムな人じゃないと、ちょっと伝わりにくい感覚かも知れませんね(^^)。


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『Stevie Wonder / Songs in the Key of Life』

Stevie Wonder Songs in the Key of Life  スティーヴィー・ワンダーが1976年に発表したアルバムです。LP2枚とEP1枚というとんでもないボリュームで発売されたくせに、ビルボードで何カ月も1位に君臨するほどの大ヒットしました。でも、2枚組のアルバムを買うと、外した時に痛いと思っていた僕は、手にしたのはけっこうあとの事でした (^^)。

 しばらく、オーディオ的な音の良さを追求していたようにみえたスティーヴィー・ワンダーでしたが、このアルバムは歌に戻ってきた感じ。2枚組ですがコンセプトアルバムではなくて、小さな歌がいっぱい詰まってる感じ。なぜかフュージョンっぽいギターインストとかもやってましたけどね(^^;)。参加ミュージシャンの数も膨大で、なんというか…まとまりのないアルバムに聴こえてしまいました(゚∀゚*)アハハ。ポップやファンクなナンバーは、好き嫌いは別として、サッとセッションして終わらせたようなものが多くて、完成度がイマイチかな?アレンジや演奏の完成度だけでなく、ハズレ曲もそれなりに多い印象…というか、小曲を20曲近く連続なので、いい曲でもいい曲に聴こえなくなってたかも (^^;)。
 でも、「Love's In Need Of Love Today」(ある愛の伝説)は大名曲、曲も詞もアレンジも悶絶するほど好き。特に、詞は、涙が出そうなほどに素晴らしいです。

love's in need of love today
don't delay
send yours in right away
今、愛が必要とされる分だけありません
遅れないで、あなたの愛をすぐに下さい

hate's goin' round
breaking many hearts
stop it please
before it's gone too far
憎しみがそこらじゅうにあって、多くの心を傷つけています
手に負えなくなる前に、お願いです、それを止めて下さい


 なんと素晴らしい詩なんだろうか…僕にとっては、この1曲のためだけにあるアルバム、この1曲だけを何度もリピートして聴いてしまいます。世界中の人が、この言葉を持つ事が出来たら…。70年代のスティーヴィー・ワンダーは本当に神がかってました。オーディオのレベルがすごいとか、サウンドアレンジにまったく新しい美感を持ち込んだとか、歌がうまいとか歌曲が素晴らしいとか、それらすべてが素晴らしいんですが、いちばん凄いのは、それらが全部「人の幸福」「平和」という思想に繋がっている所なんじゃないかと。僕は、そこに感動します。ひとつの思想を伝えているという意味で、彼は立派な思想家であって、それを伝える手段が言語ではなくて歌だったんじゃないかなあ。…でもアルバム2枚は長かった(^^;)。


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『Stevie Wonder / Innervisions』

Stevie Wonder Innervisions スティーヴィー・ワンダーが「トーキング・ブック」の翌1973年に発表したアルバムです。このアルバム、たしかグラミー賞を取っていたはず。このサウンドはスタジオじゃないと作れない音、クラシックやジャズにはできない芸当で、オーディオで観賞するためのレコード専用ポピュラーミュージックサウンドというものを確立した1枚じゃないかと。

 「トーキング・ブック」もすごかったですが、音に関していうと「インナービジョン」は異次元。曲とかなんとかではなく、音にやられました。僕が若い頃、ラジカセから一歩踏み込んだコンボステレオというのが大流行しまして、レコード、カセット、ラジオ、CD、ついでにグライコまでついてるオーディオセットが飛ぶように売れてたんです。お金持ちの友人だと持ってる人も多くて、聴かせてもらってビックリしたのが音の良さ。中でも、一部フュージョンとスティーヴィー・ワンダーのレコードが、異次元にいい音でびっくりでした。このレコードもそうして驚かされた一枚で、 楽器がすべて分離して、リヴァーブが少なめでデッドで、中域がうるさくなくて…音楽ではなく、オーディオを中心に考えられた音という感じでした。

 これって、単にマイクや楽器の音が良くなったんじゃなくって、レコーディングの技術ややり方が変わったんでしょうね。今のポピュラーだって、これより悪い音のものがいっぱいあるという事は、機材の値段じゃなくって、録音の技術なんじゃないかと。いま聴いても、このレコード、曲や音楽はぜんぜん入ってきませんで、オーディオ用の音ばかりを聴いてしまいます。ヒット曲「Living for the City」も、僕は曲は全然きかずに音だけ聴いて感動してます(^^;)。あ、「Golden Lady」は、いい曲だと思いますけど、このアルバムでこの曲を褒める人も少ないか(^^;)>。このあたりから、こういう音作りをするポピュラーミュージックが増えました。日本の徳永英明みたいな人ですら、こんな感じの音になってましたからね(^^)。これはLPではなくてCDで聴きたい音楽…とかいって、僕が持ってるのはアナログ盤なんですけどね(^^;)。


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『Stevie Wonder / Talking Book』

Stevie Wonder Talking Book 70年代のスティーヴィー・ワンダーは、まさに黄金期!これは1972年に発表されたアルバムで、サウンドが古いモータウン・サウンドからガラッと変わって、ニューソウルっぽくてものすごくいいです(^^)。

 アルバム1曲目「You Are the Sunshine of My Life」が抜群に気持ち良くて、あったかくて、人を幸福にする言葉に満ちあふれて、メッチャいい曲です!こういうあったかい言葉を伝えられる所が、作曲の才能や歌のうまさ以上の、スティーヴィー・ワンダー一番のいい所なんじゃないかと。
 アルバム全体は60年代の野暮ったいリズム隊にストリングスとホーンとコーラスをブワッと重ねるモータウンサウンドではなくなっていて、ほぼバンド編成、これがめっちゃセンスいい!ピアノやエレピを基調にした曲など、楽器編成の幅が格段に広がっています。60年代からこういう風にアレンジにも凝っていたら、スティーヴィー・ワンダーの曲ってもっと注目された曲がいっぱいあったんじゃないかなあ。余計な音を排除したアレンジになって活きたのは、僕はバラードだと思ってます。「You and I」なんて、余計な音をなくしているので、歌の表情や和声とメロディの関係が見えやすくなって、「スティーヴィー・ワンダーって、こんなに歌心ある人だったんだ」って感動してしまいました。全米1位となったあの有名な「迷信」は、僕はあんまりいい曲と思わないのでパス(^^)。

 ニューソウル系の洗練されたサウンドになった70年代のスティーヴィー・ワンダー、最高です!アメリカの70年代ロック/ポップスで、いちばん洗練された音を作ったのって、スティーヴィー・ワンダーなんじゃないかと。70年代、白人のロック/ポップスが産業ロックに走ってどんどん安っぽくなっていったのに、黒人音楽は逆に大量生産のチャートミュージックから脱して音楽的に深化していくという逆転現象。なんでこうなったのか、興味ある所です(^^)。


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映画『ランボー 最後の戦場』 シルヴェスター・スタローン主演

Rambo_SaigonoSenjo.jpg ベトナム戦争帰りの元グリーンベレー隊員を描いた映画「ランボー」シリーズ、3作目はアレな出来だったので、飛ばして第4作です。この4作目だけは制作年が離れていて、2008年制作。前作から20年以上空いての制作でした。

 舞台はミャンマー、ランボーは慈善団体のガイドとしてタイからミャンマーまで船を出しますが、あっという間にトラブルに巻き込まれて、以降はランボー大活躍(^^)。ではあるんですが、この映画、ランボーの超人ぶりを描くよりも、戦争のむごさや恐怖を描くところに力が入っています。この映画で僕的に一番印象に残ったのは、地雷を埋めた田んぼの中を競争させられるシーン。田んぼなのでどこに地雷が埋まってるのか分からず、踏んでしまえば吹き飛ぶわけで、一種のロシアンルーレットです。でもこれ、映画用に考えられたものではなく、こういう事を実際に捕虜にやらせてたらしいですね。戦争って、どこまで人を残虐にしてしまうんでしょうか。こういう戦争のむごさを描くのに徹した映画に感じました。
 そして、ラストも実に良かったです。ランボーのラストは、余韻を残すというか、スッキリしない終わり方をしたりするんですが(それが悪いわけではないです)、でもこの4だけは「ああ、苦しみ続けたランボーに、ようやく平穏な日が訪れたんだな」というエンディング。それってランボーだけの話ではなく、印象としては「ああ、ようやく冷戦構造の地獄が終結したんだな」というように感じられました。これが実際の社会とリンクしているかどうかは別ですけどね。

 僕的には、ランボーは1が傑作。2もすごく面白かったですが、2は駄作という評価もあって、社会的には微妙…なのかな?3は満場一致の最低映画。というわけで、シリーズは尻すぼみしてフェードアウトかと思いきや、この4が良かった!!この4があるおかげで、ランボーのシリーズは、単なるアクション映画に終わず、独特の作品として収束できたのではないかと。ランボーは、3さえ見なければ見ごたえのあるシリーズだと思います!


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『ランボー 怒りの脱出 オリジナル・サウンドトラック』

Rambo_Ikarinodasshutu_Soundtrack.jpg 映画「ランボー怒りの脱出」のサントラ盤です。映画は1作目が最高ですが、音楽は2作目が最高!…いや、1作目もいいな(^^;)。作曲はジェリー・ゴールドスミス、「猿の惑星」の音楽に魅了されて以来、フェイバリットとなっている劇伴作曲家です。

 ひりつくほど緊張感のある音楽、それでいて同時に勇ましくてカッコいい。。基本は管弦楽曲なんですが、この映画音楽を独自のものにしている点が3つあるんじゃないかと。
 ひとつは、主旋律で紙が破けるような音の楽器。これって何なんでしょう、ギターアンプを極端にブーストするなりファズをかけるなりして低音をカットして、さらにフェイザーをかけてる感じ?これが、独特の緊張感を出していて、ランボー2の音楽を特別なものにしていると感じます。同じ手法で、管楽器や他の楽器をブーストして歪ませて使う所がちょくちょくあるんですが、これが「ランボー2の音楽だ!」って感じで、ものすごく好き(^^)。
 ふたつめは、スナッピーを極端に効かせたスネアドラム。これは鼓笛隊的な使われ方をして、軍楽を想起させて映画と関連付けてるんですね。敵が巡回するシーンで使われたこのスネアの音が象徴的で、音楽と内容が見事に溶け合っていました。
 3つめは、映画の舞台となったベトナムを表現したメロディラインや楽器の使用。これは映画音楽ではよく使われる手法で、「燃えよドラゴン」のサントラではメインテーマの途中で中国の楽器とメロディが織り交ぜられるし、地域を表現するのに現地音楽を音楽に録り込むと、単純ではありますがこれほど効果的なものもないと感じます。でも、ジェリー・ゴールドスミスがうまいのは、それをそのものとして使うんじゃなくて、他のBGMと同じ管弦楽曲の中にほんの少しだけ混ぜるんです。このさじ加減が絶妙で痺れます。

 クラシックや現代音楽の世界ではやらない手法を使った、映画音楽でしか作れない管弦楽曲。怒りの脱出のサントラは、映画音楽の傑作のひとつじゃないかと!僕は1枚もののCDを持ってるんですが、今は2枚組で出てるんですね。ところで2枚組にしたら、映画より時間が長くないかい?2枚目って、何が収録されてるんでしょうか。気になります(^^;)。


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映画『ランボー 怒りの脱出』 シルヴェスター・スタローン主演

Rambo_IkarinoDasshutu.jpg スタローン主演映画「ランボー」の第2作です!僕が劇場に観にいったランボーはこれだけですが、スクリーンで見た迫力がすごかった!まだ若かった事もありますが、圧倒されてメッチャ面白かったなあ(^^)。友達と観に行ったはずなんですが、誰と行ったか覚えていないほど映画の印象が強かったです。

 前作で逮捕されて強制労働させられているランボーは、恩赦とひきかえにベトナムで捕虜として残されたアメリカ兵の偵察の任務を与えられます。ところが、色んなトラブルもあってランボーが捕虜をひとり連れて帰ると、アメリカ側の司令官がランボーを見捨てる決断をし、救出ヘリを引きあげさせてしまいます。見捨てられたランボーは憐れ捕虜に。ここからランボーの脱出劇と復讐が始まります!

 はじめてこの映画を観た時の一番の衝撃シーンは、敵の兵士が多人数でジャングルを捜索するところでした。敵兵が動き回る中、泥壁に潜んだランボーの目がギロッと開いたところは衝撃でした!元グリーンベレーであるランボーのこういうサバイバル術に、子どもの頃の僕は目が釘付けでした。それから、生きた心地がしない絶望的状況の連続をかいくぐる脱出劇もドキドキで良かった!ようやく脱出できたと思ったら、敵の戦闘ヘリ・ハインドが出てきて、ああ絶望。しかしそれを切り抜けた機転もすごかった!…今見ると、ヘリの中からロケット砲撃ったら、自分たちだって生きてはいないと思いますけどね(^^;)。

Rambo_IkarinoDasshutu_doro.jpg もうひとつのポイントは、復讐を果たす所です。1作目と違い、この映画には完全無欠の悪役がいます。それは、敵となっているベトナム兵士のリーダーと、ランボーを見捨てたアメリカ軍側の司令官のふたり。ベトナム兵士はランボーを張り飛ばし、ランボーが愛した女を殺します。映画を観てる人は、誰だってこいつが嫌いなはず(^^;)。それをランボーは最後に倒すんですが、その倒し方が、相手が恐怖におののいて逃げるところを、じっくり狙って弓で射抜く(^^;)。なんでこういうシーンにしたかというと、ランボーの凄さの表現もあったでしょうが、「こいつ、ぶっ殺してやりてえほどムカつく」という観客の思いに応えての事なんじゃないかと。アメリカ軍側の司令官への復讐も同じ。つまりこの映画って、さんざん追い込まれた後の大逆転や復讐の爽快さなんじゃないかと(^^)。

 この映画、ソ連やベトナムを一方的に悪と決めつける描写がなされてたり、いくらなんでもランボーが強すぎたりするもんで、最低作品賞みたいなものまで取ってしまいましたが、それって好きの裏返しのユーモアでもありますよね。「そんな事ねえよ、くだらねえなアハハ」といいつつ、みんなこの映画が大好き、みたいな(^^)。観終わって爽快、ダーティー・ハリ―やマッド・マックスや高倉健の任侠映画のような「孤高のアウトロー」というヒーロー像を描いた、痛快な映画だと思います!


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映画『ランボー』 シルヴェスター・スタローン主演

Rambo_first blood 正月に何をしていたかというと、ランボーを観まくってました(^^)。この映画をはじめてみたのは、テレビのロードショー番組。30年以上前だったと思いますが「ランボー2」の映画宣伝のための放送で、派手さがなく、なんと地味な映画なんだと感じました。ところが徐々に目が離せなくなり、なにか心にひっかかる感じで覚えていました。それ以来、何回か観ているうちに、今では数年に1度は見るほどの大フェイバリット映画になった次第(^^)。なお、オリジナルのタイトルは「First Blood」で、「先に仕掛けた」みたいな意味だそうです。

 ベトナム帰還兵が合衆国で疎んじられる状況を背景にした物語。グリーンベレーだったランボーは、故郷に帰ると仕事すらないありさま。戦友を尋ねればみな戦争の後遺症で命を落としており、その帰り道でも危険な風来坊扱いされ、町を追い出されそうになります。そこで反抗的な態度を取ったために地元警察に拘束されます。しかしランボーは元グリーンベレーで、ひとりでも軍隊なみの強さ。ランボー対アメリカ田舎町の警察署の戦いが始まります。

 逃げ込んだ森にブービートラップを仕掛けて警官の追撃をかわす。光のない坑道に追い込まれてもサバイバル術で生き残る。有名な崖からのダイブシーンでは、ありえない高さからのダイブで生還する。そういう所だけ見ると、たしかにランボーはヒーロー的な映画なのかも。でも、ランボーは暗く寡黙で陰のある男で、およそクラスの人気者になるタイプではありません。セガールやシュワちゃんみたいにまったく恐怖を感じない非現実的な超人でもなく、傷だらけになり、傷つき、怒りに震えながら生き抜く感じ。これをしいて表現すれば、孤高のアウトサイダーという感じでしょうか。これが、中2病まっただ中だった僕には、最高にカッコよかった!十字架を背負ってる感じに痺れたんです。警察に連行されていく悲劇的なラストが、またいい。この映画、ランボーが射殺されるというエンディングが先に撮影されたそうで、それは特典映像に入っていたりして(^^)。でも、出来がいいので、続編もあり得るかもと、ランボーは生きながらえたそうで(^^)。
Rambo_first blood_jump もうひとつの良さは、ランボーに敵対する州警察の署長にも、署長なりの正義があって、好感が持てる事です。つまり、完全な正義と完全な悪の戦いではなく、複雑な人間ドラマにもなってるんですね。こういう人間ドラマとしての深みが、この映画を単なるアクション映画にしなかったポイントだたんじゃないかと感じました。

 派手さはないのに、観れば観るほど嵌まる映画でした。僕はこのパターンが意外と多くて、女の子も「派手な子に会った瞬間ひと目ぼれ」という事はあんまりないのに、ちょっと渋い感じの子が気になって、そのうちだんだんと好きになって最後には大フェイバリットになったりするのです(^^)。きっと、分かりやすいきらびやかさより、深さに惹かれるんでしょうね。アクションスターを使ったハリウッド映画ながら、深さを感じる映画でした。シリーズ中もっとも地味で、しかしシリーズ最高傑作。大推薦です!!


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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