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心に残った音楽♪

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Category: CD・レコード > ジャズ   Tags: ---

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『Duke Ellington / 1940-1942 (The legacy of Bluebird)』

Duke Ellington 1940-1942 名盤ガイドで僕がよく見かけたデューク・エリントンのレコードは、50年代の『エリントン・アット・ニューポート』と60年代の『ザ・ポピュラー・デューク・エリントン』のふたつでした。でも、若い頃の僕は、オールドジャズの大ファンだった先輩から、「エリントン楽団の最盛期は、40年代のブラントン・ウェブスター・バンド時代だったって言われてるんだよ」という話を聞いて、興味津々。「なるほど、40年代前半ならまだビバップ登場前だし、スイング時代の最後のほうなのでスイング・ジャズがいちばん洗練された頃なのかな」とか、「まだLPのない時代だから、名盤ガイドにその時代のレコードが出にくいのも理解できるな」とか、色んなことを思ったのです(^^)。そんな折、古いジャズやブルースのレコードをCD化した「ブルーバード」というシリーズが出まして、その中に40年代初頭のエリントン楽団のこの3枚組CDが出たのでした。おお~伝説のブラントン・ウェブスター楽団時代の音が聴けるぞ!なんて感じで、浮かれて買った若い頃の僕なのでした。まだ知らない音楽だらけで、レコード1枚買うごとに新たな音楽を扉を開けていたあの頃のワクワクったらなかったなあ。。

 でも、このCDを買った若い頃は、外したと思ったんです。なんと言っても古臭い音楽に感じたし、リズムもヴォイシングも単純、この音楽の和やかな雰囲気も僕が若い頃に聴いていた音楽とは価値観があまりに違いすぎていて、良いと思えなかったのです。ジミー・ブラントンのベースも、ベン・ウェブスターのサックスも、その後のモダンジャズを知ってしまっているからか、正直言ってすごいとは思えなかったし。そもそもウェブスターのソロアドリブなんてほとんど聴けないし(^^;)。そんな僕が、このCDを良いと感じるようになったのは、30代も後半にはいってからでした。創成期のアメリカのクラシックを聴き、色んな映画を観て、色んな本を読んで、世界中の音楽を聴いて、19~20世紀の音楽の流れが見えてきて…そして一巡してアーリータイムジャズに帰ってきた時に、「お、これはいいな」と変化していたのでした(^^)。たぶん、色んなものを通して、20世紀初頭のアメリカが持っていた楽観主義を理解するようになってたんじゃないかと。マイルス・デイビスジョン・コルトレーンの音楽より、文学の「華麗なるギャツビー」や、古いアメリカ映画やコープランドのクラシックあたりの方が、価値観が近い音楽だったのです。楽観主義アメリカの、田舎ではなく都市部にあるナイトクラブのエンターテイメント音楽。そう思えるようになった瞬間に、すごく気持ちのよう音楽に聴こえました。極端な言い方をすると、仕事が終わった後に、緊張した神経を緩めるためのスイッチになる音楽、みたいな(^^)。いま日本で、仕事帰りにサラリーマンが立ち寄って、生演奏を聴いて、気持ちよくリラックスできる場所って、あるでしょうか。まず、生演奏に金を払う気になる人が少ないだろうし、それ以前に生演奏でリラックスした気分を楽しもうという文化自体がないと思います。江戸時代はそれがあったことを考えると、実は戦後から今現在までの日本の市民階層って、経済も文化も貧しいんですよね。でも、20世紀前半のアメリカ都市部は、それを出来るぐらいに心も懐も余裕があったわけです。そのリラックスした時間をこのCDで感じる事が出来た感じでした。

 とはいえ、それは今の音楽と比較したらそうということで、当時としては全く違う事がいえるかも。20年代のエリントン楽団と比較すると、ホーンアレンジが恐ろしく洗練されてます。これは、この頃ついにエリントン・ビッグバンドのアレンジの影武者ビリー・ストレイホーン(「A列車で行こう」の作曲者でもあります)が参加した事と関係があるんでしょうね。あとは、ラテン系の曲、歌伴などなど、バラエティに富んでるのも耳をひきました。これって、ワンナイト・ショーやツアー、ラジオ番組出演などなど、当時のプロ楽団の仕事の幅の広さが反映されてるのかも。そして、ブラントンのベース。今と同じだから「何がすごいんだろう」と思ったわけですが、でもこの時代のベースと比べると、めっちゃ動くのです。つまり、ジミー・ブラントンでジャズベースの歴史が変わったという事なんでしょうね(^^)。そして、エリントンのオリジナル・ナンバーの多さにもビックリ。例えばCD1でいうと、22曲中エリントンが書いてない曲は5曲だけ。この時代、ビッグバンドってショーバンドなので、わざわざ自分で曲を書かずに、人気ある曲をアレンジして演奏するのが普通だったんです。そういう時代に作編曲にこだわった点は、ジャズのバンドマスターにしてはアーティスト性が強かったといえるのかも。

 今、この音楽を単に音の楽しみとして楽しむなら、楽天的で気分をリラックスさせてくれる古き良きアメリカ音楽として聴けば、いちばん楽しめるんじゃないかと。僕は、このCDをあんまり真剣に聴かず、BGMで流すのが最適と思っております(^^)。そして、時代背景やそのほかの文化や同時代音楽と比較して聴けるぐらいまで色んなものを経験できた後で聴くと、色んなものが見えてくるかも。若いときには自分の未熟さゆえに理解できませんでしたが、今はすごく良い音楽だと思えます。一度はまると抜け出せなくなる魅力を感じる音楽でした(^^)。


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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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