
この人も平成の歌姫になるのかな?UA(ウーア)さんです。これは
MISIAさんのデビュー作と同じ1998年(平成10年)発表のセカンドアルバム。倖田來未さんや
小柳ゆきさんやMISIAさんがどこか担がれた神輿っぽく感じたのに、この人はどこかアーティスティックでした。作曲やアレンジが素晴らしいんですが、そこは本人じゃないんです。それなのにアーティストを感じるって、何だったのでしょうね。歌詞とヴォーカルが本人で、それがとても個性的だったからかも。ジャケットの顔なんて怖いし(^^;)。
クラブにジャズやにワールド・ミュージック、それに日本のポップスをシェイクしたようなアレンジのセンスがメッチャ良かったです!若いはずなのに、世界観がシックで大人。これはカッコよかったなあ。こんなところも、歌がうまい歌姫というイメージより、トータルでいいものを仕上げてくるアーティスト的に感じた原因だったかも。90年代後半のJポップの女性ヴォーカルものの売れたアルバムでは、このアルバムがいちばん完成度が高いかも知れません。
90年代後半は、洋楽も邦楽もポップスのアレンジセンスがめっちゃくちゃ素晴らしかったと思います。80年代だって70年代だって良いものはいっぱいあったけど、その上を粗製乱造のアイドル歌謡がおおい尽くしてたもんで、良いものが見えづらかったと思うんですよね。アイドル歌謡の作曲や演奏が、ザックリとメロコード譜を書いて、ヘッドアレンジでスタジオ入って、スタジオミュージシャンに半分アドリブで演奏してもらって、そうするとプロの演奏ではあるけど常套句しか出てこなくて、音なんてみんな同じで…みたいな感じだったのが、MISIAさんやUAさんとなると、作家が丁寧に仕上げてくる、みたいな。これは
サンプラーの進化で、作曲家が家でオケ・トラックまで作る事が出来るようになったのが大きかったのかも。
ところがJポップのこの幸せな時代は数年で終焉。またしても粗製乱造なa○○xやら○室哲〇の波が来てしまって、さらにジャ○○ズやらA○○4〇みたいな広告宣伝会社を押えた人だけがチャートを覆い尽くす事で完全に子供だましの世界になってしまい、普通に生きているとJポップでまともな音楽が耳に届かなくなってしまったのでした(T-T)。そりゃ、子ども以外は日本の流行歌を聴かなくなるのが当たり前だわな。。ああ、MISIAさんやUAさん、それに
ICEさんあたりが来た時に、日本の軽音楽はもっといい方向に行く可能性が開けていたように見えたんだけどなあ。そうならなかったのは、日本は音楽産業よりも芸能産業界が強い事と、聴く人たちもその多くがそこまでレベルの高い音楽なんて求めてない事の両方がなかなか強力なんでしょうね。求める人はJポップに求めるんじゃなくって、最初からもっと深い事をやってる他の音楽を聴き始めてしまう、みたいな。
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